キャンプ・アウトドア情報メディア | hinata〜もっとそとが好きになる〜
室内に並べられたベッケルのアウトドアグッズ

ポートランドのDIY精神を凝縮!「ベッケル」のヘビーキャンバステント&バッグ

オレゴン州ポートランドで親子2代にわたり、ヘビーキャンバス生地を使ったテントとバッグを手作りする「ベッケル・キャンバス・プロダクツ」。その品質で世界中にファンを持つブランドとなった今も、変わらず小さな工場で商品を作っています。その魅力を探るべく、工場を訪ねました。

ベッケル・キャンバス・プロダクツとは

オレゴン州ポートランド生まれ

私の住むオレゴン州ポートランドは、周囲を自然に囲まれる全米屈指のアウトドアが盛んな街です。また「DIYの聖地」とも呼ばれるほどこだわりの職人が多く、彼らの作る高品質のアウトドアギアもたくさんあります。 そんなポートランド市内の小さな工房で、ヘビーキャンバス生地を使ったテントとバッグを手作りする「ベッケル・キャンバス・プロダクツ」は、まさにポートランドのDIY精神を凝縮したようなアウトドアブランドです。1964年の創業以来、高品質の商品は、口コミで世界のアウトドアファンの心を捉えてきました。

世界中にファンを持つ

彼らの作るテントは、キャンプやハンティングなどのアウトドアアクティビティはもちろん、アラスカやロシアでの生物観察活動のベースキャンプなどにも採用されているほどです。また、同じキャンバス生地を使ったシンプルなバッグも、世界中の旅行者やサイクリストに愛用されています。 もちろん地元ポートランドでも大人気。ダナーブーツエースホテルといった人気ブランドもベッケル・キャンバス・プロダクツとタイアップし、おしゃれなアイテムを作っています。

ポートランドのお店を訪問

住宅街で家族経営

ベッケルのお店
ベッケル・キャンバス・プロダクツがあるのは、ポートランド市内の住宅街です。2010年からオーナーを務める2代目のキャシー・ベッケルさん(写真左の女性)、また同工房で働く3代目のミシェルさんとその息子くんに工房兼お店内を案内してもらいました。
ベッケルのショーウインドー
建物のフロント部分がお店になっています。ここにヘビーキャンバスでできたバッグがいくつか並んでいますが、テントは全てカスタムオーダーで、在庫としてお店に並ぶことはないそうです。

昔ながらの手法で手作り

ベッケルのアイテムの製作工程
店の奥が工房になっていて、広い作業台の上にミシンが4台並んでいます。商品は全てキャシーさんをはじめとするスタッフがこの工房内でミシンを使い、手作業で作っています。年季の入ったシンプルなミシンについて「これ以上の機械はいらない。必要なことは全てできるから」と、昔ながらのスタイルを維持することに誇りをもっているご様子です。
ベッケルのアイテムの製作工程
この日作っていたネセサリー・バッグだと、1日で50個ほど作れるそうです。テントは、全てカスタマイズのため、商品によるものの、1週間に1つか2つ作るそうです。需要が増えても、この場所でこのまま「ふらりと誰でも立ち寄れる」地元に密着した店でいたいと話してくれました。

ビーバーにあやかった「EENA」テント

EENAに込められた意味

「EENA」とは、現在のオレゴン州、ワシントン州があるアメリカの北西部に暮らしていた原住民、チヌーク族の言葉で「ビーバー」を意味します。創業者で、キャシーさんの父に当たるボブ・ベッケルさんが、最初のテントを完成させた時、地元の美しい自然の中に暮らし、巣作りのクラフトマンシップで知られているビーバーにあやかってネーミングしたそうです。

EENAウォールテント

「EENAウォールテント」は、雪原でアメリカエルクを待つハンターのために開発された商品で、40年以上、同じ素材とモデルで作られるシグニチャーアイテムです。ストーブを中に入れることができ、防寒素材で暖かいことが人気の秘訣だそうです。キャシーさんは、長期滞在キャンプには、広くて快適なこのテントを使うそうです。

EENA TTテント

また、一番人気だという「EENA TTテント」は、ウォールテントに比べて設置が簡単な軽量モデルのキャンバステント。日常使いのキャンプには、キャシーさんもこちらを愛用しているそうです。

絶対破れない!?キャンバスバッグ

テントと同素材

キャンバスバッグ
また、テントに負けず人気の商品がキャンバス・バッグ。テントと同じヘビーキャンバスを素材にしていて、「もし破れたら、一生、無料でお直しします」というほど、丈夫さには自信があります。

人気のバッグ

一番の売れ筋は、大きさの違うダッフルのうち、真ん中のサイズの「War Bag」。機内持ち込みできるサイズで、週末の旅行などにもぴったりです。色は、白、黒、カーキー、それに新色ネイビーの4種類。オプションでショルダー・ストラップをつけることもできます。
また、メッセンジャーバッグやトートバッグは、街でも使える商品です。ユニセックスなデザインですが、大きく重ためなので、どちらかというと男性向きかもしれません。色は、白、黒、赤などがあります。
ベッケルのお店の方々
「欲がクラフトマンシップを超えてはならない」と言う創業者の教えを守り、昔ながらの手法で、最高のテントやバッグを作り続けているベッケル・キャンバス・プロダクツ。シンプルながら、周りと差の付く一生モノの商品です。 日本への配達は今のところ受け付けていませんが、ポートランドへの旅行前にメール連絡しておけば、いろいろカスタマイズした商品を作ってもらうこともできますよ。日本でも、楽天などのお店で販売しているようです。まずは、サイト(beckelcanvas)をチェックしてみてくださいね。


あわせて読みたい記事