暑い夏の車中泊を快適にする方法は?おすすめアイテムも紹介!
夜間も気温が下がらず、車内の温度が高くなる夏の車中泊。何かしらの暑さ対策をしないと、脱水症や熱中症など健康上の危険もあります。この記事では、暑い夏の車中泊を快適に過ごす方法やアイテムを紹介します。安全な車中泊のために、ぜひ記事をチェックしてください。
夏の車中泊の危険性
夏に車中泊をする場合、暑さ対策は必須です。夏の車内は外気温より温度が高くなってしまうことが多く、夜間の外気温も意外と高いため、夜間になっても車内の温度が下がり切らない場合も少なくありません。対策なしで車中泊をしてしまうと、脱水症や熱中症などの危険を伴い、最悪命にも関わります。
また車中泊中にカーエアコンを使おうと、窓を閉めてエンジンをかけっぱなしにするのもNG。車内に排気ガスが溜まり、一酸化炭素中毒になる恐れがあります。絶対にやめましょう。
夏の車中泊では必須!4つの暑さ対策
夏の車中泊では、以下の4つの「暑さ対策」が有効です。1〜2つを取り入れるだけではなく、できるだけ全ての対策を取り入れることで、快適な車中泊が実現します。
1
早めに到着してエンジンを切っておく
2
日陰に車を停める
3
標高の高い場所で車中泊をする
4
対策グッズを取り入れる
早めに到着してエンジンを切っておく
長時間ドライブをしていると、エンジンルームに熱気が溜まり高温になります。特にワゴン車や軽バンなど運転席や助手席の下にエンジンがある車は、エンジンルームの熱気がそのまま車内温度に影響し、エンジンが冷え切るまで車内も暑い状態が続きます。
エンジンの熱の影響を軽減するためにも、車中泊の際にはできるだけ早めに目的地に到着し、寝る数時間前にはエンジンを切っておくことが大切です。また到着後は窓やドアを全開にし、扇風機を使うなどして車内の熱気を屋外に放出し、空気を入れ替えておきましょう。
夕方や夜間出発の場合も同様に、車内で眠る1時間前には車中泊スポットに到着してエンジンを止め、車内の空気を入れ替えて車内温度を下げておくのがおすすめです。
日陰に車を停める
夏の炎天下に駐車をすると、サンシェードをしても車内の温度はグングン上がります。車は基本的に鉄でできているため、鉄が熱を吸収して車両自体がとても高温になるためです。
一度熱くなってしまった車の温度は、特に夏場に関しては夜間まで放置しても下がり切ることはありません。
大切なのは、できるだけ車両の温度を上げないよう常に意識すること。そのためには夏の強い日差しを避け、日陰や木陰に駐停車するようにしてください。
標高の高い場所で車中泊をする
「100m標高が上がると、気温は0.6℃下がる」と言われています。そのため夏は山や湖畔など、標高の高い場所で車中泊をするのがおすすめです。
筆者も、夏は八ヶ岳や富士五湖周辺など、標高の高い場所にある車中泊スポットやキャンプ場で車中泊をしています。平地と比べて気温が低いだけでなく、朝晩はかなり涼しくなるので、快適に眠ることができますよ。
可能であれば、少し長めに休暇を取り、フェリーで北海道を目指すのもおすすめです。近年、北海道も場所によっては真夏の日中の気温が40℃近くまであがることも出てきましたが、朝晩はぐっと気温が下がります。本州以南よりは車中泊がしやすい環境と言えるでしょう。
対策グッズを取り入れる
上記3つの対策をしても暑くて眠れないときは、車中泊に最適な暑さ対策グッズを取り入れてみましょう。この2〜3年で車中泊を楽しむ人が増えたことから、さまざまな対策グッズが発売されています。価格も安価なものから数十万円するものまであるため、予算に合わせてチョイスするのがおすすめです。
対策グッズを取り入れる際は、「ドアや窓を少し開けて、網戸をつけ、扇風機を回す」など、複数のグッズを同時に取り入れることがとても大切。そうすることで、効果を最大限までアップすることができます。
夏の車中泊を快適にする!おすすめグッズ
夏の車中泊におすすめのグッズを、比較的取り入れるためのハードルが低めで手軽に試せるものから順番に紹介します。
現在多くのメーカーが、夏の車中泊にぴったりなグッズを多数販売しています。ご自身の車中泊スタイルや予算、その日の天気や気温、旅の期間に合わせて、最適なものを選んでみてください。
ドアの隙間をあけておくグッズ
カーテン・シェード
扇風機
ベッドパッド・冷感マット
ポータブル冷蔵庫(クーラーボックス)
ポータブル電源
ポータブルエアコン
ドアの隙間をあけておくグッズ
前方の窓やバック&サイドのドアを少し開けておくだけで、車内に風が通り涼しく過ごすことができます。「ドアを完全に解放せず、少しだけ開けておきたい」というときに便利なのが、車専用のドアストッパー。
本来は、板金作業時や部品交換時にドアやリアゲートを少しひらいた状態で固定する専用工具ですが、車中泊時に使用すれば、ドアを少し開けた状態で固定できます。
バックドアなどのストッパーで開けたら、プラスして前方の窓を1cmほど開けておくことで、車内で涼しく眠ることができます。
網戸・防虫ネット
車内を涼しくするためには、窓やドアを開けて風通しをよくするのが1番です。しかし、完全に窓・ドアを解放しておくと、外からの視線が気になったり、虫が車内に入り込んでしまいます。
外部からの視線や虫の侵入対策として有効なのが、車両の窓やバックドアに「網戸(防虫ネットやウィンドーバグネット)」をつけること。網戸をバッグドアと左右の窓に取り付けてドア・窓を開け、さらに扇風機をプラスすることで、車内に風がよく通り真夏でも涼しく過ごせます。
充電式扇風機
「ポータブル電源がないと使えない」と思われがちな扇風機。充電式の商品なら、自宅で充電して持参することでポータブル電源なしで使用できます。
選ぶ際のポイントは、充電可能な電池容量。大容量であれば、1〜2泊のキャンプ&車中泊で問題なく使えます。最低でも10000mAh(ミリ・アンペア・アワー)、可能なら20000mAhほどあると安心です。
ベッドパッド・冷感マット
車中泊で使用するベッドパッドや冷感マットを選ぶ場合、ポイントは最大熱吸収速度「Q-Max値」です。Q-Max値の数値が大きいほど、肌に触れた時にひんやりと冷たく感じるため、強めのひんやり感がほしい人は、この数値が大きいものを選びましょう。最近では0.5を超える商品も、かなり増えてきています。
ただしQ-Max値の数値が大きくても、ジェルタイプのものには注意してください。日中気温の高い車内に置いておくことで、中のジェルが高温になってしまうことがあるためです。車中泊には、ジェルタイプ以外のベッドパッドを選ぶようにしましょう。
ポータブル冷蔵庫
冷たいドリンクや食材の保管には、ポータブル冷蔵庫が最適。おすすめは、ポータブル電源無しでも使用できるバッテリー内蔵タイプです。
専用バッテリーを使うことで、1泊2日程度なら問題なく使用可能。長期の場合は、追加で充電済みバッテリーを持参すればOKです。
ポータブル電源
車中泊の必須アイテムとなりつつある「ポータブル電源」。車中泊の際に、1つは用意しておきたいところです。
初めてポータブル電源を購入するなら、高価な大容量&高出力タイプよりも、持ち運びも容易な5万円程度で購入できる小型タイプがおすすめです。容量が250〜300Wh&定格出力600Wほどあれば、パソコンやスマートフォンの充電はもちろん、扇風機や車載冷蔵庫も使用できます。
ポータブル電源が1つあれば、災害・停電時など非常時の使用も可能です。ポータブル電源はセールになっていることが多く、セールに合わせれば1〜2割ほど安く購入することができますよ。
ポータブルエアコン
車中泊時にはエンジンは切るのがマナー。とはいえ、エンジンを切ればカーエアコンもオフになってしまうため、「暑すぎて車中泊なんて無理…」となりがちです。
そんなときにおすすめなのが「ポータブルエアコン(クーラー)」。ダクトなどを使い、排気を窓やドアから車外に出す必要はありますが、その点を考慮してもエンジンを切った車内で涼しく過ごせるというのは画期的です。
ネックは価格ですが、モデルチェンジ前の製品は15万円前後と意外とリーズナブル。軽バンなどの小型車両には、本体が小さめ&安価なタイプでも十分な高価を発揮してくれます。
車中泊をする際の防犯対策について
キャンプに比べて車中泊が安全と言われる理由は、車両のドア施錠が可能な点にあります。ドアが施錠されていれば他者がいきなり車内に入ってくるということがなく、車内の荷物が盗まれる心配もないため安心です。
しかし施錠していても、お風呂やトイレなどで車から離れた際にドアを開錠され、貴重品を盗まれる可能性もあります。車から離れる際には貴重品をできるだけ持ち出すようにし、非常時すぐにSOSが出せるようスマートフォンを常に持ち歩くようにしてください。
いろいろと対策をしていても、完全に安心というわけではありません。何か異常を感じたら、すぐに車両ごと移動してしまいましょう。深夜でもすぐ発進できるよう明るい時間帯に車両周りや道路を確認しておき、睡眠時も手に届く位置に車のキーを置いておくようにするのがおすすめです。
車中泊のマナーについて
テレビやネットでもたびたび問題となる車中泊のマナー。よく問題となるのは、道の駅やサービスエリアなど、車中泊スポットではない場所での行為です。
車外(駐車場内)にテーブルや椅子を出したり、車外で調理をしたり、トイレで食器を洗ったり衣類を手洗いするなど、これらは全てマナー違反です。屋外での飲食や調理、洗い物などをしたい場合は、設備の整ったキャンプ場や車中泊スポットなどを利用してください。
また車中泊中に出たゴミも、基本的には家に持ち帰るのがルール。ゴミを回収して欲しい場合には、対応しているキャンプ場や車中泊スポットの利用を検討しましょう。
車中泊時のアイドリング(エンジンのかけっぱなし)もマナー違反です。暑すぎる・寒すぎる・体調不良など、緊急時の使用は仕方ないものの、通常時は一晩中エンジンをかけたままにする行為はNG。繰り返しにはなりますが、一酸化炭素中毒や熱中症の危険もあるため絶対にやめてください。
夏の車中泊を安全&快適に!
夏の車中泊はしっかりと準備をすることで危険を回避し、安全&快適に過ごすことができます。しかし、特に車中泊慣れしていない場合は、対策をしても「暑くて眠れない」ということも当然あるでしょう。
温暖化の影響で夏の気温も上がり続け、熱帯夜も増えています。どうしても暑いという場合は、体調を崩す前に無理せずサービスエリアやホテルなどに滞在してくださいね。