テントやタープに使える「防水剤・撥水剤」おすすめ14選!キャンプ前の準備にチェック
テントやタープを使い続けていると、本来の防水・撥水機能が落ちてしまいます。そんなときは防水剤・撥水剤を使うことで手軽に機能を復活させられます。しかし、成分や使用タイプなどさまざまな種類があり、どれを選べばいいか悩んでしまうのではないでしょうか。この記事ではアウトドアににおすすめの防水剤・撥水剤14選を紹介!選び方や効果を長持ちさせるコツなども解説します。
防水剤・撥水剤を使うメリット
テントやタープを長年使用していると、もともとの防水性や撥水性が徐々に弱まってきます。テントの屋根から水が染み込んでくるようでは、雨が気になって存分にキャンプを楽しめません。
そんなとき、テントを買い替える前にまずは自分で防水剤・撥水剤を使って処理をすれば、弱まった機能を復活させられます。特に、ファミリー向けの大型テントであれば買い替えは躊躇してしまうものです。防水剤・撥水剤を使うことで安価にメンテナンスできるのは大きなメリットといえるでしょう。
また、防水素材の中にはゴアテックスなどの透湿性に優れる素材もありますが、一般的な防水加工が施されたものに比べて高価なため手に出しにくという人も多いはず。そんなときは防水剤を使えば、コストを抑えて高い防水性を発揮させられます。
「防水」と「撥水」の違い
よく混同されがちなのが「防水」と「撥水」。それぞれには機能面で違いがあり、目的に合わせて使い分ける必要があります。一言でいえば防水とは水を通さないこと、撥水とは水をはじくことです。
防水加工は、生地そのものをゴムや合成樹脂といった水を通さない素材を採用したり、生地の隙間を埋めたりして水を染み込ませないようにする加工のこと。
一方、撥水加工とは素材の表面をコーティングし、水を玉状にしてはじく加工のことです。それぞれのメリット・デメリットは以下の通り。
防水剤・撥水剤の選び方
防水剤・撥水剤は多くのメーカーから販売されており、さまざまな種類があります。どれを選べば良いのか、自分に合うものはどれなのか、選ぶ際のポイントを紹介します。
【成分】シリコン・フッ素
市販されている防水剤・撥水剤は大きくわけてシリコンタイプとフッ素タイプの2種類があります。ほかにもメーカー独自の成分が配合されているケースがありますが、ほとんどの場合はシリコンかフッ素かを意識すれば良いでしょう。
シリコンタイプは生地の表面に皮膜を張り、繊維の隙間を埋めて防水する仕組み。フッ素タイプは繊維1本1本をコーティングすることで防水します。シリコンとフッ素それぞれのメリット、デメリットは以下のとおり。
それぞれの特性を理解し、自分の用途に合う成分を含むものを選びましょう。
【処理方法】漬け込み・スプレー・ハケ塗り
防水剤・撥水剤には漬け込んで処理を施すものや、スプレーを吹き付けるだけのもの、ハケで塗るものなどがあり、処理の方法もさまざま。一番手軽で商品数も多いのはスプレータイプで、ホームセンターやネットショップなどでも手に入りやすい身近な製品です。
手軽に使用したい、アウトドアギア以外のものにも手軽に使いたいという場合はスプレータイプが良いでしょう。また、防水剤・撥水剤を塗るための広い場所を確保でき、たっぷり使いたい場合はハケ塗りタイプがコスパ面で優秀。漬け込みタイプは種類は多くありませんが、日々の洗濯と一緒に防水処理ができる製品がおすすめです。
【シリコン】おすすめ7選
まずはシリコンタイプを紹介します。漬け込みタイプはなく、スプレータイプが主流です。強力な防水・撥水効果を発揮するのがシリコン製の特徴。なかには皮革製品に使えるものもあるので、アウトドアギアだけでなく普段使っているバッグやシューズも処理をしたい場合は、どのような素材に対応しているか注意して選びましょう。
スプレー
1916年の創業以来100年以上続く老舗ブランドTOKOの防水剤。
生物分解性の成分を使用しているほか、ガスを使わないタイプのスプレーを採用し環境に配慮された製品です。
主に
コンクリートや木材に使用する防水剤。素材の中に染み込み、長時間にわたり強力な防水・防カビ効果を発揮します。TC素材(ポリエステルとコットンの混紡生地)をはじめとする厚手の生地を採用しているテントに使用しましょう。
防水に加え、UVカット効果のある繊維製品用の防水剤。紫外線を防止するため、
素材の退色も防げます。ゴアテックスをはじめとする、透湿防水生地の機能も損ないません。
アウトドアメーカー、キャプテンスタッグの防水剤。一缶で約5平方メートル分の生地を防水加工できる内容量をそなえており、
テントやタープに適しています。生地の風合いや通気性を損なわないところがうれしいポイント。
水の玉がそのまま転がり落ちるほど強力な撥水力を誇る製品。繊維をシリコンの皮膜でしっかりとコーティングします。コットンやポリエステルのほか、
皮革、
スエードにも使用できます。
テントのほか
レインウェアにも使用できるアイテムです。ウェア2〜3着分の容量で、防水透湿性素材の性能を損なわないことも魅力。PFCフッ素化合物不使用の環境に配慮された製品です。
ハケ塗り
多くのアウトドアギアに活用でき、UVカット効果もある水性タイプの防水剤。このままハケ塗りもできるほか、同シリーズの防水スプレーの
ノズルを付け替えてスプレーとしても使用可能。
【フッ素】防水剤おすすめ4選
比較的乾くのが早く、即効性に優れたフッ素タイプの防水剤を紹介します。こちらも漬け込みタイプはなく、スプレーが主流です。防水でありながら通気性を保てるメリットがあります。
スプレー
テントをはじめ、レインウェアやバッグなどアウトドアギアをまとめて防水処理できるスプレー。
大型ドームテント1張分の容量があり、フッ素が油分や汚れもはじきます。
アウトドアギアやスポーツウェアをはじめ、
皮革製品にも使える防水剤。通気性や風合いを損なわないため革製の靴やバッグにも使えて、アウトドアにもタウンユースにも心強いアイテム。
虫が嫌う檜葉(ひば)の成分を配合し、虫よけ効果をプラスした製品。特殊なワックスを使用しているため、
撥水効果が長期間持続。効き目は強力ながら、風合いや通気性は損ないません。
ハケ塗り
テントやグランドシートなどに使える防水剤。ハケで薄く塗って防水処理を施します。適度な粘度がある液体で、
液だれしにくく塗りやすいことが特徴。作業しやすい専用ノズル付き。
【その他】おすすめ3選
メーカー独自の防水剤を使用している製品を紹介します。漬け込みタイプ、スプレータイプ、ハケ塗りタイプがあり、特に漬け込みタイプのアイテムは洗濯機でも使えるので注目してみてください。
漬け込み
防水透湿素材のゴアテックスに対応した製品です。洗濯機洗いの際や手洗いの際に液剤を入れるだけで撥水処理が可能。
繊維の1本1本に特許成分が絡みつき、高い撥水効果を発揮します。
【基本情報】
- タイプ:TX.10i(NIKWAX特許成分)
- 内容量:1,000mL
スプレー
生地の劣化を防ぐUVプロテクト成分配合の製品。
テントやリュックにも手軽にスプレーできます。同じニクワックスの製品ですがこちらは透湿性生地に使用できないので注意が必要です。
【基本情報】
- タイプ:TX.10i(NIKWAX特許成分)
- 内容量:500mL
ハケ塗り
帆布やナイロン製のテント、タープ専用の防水剤。アウトドア専用品とあって強力な撥水・防水力をそなえ、悪天候にもしっかりと対応します。強力ながら
生地の風合いは損ねません。
防水剤・撥水剤を使うタイミング
防水剤・撥水剤を使う最適なタイミングは、製品のタイプや対象のアイテムによってさまざま。すでに防水加工が施されているアウトドアギアであれば、基本的に新品の状態では処理をおこなう必要はありません。テントやタープは洗浄後の清潔な状態で防水処理をおこなうのが良いでしょう。
また、作業をおこなう前に必ず説明書を確認するようにしましょう。防水剤・撥水剤は生地に処理を施してから乾かす時間が必要なものが多いため、その時間を逆算して作業する必要があります。キャンプに行く直前に防水処理をしても乾燥の時間が間に合わない可能性があるため、余裕をもって作業しましょう。
スプレーが思いがけず飛散したり、においがトラブルのもとになったりする可能性を考慮し、キャンプ場での防水剤の使用はおすすめしません。
効果を長持ちさせるコツ
防水・撥水効果を長持ちさせるコツは、「
汚れや水分をこまめに落とすこと」です。汚れや水分を放置していると、カビが発生したり生地が傷んだりする原因となり、効果が損なわれてしまいます。
具体的には、
- 汚れたらすぐ拭き取る
- キッチンエリアに近い場所では油汚れに注意する
- よく換気し、結露を防ぐ
- テントを収納する前に陰干しする
などを心がけることが生地の劣化を防ぎ、防水・撥水効果を長持ちさせることにつながります。
防水剤・撥水剤を使って快適で安心なアウトドアの時間を過ごそう
テントやタープをはじめとするアウトドアギアの多くはもともと防水・撥水機能が備わっていますが、その効果は時間が経つにつれ減退していくもの。防水剤を使えば、テントやタープの防水効果を安価で手軽によみがえらせられます。ホームセンターなどで手に入る製品も多いので、本記事で紹介した防水剤の選び方を参考に自分の用途に合った防水剤を見つけてください。
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