キャンプの教科書 きほんの「き」〜vol.2 テント設営編〜【連載企画】

 ノウハウ

キャンプ人気の定着でキャンプスタイルが多様化していも、快適なキャンプを過ごすための基本は共通しています。焚き火マイスターでもある著名アウトドアプランナー猪野正哉さんが講師を務め、初心者はもちろん、独学の中級者、教えることの多い上級者に役立つ基礎知識を5回連載でレクチャー。2回目は、テントの場所選びから、設営までを解説します。


 目次


初心者から教える立場の上級者まで!キャンプの教科書

キャンプの基本を5回に分けて紹介する連載企画「キャンプの教科書 きほんの『き』」。初回はキャンプに行く前の準備と、意外に教わることが少ない車への積載、キャンプ場での荷下ろしまでを紹介しました。2回目は、いよいよテントの設営に入ります。ここ段取りの良さがキャンプの成功を左右します。キャンプのマニュアル本でも見逃されがちなポイントを、熟練キャンパーの猪野さんが丁寧に解説します。

▼前回の「vol.1 事前準備編」はこちら

講師はキャンプマイスター・猪野正哉(いのまさや)さん

オリジナル

猪野さんは、焚き火マイスターとして、焚き火の楽しさと正しい知識を全国各地のワークショップなどで広めている伝道師。初心者へのわかりやすい解説が好評で、テレビ番組のキャンプ特集でもひっぱりだこ。大物有名人との出演が相次ぐ人気ぶりです。現在は千葉県にあるアウトドアスペース「たき火ヴィレッジ〈いの〉」を、イベントや撮影場所の提供に限って運営。一般開放できるように開墾中。焚き火文化の普及を目指す日本焚き火協会の会長も務めています。

Instagramはこちら:@inomushi75
Twitter:@takibimeister

きほん【7】テントを張る場所の選び方

テントの設営は場所取りが肝。はやる気持ちを抑えながら、まずはキャンプ場の様子をながめることが大事です。人が少ないからと、選んだ場所は実は避けるべき地形かもしれません。

オリジナル

NG①「水辺の近く」

川辺や海辺はもちろんのこと、キャンプ場脇の小さな水路でも急な雨で増水すれば水があふれて危険な状況に。「寝ていて気づいたらテント内が水没していた!」ということがないように、水辺の設営を避けるのは鉄則です。

オリジナル

NG②「水はけの悪い場所」

粘土質でぬかるんでいる地面は要注意。水はけが悪いので、テントやシートが汚れて後片付けが面倒になり、ペグが正しく固定されずテントが上手に設営できないこともあります。水はけが良いのは細かい砂利の地面や砂地。雨天時もぬかるみにくいです。

オリジナル

NG③「木の根が張っている場所」

硬い木の根に邪魔されて、正しくペグ打ちできないことがあります。無理にペグ打ちして木の根を傷付けてしまうのは、自然を愛するキャンパーとしては避けたいところ。

猪野さん

猪野さん

開けた場所にポツンと立っている木の下は、落雷の危険があるため要注意。さらに、強風が吹くと枝が落ちてきて、テントに穴が開くこともあります。写真映えして、雨が降っても枝葉で濡れなそうなイメージですが、テントを設営する場所としては不適切です。

NG④「他のキャンパーに近接した場所」

混雑する人気キャンプ場でも、区画のないサイトではガイロープがかさなりあわない距離で設営するのが理想。他キャンパーのテントとの距離が近すぎると、焚き火の火の粉や調理の煙で迷惑をかけてしまいます。設営や撤収の際にテントやアイテムが飛ばされたり、ポールが当たったりと、危険なことも。他のキャンパーに配慮し、適切な距離感を保ちましょう。

きほん【8】グラウンドシートを活用

ポイント①テントを汚さずに設営

オリジナル

グラウンドシートとはテントの下に敷いておく撥水性のあるシートのこと。このシートを敷くことで、テントを汚さずに設営ができ、雨天時でもテント内の浸水を防げます。

猪野さん

猪野さん

テントの前面にシートを一足分はみ出させたら、縁側のように使用できます。靴を脱ぎはきする時に便利ですよ。

ポイント②グラウンドシートの下を整備

オリジナル

グラウンドシートを敷く前に、小石や木の枝が落ちていないかチェック。尖った物の上にグラウンドシートを敷くと破れてしまう可能性がある上に、テントを設営したときも地面がデコボコしてしまいテント内の居住性が下がります。

ポイント③撤収時の効率もアップ

オリジナル

グラウンドシートを敷くことで、テントを汚さずスムーズに撤収できます。グラウンドシートの上でテントを折りたためば、テントを地面に付けることなく、きれいに片付けられます。

きほん【9】ペグダウンのコツ

ポイント①テントの完成形を把握しておく

オリジナル

アシンメトリーなデザインのテントは特に、テントの前後を見つけるのも、ガイロープを張る向きも、見極めが非常に難しいです。テントを設営する際には、あらかじめ説明書やメーカーHPで完成図を把握しておきます。

ポイント②ペグを打ち込む角度に注意

オリジナル

テントの出入り口を風下にしてペグ打ちを始めます。ペグのヘッド部分は必ず外側を向くように、ペグと固定するロープの角度が90°のL字に保たれるようにペグ打ち。90°から開くと、ペグが抜けやすくなり、ロープが十分に引っ張れず、きれいにテントが張れないので注意が必要です。

ポイント③テントのベルトを緩めておく

オリジナル

フライシートにはテントの張り具合を調節するベルトがついています。ペグ打ちのときにはベルトアジャスターを緩めておき、ペグが打ち終わった後に締めて、ピンとした美しい設営(ピン張り)を目指しましょう。

ポイント④協力しながらペグ打つときは薪をハンマーがわりに

オリジナル

子供や仲間と一緒に設営するために、ペグ打ち用のハンマーを複数購入する必要はありません。焚き火用の薪をハンマーがわりに、皆でペグを打ち込めばOK。薪はささくれ立っていることがあるので、持ち手には注意しましょう。

ポイント⑤ペグが刺さらないときは大きな石で固定

オリジナル

地面が固かったり、逆に柔らかすぎたりしてペグ打ちができない時は、キャンプサイトに転がっている石で代用。小さな石だと軽くて固定できないので、移動させる範囲で大きくて重い石を使います。

きほん【10】ガイロープの張り方のコツ

ポイント①正しく張って風対策

オリジナル

ガイロープ(張り綱)を使う一番の目的は風対策。ガイロープは正しく張ってこそ威力を発揮します。誤った方向にガイロープを張ると正しくテンションがかからず、風にあおられたときにポールが折れてしまうことも。特に横長のトンネル型テント(ツールームテント)は横からの風に弱いので、ガイロープは必ず全て張ります。

ポイント②正しく張ればテントの張り姿も美しく

オリジナル

正しい方向にガイロープを張ってペグ打ちすることで、フライシートがピンと張れた美しいフォルムに。ガイロープが正しく張れていないと、シワシワとした、頼りない雰囲気のテントになってしまいます。ほとんどのテントのガイロープにはテンションを調整するための自在金具がついています。

猪野さん

猪野さん

ガイロープもペグ打ち前には緩めておき、ペグで固定した後に締めるようにしましょう。

きほん【11】サブポールでひさしを作ろう

オリジナル

「雨よけや日よけのためにタープを準備するのは大変」という人におすすめの方法。サブポール2本でテントの前面パネルを立ち上げ、ポールをガイロープで固定すれば、ちょっとした雨よけや、日よけができるひさしになります。

きほん【12】サイトレイアウトのコツ

ポイント①事前に配置をイメージ

オリジナル

前もってサイトレイアウトを考えておけば、テントの場所選びやテントの向きを決めるときに便利。ペグ打ちした後に、移動させるのは非常に面倒なので、事前に把握しておきます。

猪野さん

猪野さん

サイトレイアウトは自分たちが使いやすければ、それでOK!
堅苦しく考える必要はありません。

ポイント②クーラーボックスはテントの下へ

オリジナル

サイトレイアウトは、自分たちの使いやすようになっていれば問題なし。クーラーボックスに限っては、必ずテントの下の日陰に配置します。日なたに置いておくと、直射日光でクーラーボックス内の温度が上がりやすくなり、保冷の機能が期待できなくなります。

さらにクーラーボックスの機能を効果的にするため、地面の直置きも控えます。クーラーボックスを置くための「クーラーボックススタンド」というアイテムもあります。なければテーブルやチェアの上に置くのもOK。地面から離すことで、熱の影響を減らせます。

夏場は食中毒などを防ぐためにも、特にクーラーボックスの置き場所を意識します。

次回6月6日はついに「焚き火編」!

オリジナル

キャンプ場に到着してから、キャプサイトのレイアウトまでを教えてもらいました。次回は、猪野さんの得意分野「焚き火」のコツと楽しみ方を紹介します。キャンプの基本を押さえておけば、初めてのキャンプでも失敗なし。中級者も初心者を連れて行くときに困りません。「キャンプの教科書」で予習、復習をして、快適なキャンプを目指しましょう。

▼「vol.3 焚き火編」はこちら

キャンプ用品レンタルショップ キャンプ場に配送で手ぶらキャンプ

あわせて読みたい記事


新着記事

hinataアプリで、アイデア集をいつも手元 トレンドや最新情報を毎日配信!
気になった記事やあとから読みたい記事を保存して、いつでも手元に!
さらにみんなのキャンプ写真からアイデアやヒントをゲットしよう♪