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メスティン炊飯アイキャッチ

【メスティン炊飯のコツ】固形燃料やガスバーナーで炊く方法を伝授

メスティンは、キャンプで簡単に炊飯ができる人気のアイテムです。料理が苦手という人でも、コツをつかめばふっくらとしたおいしいご飯が炊けます。この記事では、失敗しないメスティンでの炊飯方法やおすすめのメスティン、必要なアイテムを紹介!

メスティンはふっくらとしたご飯が炊ける

メスティンにご飯が入っている様子

出典:PIXTA

メスティンとはアルミ製の取っ手が付いた「はんごう」のこと。従来の円柱状のはんごうとは異なり、正方形で非常にコンパクトな形状をしています。シンプルな作りですが、アルミ製なので熱伝導率が高いのが特徴です。熱が全体に届きやすく、ふっくらとおいしいご飯が炊けます。 多くのブランドがメスティンを販売していますが、中でも有名なのがダイソーとtrangia(トランギア)。ダイソーのメスティンは、アウトドアブランドでは難しいコスパの良さが大きな魅力です。ソロキャンにぴったりの1合用は税込550円。メスティンを試しに使ってみたい人は、ダイソーがおすすめです。 トランギアは、1970年代からメスティンの製造を続けるパイオニア的存在。通常の1.8号サイズに加えて、約3.5合炊けるラージサイズも展開しています。
メスティン 炊飯

出典:PIXTA

メスティンで炊飯をする場合は、固形燃料またはガスバーナーを使った方法がスタンダード。焚き火でも炊飯はできますが、火加減が難しいためこの2つの方法が失敗も少ないでしょう。この記事では実際に炊飯をした画像を交えながら、必要な道具の紹介や手順を解説していきます。

固形燃料でメスティン炊飯をする手順

固形燃料で炊飯している様子
固形燃料を使用した炊飯は火加減の調整が必要ないため、初心者でも簡単にお米を炊けるのがメリット。必要な道具も比較的低予算でそろえられるので、試しにメスティンで炊飯をしてみたい人にもおすすめの方法です。
<手順>
  1. お米をとぐ
  2. メスティンにといだお米と水を入れる
  3. お米を30分水に浸す
  4. 点火する
  5. 火が消えたら炊け具合を確認する
  6. 10分蒸らす

固形燃料で炊飯をする場合に必要なもの

メスティン、固形燃料、五徳、シェラカップが並んで置かれている様子
  • メスティン
  • 固形燃料
  • 五徳
  • シェラカップ(計量用)
  • ライターまたはトーチ
固形燃料は気温や風の強さで必要個数が変わるため、予備を持っておくのがおすすめです。非常にコンパクトで軽量なため、手軽に持ち歩けるのが固形燃料のメリットといえるでしょう。ただし、固形燃料の成分であるアルコールは揮発(気化)する性質があります。購入後はすぐに使用し、保管する場合は密閉できるファスナー付きのビニール袋に入れておきましょう。

1. お米をとぐ

メスティンに入れたお米を研いでいる様子
お米の表面に付着しているぬか・ほこり・ゴミなどを洗い流します。水を大量に使用できない登山や野営キャンプであれば、米とぎ不要の無洗米を使うのもおすすめです。

2. メスティンにといだお米と水を入れる

メスティンにお水を入れている様子
1合あたり200mlの水を入れます。水の量は炊き具合を大きく左右するため、正確に測りましょう。メモリ付きのメスティンがあれば、適量の水を入れられます。

3. お米を30分水に浸す

米を吸水させている様子
お米に水を吸わせるため、30分~1時間放置します。このように吸水時間を設けることが、芯を残さずにご飯を炊くポイント。お米の中心部分まで水が行きわたれば、芯が残りにくくなります。気温によって吸水スピードが異なるため、夏は30分冬は1時間を目安にしましょう。

4. 点火する

固形燃料に点火している様子
吸水したら、五徳かポケットストーブに固形燃料をセットし点火します。メスティン全体がまんべんなく加熱されるように固形燃料は中央に置きましょう。沸騰するとふたがぐらぐらと持ち上がるため、おもしを置いて固定します。 しっかりと密閉するのは、おいしいご飯を炊くための重要なポイント。密閉することによりメスティン内の温度が上昇し、お米が対流します。全体に熱が伝わりむらなく炊き上がるためふたはしっかりと固定しましょう。

5. 火が消えたら炊け具合を確認する

メスティンでご飯が炊き上がった様子
火が消えたらお米の炊け具合を確認しましょう。ここでふっくらと炊き上がっていれば炊飯は終了です。水分が残っていれば固形燃料を追加し、水分が蒸発するまで加熱します。焦げないようにふたを開けた状態で加熱しましょう。 今回、ダイソーの固形燃料を使用したところ18分程で火が消えました。水分が残っていたため、固形燃料を追加。5分加熱した段階で余計な水分が蒸発しました。

6. 10分蒸らす

メスティンにタオルを巻いて蒸らしている様子
お米の水分が飛んでふっくらとしたご飯が炊けたら10分間蒸らしましょう。蒸らすことでお米全体に水分が行き渡り、さらにおいしい仕上がりに。このときタオルを巻いておけば、ご飯が冷めてしまうのを防げます。

ガスバーナーでメスティン炊飯をする手順

メスティン 炊飯

出典:PIXTA

ガスバーナーは火力を一定に保ち、かつ調整できるので、固形燃料より早く炊飯ができます。追加の加熱がしやすいのもメリットです。
<手順>
    ※中火にかけるまでは固形燃料と同じ手順で進める
  1. 中火にかける
  2. 沸騰したら10分程度とろ火にする
  3. 10分蒸らす

ガスバーナーを使用する場合に必要な道具

メステイン、シェラカップ、ガス菅、バーナーが並んでいる様子
<用意するもの>
  • メスティン
  • ガスバーナー
  • ガス缶
  • シェラカップ(計量用)
ガスバーナーはお米が焦げないように、メスティン全体を効率的に加熱できるものがおすすめです。火口が上だけでなく外にも向いているものであれば、広範囲をまんべんなく加熱できます。また、ガスバーナーで使用できる燃料は、CB缶とカセットガスボンベの2種類。大きさや価格が異なるため、ガスバーナーと燃料の2つの視点からキャンプスタイルに合ったアイテムを選びましょう。

1. 中火にかける

ガスバーナーを点火する様子
火にかけるまでは固形燃料使用時と同様に、お米をとぎ、水に浸します。その後ガスバーナーで5分程度中火で加熱します。このとき、火力が強いと焦げるので注意しましょう。

2. 沸騰したら10分程度弱火にする

メスティンからお湯が吹き出している様子。
沸騰してきたら弱火にします。ぶくぶくと水分が吹き出してくるのでこれが合図です。このとき、やけどをしないように注意しましょう。弱火にしたらメスティンに石などの重りを乗せて10分程度待ちます。次第にお米の炊けたにおいがしてパチパチと音が聞こえてきたら火を消しましょう。

3. 10分蒸らす

お米がふっくらと炊き上がっているのを確認したら、固形燃料と同様に、メスティンにタオルを巻いて10分程度蒸らします。これで炊飯終了です。

メスティンで上手に炊飯をするコツ

普段料理をしない人や苦手な人は「キャンプでご飯を炊くのって難しそう」と感じるのではないでしょうか?しかしここまでの基本の流れに加えて、いくつかのポイントを押さえれば、失敗せずにおいしいご飯を炊けるようになりますよ。簡単にできるメスティン炊飯のコツを2点紹介しますので、ぜひ実践してみてください。

ふたを開けて炊き具合を確認する

メスティン 炊飯

出典:PIXTA

メスティンで炊飯をするときに最も注意したいのが焦げてしまうこと。焦げそうだなと思ったら迷わずふたを開けて状態を確認してください。特にバーナーを使用する場合は、火が1カ所に集中して焦げてしまうことがあるため注意しましょう。 火加減の調整が難しいと思ったときは、バーナーパッドを使うのもおすすめ。集中している炎を拡散させ、メスティン全体に熱が伝わりやすくなります。

気温に合わせて炊飯時間を変える

メスティン 炊飯 標高が高い場所 キャンプ

出典:PIXTA

炊飯時間は標高・気温・風の強さなどの環境条件で変わります。特に標高が高い場所は気温が低かったり、気圧の低下により沸点が下がったりして、沸騰するまでに時間がかかる場合も少なくありません。そのため、炊け具合を確認しながら炊飯時間を長くしましょう。 また風が強いと固形燃料を早く消費してしまったり、炎が風にあおられてメスティンに熱が伝わらなかったりします。そのようなときは、風を遮る風防の使用がおすすめ。風の影響を軽減して効率よく炊飯ができます。予備の燃料を持っておくのもお忘れなく。

メスティンのお手入れ方法

メスティンをシーズニングしてる様子
おいしいご飯を炊きあげるために、メスティンの使用前と後でお手入れをしましょう。ここではへり部分のざらつき(バリ)の取り方や焦げにくくする方法、メスティンが焦げてしまった際の対処法を解説します。

バリ取りをする

購入したばかりのメスティンは、へり部分のバリを取ってから使用するのがおすすめ。バリとは、加工中に発生するギザギザとした出っ張りやざらつきのこと。メスティンのような金属のバリは、鋭利で不用意に触るとけがをすることも少なくありません。 そのため、ざらつきを感じたらサンドペーパーやヤスリでバリを取りましょう。目の細かいものを使うとつるっとした手触りに仕上がります。

シーズニングをする

洗われたトランギアのメスティン
スキレットなどの鋳鉄製品でおなじみのシーズニングですが、メスティンもシーズニングをするのがおすすめ。少し面倒に感じるかもしれませんが、おいしいご飯を炊くためにしておいて損はありません。 メスティンのシーズニングは、お米のとぎ汁を利用します。お米のとぎ汁でアルミの表面に皮膜ができることにより、アルミ臭の軽減や変色、焦げつきを防止する効果があるのです。 シーズニングの流れは以下の通り。
<メスティンのシーズニング方法>
  1. メスティンを中性洗剤で洗う
  2. お米のとぎ汁を大きめの鍋に入れる
  3. お米のとぎ汁を加熱しながらメスティンを15分程度漬ける
  4. とぎ汁を洗い流す

メスティンが焦げたらお酢を使用する

炊飯をするとメスティンが焦げることがあります。そのようなときに役立つのがお酢。お酢に含まれる酢酸はタンパク質を分解する性質があるため、焦げつきをしっかりと落とせます。自宅に帰ってから洗う場合にも役立つテクニックです。メスティンが傷つくのを防ぐ効果もあります。
<お酢を使用した焦げの落とし方>
  1. メスティンに水を入れる
  2. お酢を大さじ3杯入れる
  3. 20分煮込む
  4. スポンジで焦げを落とす

メスティン炊飯のQ&A

メスティンでの炊飯について、よくある質問とその回答をまとめました。疑問を解決してご飯をおいしく炊きましょう。

指で水の量は測れる?

計量カップやメモリ付きのメスティンがない場合は、指で水の量を測れます。お米の上に人差し指を立て第一関節まで水を入れましょう。これで適量になります。

1合と2合で固形燃料の個数や水の量は変わる?

お米の量が増えると水の量も増えるため、メスティン内の温度が上がるのに時間がかかります。そのため固形燃料の使用個数は、お米の量に合わせて増やしましょう。 また風が強かったり、気温が低かったりする場合も加熱に時間がかかるため、固形燃料は多めに持っておくのが安心。お米の量に対する水の量と、使用する固形燃料の目安は以下の通りです。
お米の量水の量固形燃料の個数
1合200mL1~2個
2号400mL2~3個
3号600mL3~4個

メスティンで炊飯をするときにひっくり返すのはなぜ?

炊いたご飯をひっくり返して蒸らすと、底に溜まった水分が全体に広がりムラなく仕上がります。メスティンは大変高温になっているため、保温効果も兼ねてタオルに包んでひっくり返すと安全です。

メスティンでおいしいご飯を炊こう

メスティンを使った炊飯は水の量や火加減に注意すれば、誰でも簡単にふっくらとおいしいご飯が炊けます。メスティンや固形燃料は100均でもそろえられるので、気軽に始めれられるのも魅力です。ぜひ本記事を参考に、メスティンでの炊飯にチャレンジしてみてください。

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