鍛造ペグおすすめ20選！ほかのペグとの違いやメリット使い方も解説

鍛造ペグとは、硬く丈夫で曲がりにくいのが特徴のペグです。読み方は「たんぞうペグ」。鍛造とは金属の加工方法で、日本では古来刀をつくる工程でも鍛造技術が用いられ、古くから伝統的な技術として受け継がれています。 そもそもペグはただ強く打ち込めば刺さるものではなく、強度の低いペグを硬い地面に強く打ち込むと簡単に曲がってしまい、地面に深く刺さらなくなります。打ち込みが浅いと固定力が低下して、タープが倒れたりテントが飛ばされたりすることもあり大変危険です。 その点、鍛造ペグは硬い土の地面や小石の多い河辺、木の根がある場所など、あらゆる環境でも地面に刺さる強度があるため、安心して利用できるアイテムとして多くのキャンパーに支持されています。

鍛造ペグは、高温で熱して金属を型に流し込み、たたくことにより強度を高めたペグです。鍛造ペグのほかに、熱した金属を型に流して成形された鋳造(ちゅうぞう)ペグがあります。読み方は似ていますが、鋳造ペグは強度を高めるためのたたく工程がないので、鍛造ペグに比べて強度が低いのが大きな違いです。

鍛造ペグと鋳造ペグは製造工程に加え、使用する素材による強度の違いもあります。鍛造ペグは主にスチールが使用され、鋳造ペグはスチールやステンレス、アルミなどさまざまな素材でつくられます。スチールは金属の中でも硬く丈夫な素材で、鍛造加工を施すことでほかの素材よりさらに高い強度を実現しています。

鍛造ペグは最強ともいわれますが、全てのキャンプシーンで最適であるとは限りません。メリットとデメリットの両方を理解して賢く使いこなしましょう。

鍛造ペグは、硬く丈夫で大型のテントやタープでもしっかり固定・設営できるのが一番のメリット。風が強い日のキャンプでは鍛造ペグ一択といっていいほど頼りになる存在です。頑丈さは耐久性の高さにも比例し、長く使えるのも鍛造ペグの特徴です。簡単に曲がらないので地面への刺さりもスムーズで、長いペグでも時間をかけずに打ち込めます。 以下で説明するデメリットをふまえても、テントやタープを安全にかっこよく設営するという観点から見ると、鍛造ペグはほかのペグより優秀です。「これからキャンプをはじめたいけど、どのペグがいいかわからない」「しっかりとサイトづくりをしたい」という人は鍛造ペグがおすすめです。

重量のある鍛造ペグは持ち運びの負担が大きく、価格が高めなので手軽に何本も購入するのは難しい場合があります。主な素材であるスチールは、アルミやチタンより重い金属です。例えばSnow Peak(スノーピーク)のソリッドステークは、30cmの鍛造ペグが1本330g、10本で3kg以上になり小型のテントと同様の重さになることも。同じ長さでもアルミ製は約40g、チタン製は約70gと、大きな差があります。(重さは一例です。) また鍛造ペグは型に流し込む鋳造ペグに比べて製造工程が多く手間がかかるため、ほかのペグに比べると高額になりやすいアイテムです。スノーピークのソリッドステークも1本1本プレスして成形されます。大量に購入するのはややハードルが高いですが、長さや利用箇所を考慮して最適な鍛造ペグを選びましょう。

鍛造ペグは種類が多く、キャンプ初心者はどれを選べばいいか迷うこともあるでしょう。利用するタープやテントをしっかり設営できるように正しい選び方を解説します。

鍛造ペグは、さまざまな長さの製品が各アウトドアメーカーから販売されています。利用するテントやタープをしっかり固定できる長さを選びましょう。 大きいテントやタープであれば30cm上の長いものを、ソロ用の小さいテントなら15cm前後の短いものでも十分です。ペグは長いほど固定力が高まりますが、鍛造ペグは重いため、むやみに長いペグばかり使用するのはナンセンス。タープであればメインポールを支える部分は長いペグ、それ以外は一段階短いものを使用するなど工夫してみましょう。 また風や雨など天候によって必要な長さが異なります。風が強ければタープがあおられたり、雨で地面がぬかるんだりするとペグが抜けやすくなるため、悪天候のときはいつものペグより一段階長いものを準備すると安心です。 【テント・タープの大きさ別】長さの目安は以下の通り。

鍛造ペグは、一般的なピンペグ(または丸型ペグ)と楕円形ペグがあります。主流はピン部分の丸いピンペグで、種類が多いので長さやデザイン、メーカーなど選択肢が豊富です。一方、楕円形ペグは、ピン部分が楕円形で刺したときにクルクルまわらず、固定力に優れています。しかし楕円形ペグは製品数が少なく、価格が高いため購入のハードルはやや高め。鍛造ペグならピンペグでも十分な固定力があるので、ロープを固定するかテントを固定するかなど、用途に合わせて使い分けましょう。

また打ち込むヘッド部分の形状や広さも扱いやすさを左右します。多くの鍛造ペグのヘッドは1×1cm程度しかなく、特にキャンプ初心者はハンマーがヘッドにうまく当たらず手をケガしたり、ペグがまっすぐに刺さらなかったりすることもあります。そのため、ヘッド部分が広いものやフラットなものを選ぶのも1つのポイント。ペグを打ち込む作業は設営のスムーズさに大きく影響するので、扱いやすい形状のものがおすすめです。

鍛造ペグの主な素材であるスチールに限らず、金属はさびる性質があるため、さびを防止するカオチン電着塗装を施したものがおすすめです。カオチン電着塗装とは高い防錆力を誇る加工で、特殊な塗料にペグを浸し、電気を流すことでできる表面の被膜がさびの発生や傷つきを防止します。主に黒い塗料が用いられるため黒電着塗装とも呼ばれています。 ペグは地面に刺したりハンマーでたたいたりすることにより、傷がついてさびやすい道具です。こまめなメンテナンスも必要ですが、さびにくいものを選ぶのも賢い選択。塗装の表記がないアイテムもありますが、耐久性を重視したい人や海辺でのキャンプを楽しみたい人は、カオチン電着塗装と記されたものを選ぶと良いでしょう。

ワークウェアだけでなく、オリジナルアウトドア用品も支持されるワークマンの鍛造ペグ。キャンプギアをこよなく愛するユーチューバーFUKUとのコラボアイテムです。鍛造ペグは短いものでも1本500円以上しますが、ワークマンの鍛造ペグは1本199円(税込)と驚きのコスパ！短すぎず長すぎない25cmで、ピン部分は一般的なペグよりやや細めの7mm。先端に向かって細くなる形状なので、全体的にスリムでコンパクトです。予算を抑えたい人や鍛造ペグを試しに使ってみたい人は、ワークマンの鍛造ペグをチェックしてみましょう。 詳細はこちら： 鍛造(たんぞう)スチールペグ 25cm

鍛造ペグは固く丈夫ですが、正しく使用しないとその高いクオリティをいかせず、タープやテントの安全性が低下することがあります。正しい使い方を理解して、かっこよくテントやタープの設営をしましょう。3つのポイントとメンテナンスについても解説します。

ペグの打ち込みは角度が重要です。地面に対して45～60度、ロープとペグの角度が90度くらいが基本です。ロープに引っ張られても抜けにくく、ロープがずれない角度を意識しましょう。風が強い日はロープをかけるフック部分まで打ち込むと、ロープが外れにくく固定力もアップします。

ペグを45～60度程度にセットしたら、真上からではなくペグの角度に合わせてハンマーで打ち込みます。真上から垂直に打ち込むと力が十分に伝わらなかったり、ペグが曲がったりするので、角度に注意しながらペグが適切な角度で刺さるようにしましょう。また、力任せにハンマーを振り下ろすのもNG。丈夫な鍛造ペグでも、強すぎる力では曲がってしまいます。最初は少しずつ打ち込み、ある程度刺さったらハンマーの重さを利用して深く打ち込みましょう。

ペグを抜くときは、ハンマーのフックをペグの穴に差し込んで引き抜きます。抜きにくい場合はまわしたり横からハンマーでたたいたりすると、ペグと地面の接触面にスペースができて抜けやすくなるので試してみましょう。ハンマーにフックがない場合は、刺さっているペグに対してもう1本のペグをT字に引っかけて抜く方法もあります。

使用後は泥や水分を乾いたタオルでふき取ります。雨のキャンプでドロドロに汚れてしまった場合は水洗いも可能ですが、金属製のタワシで強くこするのは傷つく可能性があるのでNGです。水洗い後は水気をふき取り、帰宅後にしっかり乾燥させるのがベスト。保管する際も湿気の少ない場所を選びましょう。 鍛造ペグは防錆塗装を施していますが、繰り返し使用して傷がついたヘッドや先端はさびやすい状態です。鍛造ペグの耐久性を過信せず、ていねいにメンテナンスをして大切に長く使いましょう。

鍛造ペグは、安全で快適にキャンプを楽しむための重要なアイテムです。風が強い日のキャンプでも丈夫な鍛造ペグを使えばロープがしっかり固定されるので、タープやテントが風で飛ばされたり、風であおられてキャンプに集中できなかったりするリスクを軽減できます。テントやタープに合ったサイズや形状の鍛造ペグを準備して、安全でかっこいいキャンプサイトをつくりましょう。