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岩に腰掛ける女性

縦走にチャレンジ!基本装備から関東のおすすめ日帰り縦走コースまで徹底解説

縦走って知っていますか?周りに遮るものがなく、大きな空を独り占めしながらの山歩きは、初心者からベテラン登山者まで魅了しています。そこで、縦走する場合の基本装備や、都心から日帰りで行ける縦走コースを紹介!週末のリフレッシュに「日帰り縦走」はいかが?

縦走ってどんなこと?

縦走とは登山スタイルのひとつです。山頂まで行ったら“尾根”をたどって山から山へ、または山頂を目指さずに稜線(山の峰と峰を結んで1番高く連なる所)を踏破していくことを縦走といいます。一般の登山では山のふもとから頂上を目指して歩いていき、頂上まで登ったら元来た道を戻るコースが多いですね。 しかし、縦走はひとつの山の頂上まで登ったら、折り返して下山するのではなく、尾根や稜線を辿っていきながらアップダウンを繰り返し、次の山の山頂へ向けて歩いていきます。

まるで別世界!左右に開けた絶景を楽しめるのが縦走!

尾根や稜線伝いの山道は、標高の高い位置にあるので、縦走では周りの景色を見下ろしながら歩く箇所がいくつもあります。その景色は、日常を忘れてしまうほどの絶景です…!

山ごとに違う表情を感じられる面白さに、はまる人続出!

大きい山、小さい山、どんな山でも、稜線で結ばれた複数のピーク(山の頂)をつないで踏破して行くのですが、歩き進めていくと山ごとに違う表情を見せてくれる面白さに一度縦走を体験してみるとその魅力にはまってしまう人も多いです。
長い稜線が続く日本アルプスは、登山を楽しむ人なら誰でも一度は歩いてみたい場所。夏山登山のメッカであり、何日も山小屋泊やテント泊をしながら縦走するスタイルが有名ですね。一度でも経験すると、もう一度、またもう一度と繰り返し歩きたくなってしまう魅力があります。

日帰り縦走に必要な装備

安全に山歩きを楽しむために日帰りでも装備はしっかり整えていきたいものです。そこで、初心者に必要な縦走のための基本装備を紹介します!

服装

標高が低かったり、日差しが強い場合は汗ばむこともありますが、標高が高くなるほど気温は低くなります。縦走する場合には夏場でも寒さに備えた服装でアウターも必ず用意してください。
<基本の装備> 上半身:インナー(ポリエステルなどの乾きやすい素材のもの)、Tシャツまたはシャツ(速乾性のある化学繊維素材のもの)、フリース(または薄手のダウン)、アウタージャケット(レインウエア兼用可)。 下半身:スポーツタイツ(日けや虫よけ、肌の保護のため)、ズボン(動きやすい化学繊維のもの、ジーンズはNG)。 靴下:厚手のものがおすすめ! 手袋:夏場でも寒いときに。また、岩場などを歩くときの手の保護にもなります。 急な天候の変化で、霧や雨などに襲われることもしばしば。濡れた服や靴下は着替えられるように着替えを持っていきましょう。そのままにしておくと、冷えや靴擦れの原因になりかねません!

レインウェア

山では雨が降り出すことや霧がでることも多いので、レインウエアは必需品です!上下で分かれているセパレートタイプが使いやすいです。全天候型の透湿防水性が高いものを選びましょう。 レインウエアの役割は雨を避けるためだけでなく、風が強いときのウインドブレーカーや気温が下がったときの予備のアウターにもなります。忘れずに持っていきましょう! 登山に持っていきたいレインウェアはこの記事でチェック

登山靴

何時間も歩くこと、アップダウンのある道もあることを想定して、歩きなれた靴を用意しましょう。ハイカットで足首の方までしっかりホールドできるタイプは疲れにくく、おすすめです! 選び方からおすすめの登山靴まで、この記事を読めば問題ナシ!

帽子・サングラス、スカーフなど

高所になると直射日光が下界よりも強く降り注ぎます。さらに縦走コースは木陰がない場所も多いです。日焼け対策をしっかり行いましょう。スカーフがあると日焼けしやすい首元も保護できます。

バックパック

日帰り登山であれば、25~30リットル程度の荷物を入れられるバックパックがおすすめ!バックパックの中身が濡れてしまわないようザックカバーやインナーバッグがあるとより安心です! 登山用のリュックにも選び方が。しっかりチェックして選びましょう♪
<基本の荷物> 水筒:少なくても1リットルは水を持ち運べるように。なければペットボトルでも代用できます。 ヘッドランプ:昼の登山でも必須。両手が自由になるヘッドランプがおすすめですが、なければ懐中電灯でもOK! コンパス:どの方角に進んでいるのかを調べるのに使います。 登山用地図:コースの確認用に。広範囲で細かく記されているものがおすすめです。 カメラ、GPS、高度計:あると便利なアイテム。スマートフォンのアプリなどでも代用できますが、スマートホンの充電切れには注意してください。 腕時計:防水性のものがおすすめ! 筆記用具:コースタイムの記録時、登山届の記入時に使用します。 山行計画書:万が一の事故に備えて準備しておきましょう。 救急用品:絆創膏、解熱剤、消毒液など。いつも飲んでいる薬がある場合は、そちらも忘れずに。 健康保険証のコピー・身分証明書:万が一の事故やけがに備えて。 携行食・非常食:山歩き中のエネルギー補給に。ようかんやドライフルーツ、ナッツなど。 ビニール袋:ゴミ袋や着替え入れになります。防水バッグの代用にも。 ライター:緊急用に備えておくと安心です。 エマージェンシーシート:超薄手の断熱素材の保温シート。病人やけが人の保護にも役立ちます。 ティッシュペーパー:トイレットペーパーの芯を抜いて使用すると良いです。 タオル・手ぬぐい:汗をぬぐうだけでなく、日差しが強いときに首元に巻く、けがをしたときの救急用など 日焼け止め:強い紫外線から肌を守るため、肌用クリーム、UV入りのリップクリームなど

その他あると便利なもの

ナイフ:小枝を切って箸を作ったり、調理をしたり、あると何かと便利です。 ゲイター:小石や小枝などが靴の中に侵入するのを防ぎます。 トレッキングポール:歩行時をサポートして、足腰の負担を軽減してくれます。 折りたたみ傘:バス利用時や登山道までの長い林道歩きなどに便利です。 ゲイターやトレッキングポールも登山や縦走では重要なアイテム。この記事でもっと知りましょう♪

初心者でも大丈夫☆都心から日帰りできる縦走コース7選

日帰りできる縦走コースは、週末や休日にさっと行けるのが魅力。日常を忘れてリフレッシュできます!都内から日帰りできる、初心者向けのおすすめの縦走コースを紹介します!

表丹沢表尾根縦走コース(神奈川県秦野市)

“神奈川の屋根”とも称される「丹沢」には、縦走を楽しめるコースがいくつかあります。とても眺めが良く、表丹沢の尾根歩きはまるで北アルプス縦走のような爽快感!東京からのアクセスもばつぐんでおすすめです! この“表尾根縦走コース”はヤビツ峠や塔ノ岳など眺望の素晴らしいスポットを歩く人気のコースです。 「いかにも縦走している!」と実感できるような尾根筋の他、落差の大きなクサリ場もあるので変化に富んだ山歩きが楽しめます。秦野市街から湘南の海まで一望!天気が良ければ、富士山もきれいに見えます。

【コースの詳細】

所要時間:約7時間 所在:神奈川県秦野市 アクセス:秦野駅より神奈川中央交通バス48分「ヤビツ峠」下車、大倉バス停より「渋沢駅」神奈川中央交通バス15分 コースについて詳しくはこちら:秦野市観光協会

天城縦走コース(静岡県伊豆市)

天城連山は、伊豆の最高峰「万三郎岳」を中心に伊豆半島を南北に分ける長い尾根があります。尾根はアセビ、ヒメシャラ、ブナ、シャクナゲなどの原生林が続きます。全長17㎞の縦走中には野鳥などの姿を見ることも。途中の八丁池の美しさに癒されます。健脚向きのコースです! 【コースの詳細】 修善寺駅(バス43分)-天城峠バス停-旧天城トンネル-天城峠-向峠-大見分岐点-八丁池-白田峠-戸塚峠-小岳-片瀬峠-万三郎峠-石楠立-万二郎岳-万二郎登山口-天城高原ゴルフ場入口バス停(バス55分)-伊東駅 所要時間:約6時間55分 所在:静岡県伊豆市 アクセス:修善寺駅より東海バス43分「天城峠」下車、天城ゴルフ場入口バス停より伊東駅シャトルバス55分(伊豆東海バス:TEL 0557-37-5121) コースについて詳しくはこちら:伊豆市観光情報

鍋割山コース

鍋割山稜を歩くコースです。頂上にある鍋割山山荘では“日本一高い鍋焼きうどん”があり、登山客はこのうどんを目当てにくる人もいるそう♪行程には美しいブナの原生林が広がり、春には新緑、秋の紅葉と一年を通して四季の移ろいが感じられます。 木々の間から見えるのは丹沢山、蛭ヶ岳、富士山など。歩行距離が16.8㎞と長いので適度に休憩を入れながら、時間にゆとりを持った計画を立てましょう!

【コースの詳細】

所要時間:約7時間 所在:神奈川県秦野市 アクセス:渋沢駅より神奈川中央交通バス15分「大倉」下車、大倉バス停より神奈川中央交通バス15分「渋沢駅」 コースについて詳しくはこちら:秦野市観光協会

高尾山(稲荷山コース~6号路)

都心から約50㎞、交通の便に恵まれた高尾山は日帰りでものんびりと山歩きが楽しめるとして、不動の人気を誇る山です。登山客で一年中にぎわう高尾山は、山頂に「高尾山薬王院有喜寺」があり、古くから修験道のお山としても知られています。 この高尾山には1号路から6号路、稲荷山コースとたくさんの登山道があり、ケーブルカーやエコーリフトも通っているので、その時々の気分に合わせてコースを選べるのも人気の理由です。
縦走を楽しみたいのであれば、ケーブルカーを利用せずに稲荷山コースから高尾山の山頂までの尾根を歩き、帰りは6号路の沢伝いの登山道を歩くコースはいかがでしょう。尾根歩きと水音を聞きながらの山歩きが楽しめるコースです! 【コースの詳細】 高尾山口駅ー稲荷山コース登山口ー稲荷山ー高尾山ー6号路とび石ー高尾山口駅 所要時間:約2時間50分 所在:東京都八王子市 アクセス:高尾山口駅より徒歩5分「稲荷山コース登山口」、復路は往路と同じ コースについて詳しくはこちら:高尾山薬王院

高水三山・奥多摩

高水三山は、高水山、岩茸石山、 惣岳山の3つの山を踏破する縦走で、駅へのアクセスが良いので人気が高い山です。標高は低いですが、マンサクやロウバイ、ショウブ、レンゲショウマなどの花々や秋の紅葉、珍しい植物やキノコなど山野草を楽しみながら歩けます! 【コースの詳細】 JR青梅線軍畑駅ー平溝橋分岐ー高源寺入口ー 高水山登山道ー5合目ー常福院不動堂ー 高水山山頂(標高759m)ー岩茸石山山頂ー 惣岳山山頂(標高756m)ーJR青梅線御嶽駅側登山道ーJR青梅線御嶽駅
所要時間:約3時間53分 所在:東京都青梅市 アクセス:青梅線軍畑駅より徒歩30分「高水山登山口」、青梅線御嶽駅側登山道より徒歩3分「青梅線御嶽駅」 コースについて詳しくはこちら:青梅市観光案内

奥武蔵縦走(大持山~小持山~武甲山)

秩父・奥武蔵の山歩きは富士山や海を眺めるような派手さはありませんが、その分、登山客も少なめで静かな山歩きが楽しめます。秩父の3つの山を一気に縦走するコースは距離が長めですが、秩父の山並みを見渡す稜線が長く続くので気持ち良く歩けます!
大持山から小持山、どちらも山頂より縦走路の途中で見ることができる展望台からの眺めが素晴らしい!と評判です。 【コースの詳細】 名郷バス停ー妻坂峠ー大持山ー小持山ーお昼休みーシラジクボー武甲山ー浦山口駅 所要時間:約7時間50分 所在:埼玉県飯能市、秩父市 アクセス:飯能駅より国際興業バスで1時間「名郷」バス停下車、秩父鉄道「浦山口駅」 コースについて詳しくはこちら:横瀬町観光Webサイト

大菩薩嶺

大菩薩嶺は標高2056.9mと高い山ですが、上日川峠までバスでくねくねした山道を1時間かけて登ってくると、初心者でも簡単に山歩きができる縦走コースがあります!しかも、魅力的なのは稜線から見える展望の素晴らしさです!
富士山、南アルプス、乗鞍岳、八ヶ岳、奥秩父、奥多摩、甲府盆地と360度パノラマの景色が眼下に広がります。山梨の甲斐大和駅にも東京から電車で約2時間30分。少し遠いですが、この雄大な景色を眺めたら日頃の疲れも吹っ飛んでしまいます♪ 【コースの詳細】 上日川峠 --- 福ちゃん荘 --- 大菩薩嶺 --- 大菩薩峠 --- 上日川峠
所要時間:約3時間30分 所在:山梨県甲州市 アクセス:甲斐大和駅からバスで1時間「上日川峠」バス停下車、上日川峠バス停よりバスで1時間「甲斐大和駅」 ※上日川峠行きは期間限定なので要注意 コースについて詳しくはこちら:大菩薩観光協会

まとめ

ちょっと週末に山へリフレッシュしに・・・という時におすすめの関東エリアの山。初心者向けの山ですが、場所によっては中級レベルの登山道もあるので、しっかり装備して体調を整えてから出かけましょう! 日帰りできる縦走コースで足腰を鍛えながら、少しずつレベルアップして百名山を目指すのもいいですね。縦走で非日常な景色を一度でも目の当たりにしたら、登山の魅力にすっかりはまっちゃいますよ!


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