コールマン社長

日本の「コールマン」最高責任者が説く、キャンプという最高のぜいたく。

「初めて買ったギアはコールマンです」。そんな人も多いはずの「キャンプといえば」な定番ブランド、コールマン。その日本最高責任者、中里豊さんにインタビュー。幼少時から、日本やアメリカでアウトドアに触れ、今も頻繁にキャンプに行っては、サーフィンやSUPなどアウトドアアクティビティに勤しむ。そんなオフタイムを余すところなく遊び尽くす、中里社長に最近のキャンプのこと、ブランドのこと、率直に聞いてみました!

コールマン事業部最高責任者、中里豊さん

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なかざと・ゆたか。1972年生まれ。父親の転勤が多く、幼少期から学生時代を大阪や愛知、東京、シカゴなどさまざまな地域で過ごす。総合商社や化粧品業界で勤務したのち、2015年にコールマン ジャパンの代表取締役社長に就任。現在はグループ会社と統合し、ニューウェルブランズ・ジャパン合同会社コールマン事業部最高責任者。

小さな頃から、自然の中で過ごすのが当たり前だった

クーラー
「コールマンといえばランタンのイメージがありますが、個人的にすごく思い入れがあるのがクーラーボックス。クルマには必ず積んでますね。サーフィン後のウエットスーツを入れるのにも便利」
――キャンプを始めたのはいつごろでしたか? 中里豊さん(以下中里):父が転勤族だったんです。だから大阪、名古屋、東京、アメリカ…。いろいろな土地に住みました。転勤するたび、その土地や人に慣れるために兄はカブスカウトに入るんですよ。その兄と一緒に行っていて、そこでキャンプしたのが最初の体験かもしれません。 田舎に住むことが多くて、よく近くの山や森に入って遊んでいました。街暮らしより、そういう田舎暮らしの記憶のほうが長いかもと思うほどです。だからキャンプにハマるのに、これといったきっかけはなくて。自然の中で遊ぶことが当たり前だったんです。
――アメリカはコールマンの故郷ですね。そこでもキャンプをしていたんですか? 中里:していましたよ。でも、キャンプに行って、すごくつまらなかった記憶もあるんです。当時15歳で言葉が分からず、寂しい思いをしまして。 みなさんご存知のコールマンのクーラーボックスって、80年代から今と同じ色であるんですよ。アメリカではライフスタイルに溶け込んでいて、ガレージやら車の中など、どこでも見かけていました。だからこのクーラーボックスを見ると、アメリカの高校時代を思い出してしまうんですよね(笑)。途中からは楽しめるようになりましたが、最初はつらかったものですから。

キャンプはこれ以上ないぜいたくな遊び

語る
「キャンプに行くとプライベートなんだけど、仕事としてのレンズもあるんですよ。自社製品も他社製品も、みなさんのキャンプスタイルをウォッチングして楽しんでますよ。そこで考え込んだりとかはしないですね」
――今はキャンプでどんな過ごし方をしていますか? 中里:もっぱら家族と出かけますが、我が家は活動的ですよ。サーフィンしたり、SUPしたり、サイクリングしたり…ですから、湖か海に向かうことが多いです。ほとんどサイトにはおらず、ずっと動いてお腹が空いたら帰ってくる感じでしょうか。家族みんながそうなんですよね。 サイトもテントを張って、ハンモックを張って、以上(笑)。夜になったら、焚き火もしますけどね。その火で沸かしたお湯で、食事はカップラーメンなんてときもありますよ。もう夏はほぼ毎月、過ごしやすい季節になると毎週キャンプに行っていますね。
――キャンプの醍醐味はなんだと思いますか? 中里:私たちコールマンのビジョンにもある「人と自然とのつながり」がキャンプの醍醐味で、それだけでもハマる1つの理由だと思います。焚き火ができて、景色がよくて、食事がおいしいって、究極のぜいたくだと思いませんか?同じキャンプ場に行っても毎回、景色が違うし、行くメンバーでも全然、雰囲気が変わってきますよね。私にとっては、そんな変化が楽しめる、最高のぜいたくです。だから、みんなもっとキャンプをしてほしいなと思います。

自然と一体化するようなロングステイ・キャンプ

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――今でも心に残っているキャンプはありますか? 中里:2つあります。1つは7年前に行った青木湖でのキャンプです。9日間休みをとって久しぶりに家族で。滞在中は1日動きまわって、夜は食べて、そして寝る、ということを家族で繰り返して。 2泊3日くらいが一般的だと思うのですが、私たちは長めに滞在することが多いんです。そうすると同じ場所でも、違う雰囲気になってくるんですよ。鳥の鳴き声や朝の空気も毎日違いますし、そばにある木が自分の一部のようになってくるんです。だんだん、そこで生かされてる気分になって、自然と一体化していくような…あれは不思議な感覚ですよね
――2つ目はなんでしょうか? 中里2021年に開催した「ザ コールマン キャンプ」です。コロナ禍で、外出に気を使う方がまだまだ多いタイミングでした。私たちも開催にあたり、さまざまな対策を考えました。安全性はもちろん、お客さまが来なかったらとかも。結果としましては、開催することができて本当に良かったと思っています。 参加者の皆様には体温を測ったり、抗原検査をしてもらうなど、面倒をおかけしましたが、多くの参加者の方から「ありがとう」という言葉をいただき、みんな本当はキャンプに行きたかった、来たかったんだなということがわかって感動したんです。私たちがやっている仕事は、非常に価値があることなんだなということが実感できました。また、私たち自身、2年以上もお客様と会えてなかったので、非常にうれしい時間をいただきました。

キャンプの楽しみは行くたびに新発見があること

発見
——どんなキャンプが理想ですか? 中里:そういうことを考えないのが理想のキャンプじゃないですかね(笑)。スタイルや型にこだわらず、とにかく現地に行ってしまえばいいのにと思うんですよ。「キャンプへいく」ということを気軽に思えるような。もちろんギアを揃えたり、見栄えも大事ですけど、やっぱり未知の体験を楽しむのがキャンプですよね。 例えば、予定はなくても急な気分で「キャンプでも行くか」くらいの行き当たりばったり感でいいのではないかと。たまたま選んだキャンプ場が「ここいいじゃん!」ってなれば興奮するじゃないですか。そのほうが、発見があるんですよ。たとえ、以前行ったキャンプ場でも、2度目、3度目で印象が変わったりしますしね。行くたびに新しい体験ができる、あえて言うならそれが「理想のキャンプ」なのかもしれません。

あのときのブームと、今のシーンは違うもの

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「今がブームだとは思っていません。本当のブームはこれから来ますよ。アウトドア業界はこれから、もっと良くなると思っています」
――ここ数年は、キャンプブームと言われ、たくさんの方がキャンプを始めていますが、どんなふうにシーンを見ていますか? 中里:ここ1、2年がブームとされていますが、実はキャンプ市場の成長は、もう10年以上前から続いているんですよ。じわりじわりと上がっていてこの2年間で、それが加速しただけであって。キャンプ場も多様化してきましたし、新しいメーカーもどんどん出てきました。キャンパーもすごく多様化していますよね。今はどんどんキャンプの裾野が広がっていると思います。そこが90年代初期の「ブーム」と大きな違いかなと思いますね。
――90年代のブームのときはどう過ごされていましたか? 中里:そのときには、もうコールマンのテントを張っていました(笑)。あのときのキャンパーはみんな一緒のものを使っていたような…。クルマだったら三菱の四駆、RVRとかね。それに乗ってみんなでキャンプに行って、CMも全部キャンプシーンでしたよね。しかもほとんどファミリーキャンプ。 今と比較すると全然、違う市場だと思います。現在のほうが、重心が低いなと思うんですよね。
――今のほうが安定感があるということですか? 中里:そうですね。多様化して裾野が広がるということは、土台が強くなるということです。しっかり地に足がついたシーンになっていると思いますよ。 コールマンはずっと「アウトドアをライフスタイルの一部にしたい」と伝えてきました。最初は「大きな夢を持ったな」と思いましたけど、当事者としては、だんだん、現実に近づいてきているような気がしますね。
――アウトドアをライフスタイルの一部にするために、コールマンはどうサポートしようと考えていますか? 中里:コールマンは上級者も入門者も、キャンプをしたいすべての方をターゲットにしています。この2年、新型コロナのために、レジャーの選択肢が少なかったですよね。結果として、キャンプが比較的、安全に楽しめるアクティビティとなって初めて、キャンプをした方も多いですし、シニアのリターンの方もいます。そんな方々にあらためてキャンプの楽しみを伝えていきたいですね。 せっかく興味を持ってくださったお客さまが、情報やアイデアがないために、やめてしまったりするのはもったいないと思うんです。そこで、その最初のハードルを超えていただくために、コールマンではウェブサイトのコンテンツを充実させています。キャンプを楽しむためのアイデアが図書館のように並んでいますから、キャンプがよくわからなくて諦めてしまう前に、一度訪れてほしいと思います。キャンプの本当の醍醐味を情報や商品からショップ、そしてイベントでどんどんシェアしていきたいと考えています。
キャンパーなら誰もが1つは持ったことがある、キャンプギアのスタンダード「コールマン」。アイテムだけでなく、「ザ コールマン キャンプ」などイベントも積極的に開催して、アウトドアシーンをけん引しています。ウェブサイトもキャンプやアウトドアで遊ぶときに役立つ情報やトピックが満載。キャンプ入門者の予習&復習にも、もってこいです!

キャンプを楽しむアイデアがここにあり!

これだから、そと遊びはやめられない。

「アウトドア(キャンプ)」という、遊び領域で長年走り続ける注目の人物に「なぜそと遊びが好きか」を問いかけるインタビュー連載。



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