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川の近くに貼ってあるテントの写真

テントが加水分解するとどうなる?原因と修理方法を解説!

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キャンプでテントを長く使っていると、ベタつきを感じるときがもあるかもしれません。それは、テントが加水分解で劣化して起こっている可能性があります。本記事では、テントが加水分解する原因から修復方法を紹介します。ぜひ参考に、ケアを行ってください。

そもそも、テントの加水分解とは?

海辺のサイトに設営されたテント

出典:PIXTA

そもそも「加水分解」という言葉に聞き慣れない人も多いかもしれません。加水分解とは、化学物質と水が反応して分解を起こしてしまう現象のこと。英語では「hydrolysis」と言います。加水分解すると粘着性をともなった状態で溶け出し、ベタついた肌触りに…! 靴に起こりやすい現象ですが、テントも加水分解を引き起こしやすいアイテムの一つです。これは、安価な無名ブランドのテントだけでなく、たとえColeman(コールマン)やSnow Peak(スノーピーク)といった有名ブランドのテントにも起こりうる症状です。 「購入から何年くらい経つと起こるの?」と言う疑問を持つ方もいると思いますが、加水分解は、何年経ったから始まる、というものではなく、使用方法や保管方法に寄る部分が大きいです。 加水分解するとテントの防水性が劣化してしまい、場合によっては異臭を放ってしまうことも少なくありません。テントが加水分解するとき、いったいどのような原因が考えられるのでしょうか。

防水加工の劣化

テントが雨水を弾いている様子

出典:PIXTA

まず、挙げられるのが、使用年数の経過による劣化です。防水性を施しているポリウレタンコーティングが劣化することで、テントがベタついたり臭いが生じてしまいます。

水分に多く触れることによる劣化

テントに雨水が当たっている様子

出典:PIXTA

なんと水に触れることで、加水分解を進めてしまうこともあります。ポリウレタンコーティングは、とくに塩素に弱い傾向です。そのため、キャンプ後によく水道水で洗っているような場合、それだけ劣化現象を早めてしまう可能性も考えられます。 テントは、主に上記の2つの原因によって加水分解が起こります。しかし、キャンプをしていると雨や霧など、さまざまな気候に遭遇することも多い傾向です。そのため、完璧に加水分解を防ぐことは、基本的に難しいと考えておきましょう。

テントが加水分解したときのおすすめ対応法を紹介

「事前対策」と「加水分解後の対策」の2つに分けて考える!

加水分解にどう対処していくべきなのか気になるところですが、「事前対策」と、「加水分解後の対策」の2つに分けて考える必要があります。まずは事前対策を徹底することが重要で、加水分解が一度始まるとその進行は止められません。しかし万が一加水分解が起こってしまっても、正しい対処をすることで進行を遅らせたりベタつきのない以前の状態に復活できることもあります。「事前対策」と「加水分解後の対策」の2つに分けて、対応法を解説していきます。

①テントが加水分解した際の事前対策

収納するときにしっかりと乾かしておく

テントを拭く男性
加水分解を予防する方法としておすすめです。キャンプをしたあとにテントを濡れた状態で収納すると、加水分解を加速させてしまう恐れも。テントを収納する前は、キャンプ場でしっかりと乾かしてから片付けましょう

高温にならない場所で保管する

収納するときだけでなく、保管するときにもしっかりと注意しておきたいところ。ポリウレタンコーティングは熱にも弱いので、高温になりやすいところで保管すると、それだけ加水分解も進行しやすいです。 テントを使わないときは、日光になるべく当たらない場所に保管するようにしてください。ちなみに湿気が気になるときは、乾燥剤を一緒に置いておくのもおすすめです。

②テント加水分解後の対策

防水剤「超絶撥水1番」を塗る

重曹を活用する

薬剤以外に、重曹を活用してベタつきを取り除く方法もあります。ベタつきは確かになくなりやすいですが、防水加工も同時に落としてしまうこともあるので気をつけておきましょう。

ニベアやワセリンを塗る

クリーム

出典:PIXTA

専用の薬剤や重曹も今はないよ…という場合は、ニベアやワセリンを塗るという方法も。プラスチック製品の加水分解などでもよく使われている手法です。ニベアやワセリンは、ハンドクリームとしてポーチに常備している方も多いので手軽ですよね。

加水分解のベタつきはクリーニングで取れる?

テントを乾かす様子
加水分解によるベタつきはクリーニングで取れるのでしょうか?結論からいうと、残念ながら取れません。理由は、テントの劣化が原因でベタついており、クリーニングしてもどうすることもできないからです。

加水分解の防止対策!加水分解しないテントを選ぶのもアリ

上記のような予防策を講じても、加水分解が避けられずベタついてしまうこともあるでしょう。劣化による加水分解の心配をしたくないときは、加水分解をしないテントを探してみるのもおすすめ。ここでは、加水分解しにくいテントについて解説します。

「コットンテント」を使用する

1つ目は、天然素材であるコットンを使用したテント。コットンは水分を含んだとき膨張する性質を持っています。膨張することで生地の密度が上がり、防水性を発揮しやすくなるのでおすすめ。 コットン系のテントの中には一風変わった形やデザインの商品もあるので、おしゃれなテントがほしい人にもぴったり。ちなみに加水分解はしませんが、カビが生えやすくなるので気をつける必要があります。

「ビルバーグ」のテントを使用する

キャンプ場に設置されたたくさんのテント
コットン系のほかに、スウェーデンのメーカー「ビルバーグ」のテントを購入するのもおすすめです。ビルバーグのテントの特徴は、ケルロンという素材を使用していること。ケルロンは、素材そのものに防水性があり、ポリウレタンコーティングと比較して引裂強度が高いのが特徴です。 コスト面は高くなりやすいですが、一度購入すれば長持ちしやすいので、コスパを求めている人にぴったりです。おすすめのヒルバーグテントを一部紹介します。

テントの加水分解を対策しよう!

キャンプ場に設置された様々なテント
キャンプでテントを使うとき、加水分解は基本的に避けられません。しかし、収納するときにしっかり乾かしたり、保管するときに高温にならないよう注意したりするだけで、加水分解の進行を遅らせることにつながります。加水分解がどうしても気になる人は、加水分解しないようなテントを購入するのもいいでしょう。加水分解に気をつけて、テントをより長持ちさせてみてくださいね。


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