海外でも気軽にアウトドア!ポートランドの「フォレストパーク」って?
海外でも気軽にアウトドア。ポートランド市内にある「野鳥の楽園」って?
2018.11.19ライフスタイル
オレゴン州ポートランドの「オーデュボン協会」は、アメリカ版野鳥の会のポートランド支部。ダウンタウンのすぐ側に広がる森林「フォレストパーク」に接した野鳥の保護区を管理しています。このサンクチュアリは一般にも公開されていて、ポートランド市内にいながら、旅行者でもふらりと立ち寄り、野生の動植物を観察できる場所です。
制作者
東リカ
オレゴン州ポートランド在住のライターです。ブログ「ポートランド日誌(http://rhportland.blogspot.com/)」書いてます。
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海外でも気軽にアウトドアを楽しもう
海外旅行にプラスアルファ
そろそろ夏も本番。夏休みはいつもより遠出して、アウトドアを楽しみたいという方も多いのではないでしょうか。せっかく長めのお休みが取れるなら、海外まで足を延ばして、普段なかなか触れることができないその土地ならではの自然を満喫する旅はいかがでしょうか。
けれど、そうは言っても、海外での本格的なキャンプは準備も大変ですし、初心者や小さいお子さん連れだとハードルが高いかもしれませんね。また、せっかく海外に出かけるなら、美味しいものを食べたり、ショッピングも楽しみたいですよね。
そこでおすすめなのが、街歩きの合間でも、ふらりと準備も予約も追加予算もなく立ち寄れる自然が近くにある街です。自然がそのまま残っている場所ならば、ちょっとしたハイキングでも、都会の喧騒から逃れ、アウトドア気分を満喫できますよ。
ポートランドについて
例えば私の住むオレゴン州ポートランドは、海、山、川に囲まれ、全米屈指のアウトドアが盛んな街としても知られています。また、新鮮な食材を使った料理やクラフトビールにワイン、職人技の光る工芸品、消費税なしのショッピングを目的にポートランドを訪れる人も少なくありません。治安も比較的良く、日本から直行便もあるのもプラスです。
街歩きやグルメ、ショッピングの合間に気軽にアウトドアを楽しめる海外旅行先を探しているなら、夏のポートランドはいかがでしょうか。
市内に広がる野鳥の楽園「オーデュボン協会」
市内の大自然「フォレストパーク」とは
「フォレストパーク(Forest Park)」は、ポートランド市北西部のウィラメット川沿いに位置する総面積2,000ヘクタールにもなる広大な森林公園です。市内にあるとは思えないほど木々が生い茂る公園内には、全長113Kmに及ぶ数々のトレイルがあります。最長の「ワイルドウッド・トレイル(Wildwood Trail)」は、森林公園の全長をカバーし、48kmにも渡ります。ダウンタウンから近いこともあり、多くの市民が日常的にフォレストパークでエクセサイズや散歩を楽しんでいます。
この森林公園に接して、オーデュボン協会(Audubon Society of Portland)が管理する自然保護区(サンクチュアリ)があります。オーデュボン協会の施設は一般に公開しており、フォレストパーク散策の際に、立ち寄る人も少なくありません。
オーデュボン協会とは
ポートランド・オーデュボン協会は、アメリカ野鳥の会にあたる団体のポートランド支部。野鳥を守ることを目的に1902年に発足しました(登録は1909年)。現在は、61ヘクタールのサンクチュアリの管理や、ケガした野鳥や動物を治療して自然に帰す「ワイルドライフ・ケア・センター」の運営、様々な市民向けイベントを開催し、野生動物や植物の保全や市民の啓蒙に努めているそうです。
バードウォッチング好きはもちろん、子供から大人まで楽しめる施設です。
「オーデュボン協会」を訪ねてみよう
ワイルドライフ・ケア・センター&案内センター
オーデュボン協会の入り口は、ノース・ウエスト・コーネル道路(NW Cornell Rd)沿いに面しています。ポートランドの中心地にある巨大な書店「パウエルズ書店(Powell’s City of Books)」からは、車で10分ちょっとで到着します。
州内最大の「ワイルドライフ・ケア・センター(Wildlife Care Center)」は、怪我をした野鳥や動物を引き受け、再び自然に帰れるよう世話をしています。また、自然に帰れない大鴉(raven)やアメリカワシミミズク(great horned owl)のような猛禽類が飼われています。これらの鳥は、市民に野鳥について知ってもらう「アンバサダー」の役割を果たしているそうです。
また、「案内センター(Interpretive Center)」には、地域に住む野生動物の剥製の展示や、鳥を観察する場所が設けられています。バードフィーダーに集まる鮮やかなハチドリやオレンジ色のホシワキアカトウヒチョウ(Spotted Towhee)、冠を被ったような青いステラーカケス(Steller’s Jay)など、日本では見かけない鳥たちを身近に見ることができます。
ネイチャーストア
案内センターとつながるネイチャーストア(Nature Store)は、鳥関連のアイテムがびっしりと詰まったギフトショップ。バードウォッチング用の双眼鏡やバードフィーダーはもちろん、野鳥や野生動物をモチーフにした美しい絵本やポスター、カードから、ソックス、ぬいぐるみ、コーヒーなどまで、お土産探しにも最適です。なお、このお店の収益は全て野鳥の保護に使われています。
また、ここでトレイルマップなども入手しましょう。
サンクチュアリを歩いてみよう
3つのサンクチュアリ
センターの外には、ピトック・バード(Pittock Bird)、コリンズ(Collins)、アトフ(Uhtoff)の3つのサンクチュアリがあり、全て巡ると約7kmほどになります。この自然保護区には、40種類の鳥と60種類の動物たちが暮らしているそうです。
自然保護区内では、フォレストパークとは違い、自然を守るためにサイクリングや乗馬、犬の散歩が禁止されています。通常とても静かなので、自然の声に耳を傾け、野鳥や動物を探しつつ歩いてみましょう。
今回は、オーデュボン協会のスタッフの方が、「池がある」「最も樹齢の永いダグラスファーがある」という理由でオススメしてくれた「ピトック・バード」サンクチュアリをご紹介します。
ピトック・バード・サンクチュアリ
このサンクチュアリの入り口は、コーネル道路に対して協会の建物と同じ方向で、案内センターの裏手に当たります。まずは、バーチ・クリーク(Balch Creek)を渡り、池を訪ねてみましょう。この池には、鮫肌イモリ(rough skinned newts)や西ニシキガメ(Western painted turtles)が生息しているそうです。
それから、ウッドペッカー・トレイルもしくはジェイ・トレイルを使って、アンシエント・フォレスト・ループを目指しましょう。このループは、樹齢200年ほどの原生林を巡るものです。最も樹齢の永いダグラスファーは、木の柵で囲まれているのですぐに分かります。
帰りは、別のコースで案内センターまで戻りましょう。トレイルの名前は、あちこちに表示されているので、案内所のマップがあれば迷うことはないと思います。
近隣トレイルのオプション
もっとトレッキングを楽しみたいなら、他の2つのサンクチュアリを歩いてもいいですし、隣接したフォレストパークにもたくさんのトレイルがあります。
例えば、コーネル道路を渡って、アッパー・マクレイ・トレイル(Upper Macleay Trail)を登り、素晴らしい眺めが堪能できるピトック邸(Pittock Mansion)までのコースや、そこから更に、ワイルドウッド・トレイル(Wildwood Trail)で、日本庭園(Portland Japanese Garden)、バラ園(International Rose Test Garden)、動物園(Oregon Zoo)などのあるワシントンパーク(Washington Park)を目指すコースは人気があります。もちろん道路を渡らないで、ワイルドウッド・トレイルを進むこともできます。
まとめ
今回ご紹介したような野鳥保護区では、気軽に野生の動植物を観察できます。 バードウォッチングや野草観察は、誰でも気軽に始められる、アウトドアがより楽しくなるプラスアルファのアクティビティです。鳥の鳴き声や花の色など、知らなければ気にも留めないかもしれませんが、知り始めると、発見自体はもちろん、絵を描いたり、写真を撮ったりと楽しみはどんどん広がります。日本では見ることのできない自然の姿を発見すれば、旅の楽しみも倍増するのではないでしょうか。
海外にも、気軽に自然と触れ合える場所があります。現地の人たちと同じように、構えず、自分たちのペースで自然を体感するのは、アウトドアツアーに参加するのとはまた違う楽しみだと思います。
これからの季節、夏のポートランドは、気候も良くイベントも多い観光のベストシーズンです。どこに出かけようか、と計画中なら、ポートランドも検討してみてくださいね。