冬キャンデビューはどちらがお得!?「冬用ギア購入」vs「キャンピングカーレンタル」費用徹底比較!
ひととおりのキャンプギアが揃っていても、冬キャンプに初めて行く前は寒さ対策のために道具の追加購入が必要です。家族分の冬装備を揃えるとなるとどうしても費用がかさむため、ハードルの高さを感じてしまいがち。そこで検討したいのが、車中泊という選択肢。冬キャンに必要な最低限のギアを追加購入した場合と、快適に泊まれるキャンピングカーをレンタルした場合の費用感を徹底比較。どちらがお得か考えました。
冬にわざわざキャンプに行く理由って?
キャンプといえば、夏。子どものころ夏休みに家族でだったり、地域主催のキャンプに行った記憶がある人も多いでしょう。5月の晴天の多いゴールデンウィークや、一年で一番過ごしやすい秋口も、キャンプに適している季節といえます。では、冬は…はっきりいって寒くて、野外で寝泊まりするのに適しているとはいえません。
しかし、冬は空気が澄んでいて遠くまで景色がよく見えたり、夜は満天の星が眺められたりします。冬にも、寒さをしのぐことさえできれば、キャンプを楽しめる要素は満載です。
冬眠キャンパー、冬キャンに目覚める
キャンプ初心者でも冬キャンを楽しめる便利なギアがどんどん登場し、もはや冬キャンは珍しくなくなっています。今年こそは、冬キャンデビューを果たしたい。そんな願望を胸に、オンシーズン用のキャンプギアにプラス、どう冬支度するか。指をくわえて冬キャンを楽しむ人々のSNSをパトロールする編集部A。
そう、我が家は夫婦でのキャンプ11年目になるのに、これまで12月〜3月のテント泊キャンプをしたことがない、正真正銘の冬眠キャンパーなのです。
冬はキャンピングカーという選択肢
寒さが怖い。でも冬にキャンプしたい…。そこで、「キャンピングカーレンタル」という選択をひらめきました。冬用に追加でギアを買わず、冬はキャンピングカーに切り替える、というスタイルに徹底するのはどうか。車内にはエアコンがあるし、寒かったらいつでも屋内で暖をとれる。さらに、どこへでも移動できる!
冬用に必要なギアを買い足してキャンプに行く場合と、キャンピングカーレンタルでキャンプに行く場合、どちらがお得か。徹底的に比較してみました!
【想定】
家族構成:父・母・小1の子どもの3人
日数:1泊2日
移動エリア
[ギア購入(自家用車)]用賀IC〜
ふもとっぱらキャンプ場の往復
[キャンピングカーレンタル]用賀IC〜
河口湖クラフトパーク RVパーク
季節:12月下旬〜3月上旬
冬キャン用に追加で必要なギアは?
我が家には、春夏秋の3シーズンにキャンプに行くための基本的なギアは揃っています。なので、今回は冬キャンに必要な最低限のギアを追加し、デビューの準備を進めることに。冬キャン未経験者のため、hinataの記事や経験者のSNSを参考にしていきます!
ストーブ
電気、石油、ガス、薪。使う燃料によってさまざまなストーブやヒーターがあります。電源なしでも使え、比較的燃費の良いとされる石油ストーブをチョイス。薪ストーブもいずれは挑戦したいですが、取り扱いが少々複雑。初回ではハードルが高めと判断し、2台目以降で検討することに。
電気毛布
焚き火とストーブがあれば、サイト周りの空間は温まります。座ってくつろぐとき、テント内でトランプなどをするときに、あると快適。敷き専用(カーペット)と、敷き掛け両方使えるものがありますが、消費電力が大きくなりすぎない、適切なサイズを選ぶのがベスト。
丸洗いができ、カーペットとしても、ブランケットとしても使えるのが便利。家族で一番大きいサイズ(130×88cm)を1枚買うのと迷いましたが、値段が変わらないのと、使い勝手が良さそうなので、小さいサイズ(130×80cm)を2枚購入。
Amazonで1枚2,280円×2枚で4,560円。
▼電気毛布・カーペットについて参考にした記事はコチラ
冬用シュラフ
普段は、モンベルのダウンハガー650 #3(使用可能温度-2℃、快適温度3℃)を使っていますが、経年劣化のせいかテント内の気温が5℃まで下がったとき、寒くて眠れませんでした。なので冬用のシュラフは必須。
形状や素材により、各メーカーからいろいろな種類のものが出ています。中には10万円近くする高品質なものもありますが、予算的に、ダウンハガーとの掛け合わせで使えるものを選択。
アウトレイヤー・ミッドレイヤー・フリースの3層が取り外しができ、4シーズン使用可能。すべてのレイヤーを重ねれば、-11℃まで対応。
Amazonで10,800円×2枚購入で21,600円。
ポータブル電源
目的地のふもとっぱらキャンプ場にはAC電源の設備がなく、電源サイトのあるキャンプ場でも、使用電力に上限のあるところがほとんど。なので冬キャンで暖房器具を使う場合には1台あると安心。災害時の停電などのときにも、ライフラインとして役立ちます。
持ち運びがしやすく、比較的軽量。冬キャンを電気に頼るとなると、これでは容量が少なめですが、今回は電源は電気毛布のみへの使用を想定。基本は焚き火に石油ストーブで暖をとります。
Amazonで19,800円。
その他のあったかアイテム
たとえばテントも冬対応のもの、コットにマット類、ラグにブランケットと、防寒対策はやりすぎることはないものの、快適さを追求すると、予算に歯止めがきかなくなります。なので、初回は我が家なりの必要最低限のものにとどめ、あとはホッカイロや湯たんぽ、ダウンジャケットを着込むなど、自宅にあるものを総動員。
キャンピングカーレンタルの場合
レンタル料
キャンピングカーのレンタル料は、お店や車種によってさまざまです。今回は、湘南・茅ヶ崎でキャンピングカーやアウトドア用品のレンタルを行う
NATIVE CARAVAN(ネイティブキャラバン)で借りることに。
車種:家族3人に最適なアミティ(乗車定員:乗車6人/就寝6人)
料金:土日・祝日1日20,000円×2日利用で、
計40,000円。
ガソリン・高速代はマイカーより割高?
ガソリン価格をレギュラー168円/Lとして、両者の交通費を計算。
※レギュラー168/Lは経済産業省資源エネルギー庁 給油所小売価格調査の結果を参照(2021年12月時点)
【キャンピングカー】
燃費:6km/L ※NATIVE CARAVAN、アミティ使用の場合
距離:往復238km(用賀IC〜河口湖IC〜河口湖クラフトパーク RVパーク)
ガソリン代:約6,664円
【自家用車】
燃費:11km/L ※フォルクスワーゲンゴルフトゥーラン/GH-1TBLX/平成16年製
距離:往復300km (用賀IC〜河口湖IC〜ふもとっぱらキャンプ場)
ガソリン代:約4,582円
キャピングカーは車体が重たく、一般的な乗用車と比べると燃費が悪い傾向が。実際に計算してみても、移動距離は短いのにキャンピングカーのほうが割高でした。
高速道路の利用料金は車の大きさや形状ではなく、料金車種区分で決まります。キャンピングカーは普通車扱いで、自家用車と同じ。差額が発生しないので、ここでは比較対象外とします。
キャンピングカーの宿泊費はタダにできる?
キャンピングカーがあれば、どこでも無料で泊まれる!というわけではありません。コンビニの駐車場やコインパーキングでの車中泊は原則NG。サービスエリアや道の駅は「仮眠はOK、宿泊NG」というルールになっているところがほとんどです。キャンピングカーでの宿泊に最適なのは、電源設備が完備のオートキャンプ場や「RVパーク」です。
RVパークは、「日本RV協会」が認定した有料の車中泊スポット。24時間利用できるトイレや電源供給、ごみ処理など、車中泊に必要な設備が整っています。1泊につき2,000~3,000円程度のところが多いのでオートキャンプ場よりも割安に。
今回は、ロケーションの良さとアクティビティの充実さから、河口湖クラフトパーク RVパーク(山梨県富士河口湖町)に決定。1泊1台2,500円。
結果、キャンピングカーの方が割安!
かかった金額を計算すると、両者の差額は30,118円。キャンピングカーレンタルの方が、割安という結果になりました。ただし、ギア購入の方は初期投資さえすれば、2回目以降追加のギア代はかかりません。回を重ねるほど、1回あたりのキャンプ代は安く上がる計算になります。
しかし、冬キャンをレギュラー化するのであれば、「次は薪ストーブを」「前回寒かったのでもっと良いシュラフを…」と、ギアの充実化を図りたくなるのもまた、キャンパーの性というもの。さらに、子どもが2人、3人…と増えるにつれ、シュラフなどのギア代はプラスになり、一方キャンピングカーは、6人まで就寝できるので人数が増えるほど割安になります。
まずは一度、手間をかけず冬キャンに行ってみたい!という方は、キャンピングカーレンタルという選択肢はおすすめといえるでしょう。