最強ダウンシュラフ(寝袋)はどれだ!?モンベル・ナンガ・イスカ・ニーモを徹底比較 キャンプや登山に欠かせないシュラフ(寝袋)。特にダウンシュラフは、軽くて暖かいのが魅力です。中でも有名なのが、モンベル・ナンガ・イスカ・ニーモの4ブランド。今回は4ブランドの3シーズン用のダウンシュラフを徹底比較しました。また、冬用や封筒型のダウンシュラフもあわせて紹介。メンテナンスに困るダウンシュラフの洗濯方法も詳しく解説しています。自分にぴったりの最強のダウンシュラフを選びましょう!
ダウンシュラフのおすすめメーカーを紹介 出典:zhukovvvlad / ゲッティイメージズ
暖かくてコンパクトになるダウンシュラフは、キャンプから登山まで幅広く使用されています。特にバックパックで荷物を持ち運ぶ登山には必須アイテム。人気が高いためさまざまなメーカーから発売されていますが、中でも人気なのが今回紹介するモンベル・ナンガ・イスカ・ニーモ 。
ダウンシュラフを検討している人は、聞いたことがあるメーカーもあるのではないでしょうか。それぞれの取り扱っているシュラフの特徴を詳しく紹介します。
mont-bell(モンベル) モンベルは登山用品をはじめ、さまざまなアウトドアギアを扱っている国内最大手のアウトドアメーカー。世界で愛されるアウトドア用品を目指し、1975年に設立されました。実は、モンベルで一番最初に開発されたのが寝袋。その後、ハイパロンレインギアやグローブ、フリースなど次々と商品開発を行い国内外で確固たる地位を築きました。
モンベルのシュラフの特徴はよく伸びること。独自製法により高い伸縮性を実現しています。睡眠中に寝返りを打つ回数が多い方でも窮屈さを感じず、体を起こしてあぐらをかくことも可能! ストレッチ素材は快適な寝心地だけでなく、体にフィットして隙間を埋めるため、保温力もアップさせます。
NANGA(ナンガ) ナンガは羽毛の街として知られる滋賀県米原市で寝具メーカーとしてスタート。社名は、ヒマラヤ山脈にあり登頂が難しいとされる「ナンガ・パルバット」に由来し、困難だからこそやってやろうという強い信念が込められています。
ナンガのシュラフの特徴は、こだわりの羽毛。自然に囲まれた自社工場では、きれいな水を使用し乾燥に適した気候で、熟練された職人が商品を手掛けています。しかも安全で高品質な寝袋は、業界唯一の永久保証付き 。自社工場だからこそできるナンガ独自の強みを持っているのが魅力です。
ISUKA(イスカ) ISUKAは、シュラフだけを専門に取り扱う老舗メーカーです。大阪で1972年に創業してから半世紀以上もの間、寝袋だけをつくり続けています。人工気象室での検証やフィールドテストを繰り返し行い、快適な睡眠を追求。比較的安い価格設定で手に入るのも魅力です。
イスカのシュラフの特徴は、立体的な構造であること。ほかのシュラフと比べると、かまぼこのように上部が膨らんだ3Dシルエットで、保温力を高めるとともに圧迫感の少ない設計 になっています。また、場所によってダウン量を調節・最適化することによって軽量化も実現。確かな縫製技術と高品質な素材により、長く使用できるつくりになっています。
NEMO(ニーモ) 2002年にアメリカ発で誕生した比較的新しいアウトドアメーカー。デザイン性が高く革新的な機能により、創業わずか2年で名だたる賞を数々受賞し、世界中から注目される存在になりました。心惹かれるデザインを追求し続けて開発される商品は、どれもスマートかつ独創的なデザインが特徴です。
ニーモの寝袋は、独自のスプーンシェイプ型が3種類とマミー型の4種類。スプーンシェイプ型は、マミー型よりも腕まわりや膝まわりにゆとりを持たせた設計になっており、横向きで寝てもぐっすり眠れます 。また、ブランケットフォールドやアジャスタブルサーモギルなどの独自の構造により、シュラフ内の温度調節がしやすいのもメリット。快適に過ごせる機能が詰まったシュラフを展開しています。
【モンベル・ナンガ・イスカ・ニーモ】ダウンシュラフのスペックを比較 ダウンシュラフはたとえ同じブランドでも、多くのモデルがあり形もさまざま。今回はそれぞれのブランドの3シーズンで使えるダウンシュラフを比較しました。
モンベル ダウンハガー650#3
ナンガ オーロラライト450DX
イスカ ダウンプラス タトパニ X
ニーモ リフ30
4タイプに通じていえるのは、1kg以内の軽量設計でコンパクトに収納できる タイプということ。形状がマミー型ではないニーモは、ほかのモデルと比べて少々重たく大きい印象ですが、一般的なシュラフの中では軽い設計です。
使いやすく、噛み込みにくいYKKジッパーも4つのモデルに採用されています 。開閉がスムーズに行えるので、ストレスが軽減されます。
最強のダウンシュラフを徹底比較 それぞれの特徴を比較してみました。どの部分を重視するのかで、選ぶタイプが変わってきます。自分にはどのモデルが合うのかチェックしていきましょう!
持ち運びやすさはモンベルが圧勝 モンベルはほかのシュラフに比べ重量が軽いのがメリット。ナンガやニーモと比べ100g以上の差があります。登山などで長距離持ち運ぶ場合、ザックの中でかさばるシュラフのサイズや重さは非常に重要。少しでも軽いものを選びたい方はモンベル一択 です。
またよく伸びる生地や糸を使用しているので、寝心地も抜群。マミータイプのデメリットである窮屈さを軽減し、自由な体勢でしっかり眠れます。一方、撥水性のある生地を使用しているとはいえ、ほかのタイプと比べると水濡れには弱い印象 。乾いた場所で使用することを前提に、軽量で寝心地のいいシュラフを探している人におすすめのシュラフです。
長く使いたいなら迷わずナンガ ナンガで特に注目なのが永久保証がついているという点。サポート体制が整っているため、安心して使用できます 。ダウンシュラフは化繊と比べて価格が高いのに対し、寿命が短く取扱いにも慎重さが必要です。ナンガの永久保証は、ほつれや破れなどに対応しているため、寿命を伸ばすことが可能。また、ダウンの追加なども有料で行っているため、ダウンがへたってきた場合にも対応できます。
防水性が高いのも魅力。「オーロラテックス」という独自の生地により、高い防水性と機能性を持っています。シュラフカバーを持っていかなくても、シュラフだけで結露や雨などの水濡れをカバーし荷物の軽量化を実現。ほかのメーカーと比べて、カラーが豊富なのも特徴です。
しかし、初期費用はほかのメーカーと比べて高くなるため初心者よりも中上級者向け 。頻繁に使用したい人や長く使うことを想定している人は、サポート体制が整っているナンガがおすすめです。
【基本情報】
収納サイズ:14×30cm
重さ : 865g
カラー:レッド、ブラック、グレイ、ブラウン
適応温度: 0℃/-5℃
イスカはコスパ最強! イスカはシュラフ専門メーカーなだけあり、総合的に評価がいいのがポイント。3Dでゆとりを持たせた構造になっており、ドローコードやYKKジッパー、大きめのフットボックスを採用し使い勝手も抜群 です。重さ以外のスペックは、ほとんどモンベルと同じながら、ほかのモデルと比べて価格が安くコスパが良いのが特徴。
保温力は独自基準に基づいているため比較対象にはなりませんが、足元部分に多めのダウンを投入するなど数字では測れない快適設計が施されています。また3cm間に18針という厳しい縫製ガイドラインを設定し、耐久性が高いのもメリット 。
4つで比較したところ価格以外で飛び抜けてこれがいい!という目立つポイントはありませんが、平均的に使いやすさやスペックがそろったモデルです。キャンプや車中泊などでこれからどんどん使いたい初心者におすすめです。
【基本情報】
サイズ:78(肩幅)×208(全長)cm
収納サイズ:15×30cm
重さ:750g
カラー:ネイビーブルー
下限温度:2℃
さまざまなシーンで使うならニーモ ニーモには、アジャスタブルサーモギルという機能が胴体部分に搭載されています。ファスナーを開くとシュラフ内の温度を下げられ、閉じると保温できます。ファスナーの開閉で簡単にシュラフ内の温度の調節ができるので、場所やシーンに応じてシュラフ内の温度調節が可能 。
濡れやすい足部分に防水浸透性生地と撥水加工済みダウンを組み合わせて、結露したテントに触っても濡れにくくなっているのもポイントです。温度差のある場所での使用や雨、雪の降る季節にも対応できます。また、独自のスプーンシェイプ構造でマミー特有の窮屈さを感じず、横向きでも寝やすいのもニーモの魅力 です。
登山用の中では軽量タイプとは言えませんが、800FPのダウンは寝心地抜群!まだ日本ではそれほどメジャーなメーカーではないため、実際手に取って見られる機会は少なめですが、実際に使うと手放せなくなるアイテムです。低山キャンプやオールシーズン使用したい人におすすめ!
【基本情報】
収納サイズ:19×29cm
重さ:825g
対応温度 : 4℃/-2℃
冬におすすめのダウンシュラフを紹介 ベーシックなモデルのシュラフを紹介しましたが、さらなる機能を搭載したモデルがまだまだたくさんあります。ここからは冬のアウトドアも存分に楽しめるおすすめのシュラフを紹介します。
登山やツーリングにおすすめなマミー型 ダウンの性能を最大限に生かすにはマミー型のシュラフがおすすめ。マミー型は体に密着した形のため保温性が高く、寒い季節にもってこいです 。また、荷物を少なくしたい登山やツーリングキャンプでは、コンパクトなので持ち運びにも便利。4ブランドの冬に使えるおすすめのダウンシュラフをピックアップしました!
超高品質なダウンを使用した、モンベルで最高価格のシュラフです。スパイダーバッフルシステムにより、隔壁がなくてもダウンの片寄りを防げ軽量化も実現。冬山にも対応しているモデルでありながら、900gにも満たないという驚きの軽さです。とにかく荷物を軽量化したい人におすすめです。
【基本情報】
収納サイズ:直径16×32cm
重さ:892g
対応温度:-3℃/-9℃
ナンガのシュラフで一番人気のシリーズです。超撥水加工ダウンを使用し、ダウンの弱点である濡れを克服。乾きやすいのでメンテナンスも簡単になっています!しかも最初に上で比較した3つのシュラフ同等の保温力ながら、重さは680gと軽量で、より登山向きのモデル。リミット温度が-2℃なのも安心です。
【基本情報】
サイズ:80×210cm
収納サイズ:13×25cm
重さ:680g
対応温度:3℃/-2℃
引き裂き強度や耐久摩耗性を持った寝袋。ハードに使えてアウトドアにぴったりです。また、ドラフトチューブをファスナー内部に配置していることで、保温性を向上し冷気を防ぎます。冬キャンプや車中泊でも活躍するアイテムです。
【基本情報】
サイズ:80×213cm
収納サイズ:20×34cm
重さ:1,030g
最低使用温度:-15℃
ニーモの冬山に適したマミータイプのシュラフです。首元のしっかりとしたチューブは、暖かく寝心地が抜群。フットボックスも大きいのでマミーながら足元もリラックスできます。また、収納ポケット付きで小物を収納できるのもポイント。コンタクトレンズを入れておけば凍結を防げ、スマートフォンもポケットの中で保温されることでバッテリーの低下を防げ便利です。
【基本情報】
収納サイズ:24×34cm
重さ:1470g
対応温度:-18℃/-10℃
オートキャンプにおすすめな封筒型 封筒型のシュラフは窮屈さを感じず広々と眠れるシュラフ。マミー型と比べると収納サイズは大きくなりますが、オートキャンプなら問題ありません。自宅の寝具と似た感覚で眠れるので、子連れのファミリーキャンプにもおすすめ 。ニーモには封筒型が寝袋の取り扱いがないため、モンベル・ナンガ・イスカの封筒型ダウンシュラフを紹介します。
ダウンとフェザーを投入した封筒型のシュラフ。連結して使用サイズを大きくすることも可能!またファスナーを解放して掛け布団としても使用可能。添い寝が必要な子連れのファミリーにぴったりなタイプです。
【基本情報】
サイズ;190×75cm
収納サイズ:33×20×20cm
重さ:1.807g
対応温度:3℃〜
ダウンを1,000gたっぷり使用した冬の封筒型ダウンシュラフ。冬キャンプでも暖かく眠れ、ふわふわな寝心地もgood!まるで家のベッドで寝ているかのようにゆったりと眠れます。上部のドローコードを閉じれば、保温効果も高まり寒さも感じません。冬のキャンプや車中泊にぴったりです。
【基本情報】
サイズ:190×79cm
収納サイズ:23×37cm
重さ:1,590g
適応温度:0℃
ダウンシュラフの洗濯方法 ダウンを洗ってしまうと機能が低下するのでは?と思いますが、実際は逆。シュラフに入っているダウンや化繊綿に皮脂が付くと、空気を蓄えられなくなり、保温性が低下します 。正しく洗うことでふわふわのダウンがよみがえり、長く使用できるので定期的に洗いましょう。
今回紹介した4メーカーのダウンシュラフは、クリーニングに出さなくても家で部分洗いや丸洗いが可能です。洗う頻度としては30〜50泊に一回、また頻繁に使用しない方は一年に一回程度 でいいので、定期的にメンテナンスを行ってください。
洗濯の手順 ① ぬるま湯に浸す
まず大きなおけや浴槽にぬるま湯をためて、専用の洗剤を入れます。寝袋のファスナーはしっかり閉め、寝袋から空気を押し出しながらぬるま湯に浸します 。ファスナーを閉めずに洗うと寝袋の中の生地を痛めてしまうので、注意しましょう。
② 洗いとすすぎ
足で優しく踏み洗いし、ぬるま湯が少し濁ってきたらすすぎます。寝袋を浸していた汚れた水を一旦流し、寝袋から水分を押し出します。ある程度水分が取れたら、再度きれいなぬるま湯に浸し、寝袋から汚れ水がでなくなるこのすすぎを繰り返して、寝袋から汚れを取り除きます。
③ 脱水
すすぎの作業である程度の水気をとったら、脱水の作業に移ります。寝袋を絞って脱水をすると、羽毛にダメージを与えてしまうので、上から抑えるようにして脱水をするのがポイント です。寝袋にバスタオルなどを挟み優しく押して、水分をしっかり取りましょう。
④ 乾燥
ファスナーを開けた状態にして、低温に設定した乾燥機で乾燥をします。自宅に乾燥機がない場合は、コインランドリーなどの乾燥機を使って乾燥をかけてください。乾燥をする際に、メンテナンススプレーを表面にかけておくと、撥水性の回復に効果的なのでおすすめです 。
ダウン専用の水性クリーナー。抗菌効果がありにおいと汚れを一緒に落としてくれるのがメリットです。また、香料などを含まないため環境に優しいのもポイント。ダウンシュラフを安心して洗いたい人におすすめです。
毎回行うメンテナンスと保管方法 ダウンシュラフを使用した後に必ずやってほしいのが、一度収納バッグから取り出して広げておくこと。どんなに天気のいい日であっても就寝時に汗をかいたり、テント内の湿気を吸っていたりします。帰ってきたら、もう一度広げて風通しのいい場所で陰干し しましょう。
片付けるときには、直射日光を避けなるべく湿気の少ない冷暗所で保管するのがベスト。通気性のいいコットン素材の保管バッグに入れるのもおすすめです。
ゆったりと入れられるダウンシュラフのコットンバッグ。コットン100%で通気性に優れているのが特徴です。ダウンシュラフがイスカなら同じメーカーでそろえるのもあり。ダウンシュラフをゆとりを持って収納しておきたい人におすすめです。
寒い時期のキャンプでもダウンシュラフで快適に アウトドアで眠るために必要なシュラフ。特にダウンシュラフなら冬でも使用でき、軽量なので持ち運びも楽々です。今回比較したモンベル・ナンガ・イスカ・ニーモはどれも使いやすいシュラフ。それぞれの特徴があるため、自分にあったモデルを選択してみてください。また、購入後にはメンテナンスをすることで長く使用できるので定期的に行うことをおすすめします。