「雲取山」のおすすめ登山ルートは?初心者の注意点や宿泊方法まで完全ガイド!
日本百名山というと、どこをイメージしますか?北アルプスや中央アルプスなども良いですが、東京にある日本百名山・雲取山もお見逃しなく。近いから気楽に行けるのに、ガッツリ登山を満喫できるため、雲取山に繰り返し行く登山客もいるほどの人気ぶり。今回は初心者でも楽しめる雲取山の魅力を紹介したいと思います。
雲取山はどんな山?
東京都で最も高い山といえば雲取山(2017m)で、東京都・埼玉県・山梨県の境に位置しています。山頂は開放感があり、富士山をはじめとした山々の展望が期待できます。登山口がいくつかあり、登山ルートも豊富。山頂から30分の所にある雲取山荘に一泊したら、初心者でも余裕を持ったスケジュールになります。
雲取山のおすすめ3ルート
雲取山からの登山で人気な3ルートを紹介します。特に登山初心者で雲取山に挑戦したい人には、三峯神社ルートと鴨沢ルートがおすすめ。難易度が比較的低いため、体力を消耗しすぎず登山を存分に楽しめます。各ルートに魅力的なポイントがあるため、事前に把握した上で挑戦するルートを決定しましょう。
日帰りも可能!初心者におすすめの「三峯神社ルート」
コース:三峰ビジターセンター→妙法ヶ岳(三峯神社)→地蔵峠→霧藻ヶ峰休憩所→白岩小屋→白岩山→雲取山荘→雲取山→三峯神社
コースタイム:行きは5時間20分、帰りは4時間50分
稜線上の最短ルートでアクセスしやすいといえば、三峯神社ルートです。三峰ビジターセンターから登山道に入り、しばらく歩いた後鳥居をくぐってください。登ったところに分岐があるので、左に向かうと約30分で妙法ヶ岳山頂。この妙法ヶ岳に、三峯神社奥宮があります。
傾斜が一気にきつくなり、針葉樹林の中を歩くと、地蔵峠へ。その後稜線上をゆっくり歩き、霧藻ヶ峰休憩所着。整備された登山道を降りていくと、標高1450mの大清平へ。ここから尾根道を急登します。尾根が狭いので、気を付けましょう。そして稜線上を進み、前白岩山までゆるい登りが続きます。
前白岩から稜線を下っていくと、白岩小屋着。そして、白岩山経由で、雲取山荘に向かいます。雲取山荘からもうひと踏ん張りで、急登すると、待ちに待った山頂です。富士山をはじめとしたパノラマの展望を楽しんでください。
初心者でもきつすぎない&稜線歩きも楽しめる「鴨沢ルート」
コース:鴨沢バス停→七ツ石小屋→ブナ坂→奥多摩小屋→小雲取山→雲取山→鴨沢
コ―スタイム:行きは5時間20分、帰りは3時間30分
「鴨沢ルート」も「三峯神社ルート」と同じく初心者におすすめです。さらにこのルートでは峰から峰へと続く稜線歩きが楽しめます。針葉樹林帯での山歩きが七ツ石小屋あたりまで約2時間続き単調ではありますが、静かな山歩きを楽しめるでしょう。七ツ石小屋で道が分岐しますが、ブナ坂で再び合流します。ここから展望が開け、あとは山頂までまっすぐ稜線上に登山道があるので、風が気持ちいい!
何度か小さなアップダウンを繰り返し、約40分で五十人平着。ここには、奥多摩小屋とキャンプ場があります。奥多摩小屋を通過して小雲取山まで戻ったら、雲取山に向かってなだらかな稜線を山歩き。下山するときは、通ってきたルートを戻ります。このルートは、バスの本数も最も多くアクセスしやすい。さらに、危険箇所もないので初心者でも安心です。
経験者におすすめ!秘湯で身体の疲れを癒す「三条の湯ルート」
コース:お祭りバス停→塩沢橋→林道終点→三条の湯→青岩鍾乳洞分岐→三条ダルミ→雲取山
コースタイム:行きは6時間20分、帰りは5時間
三条の湯という温泉を経由するのが「三条の湯ルート」です。三条の湯では日帰り入浴や宿泊、テント泊のいずれも可能となっています。初心者が登る際は、時間がかかって日帰りが難しい場合もあるので、温泉で身体を休めつつ、泊まっていくのが良いでしょう。登山の難易度ですが、初心者でも問題なく登ることのできるルートです。しかし、土砂崩れなどにより林道が通行止めになっていることも多いため、ほかのルートに比べると初心者の数は少ないです。
初心者には小屋やテント場での宿泊がおすすめ
登山経験者であれば日帰りも可能ですが、コースタイムがかなり長いので、初心者の方は、テント泊ができるテント場や小屋を活用するのがおすすめ。雲取山エリアには、多くの避難小屋や山小屋があります。
【七ツ石小屋】
収容人数は約40人。素泊まりのみ。テント場も、2張あり。
【五十人平テント場】
幕営料500円、テント約10張設営可。水場まで、徒歩5分。
【雲取山避難小屋】
収容人数は約20人。近くにトイレあり、水場はなし。無料で泊まれる。
【雲取山荘】
収容人数は200人。寝具・水洗トイレあり。お風呂なし。
宿泊希望の際は、事前に雲取山荘 (0494-23-3338)に連絡。
【霧藻ヶ峰休憩所】
素泊まりのみ。収容人数5名まで。
土日祝日、GW、年末年始のみ営業
【白岩小屋】
寝具あり。水場まで、約10分。避難小屋として使える。
雲取山を登る際の注意
登山届はしっかり提出!
日帰りで登山できるとはいえ、
往復で10時間かかるため、注意して登らないと怪我や事故につながります。何かあった時のために
登山届は必ず提出してください。奥多摩駅、鴨沢バス停、丹波山村営駐車場のトイレに
登山届ポストがあります。また、オンラインでも提出できます。
オンラインで提出する方法をチェック▶︎
山梨県警察登山におすすめの時期、季節
登山の適期は4月上旬〜12月下旬なので、冬以外は基本的に登山をすることが可能。登山は夏に行くことが多いと思いますが、夏は一番注意しなければいけません。
標高が高いとはいえ、日中は25度を超えることもあるため、水分補給はこまめにしてください。天候の急な変化にも注意が必要で、夏は夕立が降り、雷が来ることも珍しくありません。早めに下山をするようにしましょう。
熊に注意しよう!
雲取山ではツキノワグマが生息しています。このツキノワグマが以前、人間を襲ったというニュースもあるので十分に注意する必要があります。
特に子熊を連れた、母熊は子どもを守るために非常に獰猛であるため、子熊を見つけたらそっとその場から立ち去るようにしましょう。クマは音に敏感なため、熊よけの鈴や携帯ラジオを持っていくのをおすすめします。
奥多摩小屋が2019年3月で閉鎖!
古くから佇む雲取山にある奥多摩小屋が2019年3月31日で閉鎖しました。雲取山荘が管理されていましたが、今回老朽化に伴って閉鎖ということです。テント泊やトイレに利用することも今後できなくなってしまうので、注意が必要です。
天気は必ず確認!
雲取山に行く際には天気を必ずチェックしましょう。
山は天候が変わりやすいため、事前準備をしっかと行ってください。
雲取山の天気はこちら:
tenki.jp雲取山登山は寄り道もできる!
もし三峯神社ルートにしようと思っている方は、三峯神社も要チェック!そして、鴨沢ルートにしようと思っている方は、ぜひ下山後にもえぎの湯へ行ってみてください。せっかくの機会なので、登山と一緒に寄り道も満喫してみませんか?
パワースポットで有名な「三峯神社」
三峯神社は、関東で有名なパワースポット。仕事運や金運、開運成就、災厄祓いなど、ありとあらゆるお願いごとに効果があるということです。三峯神社ルートを使う人は、ぜひ行ってみてください!
露天風呂が楽しめる「もえぎの湯」
奥多摩駅から約徒歩10分のところにある、「奥多摩温 もえぎの湯」には、内湯と露天風呂があります。清々しい空気を味わいながらの露天風呂は最高!大人は950円ですが、タオルは別料金なので持参した方がお得。
【基本情報】
温泉・宿泊・テント泊から選べる!「三条の湯」
先ほどの三条の湯ルートでも説明したとおり、登山ルートの途中にある入浴や宿泊ができる温泉です。「お祭」のバス停から3〜4時間ほど登ったところにあり、初心者であれば1日目の終わりに泊まっていくことをおすすめします。宿泊時のメニューには鹿肉の燻製や川魚など地域ならではの料理が出てくるので、ぜひ堪能してみてください。
交通アクセス、駐車場について
雲取山のどの登山口から入るかによって、交通アクセスも異なります。どの登山口も、バスまたはマイカーどちらも使えます。
【三峯神社登山口】
路線バスの場合:西武秩父駅または三峯口駅から西部観光バス
車の場合:三峯神社有料駐車場(約150台駐車可)
【鴨沢登山口】
路線バスの場合:奥多摩駅~鴨沢
車の場合:
国道411号線沿い鴨沢バス停に無料駐車場(13台駐車可)
小袖乗越駐車場(約60台駐車可)、鴨沢から徒歩30分
【三条の湯登山口】(登山経験者向けのコース)
路線バスの場合:奥多摩~お祭り
車の場合:
国道411号線沿いに12台分の駐車スペース、お祭りから徒歩5分
後山林道終点のあたりに10台分の駐車スペース
雲取山の登山に挑戦してみよう!
東京で最高峰の雲取山というと、ハードルが高そうと思う方もいるかもしれません。でも、この記事で紹介した2つのルートならば、歩きやすくて登山の醍醐味も味わえるため、きっと登山が好きになるはず。週末を雲取山で過ごしたら、リフレッシュ&パワーチャージできること間違いなし。