ブヨ(ブユ・ブト)に刺されたら?対策と虫刺され症状を解説
清流の近くには必ずといってもいいほど「ブヨ」がいます。ブヨに刺されると腫れやかゆみなどの症状が出るだけでなく、適切に処置をしないと跡やしこりが残ってしまう場合も。本記事ではブヨの特徴や対策方法、おすすめの商品について詳しく解説します。
ブヨの特徴をチェック!
ブヨという虫の名前は聞いたことがあっても、どのような虫だかわからないという人も多いのではないでしょうか。ここではブヨの特徴や刺された際に起こる症状について解説します。
ブヨってどんな虫?発生時期と場所
ブヨは、体長2~4mmほどの吸血性の昆虫です。地域によってはブユ、ブトとも呼ばれます。見た目は小バエに近いもののハエや蚊と違って羽音がしないため、刺されてもなかなか気がつきにくいです。
ブヨの幼虫は渓流に生息しており、成虫も渓流の近くや山中で多く見られます。吸血するのは産卵期のメスのみです。春~秋の朝方や夕方など比較的涼しい時間帯に活動します。
蚊とアブ、ブヨの違い
アブの体長は9~14mmほどで、ブヨの2~7倍の大きさです。刺されると激しい痛みとともに出血します。ブヨの場合はアブほどの痛みがないため、症状が出るまで気がつかないことも多いようです。
皮膚をかみ、流れ出た血を吸うアブやブヨに対して、蚊はストローのような針を刺して吸血します。蚊に刺されても痛みはありませんが、すぐにかゆみが出るのが特徴です。
ブヨに刺されたときの患部の様子と症状
きれいな川の近くのキャンプ場では、ブヨに注意が必要です。チクッとした痛みや違和感があったところを見て、赤い出血点や小さな水ぶくれができていたら、ブヨに刺された可能性が高いといえます。
刺された直後はそれほどかゆみは感じませんが、数時間~翌日以降に患部が赤く膨れ上がり激しいかゆみや腫れ、発熱などの症状が現れます。
症状は1~2週間ほどでおさまりますが、体質や刺された部位によっては、腫れが1カ月以上ひかないことも。内出血やしこりが残ってしまう場合もあるので、早めの処置が大切です。
ブヨに刺されてしまったときの応急処置
ブヨに刺されると痛みやかゆみを伴います。もし刺されてしまったら下記の手順で処置しましょう。
1
毒を身体から吸い出す
2
傷口を洗い流す
3
かゆくてもかかない
4
腫れがひどいときは冷やす
5
ステロイド系外用薬を使う
6
治らないときは病院へ
①毒を身体から吸い出す
ブヨに刺された直後であれば、ポイズンリムーバーで毒を吸い出すことで症状の悪化を防げます。ポイズンリムーバーとは、毒虫に刺されたときに傷口から毒を吸い出すための携帯用の装置のことです。安いものなら1,000円前後で購入できるため、キャンプに行く際は用意しておくと役立ちます。
②傷口を洗い流す
ブヨの唾液にはアレルギーを引き起こす成分が入っているため、できる限り洗い流してください。屋外では水道が近くにない場合も想定できることから、水が入ったペットボトルを持参しておくと万が一ブヨに刺されたときに役立ちます。
③かゆくてもかかない
かゆみが出てくるとついついかきむしってしまいがちですが、患部をかくのは厳禁。傷ができたり、細菌が入って化膿したりする要因にもなりかねません。ブヨに刺されたかゆみは強いことが多いので、かゆみを防ぐグッズなどを上手に活用しましょう。
④腫れがひどいときは冷やす
患部の腫れがひどくなったときや、かゆみが我慢できないときは冷やすことで症状を抑えられます。ただし、保冷剤や氷を直接当てると冷えすぎてしまうため、タオルなどで包み、優しく当てるようにしましょう。
⑤ステロイド系外用薬を使う
ブヨによるかゆみは、一般的な蚊などに対して使われるかゆみ止めでは効かないことがほとんどです。ブヨに刺されてしまった場合のために、アウトドアにはステロイド系外用薬や、抗ヒスタミン剤を配合している軟こうを持っていくことをおすすめします。
⑥治らないときは病院へ
万が一ブヨに刺されてしまった場合は、ただの虫刺されと軽視してはいけません。体質や刺された数によっては重篤な症状を引き起こす場合も。適切な処置をしても腫れやかゆみが治まらない場合は医療機関を受診しましょう。
ブヨに刺されないようにするための4つの予防
ブヨに刺されてしまったら蚊に刺されたときとは比べものにならないほどの腫れやかゆみが出るので、まずは刺されないようにすることが大切です。ブヨの特徴を踏まえ適切な対策をとりましょう。
1
なるべく肌を出さない
2
虫よけスプレーをこまめにつける
3
虫よけグッズを使う
4
おにやんま君も効果的
①なるべく肌を出さない
ブヨ対策の1つ目は服装です。ブヨに刺されないようにするために最も大切なのは皮膚を露出しないこと。長袖・長ズボンを着用することで刺される可能性はグンと減ります。ブヨの活動期間は春~秋の比較的温度が高い時期ですが、レギンスやパーカーなどを用意してブヨ対策することをおすすめします。特に足元は狙われやすいので、厚手のソックスを着用しましょう。
また、明るい場所が苦手なブヨは、黒や紺など暗い色に寄ってくる習性があります。黄色やオレンジなどの明るい色にはあまり近づかないため、洋服の色を意識して被害を少なくしましょう。
②虫よけスプレーをこまめにつける
ブヨ対策の2つ目は虫よけスプレーです。虫よけスプレーを購入するときは裏面を見て、効果効能の欄に必ず「ブヨ(ブユ・ブト)の忌避」と記載されているものを選びましょう。
小さな子どもに使用する場合など配合成分が心配なときはハッカ油スプレーもおすすめです!ブヨを含め、ムカデや蚊、カメムシなどの害虫はハッカのにおいが苦手なため、虫よけの効果が期待できます。虫よけスプレーやハッカ油スプレーは時間がたつと効果が薄れるので、小まめに塗り直すようにしましょう。
③虫よけグッズを使う
虫よけスプレーのほかにも、ブヨを寄せつけない虫よけ線香や虫よけ器などが多数販売されています。ただし、一般的な蚊取り線香はブヨには効かないこともあるので要注意。蚊とブヨは忌避成分が異なるため、こちらもブヨに効果があるかどうかをしっかり確認してください。
人気アウトドアブランド、Coleman(コールマン)とアース製薬が手がけたパワフルな虫よけ線香。
通常の製品と比べて太さや煙量が約3倍なので、キャンプなどのアウトドアシーンにうってつけです。
【基本情報】
- 内容量:10巻入り
- 効果:ユスリカ、アブ、ブヨの忌避
有効成分ピレスロイド配合で、アシナガバチ、ミツバチ、アブ、ブヨ、ユスリカなどにも効果を発揮します。煙が多い強力タイプなので、ハイキングやキャンプなど、山間でのレジャーにもぴったり。着火用のバーナーも付属しています。
【基本情報】
- 内容量:4巻入り
- 効果:アシナガバチ、ミツバチ、アブ、ブヨ、ユスリカ、チョウバエ、ガ、ヨコバイの忌避
OD缶を使用した、火を使わない虫よけ器です。スプレータイプのように薬剤に触れる必要がないので、
肌が弱い人や子どもにも安心。1枚のシートで最大4時間効果が持続します。トラベルバッグ付きで持ち運びも便利です。
おにやんま君も効果的
おにやんま君は殺虫剤や忌避剤を使用しない画期的な虫よけアイテム。ハエやハチ、ブヨなどの天敵とされているオニヤンマを模しているため、カバンや帽子につけておくだけで虫が寄ってこなくなります。電池切れなどの心配もなく、半永久的に使えるのもうれしいポイント!カラビナなどを用いて風で揺れ動くように取りつけるとリアルさが増し、さらに効果がアップします。
襲われることを恐れた虫を寄せつけない、というアイデア商品!
持っているだけで虫よけになるので、虫よけスプレーのように何度もつけ直したり、成分を気にしたりする必要もありません。虫好きの子どもなら喜んでくれること請け合いです!
ブヨに注意してアウトドアを楽しもう!
ブヨは、刺されるととても厄介な虫です。処置が遅れるとかゆみで眠れなくなったり、歩けないほど腫れあがったりすることもあります。しっかりと対策すれば被害を防げるので、まずは正しい知識を身につけることが大切です。ブヨに負けず、アウトドアを楽しみましょう。