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バトニングにおすすめのナイフや、使い方のコツ、注意点を紹介!安全に薪を割ろう
焚き火やブッシュクラフトをするときは、薪を割ることから始めます。薪割りというと斧や鉈で薪を割ることを想像しますが、最近ではナイフを使って薪を割る方法が人気になっています。中には、バトニングという言葉を初めて聞く方もいると思います。今回はバトニングのコツや注意点、ナイフの選び方といった始める前に身につけるべき基礎的な知識を紹介します。
日本ブッシュクラフト協会、Japan Bushcraft School認定 ブッシュクラフトインストラクター®
日本ブッシュクラフト協会理事、 Japan Bushcraft School認定 ブッシュクラフトインストラクター® 、Tree Climbing Japanファシリテーターなどの資格を有し、野外でのアクティビティで10数年来継続して活発に活動中。前職では川崎市の青少年活動センター職員として野外活動の指導を行い、青少年に限らず保護者やその指導者である保育資格者へ向けて火おこしをはじめ、ナイフワークやロープワークの講習や指導行い、2021年から日本ブッシュクラフト協会の理事に参画、ブッシュクラフト普及に力を注いでいる。公式HP
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バトニングとは
バトニングとは、ナイフを使って太い薪を細く割る技術。焚き火やブッシュクラフトに欠かせません。
リレーで使われるバトンのような棒でナイフをたたく動作が由来で、名前の通り、薪にナイフを当てて、棒で叩くことで太い薪を細くします。薪はすべて斧や鉈で割れるとは限りません。バトニングは、斧や鉈では割ることが難しいような細い薪を割るときに使えます。キャンプ中、薪をなるべく安全に扱うことができるおすすめな技術です。
斧や鉈の代用として使える
太い薪だと手で押さることなく安定して割れる、斧や鉈。いざという時に忘れてしまったら、ナイフで薪を割るスタイルを使えます。斧や鉈は細い薪だと安定しにくく、割りにくいもの。それに比べ、ナイフは手で押さえて作業するため、薪を細く安全に割りやすいです。
バトニングのコツ
垂直にナイフをふり下ろす
薪の木目を観察し、なるべく木目に逆らわないよう、垂直に立てた薪に水平にしたナイフをあてましょう。刃先ではなく、持ち手近くの刃からしっかり木を当て、地面と平行にあてるのがポイントです。ナイフを身体と平行になるようにすると、自然な力で薪を割れます。刃を斜めにすると、力が加わりにくいのでナイフは気をつけて使いましょう。
力が逃げないように固定する
土の上で薪を立てると、薪が割れにくくなります。また、不安定な場所で作業すると、怪我につながる危険があります。平らな石や切り株の上といった薪を安定して立たせられる場所で、台を固定して作業しましょう。ナイフに力が入りやすくなり、上手く薪を割ることができます。
バトニングに適したナイフの選び方
ナイフの種類
ナイフには大きく分けて「フォールディングナイフ」と「シースナイフ」の2種類があり、次のような特徴があります。
- フォールディングナイフ(刃を折りたたんで本体に収納できるタイプ)
- シースナイフ(刃を折りたたまず、ケースに収納するタイプ)
バトニングに使用するナイフは、シースナイフがおすすめです。折りたたむタイプだと、薪を割るときに力が入り、刃と持ち手の連結部分が取れてしまう可能性があります。
シースナイフは折りたたむタイプではないため、耐久性において優れています。
刃の素材
おすすめは、カーボン鋼とステンレスです。サビに強いため、木々の使用以外に水辺での使用にも適しています。メンテナンスの頻度が少なく、キャンプ初心者が買いやすい素材です。特に、カーボン素材は切れ味に優れていますがサビやすいため、こまめにメンテナンスが必要になります。
刃の厚さ
刃が薄いと折れたり曲がってしまう可能性があります。また刃が薄いと、薪を左右に押し広げる力が働かないため、薪割りに時間がかかります。刃の厚さは、平均で2mm程度です。刃の厚いナイフを買うときは2.5mm以上をおすすめします。
刃の長さ
バトニングをするためには、刃にある程度の長さが必要になります。理由はバトニングをするときに、薪からとび出た刃の先端部分を棒で叩いて薪を割るためです。刃の長さが10cmあると、余裕をもって薪を割ることができるためおすすめです。刃が長すぎるナイフを使うと、ナイフに力が入りにくくなるため気をつけましょう。
バトニングに適したナイフおすすめ10選
バトニングの注意点
節がある薪は避ける
薪の節は周辺の木目が変形していてとても硬く、ナイフの刃を傷めてしまう可能性があります。なるべく節がないきれいな薪を探して薪割りをしましょう。
グローブは必ず着用する
薪を扱うと、ナイフで割ったときでてくる木のささくれが手に刺さり、怪我をする恐れがあるためグローブは必ず着用しましょう。滑り止め付きのグローブは、素手で扱うよりもナイフに力が入りやすく、薪を割りやすくなります。
また、安定して薪を割りたい場合は、ナイフを持つ手はグローブを付けないものおすすめです。素手で扱う方が力を入れやすくなります。
ナイフの破損
バトニングをするときに、ナイフが破損してしまうことがあります。本来ナイフは、切るための道具です。薪割りに使うと大きな負荷がかかってしまいます。刃が欠ける程度はまだ大丈夫ですが、折れた場合非常に危険です。ナイフの扱いには十分に気を付けましょう。
ナイフの破損は力の入れ過ぎが一番多い原因です。他にも、バトニングに適したナイフを使ってないことが原因の一つです。バトニングに適した丈夫なナイフであれば、破損するリスクを抑えることができます。
安全なナイフの使い方 !ナイフセーフティ(テクニカル編)
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バトニングに向いている薪の特徴
片手で掴める程度の太さに割られた薪
バトニングに向いている薪は、ナイフで割りやすい片手で掴めるサイズです。あまりに太い薪だと、ナイフに収まりきらないため、斧や鉈で割るほうがやりやすいと思います。バトニングは、斧や鉈で割れない薪を割る技術のため、ナイフに合う薪の大きさを考えて探しましょう。
スギやヒノキなどの針葉樹
木には大きく分けて「広葉樹」と「針葉樹」の2種類があり次のような特徴があります。
・広葉樹(密度が高く硬い)
・針葉樹(密度が低く軟らかく、着火しやすい)
バトニングは薪を着火しやすくするために行う技術で、
針葉樹は着火しやすいという特徴からバトニングに向いています。
バトニングを学んで、楽しく薪割りしてみよう!
バトニングはナイフがあれば薪を割れます。ナイフは斧や鉈のように大きな道具ではないため、持ち運びにも便利です。現在、多くのキャンパーが行っているおすすめの技術です。覚えておいて損はない技術なので、キャンプをする方は挑戦してみることをおすすめします。
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