冬キャンプをナメると痛い目に。マミー型?封筒型?長く使える秋冬シュラフを選ぶポイントとは?
2022.06.30キャンプ用品
「とにかく防寒にこだわりたい」「キャンプでも布団のような寝心地を求めたい」。はたまた「起きている間はクッションとして活用したい!」など、人によってシュラフ(寝袋)選びのポイントはさまざま。これから寒くなる季節に向けて、冬用シュラフの購入を検討している人も多いはず。自分に合ったシュラフと、その選び方をあらためておさらいしてみましょう。おすすめのアイテムも紹介します!
制作者
吉田健二
紙媒体を中心とした編集業務を約5年。準備と片付けが苦手(というか嫌い)な、ゆるキャン派。「いろんな失敗もキャンプの楽しみのひとつやん♪」が口癖。
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冬キャンプの準備は万全ですか?
やってやりすぎることはない「寒さ対策」
出典:PIXTA
キャンプで最も重要なマストアイテムのひとつであるシュラフ。7月〜9月のハイシーズンは、標高の低いキャンプ場ではタオルケットだけでも十分なぐらい暖かく、シュラフの性能が強く気になるような環境ではありませんでした。
しかし、10月下旬以降は話が違います。灯油や薪ストーブの使用が一般的になってきましたが、安全のために就寝時は使わないのが原則。本格的に寒くなってからもキャンプを楽しみたいと考えている人は、手持ちのシュラフが本当に冬に耐えうるスペックなのか、あらためて見直しが必要です。
「真冬じゃないから…」という油断が命取りに
出典:PIXTA
気象庁によると11月の平均最低気温は、キャンプ場が多くある山梨県道志村で1.0度。同地域の平均最高気温は13.1度のため、1日の寒暖差が10度以上になる日もザラにあります。東北を除く本州でも、山間部や海のそばのキャンプ場では夜になると氷点下まで冷え込むことも。真冬でないからと油断して、「想像以上に寒くてなかなか眠れなかった」という事態に陥ってしまいがちです。
快適な睡眠時間を確保できないと、翌日まで疲れを持ち越してしまったり、体調を崩してしまったりと、楽しいはずのキャンプに後悔が残ってしまいます。本格的に寒くなる前に、秋冬のシュラフ選びのポイントについて、おさらいしてみましょう。
最低でも快適温度5度以下のシュラフをチョイス!
秋冬用のシュラフを選ぶ際、何よりも肝心なのがどの気温まで対応できるか。シュラフには、それぞれ「快適温度」「限界温度」などの気温表示があります 。表記は「快適使用温度」や「コンフォート」など商品によってばらつきがありますが、「快適温度」は寒さを感じることなく安心して寝られる気温のこと。「限界温度」は文字どおり、そのシュラフが効果をなす限界の気温です。限界温度を基準に選んでしまうと、寒くて寝られないどころか命の危険にさらされる可能性があるので、快適温度を目安にするのが鉄則です。
▲「T Comfort」が「快適温度」。上段の「T Limit」は、寒さに耐性のある人が丸まって寝られる温度を示す
高原など寒冷地での使用を考えている人は、予想以上の冷え込みが予想されます。寒さに弱い人は、快適温度が「使いたい気温より5度低い気温」に設定されているものを選んでおくと安心。快適温度はISO(国際用順規格)でテストされた精度の高いものと、そうでないものもあるので、不安な人はショップのスタッフに目的地や使用時期を伝え、相談しながら選ぶのが確実です。
頭まですっぽり覆うマミー型
足元に向けて細くなる形状をしているのがマミー型シュラフです。体に沿って密着するので体温を逃しにくく、保温性が高いのがポイント。比較的コンパクトに収納できます。冬でも本格的にキャンプを楽しんでいるキャンパーたちの定番となっているのが、こちらの形状です。
寝返りも楽々打てる封筒型
一方、端から端までの幅が同じで、長方形をしているのが封筒型です。シュラフ内部にゆとりがあるため、自宅の布団に近い感覚で寝られるのがメリット。シュラフの中で寝返りも打てるので、「寝袋は窮屈で眠りづらい…」という人におすすめです。頭からすっぽりと全身を覆うマミー型に比べ、肩部分のすき間からシュラフ内に冷気が入ってきやすいのが難点。
ここからは、マミー型と封筒型にわけて、おすすめのシュラフを紹介していきます。
▼シュラフ選びの細かなポイントについては、こちらの記事もチェック!
マミー型のおすすめシュラフ
【マミー型①】軽量でコンパクト!「モンベル ドライ シームレス ダウンハガー900 #2」
高品質な「900FP EXダウン」を中綿に使用したモデルです。通常、ダウン製品は、中綿が偏らないように縫い目で隔壁を作るのが一般的。しかし、この「シームレス ダウンハガー900」はダウンを仕切るための縫い目を廃し、ダウンのかさ高を最大限に生かす「スパイダーバッフルシステム」を採用。シュラフの内部により多くの空気を取り込めるため、抜群の保温力を誇ります。快適温度は0度で、冬季登はんや縦走など、積雪期の登山に幅広く対応。
【基本情報】
商品名:モンベル ドライ シームレス ダウンハガー900 #2
使用サイズ:FF(183cmまで対応)
収納サイズ:15×30cm
快適温度: 0度
重さ:656g
価格:43,890円(税込)
購入はこちら:エルブレスオンライン
【マミー型②】撥水性・耐久性に優れた「イスカ アルファライト 1000EX」
マイクロ繊維と中空ポリエステルを組み合わせた保温材「マイクロライト™」を中綿に採用したシュラフ。放熱のロス・冷気の侵入を最小限に抑える構造で、冬季の中級山岳や残雪期の3,000mクラスの登山に最適。
表地・裏地ともに、引き裂き強度に優れ、耐摩耗性を持つポリエステルを使用。結露や外部からの濡れを防ぐ撥水性も備えているので、長く愛用できます。
【基本情報】
商品名:イスカ アルファライト 1000EX
使用サイズ:211×84cm
収納サイズ:25.5×40cm
最低使用温度:-12度
重さ:1,720g
価格:20,350円(税込)
購入はこちら:エルブレスオンライン
封筒型のおすすめシュラフ
【封筒型①】収納時はクッションになる「ホールアース ラルゴ0」
ホールアースが展開する定番シュラフ「ラルゴ」シリーズのなかで、冬キャンプにおすすめしたいのが「ラルゴ0」。190×90cmの大きめサイズで、背が高めの成人男性でも広々使えます。同じラルゴシリーズのシュラフとなら、サイドのファスナーで連結して、ダブルサイズのシュラフに早変わり。親子で一緒に寝ればより暖かく過ごせます。
家庭用洗濯機で丸洗い可能なほか、デオドラントテープを足もとに使用しているため、ニオイ対策もばっちり。
付属の収納袋に入れると、クッションとして使用可能。どうしても収納時にかさばってしまうのが封筒型シュラフの難点ですが、このように持ち運びができればサイズ感もさほど気になりません。テント内では地べたに座る、お座敷スタイルのキャンプで特に重宝します。
【基本情報】
商品名:ホールアース ラルゴ0
使用サイズ:190×90cm
収納サイズ:55×53×26cm
快適温度:0℃
重さ:2,600g
価格:5,592円(税込)
【封筒型②】抗菌・防臭性能に優れた「ロゴス 丸洗いシュラフ 5」
ロゴスの「丸洗いシュラフ 5」は、肌に触れる内側の生地に抗菌・防臭効果に優れた素材を採用。洗濯機での丸洗いが可能で、就寝中に汗をかいても安心です。繰り返し洗濯しても抗菌効果を維持し続けられるのもうれしいポイント。
快適温度が5度のため、夜間の気温が氷点下になる寒冷地での使用には向かないもしれませんが、値段が比較的お手頃。こちらもホールアースと同様に、同じモデル2つを横並びに連結してダブルサイズで使用できます。
【基本情報】
商品名:ロゴス 丸洗いシュラフ5
使用サイズ:185×75cm
収納サイズ:24×39cm
快適温度:5度
重さ:1,500g
価格:4,378円(税込)
購入はこちら:エルブレスオンライン
寝袋(シュラフ)おすすめ30選!キャンプの達人の愛用品や人気商品を紹介【2024年】
さまざまな形や素材のアイテムがある「寝袋(シュラフ)」。どれがおすすめなのかわからない人も多いのではないでしょうか。この記事では登録者数約5万人のYouTubeを運営するキャンプの達人「ラキャンピン」さんに、人気の寝袋や選び方のポイントを教えてもらいました。
自分のスタイルに合う、お気に入りのシュラフに出会おう!
マミー型と封筒型、それぞれおすすめのアイテムを紹介しました。これからの秋冬キャンプに向けて、どんなタイプが使いやすいか考えながら、アウトドアショップで実物を見比べてみてください!