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ナイフの安全な使い方!ナイフセーフティー(心がけ編)
2020.02.04ノウハウ
これまでキャンプに最適なナイフなどをご紹介してきましたが、お気に入りの1本は見つかりましたか?お気に入りのナイフは大変便利な道具ですが、その反面、大変危険な道具でもあります。そこで今回は、ナイフの安全な使い方のうち「心がけ編」として、ナイフを扱う時の心構えをご紹介します。
制作者
Harry The Dad
長いブランクを経て最近スローなブッシュクラフトにカムバックしました。
もろもろのストレスを森の木々に吸い取ってもらうためにアウトドアに出かけてます。
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もくじ
危険意識を持つ
ナイフを目の前にして、「なんだか怖い」と感じる方、それはとても正しい感覚です。ナイフは物を切るために必要不可欠な道具ですが、同時に間違った使い方をすれば人を傷つけ自分の怪我にも繋がりかねません。ですから危険な物を手にしているという感覚を常に持つことと、安全に扱う方法を身に付ける必要があるのです。
安全な使い方の大原則は、何よりナイフは道具であって、おもちゃでもおしゃれアイテムでもないという意識です。
危険ゾーンを知る
ブラッドサークル
ブラッドサークルとは、直訳すると血の円ですね。これはナイフを扱う人が腕を伸ばして、360度回った範囲のことを指します。この範囲には、他人は絶対に入ってはいけません。
ナイフを安全に扱っているつもりでも、何らかの理由で手が滑ることもあれば、ナイフを持った手を今までと違う方向に動かすこともあります。
これは他人を事故から守るために必要な意識ですが、この意識はナイフを扱っている人の責任で、どんなに仲の良い人でもナイフを扱っている時には、このブラッドサークルに入れないように注意してください。
特にお子さんがいる時は、この範囲に入ってはいけない事を良く教えてあげてください。それでも子供のことですから、無意識にこの範囲に飛び込んでくることがあります。なので、ナイフ作業は、ブラッドサークルが維持できるところまで移動して行うことをおすすめします。
振り上げて使う斧やマシェットなどは、このブラッドサークルを10mとしています。これは切った物が飛ぶことと、万が一斧が破損した時の被害を最小限にするためです。ですから薪割りなどをしている人には絶対近付かないようにしてください。
デストライアングル
直訳すると死の三角形です。キャンプではベンチやコットにまたがったり、木の切り株に座って作業をする事が良くあります。この時に開いた足の両膝と股間を結んだ線が作る範囲がデストライアングルです。内腿の皮膚に近い所には大動脈が通っています。もしこの大動脈を切断してしまうと、人は数分で死に至ります。ですから、この死の三角形内では絶対刃物を扱ってはいけません。
ブラッドサークルが他人を守る意識なのに対して、デストライアングルは自分を守るための意識です。ナイフ作業ではデストライアングルから常にナイフを遠ざけるようにしてください。
人に向けない
ナイフは決して人間に対して向けてはいけません。これは一部の使用法を除いて、自分に対しても同じです。ナイフの刃の先には人や体の一部があってはならないのです。
小学生の図工の時間で版画を切り出す時に、彫刻刀の先に手を置かないように教わったと思いますが、ナイフもそれと同じです。
常にシースに収める、畳む
ナイフの居場所は作業中に切る物に当たっているか、それ以外はシースの中にある物と思ってください。
つい作業の途中で手元に置くということがありがちですが、ちょっとした合間であっても必ずシースの中に収めるようにしましょう。これを怠って手に怪我をする人は大変多いのです。フォールディングナイフの場合は必ずブレードを畳んで収納してください。
ちょっと脇に置くということで、ナイフをキャンプ場所に置いてきてしまう人もいます。人気のないキャンプ場に高級なナイフが落ちているのをときどき見かけます。
またこのナイフの放置は野生動物にとっても大変危険なばかりか、被害に遭った動物が人に対して仕返しをしたほどです。ブレードが上に向いた状態で放置されたナイフを熊が踏みつけ、そのナイフの臭いから持ち主の人間に攻撃を加える事件があったとのこと。
手元は常に明るくする
ナイフは明るい所で使いましょう。夕方になって薄暗くなったら、まだ回りが見えていても早めにヘッドライトなどを点灯させ、手元の作業ポイントを明るくしておくことが重要です。ランタンなどの灯りは作業によって刃の位置が影になり、見難い個所ができたりしますので、出来る限りヘッドライトの使用をおすすめします。
手元の明るさばかりでなく、夜になると女性の中には気温が下がり寒さを感じてくると、手が震えてくる人もいます。そうした場合にはできる限り、日が落ちてからの作業は止めた方が良いでしょう。
ナイフ作業は運転と同じ
ナイフを扱う時には「だろう作業」より「かもしれない作業」を心がけてください。これぐらい大丈夫だろうという慢心は必ず事故に繋がります。こうなるかもしれないという予測する気持ちが事故を未然に防ぐのです。
そしてお酒を飲んだらナイフは触らないようにしましょう。飲酒は手元が狂いやすくなるばかりか、万が一怪我をした時にアルコールの作用により出血が止まり難くなります。
人に注意を払う、「かもしれない作業」、早めのライト点灯、飲んだら作業をしない。運転をする方はきっと自動車教習場で聞いた覚えがあると思います。車もナイフも注意を怠れば事故に繋がり、便利な物が凶器に変わります。
ナイフの受け渡し
仲間や家族でキャンプをする場合、ナイフの貸し借りもすることがあります。この時にも怪我をするリスクが高まります。
ナイフのハンドルを相手に差し出すように渡す。これはもちろんですが、この時ナイフはシースに収めているか、フォールディングナイフの場合ブレードをしっかり畳んで収めた状態で手渡すようにしてください。
そして是非とも実行していただきたいのが声掛けです。「ナイフを貸して」というリクエストに対して、「はいどうぞ」と声に出して差し出し、「ありがとう」と言って受け取ります。これは、手渡す準備が整って安全に手渡せますよという意味と、確かに受け取りもう落しませんよという意味を込めています。言葉のチョイスは何でも構いませんが、確実にこの意味合いが分かるようにします。言葉にする恥かしさよりも、怪我をしない事の方が重要です。
適切な道具に変える
安全に切るテクニックを駆使しても、思うように切れない事もあります。これはナイフが切れない状態か、力が弱いかと考えがちですが、ナイフがその作業のための適切な道具ではない場合もあります。
この場合は一度作業を中止して、道具を変えることを考えてみてください。ナイフの切れ味の問題であれば、タッチアップのような砥ぎ直しをしてみましょう。そのために携帯型タッチアップシャープナーの携行をおすすめします。もしシャープナーが無い場合は、車の窓ガラスのエッジや、河原でできるだけ平らな部分がある石を探して代用することもできます。
【番外編】おすすめのタッチアップシャープナー
研ぎ直すためのタッチアップシャープナーを少し紹介します。
カットはゆっくり少しずつ
時々忍者が手裏剣を投げるがごとく、シュッシュッっと手早く木を削っている人がいますが、これは一番怪我をしやすい危険なアクションです。どんなに切れるナイフでも、使い手の腕力と切る物のサイズや硬さによって、一度に切れる量は限界があります。一流の砥ぎ師に砥いでもらった高級ナイフでも、腕の太さほどの木をスパッと切ることは不可能なのです。
切る物と自分の力加減を考慮して、一度に切ったり削ったりできる量を知りましょう。そして焦らず時間をかけて、ゆっくりと作業をすることで安全が確保され、結果としてそれが一番効率の良い作業となります。
フェザースティックチャレンジ
安全に確実にナイフを扱う練習にとても良いゲームがあります。
このフェザースティックチャレンジは、5回のストロークで1回も切り落とさずに5枚のウッドフェザーを削り出し、それにファイヤースティールを5回以内のストロークで着火できるかどうかを競うゲームです。
ファイヤースティールを少ない回数で着火させるには、フェザーができるだけ長く、薄ければ薄いほど有利です。でも長く薄いフェザーをスティックから切り落とさずに削り出すのはとても難しく、成功させるためには良く切れるナイフと慎重な作業が求められます。
失敗した人は水を汲みに行くとか薪を持って来るとかの作業をするとか、成功した人は最初に食事がとれるとか、罰ゲームや賞品を設定しても面白いですね。
経験豊かなブッシュクラフターでも腕を競うほどのこのゲーム、皆さんも挑戦してみてはいかがでしょうか。
本来の使い方を極める
ナイフは自分専用にカスタムメイドされた物を除いて、各メーカーはある程度の作業を想定してナイフを設計しています。ですからグラインドの形状を変えたり、極端に変った使い方にナイフが耐えられない場合があります。
特にスローイングナイフ以外でのナイフ投げは、メーカーの多くが「投げるようには作っていない」と注意書きを添えています。これはナイフ自体が投げる衝撃を想定していない場合と、投げたナイフが予想のつかない方向に跳ね返り、事故に繋がることがあるからです。ナイフは切る作業をするための道具ということを、もう一度確認しておいてください。
子供のナイフ
基本的に子供にはナイフを持たせない、触らせないというのが正解かもしれません。でもご家庭によっては子供にもナイフを使えるようになってもらいたい、という考えがあるかもしれません。
お子さんがナイフを持つためには銃刀法を含む徹底的な教育と、上記のような意識付けをしっかり行うことが大変重要です。さらに、「ナイフの安全な使い方(テクニカル編)」にある技術も併せて、お子さんが全てできるようになるまでは、保護者は必ず見守るようにし、絶対に目を離さないようにしてください。
また、ほとんどのナイフは子供の手のサイズには大き過ぎるはずで、適切な使用法ができません。お子さんに使わせるナイフは、サイズと使用目的が限られてきます。ですからナイフ選びから慎重に行う必要もありますね。子供のナイフ使用は保護者が全責任を負うことになりますので、確実な教育と見守りを行ってください。
まとめ
欧米ではEDC(Every Day Carry)として、多くの人が日常的にナイフを持ち歩いています。銃は持っていなくてもナイフは常に持っているという人も多いのです。ですからナイフセイフティの意識はとても高く、小学校でも授業でしっかり教えるほどです。
これに対して日本では戦後の銃刀法の施行により、日常的に刃物を持ち歩く習慣がありません。だからキャンプなどで、たまに扱うナイフに慣れていなくて当たり前です。ところがナイフに慣れていないにもかかわらず、安全な使い方を教えてくれるところはほとんど無いのが実情です。これも事故の大きな原因になっていると専門家は指摘しています。
ナイフはキャンプの必需品ですから、是非ナイフセイフティの技術を身に付けてください。安全に確実に作業のできる方が、アウトドアーを存分に楽しめる、格好の良いキャンパーです。
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