キャンプの虫除け対策ハンドブック!やるべき&やってはいけないこと
「虫」は不快なだけでなく、種類によっては命にかかわることもあるため、虫除け対策は大切です。虫除けスプレーやランタン型殺虫器などおすすめ対策グッズを紹介します。ほかにも虫除け対策として「やるべきこと」と「やってはいけないこと」についても解説。
キャンプ前に知っておくべき!「キャンプで注意が必要な虫」
キャンプは自然の中でのアクティビティ、虫がいるのは当たり前ですが、
安全に楽しむためにも虫対策は必須です。まずはその中でもキャンプで遭遇しやすく、注意が必要な虫を知っておきましょう。
【蚊(カ)】
キャンプ以外でも夏は日常的に対策したい虫です。刺されるとかゆみを生じますが、最も恐ろしいのは感染症。気温が35℃を超えると活動しないため、真夏は朝夕の時間帯に要注意です。
【蜂(ハチ)】
被害に遭いやすいのは「スズメバチ」「アシナガバチ」「ミツバチ」、特に「スズメバチ」は凶暴で毒も強く危険です。大声を出したり払ったりする動きは厳禁で、姿勢を低く静かに後退りがポイント。また毒は仲間を呼ぶため、刺されたらまずその場を離れましょう。
【ブユ(ブヨ・ブト)】
水場近くの草むらなどに多く、キャンプ場は注意が必要です。蚊よりも毒性が高く、直後は特にかゆみなどないことも多いが、翌日以降に腫れ上がってかゆみと痛み、発熱を伴います。ブユはとんぼが天敵、ハッカ油も有効と言われています。
【アブ】
川や沼、田んぼなどによくいて、ブユと同じく皮膚を噛み切って流血を吸いますが、アブは刺された時チクッと痛いのが特徴です。またアブに毒はなく、刺されてすぐに皮膚が荒れかゆみが出ます。ブユと同様に黒や赤いものに寄り付きやすいので、ぼうしや明るい色を身に着け、ハッカ油も効果的です。
【蛾(ガ)】
ガの中にも危険なものがいて、殺虫剤をかけると毒針毛を撒き散らすことも。風で肌に付着したりすると炎症やかゆみがおきるので、触れない・近づかないのが一番です。明るい光に集まりやすいので、気になる場合はライト型の殺虫灯を活用するのがおすすめ。
【蛭(ヒル)】
湿度と気温が高くなる6月〜9月は活発で、川に入っているときや沼地、湿度の高い森林や雨の次の日は特に注意が必要です。わずかな衣服の隙間からも入るので、サックなどの荷物も地面に置かないようにし、ディート配合の虫除けや塩が効果的。
キャンプ場での虫除け対策!やるべき&やってはいけないこと
キャンプでの虫対策として効果的&知っておくと役立つ「やるべきこと」と「やってはいけないこと」をそれぞれリストアップ、ひとつずつ詳しく紹介していきます。つい忘れがちなこともあるので、ぜひチェックしてみてください。
【やるべき1】おすすめの虫除けグッズで対策
出典: TinkerJulie / ゲッティーイメージズ
虫除けグッズを使うのは対策としては基本ですが、その効果も進化し種類も豊富になっています。そこでおすすめの最新グッズを紹介。使う場所や人によって使いやすいものを選んでみてください。
「自分を守る」虫除けスプレー
「自分を守る」身につける虫除けグッズ
大人・子ども・男女問わずつけやすいデザインで、ペットやスポーツにもおすすめな虫除けブレスレット。1日8時間で約1カ月持続し、交換用のコットンも付属しているので経済的です。
【基本情報】
サイズ:フリー(約17〜23cm)
成分:100%天然成分
効果:蚊など
手首や足首につけるシリコン製のゴムリングで、効果は12時間と
わかりやすい1日使い切りタイプ。水に濡れても大丈夫なので水遊びにも最適です。
【基本情報】
サイズ:フリー
内容量:30個入
成分:香料
効果:蚊など
虫の天敵オニヤンマを帽子やバッグにつけて、虫を寄せ付けないという話題の虫除けグッズ。
薬剤を使用しないので小さい子どもやペットも安心、何年も使用可能です。
【基本情報】
サイズ:縦10×横13cm
重量:20g
効果:蚊・ハチ・アブ・ブユ・ハエなど
「空間対策」空間虫除けスプレー
草むらや地面など屋外なら8時間、お部屋なら24時間、
蚊を駆除して寄せ付けない効果がある空間用スプレー。コールマンとのコラボ、アウトドアにぴったりな缶のカラーも人気があります。
【基本情報】
容量:125ml(120プッシュ分)
有効成分:トランスフルトリン2.0g
効果:蚊・ハエ
茂みや地面に直接スプレーするだけで、
虫を退治しその後最大24時間バリア空間をつくります。植物には影響のない水性タイプなので、庭でも安心して使用が可能。
【基本情報】
容量:480ml
有効成分:トランスフルトリン1.12g
効果:蚊・ハエ・マダニ
超音波技術によって30秒ごとに薬剤をふんわり噴射する屋外用の蚊よけ。
煙もなくにおいも気にならないので、バーベキューなど食事の近くでも使用できます。電池式なので使う場所も選ばず持ち運びも楽。
【基本情報】
サイズ:直径11.2×10.5cm
重量:418g
有効成分:メトフルトリン
効果:蚊
電源:単三アルカリ電池2本
「空間対策」森林香・蚊取り線香
通常の蚊取り線香よりも太巻きで煙も多く、殺虫と虫除け成分の入った強力なパワー森林香。効果が話題になり、キャンプやガーデニングなどアウトドアの強い味方です。
【基本情報】
内容量:30巻
有効成分:メトフルトリン
効果:ユスリカ・チョウバエ・アブ
燃焼時間:6時間〜6時間半
バラ・ラベンダー・カモミールの3種類から選べ、
アロマのいい香りが楽しめる蚊取り線香。缶のふたを裏返せば線香皿として使え、屋内外問わず使用できます。
【基本情報】
サイズ:幅137×奥135×高117mm
内容量:30巻(560g)
有効成分:ピレスロイド
効果:蚊
燃焼時間:7時間
効果抜群!最強の蚊取り線香おすすめ13選【屋内・屋外】
蚊が嫌がる最強のバリアをつくれる、蚊取り線香のおすすめ13選を紹介します。この記事では強力な効き目、アロマの香り付きなど、屋外用と屋内用のそれぞれに効果的なアイテムを厳選。さらに違いや選び方、効き目をアップさせるポイントついても解説します。
「空間対策」置型の虫除け
虫よけには見えないデザイン性の高さでアウトドアにもなじむ、電池式の蚊取り器。においやファンの音も気にならないため、
テントの中や車中泊の際にもおすすめ。
【基本情報】
有効成分:トランスフルトリン750mg
効果:蚊
持続期間:約180日(1日8時間)
人間には同じ明るさですが、虫が感知しにくい波長の長いオレンジ発光など、
3つの効果で虫除け対策ができるランタン。
カセットガス使用で手軽なので、虫除けとしてでなくても便利です。
【基本情報】
サイズ:直径13.6×高37.5cm(収納時高22.5cm)
重量:1.3kg
使用燃料:カセットボンベ
使用時間:3〜3.5時間
虫が好む紫外線の集光型ランタン、殺虫電撃グリッドで虫を撃退します。
低電圧なのでバチッという音はなく、本体も丸洗い可能です。手持ち・据え置き・つり下げと3通りのライトとしても便利。
【基本情報】
サイズ:8.8×8.8×高13cm
重量:204g
バッテリー:2000mAh内蔵(充電式)
使用時間:最大20時間(ライトのみ)・最大15時間(電撃殺虫のみ)
業界初!キャンプで「虫除けできる」オイルランタンウォーマーが新登場
「オイルランタンウォーマー」は、ランタンの熱を活用して食事や温かいドリンクがコンパクトなスペースで楽しめる便利なギア。2023年6月、保温機能にプラスして業界初の「虫除け効果」も備えられたウォーマーが、ローソクの匠・カメヤマキャンドルハウスから新登場です。保温と虫除けの2WAYでオールシーズン活躍するアイデア商品をチェック!
【やるべき2】虫除けに効果的なキャンプサイトの作り方&レイアウト
虫除けグッズの配置の方法やサイトのレイアウトでも、虫除けに効果的な方法があります。キャンプ中に一番多くいる場所を快適に過ごせるような配置をつくっていきましょう。
メッシュタープで安心の空間づくり
リビングスペースをメッシュタープにすると風通りもよく、開放感があって快適です。寝るときのテントもメッシュになるタイプなら、虫の心配もなく寝苦しさも解消されるのでおすすめ。
メッシュパネルが多くて開放感があり、室内も広く1年中快適に過ごせるシェルター。簡単な設営方法で、アメニティドームとの接続も可能です。
【基本情報】
使用サイズ:430×400×高210cm
収納サイズ:77×27×31cm
重量:117kg
対応人数:4人
素材:ポリエステル(耐水圧1800mm)
全面の1mmメッシュで虫からガード、さらにメッシュ部分を巻き上げればスクエアタープとしても使用できます。コンパクトな収納バッグで、持ち運びも楽。
【基本情報】
使用サイズ:310×330×高200cm
収納サイズ:72×22×22cm
重量:6kg
対応人数:4〜5人
素材:本体/ナイロン・メッシュ/ポリエステル
ランタンの配置の仕方
虫は明るい光に集まりやすい特性があるため、夜はテントやタープなど人がいる空間から離れた場所に最も明るいランタンを配置し、そちらに引き寄せるのも簡単にできる対策です。明るい光の中でも、特に虫が集まりやすいのは「紫外線」と「大きい光」。
蛍光灯の発光源は紫外線、少し離れた場所で大きい照明として使用すれば虫が集まりやすくなります。殺虫ランタンも紫外線を用いたものが多く、虫を引き寄せ撃退効果も期待できます。逆にLEDやガスランタンの光源に紫外線はほとんど含まれないため、小さめにつけてテーブルや手元を照らす灯りにする使い方がおすすめです。
効果的な蚊取り線香の置き場所
蚊取り線香の効き目の範囲は半径2m位と言われています。屋外だと風で流されることも考慮し、風上やテーブルの下の足元に置くとより効果的。テントなどの近くでは火の気のあるものよりも、効果の持続するスプレーや置型のものが安心です。
【やるべき3】虫除け対策に効果的な服装
半袖より長袖!色は暗めより明るめ!
なるべく長袖・長ズボンで肌の露出を減らすのが大切です。UVカット効果もあるパーカーは紫外線も防げ、脱ぎ着しやすいので暑さの調節もしやすくおすすめです。ブユは露出しがちな足首までしっかりとガード、黒い色には蜂・アブ・ブユなどが寄ってきやすいので、明るめの色を選びましょう。
軽くて持ち歩くのにも便利なフーディはUVカット機能もついており、夏は日常的にバッグに入れておくと便利。
手の甲までしっかりガードでき、虫除けや紫外線カットどちらの点でも安心です。
【基本情報】
サイズ:S・M・L・XL
重量:約270g(Lサイズ)
素材:ポリエステル100%
UVプロテクト:UPF50+・紫外線カット率95%以上
子どもから大人、男女問わずに着られるサイズと10色の豊富なカラー展開。肌触りの良さやUVカット機能、濡れても乾きやすいのでラッシュガードとしても使えます。
【基本情報】
サイズ:110〜180cm
素材:ポリエステル100%
UVプロテクト:UPF50+
【やってはいけない1】やりすぎ注意!においの出るもの
煙やにおいの出るものは、ほかのサイトや苦手な方がいることも考慮しましょう。特に密集しているキャンプ場などは配慮が必要ですが、蚊取り線香の場合、効果は2mほどで煙もにおいも風で拡散されます。やりすぎない程度でしたら使用しても問題はないでしょう。
【やってはいけない2】万が一刺されたときのNG行動
対策をしていても虫に刺されてしまうこともあります。万が一刺されてしまったとき、ついやってしまいがちだけどやってはだめなこと、そして正しい対処法について紹介します。
掻いたり、爪で跡をつけるのはだめ
刺されて痒みが出るものの場合、掻くとその刺激によってヒスタミンというかゆみを引き起こす成分が出てしまい、もっと痒くなります。さらに掻き続けると皮膚を傷つけバイ菌が入って炎症が起き、ひどいと「とびひ」に。掻かずに効果的な薬を使いましょう。また爪で十字をつけるのも爪からバイ菌が入るので危険です。
「温める」「冷やす」どっちが正解?
虫や状況によって対処の仕方も変わってきます。被害を最小限に抑えるためにも対処方法を確認しておくと、もしもの時に安心です。
【ブユ(ブヨ・ブト)】
刺されたらすぐにポイズンリムーバーなどで毒を出し患部に触れずに水で流し、痒みが出る前に43℃以上で「温める(毒を中和する効果)」。痒みが出たら「冷やす(かゆみを軽減する効果)」。薬はステロイド剤が有効です。
【蚊・アブ】
刺されたら水で洗い流し、保冷剤などで「冷やす」。そしてステロイド外用剤を塗っておきましょう。
【蜂】
ポイズンリムーバーで15分以内に吸引、毒と血を洗い流し「冷やす」と毒の血液への吸収を遅らせられることもあります。薬は抗ヒスタミン薬やステロイド軟膏を塗り、体調に異変があった場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
アウトドア以外でも蜂やブユなどの被害にあった際、吸引して応急処置ができるキット。子どもやお年寄りでも簡単に使え、万が一に備えて常備しておくと安心です。
【基本情報】
サイズ:17×13×3cm
重量:75g
ブヨ(ブユ・ブト)に刺されたら?対策と虫刺され症状を解説
清流の近くには必ずといってもいいほど「ブヨ」がいます。ブヨに刺されると腫れやかゆみなどの症状が出るだけでなく、適切に処置をしないと跡やしこりが残ってしまう場合も。本記事ではブヨの特徴や対策方法、おすすめの商品について詳しく解説します。
虫を遠ざける手づくりアロマスプレー
殺虫性はありませんが、好みの香りの精油を使って虫の嫌がるアロマスプレーを自分で手づくりすることもできます。ただし肌には直接かけず、空間にスプレーし、そこをくぐるようにしましょう。また一気にたくさんつくらず、
1週間〜10日で使い切れるくらいを目安に。効果は1〜2時間程度なので、こまめに付け直すと安心です。
【作り方】
スプレーボトルに無水エタノール10mlと精油を5〜10適入れよく振って混ぜ、精製水40ml入れれば完成
※スプレーボトルはポリスチレン以外のものを用意しましょう。アルコール対応のものならOKです。
【忌避効果のあるおすすめの精油】
- ハッカ→蚊・ハエ・アブ・蜂
- ラベンダー→蚊・ハエ・ガ・ノミ・ダニ
ほかにもゼラニウムやシトロネラなども蚊に効果があります
虫除け対策をしっかりして安心・快適なキャンプを!
キャンプは自然の中でいつもと違う楽しみがたくさん味わえますが、普段とは違う環境だからこそ対策は大切です。特に虫は危険なものも多いです。キャンプ自体が嫌な思い出にならないよう、しっかりと虫除けをし、万が一の準備もしておくと安心して、快適にアウトドアを楽しめます。
虫除け効果のあるハーブ12選!キャンプの虫除け対策におすすめのアイテムも紹介
虫が多い季節に役立つ虫除けグッズ。しかし、子どもやペットがいる家庭では薬剤の使用を控えたくなります。そこで活躍するのが虫除けハーブです。肌に優しく香りが良いのに虫除け効果も抜群。ハーブは種類によって対策できる虫が異なります。この記事では虫除けできるハーブの種類や対策できる虫を紹介します。おすすめの天然成分配合の虫除けスプレーも紹介しているので、肌に優しい虫除けグッズを探している方は参考にしてください。