鉄フライパンのシーズニングを解説!失敗時の対処法&メンテ方法も
鉄フライパンやスキレット、鉄板などの鉄製調理器具の使用前にはシーズニングが必須です。しかし、やり方がわからない人も多いのではないでしょうか?今回の記事では、鉄フライパンのシーズニングに必要な道具とやり方について解説していきます。シーズニングに失敗した時の対処法やメンテナンス方法もまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
鉄フライパンはシーズニングをして使おう!
鉄フライパンはステンレスやアルミのフライパンと比べて、頑丈かつ熱伝導率の良さが特徴。焚き火や炭火を使用した直火調理もできることから、キャンプの調理道具としてよく利用されます。
「正しく使えば一生ものになる」と言われ、使い心地の良さから料理好きから重宝されるアイテムの1つです。ただし、「重たい」、「お手入れが大変」とデメリットもあり、特に使用の前後にシーズニングを行う必要があるのは、ステンレスやアルミのフライパンにはない一手間。
シーズニングは「油ならし」とも言われ、鉄フライパンが焦げつきにくくなり、さびを防ぐ効果があるので、忘れずに行いましょう。
鉄フライパンの使用前にシーズニングをしないとどうなる?
シーズニングの主な目的は「表面についた塗装やさび止めワックスの除去」と「焦げ付きの防止」の2点です。また、鉄製品特有の臭さが食品に移ってしまうのを防ぐ効果もあります。
特に焦げ付きの防止は重要。食材が焦げ付きやすい状態だと、調理しにくくなったり洗う手間が増えたりと、鉄フライパンを快適に使えません。しっかりシーズニングを行いましょう。
どうしても面倒な場合は、シーズニング済みで販売されている鉄フライパンがあるので、そちらがおすすめ。購入後、軽く水洗いして火にかけて水分を飛ばせばすぐに使用できます。
鉄フライパンのシーズニングに必要な道具を解説!
鉄フライパンのシーズニングに必要な道具類をまとめると、以下の通りです。
【必要な道具類】
- 食器用洗剤
- スポンジやタワシなど
- 乾性油(サラダ油など)
- カセットコンロ
- キッチンペーパー
- 菜箸やトングなど
- くず野菜
道具を選ぶ際の具体的な注意点を、詳しく紹介していきましょう。
油は「乾性油」を選ぼう
鉄フライパンのシーズニングを行う際には、「乾性油」を使いましょう。
乾性とは「空気に触れると固化しやすい」という意味。油にはほかにも「半乾性油」「不乾性油」がありますが、シーズニングは固化した油の膜で鉄を保護するものなので、乾性油が最適なのです。
種類ごとにあてはまる油の例を紹介すると、以下の通りです。
乾性油は、アマニ油やえごま油などが該当します。普段から料理に使っている人は多くないかもしれませんが、シーズニング用にぜひ用意しておきたいところ。手に入らなければ、値段もお手頃で買いやすいサラダ油で代用してもいいでしょう。
シーズニングはガスコンロよりカセットコンロがおすすめ
鉄フライパンのシーズニングを行う際には、キッチンに備え付けのガスコンロよりカセットコンロがおすすめです。ガスコンロの中には安全装置付きのものがあり、途中で火が小さくなったり消えたりする場合があります。
カセットコンロであれば同じ火力で空焼きができるので、失敗するリスクを軽減できます。シーズニング中は煙と独特のにおいが充満するため、しっかりと換気をしながら作業しましょう。
鉄フライパンのシーズニングのやり方を紹介
道具がそろったら、いよいよシーズニングに挑戦しましょう!ここからは、鉄フライパンのシーズニングのやり方を、手順にそって解説していきます。
STEP1 鉄フライパンを空焼きして塗装を焼き切る
最初に、鉄フライパンを空焼きして塗装を焼き切る作業を行っていきましょう。まず中火で鉄フライパン全体を熱して、煙が出始めたら強火にかけます。だんだんと煙が出てくるので、換気を行いながら続けましょう。
しばらくすると鉄フライパンの塗装が気化して、中央部あたりが青色っぽく変色してきます。全体がまんべんなく青色になり、最終的に煙が出なくなったら塗装を焼き切った証拠です。一度火を止めて、粗熱をとりましょう。
STEP2 スチールタワシで全体を洗って塗装を取り除く
粗熱が取れたら、次にスチールタワシと食器用洗剤を使って全体を洗っていきましょう。洗剤で洗えば残った塗装がきれいに取り除けます。
フッ素コーティングなどの表面加工がされていない鉄フライパンは、多少こすっても問題ありません。最後に、使わなくなったタオルやキッチンペーパーなどで水分を取っていきましょう。
STEP3 「油ならし」を行う
次に、キッチンペーパーに油を染み込ませて、鉄フライパンに馴染ませるように塗り広げましょう。十分に油を塗り込めたら強火にかけ、煙が出るまで鉄フライパンを熱します。
STEP4 油が乾いたら粗熱をとる
鉄フライパンを熱し続けることで塗り込んだ油が乾き、煙が出なくなります。煙が出なくなったら鉄フライパンを冷まし粗熱をとりましょう。
STEP5 野菜くずを炒める
STEP4でシーズニング自体は完了していますが、フライパンから出る鉄のにおいが気になる場合もあります。その場合は、キャベツの芯やジャガイモの皮などの野菜くずを炒めましょう。 野菜くずを炒めることで鉄独特のにおいを抑えられます。
STEP6 タワシでさっと洗う
野菜くずが焦げ付く手前まで炒めたら、火から下ろし、洗剤は使わずにお湯とタワシでフライパンの表面をさっと洗いましょう。この時冷たい水で洗ってしまうと、急激に鉄フライパンが冷やされて、割れてしまう可能性があるので注意が必要です。
STEP7 鉄フライパンを火にかけて水分を飛ばす
鉄フライパンを洗い終えたら、再び火にかけて水分を飛ばしましょう。水分が残っているとさびる可能性が高くなります。キッチンペーパーでフライパンの表面を軽く拭きつつ、火をかけて完全に水分を飛ばすことでさびるのを防げます。
STEP8 鉄フライパン全体に油を塗る
水分を飛ばした後は、フライパンに再度キッチンペーパーに含ませた油を塗ってシーズニングは完了です。シーズニングを繰り返すことで、鉄フライパンは長持ちします。フライパンの裏側も湿気などでさびる可能性もあるため、表面だけではなく裏側全体にも油を塗っておきましょう。
鉄フライパン使用後のメンテナンス・保管方法
鉄フライパンを調理で使用した後のメンテナンスは、先述したSTEP6~STEP8の手順を行います。洗剤を使わずにフライパンを洗って汚れを落としたら、乾燥させて油を塗ればOKです。この作業を繰り返し行うことで、食材が焦げ付きにくい鉄フライパンに成長していきます。シーズニング完了後は、鉄フライパンが完全に冷め切ってから、新聞紙に包んで保管しましょう。
鉄フライパンのシーズニングの失敗例と対策を紹介!
鉄フライパンで調理中に食材がこびりついてしまったら、シーズニングに失敗してしまった状態かも。もし、鉄フライパンのシーズニングに失敗していても、やり直しがきくので安心してください。ここからは、シーズニングのよくある失敗例と対策方法を紹介します。
失敗例「シーズニングしたのに時間がたつとさびてきた」
シーズニングをきちんと行っていたつもりでも、残念ながらさびてしまことはあります。サビてしまった場合は、水をつけながら「金たわし」でサビをこすって落としましょう。それでもさびが取れない場合は「重曹」を研磨剤代わりにしたり、「やすり」でこすったりすると効果的です。サビが取れたら、再度シーズニングを行い、新聞紙に包んだ状態で保存してくださいね。
失敗例「熱した鉄フライパンに冷たい水をかけたら割れてしまった」
鉄フライパンなどの鉄製調理器具は、急激な温度変化が苦手。そのため、使用後の熱をもったフライパンに水をかけて急激に冷やすと、ひび割れにつながる可能性があります。手間ではありますが、フライパンを洗う際は必ず粗熱が取れるまで待ちましょう。
失敗例「シーズニングしたのに食材がくっついてしまう」
鉄フライパンに油膜がうまく張れていない場合、調理中に食材がくっついてしまうことがあります。油膜がうまく張れない原因としては、「洗剤を使用して洗っている」ことや「前回の焦げ付きを上手く落としきれていない」ことなどが考えられます。まずはしっかり汚れを落としてから再度シーズニングを繰り返して、強固な油膜を作ってあげましょう。
鉄フライパンのシーズニングを済ませておいしいキャンプ飯を作ろう
正しくシーズニングをした鉄フライパンは食材が焦げ付きにくくなり、おいしい料理を作れるようになります。ぜひ本記事を参考にしておいしいキャンプ飯を作ってみてください!