ビールに合う最高の煮物を作る!野菜の出汁がふんだんに香る「野営うま煮」【ご当地ひなたごはん/千葉県芝山町】
ご当地食材を使ったキャンプ飯レシピを紹介する連載「ご当地ひなたごはん」。千葉県芝山町では、12種類のパワフルな野菜を収穫し、キャンプ料理研究家“煮込みスト”のダイちゃんが、3品のレシピを考案。今回はビールのつまみになる、こってり味の「野営うま煮」を作ります。ダイちゃん料理のコツは、とにかく楽しく作ること。誰でもおいしく、失敗しないレシピなので、ぜひ春キャンプで実践してみてください!
「ご当地食材」を使ったキャンプ飯の連載、千葉県芝山町編
無農薬の畑で、5種類の根菜と7種類の葉物を収穫!
千葉県柴山町で無農薬野菜を生産する「トムさん」こと戸村重雄さん(写真左)、料理研究家"煮込みスト"ダイちゃん(写真右)
ご当地食材を使い、キャンプ場で誰でも簡単においしく料理できるレシピを紹介する連載「ご当地ひなたごはん」。
“煮込みスト”ダイちゃんとともに、食材の調達先から、調理方法、地域の魅力も合わせてお伝えしていきます。今回訪れているのは、千葉県芝山町にある
自然農園Tom。彩り豊かで新鮮な無農薬野菜を、年間50〜60種類育てる、有名シェフも訪れる農園です。
農家として40年以上活躍されているトムさんに導かれ、5種類の根菜と7種類の葉物を収穫。大地の恵みたっぷりの野菜を手にダイちゃんがひらめいたのは、夕食1品と朝食2品、計3種類のレシピ。今回は、ビールに合うしっかり味の「トム根菜の野営うま煮」を作ります!
ご当地食材を使って絶品キャンプ飯を作るのはこの人!
キャンプ料理研究家/煮込みスト
ダイちゃん
料理研究家、料理で人生を楽しくする人。2017年、会社勤めの激務やストレスで体調を崩したことをきっかけに、自炊経験0から料理を始める。食の改善で心身が回復し、料理にのめり込む。2019年より煮込み料理研究家(煮込みスト)として活動開始。2021年には料理研究家として企業レシピ開発や連載、フジテレビ「林修のニッポンドリル」「Kinki Kidsのブンブブーン」出演など、活躍の幅を広げる。2022年2月、料理で人生を善くする人を増やしたい思いから、全国各地で料理教室「Cooking For Life」を開催。うまい飯と酒マニア、音楽好き、大分県出身、都内在住。
芝山町で作る夕ごはん、「トム根菜の野営うま煮」レシピ公開!
ビールがグイグイ進むしっかり味のおかず
トムさんの畑で採れた色とりどりの野菜は、どれもパワフルで香り豊か。紅芯大根やカラフルなハーモニーニンジンなど根菜類を中心に収穫できたので、豚バラ肉と一緒に煮込んでしっかり味のうま煮にします。紅芯大根の色が染み出し、うっすらピンクがかったスープは目にも鮮やか。
しょうゆのしっかりした味わいながら、ショウガがたっぷり入っているのでくどくなく、スルスル食べ進められます。ほんのり甘い豚の脂と野菜のダシが口いっぱいに広がり、野菜嫌いの子どもでも「おいしい!」と言うこと間違いなし。ご飯のおともに、そして何より、ビールとの相性が抜群です。
材料(4人分)
【具材】
・カレー用豚バラ切り身 ※豚バラ薄切りでも可 300g程度
・お好みの根菜(紫大根1、青長大根1、紅芯大根2、聖護院カブ2個、ハーモニーニンジン3本)
・お好みの葉菜(中国小菜2~3・からし菜2~3本)
・玉ねぎ 1/2個
・しょうが10g
【調味料】
・しょうゆ 大さじ3
・みりん 大さじ2
・酒 大さじ1
・お湯 500ml
・だしパック 1パック
作り方
・調理器具はダッチオーブンなど、ふたが重い、蒸気を閉じ込められる鍋を使用。
・一般的に、無農薬野菜は皮まで食べられます。今回は泥を落とす程度に洗い、皮も茎も根もすべていただきます。
【下準備】
・根菜類は軽く洗って乱切り ※大根はイチョウ切りでも可
・玉ねぎは繊維に沿って1cm幅に半月切りしたものを、繊維を断つように半分に切る
・中国小菜とからし菜は葉と茎をわけて、繊維を断つように2cm幅に切り分ける
・しょうがは3mm幅の細切りにする
①だしパックで煮出した煮汁に根菜類を全て入れ、中火で煮る。
②根菜に菜箸が通るぐらい火が通り、汁の色が変わってきたらしょうがを投入。中火で5分ほど煮る。
③豚バラと調味料を入れ、さらに10分ほど煮る。肉の色が変わってきたら、葉物も投入。
※汁が蒸発して少なくなってきたら、水200ml+しょうゆ大さじ1程度を追加する
今回、根菜の出汁で味がきまったので葉物は入れませんでした。もちろん、入れてもおいしくなります。味を見てお好みで選んでくださいね!
④煮込んだ根菜類に火が通り、大根が透けるくらいになったら味を見る。味が薄いと感じたら、しょうゆ等で調整して完成。盛り付け後、お好みでブラックペッパーをふる
楽しく料理するキャンプ飯のコツ
採れたての野菜で作るうま煮は抜群にウマい!
外で食べるうま煮×ビールは最高
野菜と肉の出汁がにじみ出た、うま煮の甘じょっぱい香りが畑一面に漂ってきます。時刻はちょうど夕暮れどき。畑の脇にテーブルと、トムさんが貸してくれた野菜カゴを裏返した即席チェアを置き、ビールで乾杯!採れたての食材を使って青空の下で料理をし、春の匂りいっぱいの土の上でいただく。最高の瞬間です。
実はサラリーマンだったダイちゃんが体調を崩し、食から改善しようとしたときに出会ったのがトムさんの野菜。「みずみずしく、彩り豊かで美しい野菜を自分らしく料理し、写真に収めたい。そして、そのおいしさをみんなと共有したい」。そんな思いで、料理にのめり込んでいきました。トムさんは、ダイちゃんにとって、料理研究家となるきっかけを与えてくれた、いわば恩師なのでした。
トム野菜からしみ出た、大地のエネルギーたっぷりのスープ。一口すすっただけで、「ウマい!」と脳に信号が送られ、カラダがよろこびで満たされます。
料理を作って一緒に食べることで絆深まる
トムさんの野菜を、自由な発想で生き生きとした料理にアレンジするダイちゃん。トムさんにとっても、ダイちゃんは自分の野菜を安心して託せられる、数少ない料理人だと言います。トムさんは(意外にも?)お酒が飲めませんが、ダイちゃんと奥様は、うま煮を肴にビールがどんどん進み、いつにも増して打ち解けた雰囲気に。
農家にとって、種から育てた野菜は我が子のようなもの。トムさんとダイちゃんの間には、土の下の太い根でつながれた、信頼関係がしっかりと築かれているのでした。
世の中のニーズを捉え、毎年新しい野菜作りに挑戦するトムさん。ダイちゃんが自分の野菜を料理するところを見たのは、この日が初めてです。見た目が鮮やかな根菜はサラダや漬物として食べられることが多く、うま煮という新鮮な調理法に、「おいしい。大したもんだ」と繰り返していました。
次回は、シャキッと動けるパワフルなあさごはん。
次回のご当地ひなたごはんは、
3/28(月)公開予定。キャンプで飲み明かした翌朝も
シャキッと動けるガッツリ系のオープンサンドと、野菜のエネルギーをダイレクトに味わえるパワーサラダを作ります。手軽においしく、朝からみんなが笑顔になるようなレシピを紹介しますので、お楽しみに!
※自然農園Tomは、一般の方の訪問は受け付けていません。野菜の購入は
青山ファーマーズマーケット、もしくは
公式通販にて