【ogawaが直伝】キャンプ向け「薪ストーブ」の正しい使い方と長く付き合う方法
薪ストーブといえば憧れのアイテム!と考えているキャンパーも少なくないはず。とはいえ、使い方やメンテナンスの方法、おすすめ品選びに不安を覚えることも多いのではないでしょうか。そこで今回は、日本製の薪ストーブでも人気の「ogawa(オガワ)」に直撃取材!キャンプでの正しい薪ストーブとの付き合い方を教えてもらいました。
キャンプ向け薪ストーブとは?
薪を燃やして熱を発生させる暖房器具が「薪ストーブ」です。鉄や鋼製で箱型や円筒形ものが多く、本体(燃焼室)から煙突が伸びているのものが一般的です。
石油ストーブよりも暖かさを感じられ、高温になる本体上面で調理できるモデルも少なくあありません。
また、持ち運びや設営が簡単なものや、オーブンのように使えるものなど、アウトドア向けのモデルも多く発売されています。
【薪ストーブのメリット】
・キャンプサイトを効率よく温められる
・ストーブの上で加熱調理ができる
・炎や薪が燃えるパチパチという音に癒される
・煙突でテントの外に煙を排出でき、空気をクリアに保てる
冬キャンプを楽しくするアイテム
海外の住宅のようなレトロモダンな雰囲気を演出できるアイテムとして、おしゃれキャンパーに愛用者が多いのも特徴です。コットンテントや木製ファニチャーとも相性抜群。洗練されたサイトを演出できるので、こだわり派にもぴったり!
日本ブランドに直撃取材!正しい使い方とメンテ方法
冬キャンプを快適で楽しいものにしてくれる薪ストーブですが、「正しい使用方法やメンテナンス方法」を知っていないと危険を伴うことも忘れてはいけないところです。
そこで今回は、薪ストーブを手がける日本のブランド「ogawa(オガワ)」に、正しい薪ストーブとの付き合い方を教えてもらいました。安全に使う方法や、長く使い続けるためのメンテナンス方法を聞いたので、薪ストーブにチャレンジしたい人は参考にしてみてください。
正しい使い方その1「設営」
キャンプ場での設営では、なるべく平坦で安定して置ける場所を選ぶのがコツ。地面の芝生などに燃え移ったり、植生を荒したりしないように焚き火シートを敷くのもお忘れなく。
また、用意する薪の大きさもチェックしておくのがおすすめです。安全な燃焼が行えなくなるので、燃焼室の幅や奥行よりも少し短い薪を準備するのが鉄則です。
薪は針葉樹・広葉樹どちらも使えますが、定番は「広葉樹」。一気に温度が上がり早く燃え尽きる針葉樹に比べ、広葉樹は密度が高くゆっくりと燃えるので、長時間薪ストーブを楽しめます。
正しい使い方その2「着火〜燃焼」
焚き付け用の細い薪を燃焼室に入れ、着火剤やガストーチなどを用いて火をつけます。
炎が大きくなったら窓を閉めましょう。焚き火では、小さな炎を徐々に大きくしていくのが一般的ですが、薪ストーブでは、なるべく早く薪を燃やして煙突内に上昇気流をつくることが重要です。
新たに薪をくべた際には、窓(ふた)を閉めたら吸気口を少し開けて、燃焼室内の温度を上げて全体に炎が回るようにします。こうすることで炎がゆるりと揺れる二次燃焼状態に。
なお、ストーブの奥に炭がたまりやすいので、定期的にならすようにすると新たな薪を安定して置きやすくなります。
正しい使い方その3「撤収」
撤収する2〜3時間前には薪の投入をやめ、本体と煙突を冷ましておきましょう。
まずは燃焼室に溜まっている炭や灰をかき出し、火消し壺や火消し袋へ移します。このとき、ステンレス製のトレーがあると作業がスムーズに。
煙突は、十分に冷めて手で触れられるようになってから抜きます。可能であれば、ブラシなどを用意して中のススをかき出しておくと、本来の性能を長く保つことができます。また、落ちきらなかったススは、薪ストーブが完全に冷えた後に水洗いしたり、ウェスやメラニンスポンジでこすって落とすのもおすすめです。
必ず守るべし!注意点
ogawaではテント内での火器使用は厳禁としています。
ただし、自己責任のもとテント内で薪ストーブを使用する際は、「一酸化炭素中毒や引火などのトラブルへの注意を十分に払ってほしい」と注意喚起を行なっています。
一酸化炭素は不完全燃焼を起こすと発生する成分で、吸入すると頭痛や吐き気などの命の危険を伴う症状を引き起こしてしまいます。
一酸化炭素中毒を防ぐには十分な換気が重要。煙突を正しく設置し、さらにテント内の空気をこまめに入れ替えることが大切です。
また、近くのキャンプギアやテントへの引火、火傷にも注意を払うことも重要です。薪ストーブは使用中にとても熱くなるので、燃えやすいものを近くに置かないことや触れないことが鉄則。ストーブの大きさやテントの形にもよりますが、前後左右に1m、上には1.2m以上の空間を空けておくことが必須です。
長く付き合うためのメンテナンスとは?
薪ストーブと長く付き合うための「おすすめメンテナンス方法」も、ogawaに聞いてみました。
木タールが付着しやすい煙突や、燃焼室内の清掃をこまめに行なうことが大切です。
木タールは、乾燥していない薪を燃やしたり、不完全燃焼を起こすと発生する液体。黒くベタベタとしたもので、煙突や燃焼室内に付着すると空気の通り道を塞いでしまうこともあります。そのような汚れが蓄積する前に、雑巾やブラシ、水に濡らした新聞紙などでこするか、市販の煙突クリーナーを使ってこまめに拭き取るのがおすすめです。
キャンプ向け日本ブランド「おすすめ薪ストーブ」5選
ここからは、ogawaの薪ストーブをはじめ、キャンプ向けの人気薪ストーブを5型紹介します。軽量コンパクトで持ち運びしやすいモデルから、本格的なオーブン料理が楽しめるモデルまで幅広く販売されているので、あなたのキャンプスタイルに合うものがきっと見つかるはず!
28×40×150cm、重さ約5.2kgとコンパクトで女性にも扱いやすい薪ストーブです。本体の中に煙突や台座などの部品を収納でき、付属のキャリーバッグでスムーズに持ち運び可能です。天板調理も可能で、ちょっとした炒め物や鍋を温めておくのにもぴったり!
【基本情報】
- サイズ:28×40×150cm
- 収納サイズ:38×47×33cm
- 重さ:約5.2kg
- 素材:[本体]鉄板0.6mm、[煙突]ステンレス、[脚]鉄
4面の耐熱ガラスによって前後左右から炎を眺められる、ogawaの定番モデルです。グループキャンプで薪ストーブを囲むのにもおすすめ。天板も広く、曲げ加工が施されているため鍋やフライパンを置いてもへこみにくいのもうれしいポイント。
【基本情報】
- サイズ:54.5×40×216cm
- 収納サイズ:26×40×30cm
- 重さ:約10kg
- 素材:[本体]ステンレススチール、[ガラス部位]耐熱ガラス5mm厚(正面ドア、両サイド窓、後面窓)
ホンマ製作所のベストセラーモデルです。
ヤカンや鍋を安定して置ける広い上面も魅力の一つ。26〜30cmの羽釜もセットできるので、キャンプ飯がたのしくなるはず!【基本情報】
- サイズ:40×60×34.5cm
- 重さ:約5.9kg
- 素材:鉄
- 最大熱出力:4.2kW(MAX)
- 暖房面積:10~15坪
大小2つの五徳を備えたモデル。
脚を広げるだけで設営が完了するので、初心者にもおすすめです。網も付属しているので、ストーブの上でバーベキューも楽しめます。
【基本情報】
- サイズ:
- [ハイ]60×51×107cm・141.5・177cm
- [ロー]47×36×83・118・153cm
- 収納サイズ:48×27×26.5cm
- 重さ:約10kg
- 素材:[本体・扉・ふた・脚・煙突]鉄(焼付塗装)、[バーベキュー網]鉄(クロムめっき)、[収納バッグ]ポリエステル
京都発のアウトドアブランド・Mt,SUMI(マウントスミ)の薪ストーブ。大型でオーブンのように使えるので、ピザやグリル料理も簡単!料理にこだわりたいキャンパーにもおすすめです。
【基本情報】
- サイズ:32.8×33.6×63cm
- 収納サイズ:8×32.5cm×8本継ぎ
- 重さ:約20.2kg
- 素材:[本体]鉄、[煙突、火かき棒、煙突固定リング、グリット]ステンレス
- 最大熱出力:5.5kW
正しい知識で薪ストーブを楽しもう!
ワンランク上のおしゃれなキャンプサイトを演出できる薪ストーブ。
正しい使い方と注意点を守れば、冬キャンプでもぬくぬくと暖かく快適に過ごせるはず。調理を楽しめるモデルも多いので、グルメ派キャンパーにもぴったりです。「一度使ったらもう手放せない」ともいわれる薪ストーブを、あなたのアウトドアライフに取り入れてみてはいかがでしょうか。
取材協力/
ogawa