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"そと"を楽しむにはまず敵を知れ。キャンプで出くわすあんな虫こんな虫大全
2022.07.12ノウハウ
「キャンプは好きだけれど、虫は苦手…」「子どもを初めてキャンプに連れていくので、虫対策が心配」。そんな方必見!今回は虫対策のエキスパートであるアース製薬にインタビュー。特に山間部や水辺など、キャンプ場で遭遇しやすい虫について、そして刺されやすいタイミングや刺されるとどうなるのか、詳しく話を聞きました。
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キャンプ・アウトドアWebマガジン「hinata」編集部。年間に制作・編集する記事は600以上。著書に『ひなたごはん』(扶桑社ムック)など。
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侮るなかれ!キャンプで出くわす危険な虫たち
アース製薬・ブランドマーケティング部の辻さんにインタビュー
今回お話を伺ったのは、アースノーマットやアースジェットで知られるアース製薬・マーケティング総合企画本部 ブランドマーケティング部の辻 浩一さん。「虫は刺されて痛いだけでなく、感染症を引き起こす可能性があるので、十分注意してアウトドアを楽しんでほしい」とキャンパーにメッセージをいただきました。
かゆいだけじゃない!死亡することもある「蚊」
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では、早速キャンプ場で出くわしやすい虫について見ていきましょう。遭遇率が高いのは、皆さんよくご存知の蚊。アウトドアシーンで出現するのは、昼から夕方にかけて多くみられるヒトスジシマカと、夕方から夜にかけて出るアカイエカの2種です。
蚊は二酸化炭素と温度を感知し、吸血します。そのため、テントを設営したり遊んだりして汗をたくさんかいた後や、飲酒後に体温が上がった状態は特に注意!体温の高い妊娠中の方、赤ちゃんや子どもも刺されやすいのでしっかりと対策を行いましょう。
蚊は夏によく刺されることが多いため、「痒み止めを塗ればいいや」「放っておいても大丈夫」と軽く考えてしまいがち。しかし痒くなるだけでなく、後から感染症になる危険性もあります。デング熱の流行などは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?世界でも蚊に刺されたことで感染症にかかった死亡例は多く、人間の命を奪う動物ランキングで1位と言われています。実はとても危険で、注意する必要のある動物なのです。
キャンプ場・アウトドアで被害が全国的に多い「ブユ」
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水辺近くの草むらに多く出現するブユ(ブヨ)。水の綺麗な場所に出やすいため、山間部の川や水辺の近くでは注意が必要です。血を吸うことで毒性のアレルギー反応が起こり、蚊よりも痛みやかゆみが出ます。
蚊は数時間で治りますが、ブユはかゆみがどんどん強くなるのが特徴。刺された半日〜翌日以降にどんどん痒みが出て、内出血のようになります。痒みが激しくなるとキャンプどころではなくなり、医療機関への受診が必要な場合も出てくるため、対策をしっかり行うことが大切です。
川や沼地に出現しやすい「アブ」
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ハエの仲間であるアブは、花に寄ってくるものや虫を食べるもの、馬や牛などの家畜の血を吸うもの、人の血を吸うものなど種類によって吸血対象が異なります。人の血を吸うアブは川・沼地にいることが多く、7月から9月のキャンプシーズンは特に注意。
アブは鋭い口器で皮膚を切り裂き、流れ出る血液を吸うため、咬まれた箇所は血がにじむようになります。川辺でのバーベキューや川釣りなどを行う際は、アブ対策をすることをおすすめします。
西日本が中心。最近は関東にも出現する「マダニ」
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西日本の山間部を中心に出るマダニ。最近では関東でも出ておりニュースにもなりました。「ダニ」と言うと家にいるダニをイメージしてしまいますが、それとは別物。
屋外で吸血するマダニは刺されるとダニの強い口が残り、無理に剥がすと中に入っている病原体が逆流するため危険。何もせず、病院で受診しましょう。最近は公園などでも目撃されているため、庭でのバーベキューなどでも注意が必要です。
血ではなく体液を吸う「ツツガムシ」
ダニの一種であるツツガムシは、山や河川に現れます。幼虫は0.2mmと小さいため、気づかずに刺されることが多いのだそう。血ではなく体液を吸うためかゆみはなく、跡もすぐ消えてしまいます。しかしツツガムシが病原体を持っていた場合、発熱や風邪のような症状が出ることも。そうなった場合は病院に行くのがおすすめです。
寝ている間に噛まれるかも?!テント内で注意したい「ムカデ」
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山間部の石や葉っぱの裏に潜んでいるムカデ。焚き火用の木を探している時などに遭遇することが多いかもしれません。見た目が苦手な方も多いムカデですが、実は噛まれることもあります。郊外の戸建てなどでは、小さな昆虫・クモ・ミミズ・ゴキブリなどの餌を求めて家の中に侵入、ベッドの中で噛まれる被害も多いのです。噛まれるとかなり痛みが出るため、テント内に侵入しないよう、寝る前に対策が必要です。
もし噛まれた場合は流水で毒を出し、ステロイド軟膏を塗りましょう。腫れがひかない場合は無理せず病院へ。
噛まないけれど、見た目がグロテスクな虫たち
ヤスデ・ゲジ
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その他、野外で多く見るのはヤスデやゲジ。噛まないので被害はありませんが、見た目がグロテスクなため小さいお子さんや女性などは苦手な方が多いのではないでしょうか。ヤスデは集団発生して不快臭を発散することも。虫の侵入を防ぐスプレーや粉剤が有効的です。
たかが虫、されど虫。命の危険があるため、しっかりと対策を
虫に刺されると感染症になるなど、時には命に関わることもあります。虫の危険性を理解し、対策することが重要です。hinataでは虫対策の記事も特集していきますので、お見逃しなく。