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中央アルプス、恵那山

初心者だって日本百名山に挑戦できる!オススメの山Vol.15「恵那山」

中央アルプスというと、木曽駒ケ岳や空木岳などをイメージする方が多いかもしれません。実は、この恵那山も中央アルプスの百名山なんです。ただ最南端に位置するため、あまり知名度がないのかも。それに加え、地味なイメージがある山ですが、地味だからこその良さもあります。そこで今回は、恵那山について紹介していきます。

恵那山ってどんな山?

日本百名山の恵那山は、標高2,190m!長野県阿智村と岐阜県中津川市の境にあり、中央アルプスの最南端に位置しています。恵那山の船をひっくり返したような山の姿から、「船伏山」とも呼ばれています。

古くから有名なパワースポット

恵那山には、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が生まれた時の「胞衣(えな)」を納めたという伝説が残っています。また古事記にも記載があり、日本武尊(やまとたけるのみこと)が拝んでいたのが恵那山の神だそう。そんな数々の伝説がある恵那山は、古くから信仰の対象となり、白装束を着たたくさんの人々が山を訪れました。今でも恵那山はパワースポットとして有名です。

新・花の百名山にも選出

恵那山は、日本百名山だけでなく「新・花の百名山」にも選定されています。特に日本固有種の植物、サラサドウダンが有名です。毎年6月下旬~7月上旬ころに咲くサラサドウダンは、山頂付近で見られます。うっすらピンクで鈴のような可愛らしい姿がとってもキュート!花が咲く時期に合わせて、登山する人も多いですよ。

初心者にオススメのルート3選

初心者にオススメのルートは3つあります。神坂峠ルートと広河原ルート、黒井沢ルートです。どれも目立った危険カ所はないので、登山ビギナーでも大丈夫!

展望がいい神坂峠ルート

コース:神坂峠~千両山(ヘプンスそのはら分岐)~鳥越峠~ウバナギ崩壊地~大判山~前宮コース分岐点~恵那山避難小屋~恵那山 コースタイム:往復で約6時間15分
無料駐車場近くの神坂峠登山口から小さなコブを二つ越えて、展望の開けた中を千両山に向けて登ります。1,690mの千両山山頂に着くと、恵那山が目の前に。右側の笹原の中に入って、鳥越峠方面に少し下ってください。鳥越峠まで降りたら、稜線の南東側を巻くようにします。 ウバナギ崩壊地から大判山に向かって登っていき、鞍部(あんぶ)まで下ったら3つの小さなコブを乗り換えて、また登り返します。針葉樹林やダケカンバなどの森に入り、高度をぐんぐん上げていきます。
前宮コース合流点で、左方向へ。恵那山山頂に向かうとき、展望が開ける場所があるので、ここで、しばし眺めたいところ。約8人宿泊できる恵那山避難小屋から、5分で恵那山に頂着。広々とはしているものの、展望はあまり良くありません。
このルートは、山頂で景色を楽しむというより、山頂に向かうとき歩きながら景色を楽しむ、という感じです。 神坂峠にある木造二階建ての「萬岳荘」は、広々としたテラスに立派なストーブもあり、管理人さんもいるので、何かあったとき心強いです。日程に余裕のある方は、宿泊してみるのもおすすめです。 【基本情報】 名称:萬岳荘 電話:070-2667-6618 営業期間:4月29日~11月15日 宿泊人数:45名 料金:大人3,000円 / 子供2,000円 施設:トイレ・野外炊事場・宿泊者用駐車場あり
【交通アクセス】 東京からだと公共交通機関のみでは無理で、JR飯田線・飯田駅~富士見台高原ロープウェイヘブンスそのはら間はタクシー、富士見台高原ロープウェイヘブンスそのはら、展望台リフト、富士見台高原バスを乗り継いで神坂峠へ。JR中央細線・中津川駅~神坂峠間は、タクシー利用です。 マイカーの場合、中津川インター~神谷峠(林道大谷霧ガ原線)神坂峠登山口駐車場約10台、そのほか路肩駐車が5台あります。

山頂までの最短ルート!広河原ルート

コース:駐車場~広河原登山口~標高1,716mの小ピーク~恵那山 コースタイム:往復で約5時間50分
最短ルートならば、広河原コース。登山中は展望をほとんど期待することはできず、樹林帯の登りですが、危険箇所はなく初心者でも登りやすい登山道といえます。このルートは比較的新しく、2010年に開通したもの。 ゲートを抜けて林道を約20分歩いたら、本谷川にかかる橋をわたり、登山スタート。初めから急な斜面で、ごろごろとした石や木の根っこに足を取られないよう気を付けながら、ジグザグに1時間半ひたすら登ります。
標高1,716mの小ピークを過ぎたところから、傾斜が緩くなり、少し楽になるはず。このあたりで展望も開けてきますよ。針葉樹林帯や笹に囲まれた道を登っていき、だんだん山頂に近づいていきます。 そして、ようやく恵那山頂に到着。山頂の先にある最高点(2,191m)のすぐ下には、避難小屋とトイレがある広場があるので、休憩スポットにも最適です。恵那山避難小屋の裏の岩場からは、北アルプスや南アルプスをはじめ有名な山々を見ることができますが、岩場なので足元に要注意
【交通アクセス】 公共交通機関なし ゲート前駐車場は20台駐車可 又は、タクシーで約1時間、田駅~広河原登山口ゲート前

沢沿いを歩く黒井沢ルート

コース:黒井沢登山口〜野熊の池避難小屋〜恵那山山頂小屋〜恵那山 コースタイム:往復で約7時間 黒井沢の渓流に沿って歩くルートです。水の流れる音を聞きながら、緑豊かな森の匂いを感じながら登っていきます。神坂峠ルートほどアップダウンが少ないので、登るのが苦手な人は黒井沢ルートの方がおすすめ。 登山道からは、しばらく黒井沢林道を進みます。丸太でできた橋を何度か渡ると、あたりはダケカンバの木々に。木々に囲まれ展望はなく、地味な登山道が続きますがひと踏ん張りしましょう。道中、3カ所に避難小屋があるので休憩しながら登れます。恵那山山頂小屋が見えたら、ゴールはもうすぐ。標高2,191mの恵那山山頂に到着です。 展望が悪い黒井沢ルートですが、沢を横目に登山できるのが魅力です。
【交通アクセス】  バスが利用できますが、バス停から林道を10km歩く必要があるのでおすすめしません。 マイカーの場合、中津川インター〜ウェストン公園へ。ウェストン公園から10km走ると黒井沢登山口の駐車場があります。駐車可能台数は20〜30台です。

恵那山を訪れるべき時期は?

雪が降る1月〜3月と残雪期の4月〜5月中旬以外は、登山適期といえます。中でも5月には新緑が茂り、6月下旬〜7月上旬ころにサラサドウダンが咲くのでおすすめです。10月ころの紅葉が美しい時期も良いです!なお恵那山は樹林帯が続くため、暑さが厳しい夏場の7月下旬〜8月はおすすめしません。

「阿智村」は日本一の星空が見れる場所

恵那山のある「阿智村」は、日本一の星空が見えることで有名です。周囲を山に囲まれた阿智村は、光が遮断されているため、満天の美しい星空を鑑賞できます。阿智村では、星空に関する多くのイベントが開催されており、「日本一の星空ナイトツアー」は大人気となっています。また周辺には「昼神温泉郷」があるので、登山で疲れた体を温泉で癒やしてみてはいかが?宿泊施設は多数あるため、一泊するのがベストです!

登山の注意点

広河原登山口入ったところにある本谷川は、雨で増水していることもあります。橋が水没するほど増水しているときは、無理にわたらないこと。事故の原因になります。難易度が低い山だから、絶対に何も起こらないという保障はありません。くれぐれも、無理はなさらずに。 またクマが出る可能性もあるので、熊鈴は必ず持参するようにしましょう。

おわりに

恵那山は、静かな山歩きをしたい人にはぴったり!そして、山自体がご神体となっていることから、日本の歴史や神聖な雰囲気を感じることができますよ。地味とか展望がきかないとも言われる山ですが、登山をのんびり楽しみたい人に訪れてほしい! 静かな針葉樹林帯の中を登りながら、木や草の香りを楽しむひとときはいかがでしょうか?特に秋は、紅葉の美しさに目を奪われます。いざ、中央アルプスの新たな魅力に気づかせてくれる恵那山へ!

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