シーズニングのやり方と注意点を解説!使用後のお手入れポイントも紹介
ダッチオーブンやスキレットは、さまざまな調理がおいしくできるため1つは持っておきたいアイテムです。しかし、鉄製の調理器具は購入してすぐ使えるわけではありません。今回は購入後におこなうシーズニングと、お手入れの仕方を紹介します。
シーズニングとは?
シーズニングとは、鉄製のスキレットやダッチオーブンなどの調理器具におこなう「油ならし」です。食用の油でコーティングすることで、焦げつきやさび防止効果があります。シーズニングをおこなうたびに油がスキレットになじみ、料理するほど使いやすくなります。
シーズニングの必要性
シーズニングには主に3つの効果があります。
1.表面に付着している、さび防止のワックスや油の臭いを取る
鉄製の調理器具の表面にはさび防止のワックスや油が付着しています。そのまま使用すると食材にワックスの臭いがついてしまうため、洗剤で洗い流すことで食材への臭い移りを防ぎます。
2.油ならしをして、焦げつきやさびを防ぐ
油を全体に塗りならすことで、さびや焦げつきの防止が可能。鉄は空気中の酸素や水分でさびてしまう場合があります。油をなじませ膜を張ることで、酸素や水分が付きにくくなりさび防止効果を発揮します。また油膜によって食材が焦げつきにくい点もメリットです。
3.使用するたびに手入れすることで長持ちさせる
鋳鉄を長持ちさせるためには、使用するたびにシーズニングによる手入れが必要です。シーズニングをせず油がない状態で調理すると、さびや焦げつきにより料理しにくい状態になります。使うたびにシーズニングすれば、さびや焦げつきを防ぎ、鋳鉄を良い状態に保ち長く使用できます。
シーズニングをしないとどうなる?
きちんとシーズニングをおこなわないと、さび防止に使われているワックスの臭いが食材についたり、焦げやすくなったりして料理の味が落ちてしまいます。またさびや焦げがつくと、汚れを落とす手間が増えメンテナンスが億劫になることも……。
そうならないためにも、鋳鉄製の道具を購入した際はシーズニングして、長く使えるようにお手入れしていきましょう。
シーズニングのために準備するもの
シーズニングをスムーズにおこなうには、油のほかにもいくつかそろえておきたい道具があります。以下を参考に、準備を万端にしてシーズニングに挑みましょう!
【用意するもの】
- 鋳鉄のダッチオーブンやスキレット
- 食器洗い用の洗剤
- スポンジ(たわし)
- オリーブオイル
- クズ野菜
- キッチンペーパー
- 菜箸
- トング(あれば)
【動画付き】シーズニング方法を解説
ここからはシーズニング方法を紹介していきます。動画ではスキレットを使用していますが、ダッチオーブンなどほかの鉄製の調理器具でも手順は同様です。
1.前準備
本体に水を張り加熱します。お風呂より少し熱い温度(40~50℃)になったら加熱をやめてお湯は捨てます。
2.洗浄
食器用洗剤を使い本体をしっかりと洗います。洗い終わったらお湯で洗剤を流しましょう。
3.素焼き
お湯で洗剤を落とし終わったら、本体を火にかけ素焼きします。熱すると白い煙が出てくるので、煙がおさまるまで加熱してください。素焼きは全体的に満遍なくおこなうようにしてください。
4.油でコーティング
オリーブオイルを垂らし、キッチンペーパーでスキレットに満遍なくオリーブオイルを塗ります。油を塗ったら再度、煙が出るまで加熱します。
5.3と4の工程を3〜4回繰り返す
オリーブオイルを塗って全体的に素焼きおこなう工程を、3~4回繰り返します。
6.クズ野菜を炒める
油を入れ、臭い消しのためにクズ野菜を炒めます。油が万遍なく行きわたるように、野菜に焦げがつくまでしっかりと炒めましょう。使用する野菜はタマネギなど香りが強い野菜だとより効果的です。
7.仕上げに油を塗る
炒めたクズ野菜を捨てたら仕上げにオリーブオイルを塗り、冷ましたらシーズニングは終了です。
8.通気性のいい状態で保管する
シーズニングをしていても湿気があると、さびる場合があります。なるべく通気性のいい状態で保管し、吸湿してくれる新聞紙で包むのもおすすめです。
フタも同様の工程でおこなう
ダッチオーブンやフタつきのスキレットの場合、フタも本体と同様の工程でシーズニングをおこないます。本体と違い持ちにくいため、フタを持ち上げられる取っ手やトングなどがあると便利です。
使用後の手入れのポイント
スキレットやダッチオーブンなどの鉄製の調理器具は使用後もしっかり手入れをしないと、さびる場合があります。できるだけさびさせず、長く使えるように使用後の手入れのポイントをおさえておきましょう。
1.水ではなくお湯で
ダッチオーブンは急激な温度変化に弱いので、使用後は水ではなくお湯で洗いましょう。使用直後、冷水にさらすと最悪の場合ダッチオーブンが割れてしまうこともあります。すでにダッチオーブンが冷めていれば水で洗っても問題ありませんが、お湯の方が油よごれを落としやすいため、水よりお湯の使用がおすすめです。
2.洗剤は使わない
油汚れを落としやすい食器用洗剤を使用すると、シーズニングでコーティングした油も取れてしまいます。お湯だけでも十分汚れは落ちるため洗剤は使わずにお湯のみで洗いましょう。
3.自然乾燥はダメ
時間をかけて水分を飛ばす自然乾燥だと、水分が鉄を酸化させてしまい、さびやすくなります。そのため洗い終わったあとは火にかけて、一気に水分を飛ばしましょう。
4.シーズニングと同じように油を塗る
水気を飛ばした後は、全体にオリーブオイルを塗ります。中だけでなく裏など満遍なく塗りましょう。
さびてしまった時の対処法
万が一さびてしまった時は水を入れ、加熱し沸騰させて汚れを浮かせましょう。その後ヘラや金属製のたわしでこすり、さびを落とします。水を加熱させただけで落ちない場合は、重曹を水で薄めペースト状にしてスポンジでこすると、重曹の細かい粒子が研磨剤の役割をし、さびが落ちやすくなります。
さびが落ちきれいな状態になった後、必ずシーズニングをして保管しましょう。
シーズニングの注意点
シーズニングする際は、以下の5つのポイントに注意しましょう。
- キッチンペーパーを使い、油をムラなく塗る
- 本体の側面や取っ手、フタにも油を塗り忘れない
- ひび割れや破損の原因になるため、熱い状態のときに水をかけない
- 湿気でさびないよう、風通しが良い場所に置くか新聞紙に包んで保管する
- 使用後は洗剤や金だわしは使わない
ポイントを押さえてシーズニングすれば、
大切な道具を長く愛用できます。
ダッチオーブンやスキレットなどで料理がおいしくつくれるよう、ぜひ参考にしてみてください。
シーズニングを楽にするメンテナンスオイル
シーズニングには主にオリーブオイルを使うのが一般的ですが、実はシーズニング専用のメンテナンスオイルも販売されています。メンテナンスオイルは塗るだけで焦げつきにくく、さびにくい便利なアイテムです。
シーズニングをしてダッチオーブンを長く使おう!
ダッチオーブンやスキレットなどの鉄製の調理器具は便利ですが、意外と手入れが大変。シーズニングの方法を知らなかったり、面倒だったりすることでメンテナンスを怠ると、さびて使えなくなってしまう場合もあります。そうならないためにも今回お伝えしたシーズニングやメンテナンス方法を参考に、手入れに挑戦してみてください!