【今日のキャンプ用語辞典】今さら聞けない「ウッドストーブ」とは?
ウッドストーブおすすめ20選&100均のアレや空き缶で自作してみた
2023.03.27キャンプ用品
アウトドア用のウッドストーブといえば、木の枝やまつぼっくりなどを燃やすことで出る自然のガスを利用して暖を取る小型のストーブ。携行性や収納性が高く、調理もできるすぐれものです。この記事ではそんなウッドストーブの仕組みや魅力を徹底解説!おすすめアイテムの紹介はもちろん、身近にあるものでウッドストーブを自作する方法もお伝えします!
もくじ
ウッドストーブとは?
ウッドストーブとは、ガスやオイルなどの燃料を必要とせず、落ちている木の枝や松ぼっくりなどを使って火を起こすことができる小型のストーブ。少しの燃料でも強い火力を発揮し、小さな焚き火としても調理用の熱源としても使うことができる便利なアイテムです。
ウッドストーブの仕組み
ウッドストーブの強い火力の秘密は二次燃焼によるもの。二次燃焼とは、燃え切らずに煙となった未燃焼ガスが上昇する過程で、再度その煙を燃焼させること。これにより、少ない燃料で大きな火力を引き出すことが可能なのです。
ウッドストーブの魅力
ウッドストーブの一番の魅力といえば、燃料を現地調達できること。荷物を少なくしたいソロキャンプなどで便利です。
また、二次燃焼は未燃焼ガスを再度燃やすため煙が少なく燃焼効率が高いのが特徴。焚き火の匂いが少なく、燃え残りも少ないため片付けが簡単なのもうれしいポイントです。
ウッドストーブの選び方
円柱型と箱型の2種類
ウッドストーブはおもに円形型と箱型の2種類が流通しています。それぞれの形状、特徴はこちら。
円柱型 | 箱型 | |
![]() | ![]() | |
おもな特徴 | 二重構造のものが多く、燃焼効率が高い | 折りたたみできて携行性が高い |
また、円柱型は熱によって変形しにくい点や、五徳がついていて調理しやすい点もメリットと言えます。一方箱型は薪をくべる口が大きいことが多く、小枝だけでなく太い薪を使うことで火力を上げられるのも特徴です。
ステンレスとチタンの違い
流通しているウッドストーブのほとんどがステンレス製またはチタン製。どちらも丈夫でサビに強いため、さまざまなレジャーシーンで活躍する素材です。
チタンは比較的高価ではあるものの軽量で携行性が高いのがポイント。一方ステンレスは重さがあるもののリーズナブルに入手できるところが特徴です。用途や移動手段などによって選んでみてください。
大きさはどう選ぶ?
ウッドストーブは直径10cm以下の小さなものから直径40cm以上ある大型のものまで流通しており、直径10〜20cm程度のものが主流です。大きさの目安はこちら。
ソロ:直径15cm以下
2〜3人:直径15〜30cm程度
4〜5人:直径30cm以上
火力が強いウッドストーブではありますが、グループで人数分の湯沸かしや調理をするためにはやはり大きめのサイズが必要になります。人数に合った大きさを選ぶようにしましょう。
使える燃料をチェック
ウッドストーブは、枝や木の葉などの燃料以外にも、固形燃料を使える場合があります。逆に固形燃料用のストーブとされていても、枝などを燃やすのに使える場合もあるので、どの燃料が使えるのかはチェックしておきましょう。
【サイズ別】おすすめウッドストーブ20選
【ソロ】直径約15cm以下のウッドストーブ
【2〜3人】直径15〜30cm程度のウッドストーブ
【4〜5人】直径30cm以上のウッドストーブ
ペレットや固形燃料を使ってみよう
木の枝や松ぼっくりを現地調達できるか心配…という場合や最初の焚き付けのために、ペレットや固形燃料を持参しておいてもよいでしょう。スムーズに着火でき、火力も安定・持続するので安心です。
ペレット
ペレットとは、乾燥した木材を細粉し、長さ5mmほどの円柱状に圧縮形成したもの。製材の過程で発生する木屑や間伐材から作られているので環境にもやさしい燃料です。
乾燥した木材を使用しているので着火しやすく、軽くて携行性にも優れているのがポイント。木の香りが楽しめるのも特徴のひとつです。燃料だけでなくペットの小屋に敷く用途でも使用されており、筆者はハムスターの敷物とキャンプでの燃料を兼用しています。
固形燃料を使って着火
飲食店などでもときどき見かける固形燃料は、メタノールというアルコールの一種を脂肪酸やアルカリ成分で固めたもの。100円ショップなどでも手軽に入手できるのがポイントです。
あっという間に着火し15分〜20分程度安定した火力で燃え続けるので、少量の湯沸かしなども可能です。
空き缶でウッドストーブ自作に挑戦!
さて、ウッドストーブは身近なもので自作できるということを知っていましたか?まずはスーパーでよく見かける2種類の缶詰を使ってウッドストーブを作ってみました!
デルモンテのホールトマトといなばのコーン缶がシンデレラフィット!
この2種類の空き缶を使用します。中をよく洗って、紙のラベルをはがしましょう。
大きい缶の下部に穴を開ける
大きい方の缶の下部に、まずは缶切りで穴をあけていきます。酸素を多く取り入れるためにできるだけ多く穴を開けたいので、間隔を狭めにとるのがポイント。
缶切りで開けた穴を、キリやドライバーで広げます。この一手間で流入する酸素の量が変わってくるのでしっかり穴を広げましょう。
小さい缶の上部と底に穴を開ける
小さい方の缶の上部と底にも同じように缶切りとキリで穴をあけます。
重ねて完成!いざ着火!
すっぽりと重なり、内部にちょうどよい空間ができるので酸素の通り道も確保。まさにシンデレラフィットです!
落ち葉と小枝を入れて着火したところ、無事小さい缶の穴から二次燃焼の炎が上がりました!
調理できるほどの火力にはなりませんでしたが、薪をくべる限りしっかり燃え続けていたので、非常時に暖を取る用途として作り方を覚えておいてもよいかもしれません。
ダイソーグッズでもウッドストーブが自作できた!
カトラリーラックとオイルポットがシンデレラフィット!
ダイソーのこちらの2商品を使って簡単にウッドストーブを作ることができます。まずは紙のラベルをはがします。
オイルポットの下部に穴を開ける
さきほどの空き缶と同じ要領で、オイルポットの下部に穴を開けます。缶切りで簡単に穴を開けることができますよ。
写真左のオイルポットの蓋と油濾しは今回使用しませんが、手を加えればスタンドや五徳などのアイテムに変身するかも…?DIYが得意な人はアレンジにもチャレンジしてみてください!
重ねて完成!いざ着火!
カトラリーラックに関してはまったく手を加えることなくオイルポットに重ねるだけで完成!オイルポットの下部に開けた穴がストッパーになり、ほどよい空間ができるので酸素の通り道もしっかり確保できています。
着火すると、カトラリーラックの穴から二次燃焼の炎がしっかり確認できました。空き缶よりも「ウッドストーブらしい」たたずまいを見せ、中の燃料も灰になるまでよく燃えました。
五徳がないので上に調理器具を載せると薪をくべることができず、調理に使うには工夫が必要。アイデアとアレンジ次第で自分にぴったりのアイテムになりそうです。
左:手のひらサイズの空き缶ストーブ
中:ダイソーアイテムのオイルポットストーブ
右:ソロストーブタイタン
3つのストーブを比較しましたが、右のソロストーブタイタンは炎の大きさや着火のスムーズさがやはり本家、といったところ。しかし自作ストーブたちも負けじと二次燃焼の炎を上げて、しっかりと燃料を燃やし尽くしました。
ウッドストーブを自作するときの注意点
さて、ウッドストーブは身近なアイテムで自作することができますが、自作の工程や取扱いに関しては注意点も。
清潔な材料を使う
食料品の空き缶などを使う場合は、中に汚れや油分、水分が残っていると思いがけず燃料が爆ぜる可能性があり危険です。清潔な状態で空き缶を使うようにしましょう。
金属を扱うので怪我に注意する
缶切りでの穴あけや穴を拡張する作業などでは怪我をしないよう注意しましょう。
ステンレス素材を使いたい場合一般家庭で加工するのは難しいので、今回使用したカトラリーラックのようにすでに穴があいているなど加工が必要ないものを選ぶのもポイントです。
二次燃焼がうまくいかない場合がある
市販のストーブと違い、自作のウッドストーブは穴の位置や通気の状況によって二次燃焼がうまくいかない場合もおおいにあります。燃料が灰になるまで燃え切らなかったり煙が多かったりすることもありますが、うまくいかないのもDIYの醍醐味。試行錯誤を楽しみましょう!
ウッドストーブでもっとキャンプを楽しく!
焚き火のワクワク感と、バーナーの手軽さを持ち合わせたウッドストーブ。暖を取るだけでなく調理もできて、燃料も現地調達が可能という、非常に魅力的なアイテムです。
お気に入りのウッドストーブを購入するもよし、自作で試行錯誤するもよし。キャンプのおともにぜひウッドストーブを連れて行ってみてくださいね!