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キャンプの教科書 きほんの「き」〜vol.1 事前準備編〜

2020.09.25ノウハウ

初回は準備からキャンプ場での荷下ろしまでのコツを徹底解説します。キャンプ人気の定着とともに、ますます多様化しているキャンプスタイル。しかし、快適なキャンプを過ごすための基本は共通しています。焚き火マイスターとして知られる著名アウトドアプランナー猪野正哉さんが講師を務め、初心者はもちろん、独学の中級者、教えることの多い上級者にも役立つ基礎知識を5回連載でレクチャー。

まず知っておきたい、キャンプの基本

キャンプの基本を5回に分けて紹介する連載企画「キャンプの教科書 きほんの『き』」。1回目は、キャンプに行く前の準備と、意外に教わることが少ない車への積載、キャンプ場での荷下ろしまでを紹介します。キャンプと言えば、テントの設営と思われがちですが、キャンプの成功を握るのは準備から!キャンプのマニュアル本でも見逃されがちなポイントを、熟練キャンパーの猪野さんが丁寧に解説します。

講師はキャンプマイスター・猪野正哉(いのまさや)さん

焚き火マイスター・猪野正哉さん
猪野さんは、焚き火マイスターとして、焚き火の楽しさと正しい知識を全国各地のワークショップなどで広めています。初心者へのわかりやすい解説が好評で、テレビ番組のキャンプ特集でもひっぱりだこ。大物有名人との出演が相次ぐ人気ぶりです。現在は千葉県にあるアウトドアスペース「たき火ヴィレッジ〈いの〉」を、イベントや撮影場所の提供に限って運営。一般開放できるように開墾中。焚き火文化の普及を目指す日本焚き火協会の会長も務めています。 猪野さんのSNSはこちら! Instagram:@inomushi75 Twitter:@takibimeister

きほん【1】はじめてのキャンプ場選びのコツ

まずは「高規格」のキャンプ場を探そう

ティピサイトの様子
初めてのキャンプ場としておすすめは、「高規格キャンプ場」。設備が整い、きれいに維持されたキャンプ場のことを指します。温水便座付きのトイレはもちろん、アクセスの良い風呂、キャンプ用品のレンタルが充実。キャンプ初心者のハードルを下げる至れり尽くせりのキャンプ場で、近年はキャンプ人気で増えています。行きたい地域のそばの高規格キャンプ場を検索してみましょう。
▼初心者におすすめのキャンプ場はこちら

ときには電源サイトを活用しよう!

キャンプ場によっては「電源サイト」と呼ばれる、コンセント付きのキャンプサイトが用意されています。扇風機やホットカーペット、ドライヤーなどの電化製品が使用できます。キャンプの装備が整っていないうちは、電源サイトを予約し、家電を持ち込みながら快適に過ごすことも選択肢の一つ。まったくの未経験の子どもやパートナーと行く場合にも、抵抗なくアウトドアの入り口を楽しんでもらえます。
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猪野さん

慣れないうちのキャンプは、整った設備に頼りましょう。無理をせず、最初のキャンプをいい思い出にすることが大事です。

キャンプ場検索サービスを活用しよう!

きほん【2】持ち物リストを作ろう!

持ち物リストの作成

持ち物リストは「衣・食・住」を意識

キャンプに行く場所を決めたら、まずは持ち物リスト作り。「衣・食・住」のジャンルに分け、必要な物を洗い出します。どんなにキャンプに慣れたベテランでも、荷物の多いキャンプでは、何かしらの忘れものをしてしまうもの。現地に行って初めて必要なものに気づいて困らないように、準備するもののメモをつけることが、キャンプの成功を左右します。 衣: ・宿泊数分の着替え(子供がいる方は、着替えは多めに) ・帰り用の服(焚き火などの匂いが気になる方は) ・天候や気温に合わせたウェア(雨具、防寒着、マフラー) ・焚き火をする場合は、燃えにくい素材のウェアor燃えてもいいウェア ・川や湖、海で泳ぐ場合は水着or濡れてもいい服 食: ・宿泊数と献立に合わせた食材、飲み物 ・クーラーボックスやクーラーバッグ ・調味料類 ・調理器具 ・食器、カトラリー ・火器(バーナーやストーブ、ガス缶やホワイトガソリンなどの燃料) 住: ・テント関係のアイテム(本体、ポール、ペグ、ハンマーetc.) ・ファニチャー類(チェア、テーブル、ラックetc.) ・寝具(寝袋、マット、コットetc.) ・焚き火周りのアイテム(焚き火台、着火剤、薪、火ばさみetc.) ・生活用品(洗面具、お風呂セット) ・虫除けグッズ(蚊だけでなく、ブヨ、アブに効くもの) ・日焼け対策グッズ その他: ・遊び道具 ・救急セット(絆創膏、消毒液etc.)

忘れてしまうとキャンプが困難になる要注意アイテム

忘れてキャンプ場に向かってしまうと、家にとんぼ返りか、現地で余計な費用を払う羽目になってしまう要注意のアイテムがあります。代表的なものは以下の通り。 ・ポールやペグなどのテントのパーツ これを忘れると、当然テントが立ちません。家でのメンテナンスなどのタイミングで、別々に保管してそのまま忘れてしまうケースも。テントの中にはペグなどがセットになっていないものもあるので、出発前にテントに設営に必要な部品がそろっているかを必ず確認しましょう。 ・秋冬キャンプでの寝袋 秋冬キャンプで寝袋を忘れてしまうと、極寒の夜を過ごす事態になりかねません。人数分あるか必ずチェックします。

スマホのアプリを活用

スマホの持ち物リストのアプリや、ToDo管理アプリの活用もおすすめです。複数人でキャンプに行く際にも情報の共有が手軽にでき、忘れ物を防止できます。
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猪野さん

キャンプは準備が大事。よく使うアイテムはジャンルごとに収納ボックスなどにまとめておけば、あれこれ探さずに済みます!

まずは足りない道具をこちらでレンタル!

きほん【3】天気と気温をチェックしよう!

天気予報はこまめにチェック

雨雲レーダー
外で一日を過ごすキャンプでは天気は大事!複数の天気情報サービスを見比べて、一番悪い天気予報をもとに計画を立てることがポイント。山の天気は天気予報では追えないほど変わりやすいので、山間部のキャンプ場に行く際は、雨に備えた装備で臨みましょう。天気次第では、キャンプの中止も決断が必要です。 天気の情報はこちら 無料で全ての情報が見られる:気象庁 世界最大の民間気象情報会社:ウェザーニューズ 「天気 キャンプ場名」でピンポイントで天気チェック可能:Google天気

天気と気温に合わせてウェアを用意

防寒着と雨具
天気や気温に合わせて、雨具や防寒着を用意しましょう。冬はもちろん、キャンプ場は山間部、川沿い、海沿い、湖畔など、夜冷え込む場所が多いです。念のため、防寒着を用意しておきましょう。アウトドアウェアがない場合は、耐水性や、防寒性のある街着でも大丈夫です。春夏の防寒着はフリースやスウェット、秋冬の防寒着はフリースやダウン、ウール素材のものがおすすめです。 当日に晴れていても、前日に雨が降っていた場合は、キャンプ場の地面がぬかるんでいる場合があるので、長靴や汚れてもいい靴の用意をおすすめします。
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猪野さん

夏でも夜寒い場所は多いので、備えておくにこしたことはないですね。最悪の事態を想定して準備しましょう。

きほん【4】事前の仕込みで時間の無駄とゴミを減らそう!

カットした野菜とパッケージから出したインスタントコーヒー

野菜などは事前に切っておく

慣れないうちのキャンプでは、時間通りに計画が進むとは限りません。テントの設営に手間取ったり、水場が遠かったりと、バタバタしてしまいがち。例えば、野菜は家で洗ってカットしておくなど、家でできることは家で済ませておきましょう。そうすることで、時間と心に余裕ができ、当日のキャンプでゆっくりとした時間を過ごせます。

不要なパッケージは捨てておく

キャンプ場によってはゴミは持ち帰るルールとなっている場所も少なくありません。ゴミになる、食材や消耗品のパッケージはできるだけ家で処分し、当日のゴミを減らしておきます。
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猪野さん

ゴミは自分で持ち帰るキャンプ場も多いです。準備の段階でゴミを減らすようにすれば、帰りもスマートに撤収できます。

きほん【5】車への荷物の積み方のコツ

大きなものから積む

積載のコツ
荷物の多いキャンプ。漫然と積んでいては、窮屈な車内でキャンプ場まで行かなければいけません。収納の基本は大きなものから収めること。先に大きな物を入れないと、後から入れることが難しくなるからです。かさばるアイテムから積み込みましょう。

最初に取り出すものをすぐ出せる場所に

最初に取り出すものをすぐ出せる場所に
車に荷物を積む際のもう一つのポイントは、すぐ使うものは取り出しやすい場所に収めること。例えば、キャンプに向かう途中で使うクーラーボックスや、キャンプ場に着いた際に真っ先に建てるテント。こういったものは、車のラゲッジスペースのアクセスの良い場所に積みます。

タオルやブランケットを活用

タオルやブランケットを活用
荷物を積んだ車の運転でありがちなのが、ラゲッジスペースの荷物がガチャガチャと音を立ててしまうこと。それを防ぐために有効な方法が、タオルやブランケット、衣類が入った袋を荷物と荷物の隙間に詰めること。そうすることで、荷物が音を立てることと、割れやすい物や傷がつくと困る物を保護できます。
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猪野さん

金属製のアイテムなどは、音がしたり、他のアイテムを傷つけてしまう場合があるので、布製品で保護しましょう。荷物全体をブランケットで覆えば、荷崩れもしにくくなります。

きほん【6】荷おろしのコツ

レジャーシートを活用

レジャーシートを活用
キャンプ場に着いたら、まずは荷下ろし。荷物をおろす際に用意しておきたいアイテムがレジャーシート。レジャーシートを敷き、積んでおいた荷物を一通りおろすことで、荷物を汚さず済むと同時に、効率よく設営作業を行えます。
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猪野さん

雨の日の後などは地面が濡れているので、レジャーシートを敷けば、設営後に荷物を拭く手間が省けます。荷物を車から出す人、設営する人で分担するのもいいですね。

次回は「テント設営編」6月4日公開

次回は「テント設営編」6月4日公開
今回は、キャンプを始めるまでの準備の基本を教えてくれた猪野さん。次回はテントの設営に関する基本を紹介してもらいます。キャンプの基本を押さえておけば、初めてのキャンプも怖くありません。「キャンプの教科書」で予習、復習をし、家族や仲間と楽しい思い出を作りましょう! ▼「vol.2 テント設営編」はこちら

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