【僕たち「雪中」キャンパーです】テントの外は一面の銀世界。雪が降ったらキャンプでしょ!
2023.02.07ノウハウ
他とは違う、「尖ったスタイル」でアウトドアを満喫するキャンパーを紹介する連載企画「僕たち○○キャンパーです」。第8回は、雪の積もった真っ白なサイトでキャンプを楽しむ「雪中キャンパー」を取材。知恵と工夫を駆使すれば、過酷な環境も楽園に早変わり!?他の季節には決して味わうことのできない、雪中キャンプの未知なる魅力に迫ります。
制作者
hinata編集部 松本璃子
登山、キャンプ、温泉が大好き。父から譲り受けた30年もののギアと新作ギアを織り交ぜつつ、アウトドアを楽しんでいます。自然の魅力をたくさんの人にお届けできるよう、頑張ります!
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もくじ
連載企画「僕たち○○キャンパーです」
キャンパーの数だけ、独自のキャンプスタイルがあります。そんな個性にあふれたキャンプスタイルの中でも、特に「尖った」スタイルでアウトドアを楽しむキャンパーを紹介する連載企画「僕たち○○キャンパーです」。毎回1組のキャンパーに密着し、気になる「実際どうなの?」や、ユニークなキャンプの魅力を探ります。
「自分とは違うスタイルだけど、楽しそう!」そんな誰かのキャンプを知ることが、まだ見ぬ新しい世界への入り口かも!?あなただけのキャンプスタイル、教えてください!
過酷な環境を逆手に楽しむ「雪中キャンパー」を発見
今回出会ったのは、1年を通してキャンプに取り組む、秋田県在住のkinoさん。秋田と言えば、言わずと知れた日本有数の豪雪地帯です。凍てつく冬の大地でkinoさんが楽しんでいるものこそ、「雪中キャンプ」。なじみのない者からは、「どうしてそんな辛いことをするの…?」なんて声が漏れ聞こえてきそうですが…。
寒がり編集部員にkinoさんが教えてくれたのは、無雪期には決して味わうことのできない、雪中キャンプの底知れぬ魅力。冬をオフシーズンにするのはもったいないかも!?そんな雪中キャンプの奥深い世界へ、ようこそ!
雪中キャンパー
kinoさん【Instagram:@ki_n_o_camp】
秋田県在住。キャンプ歴3年。 「昨年は30泊程して、ソロとグル半々くらい。秋田を中心に、宮城や岩手などの東北のキャンプ場に多く行っています!」
1から知りたい!雪中キャンプのハウツー
――そもそも、なぜ雪中キャンプに挑戦しようと?
kinoさん:せっかく雪国に住んでいるので、「雪国ならでは」のキャンプがしたいと思っていたのと、SNSで薪ストーブを使っている方の投稿を見て、それに憧れたのがきっかけです!初めての雪中キャンプは、今も一番印象に残っていますね。初めてなのに完ソロで、寒さや雪の心配もあり、あまり寝られませんでした。
事前調べは入念に。
――雪中キャンプを計画する際、何をチェックしていますか?
kinoさん:天候面で言うと、積雪量や気温はあまり気にしていません。一番注意しているのは、風ですね。風速5m以上になると、危険性も考えて決行か中止か判断するようにしています。
――キャンプ場選びも重要ですよね。
kinoさん:キャンプ場選びで一番重要視するのは、お風呂があるかどうかと、駐車場からサイトまでの距離。キャンプに行く前に、SNS等で場内の状況をチェックするようにもしています。積雪状況を確認して、張るテントや持っていくギアをその段階で決めることもありますね。「積雪が多く、駐車場から遠めのサイトは荷物少なめ」、といった具合です。
――設営場所はどのように決めていますか?
kinoさん:前日に設営していたキャンパーさんの跡が残っていれば、そこをありがたく再利用させてもらっています(笑)。なければ、極力駐車場に近いところに設営します。
雪中キャンプのサイトづくりの方法
――雪中キャンプのサイト作りについて教えてください!
kinoさん:雪かき→地ならし→地固め→テントの設営→ギアの運搬の順番で行います。所要時間は、積雪状況にもよりますが大体30分〜1時間程度。道具はスコップを使います。コツなどは特に無く、地道に雪を寄せるのみ。スノーシューがあれば整地が楽にできるらしいので、今年は買おうかなと思っています!
――積雪があると、ペグをしっかり固定するのが難しそうですが…。
kinoさん:自分は農業用の長いプラスチックのペグを使用しています。長さがありしっかりと固定もされるので、雪中キャンプでも安心です。それでも刺さらなそうな時は、自立式のドーム型テントを使ってペグを刺さないで設営しています!
気になる防寒対策はいかに
雪中キャンプで何より重要なのは、やはり防寒対策。
――テント内の防寒対策はどうされていますか?
kinoさん:寝る際には消しますが、ストーブ(アルパカストーブ)を使用しています。自己責任になるので、一酸化炭素チェッカーも忘れずにセットで使っています。寝る際は冬用のシュラフはもちろんのこと、ハイコット、マットも鉄板です。
――雪中キャンプでの服装を教えてください!
kinoさん:ユニクロの極暖ヒートテックを上下着用し、下はワークマンのフュージョンダウンモンスターパンツ、上はスウェット、さらにダウンジャケットを羽織っています。また足元の防寒もかなり大切なので、防水のブーツは絶対です。ワークマン、おすすめです!
安全に雪中キャンプを楽しもう。
――雪中キャンプの注意点はなんでしょう?
kinoさん:雪中キャンプでは、焚き火やストーブなど火器を使用することが多くなります。一酸化炭素中毒や、火がテントに燃えうつることなどには注意が必要です。
大荒れの天気で、テントの周りには雪の壁が…!
――大雪の日は、テントが潰れないよう雪下ろしをするのが大変そうです・・・。
kinoさん:一度、大雪の日にキャンプをした時は、1時間おきくらいでテントの雪降ろしをしなくてはならず、苦労しました(笑()。深夜も、2時間おきに起きて状況を確認していました!
――テント選びにもポイントがあるのでしょうか?
kinoさん:あまり素材は気にしていませんが、薪ストーブを入れる際には出来る限りTC素材のテントを使うようにしています。またドーム型のテントを使用すれば、設営した後も移動が簡単ですし、ペグも軽く打つだけで大丈夫です!
撤収作業はどうしてる?
――撤収時の収納はどうされていますか?
kinoさん:テントは結露や雪で濡れている状態での撤収がほとんどです。乾燥撤収も雪中では厳しいので、収納ボックスを用意して濡れたままその中に入れ、家に帰って乾燥させます。使っているのは100均のランドリーバッグ。撤収も簡単だし、車の中も汚れないのでありがたいです!
雪中キャンプならではの魅力
雪中キャンプの醍醐味・焚き火
――「これは雪中キャンプに欠かせない!」そんなギアはあるのでしょうか?
kinoさん: 極寒の中でやる焚き火が最高なので、焚き火台は必需品です。現在はサンゾー工務店さんのロダンを使用しています。
――雪中キャンプでは、薪を湿気から守る必要がありますよね。
kinoさん:薪は100均のランドリーバッグに入れて持ち歩いています!使うときにその都度出して使うようにしています。
サンゾクマウンテンの焚き火台「マウンコス」を持って行った際は、雪壁をくりぬいて風防に
雪に反射する炎が美しい
雪中キャンプ×鍋=至高
極寒のキャンプ場では、体が芯から温まるキャンプ飯を食べたい!
――雪中キャンプでのご飯を教えてください!
kinoさん: あまり凝ったものは作りませんが、簡単で美味しい鍋が多いです。この前は秋田名物の「きりたんぽ」を作りました。
グルキャンでは、様々な種類の鍋を囲んで鍋パーティー
もちろんお酒も忘れずに。お腹も心も満たされる至福の時間
ワカサギ釣りにも挑戦!
――雪中キャンプでは、ワカサギ釣りにも挑戦されたんだとか!
kinoさん:友達に誘われて、初めてワカサギ釣りに行きました!岩手の岩洞湖という場所で、最低気温-19℃の過酷な環境でしたが、そこで食べたワカサギの天ぷらが忘れられません。朝起きたら、鼻毛まで凍っていました(笑)。
受付の方に聞いたら、敷地内の邪魔にならない場所(湖上はダメですが)ならテントを張っても良いと言われたので、駐車場の脇に設営しました。行く場合は確認が必要かと思います!
雪中キャンプでしか出会えない景色がある
雪中キャンプでは、こんなサイトアレンジも可能。おしゃれなBARをイメージ
――ずばり、雪中キャンプの魅力とは?
kinoさん:雪の中で寝るという圧倒的な非日常感と、雪中ならではの景色や静けさが醍醐味です。動物や虫が出ないのも魅力です!
――忘れられない景色はありますか?
kinoさん: 暗くなりかけの時間帯、雪で真っ白のサイトにいろいろなテントの灯りが灯り始める光景が好きです。
雪中キャンプに首ったけ!
ハードルが高いと思われがちだけど…。
――雪中キャンプへの挑戦を考えている方に、メッセージをお願いします!
kinoさん:最初はハードルが高いと感じるかもしれません。自分もそうでした!でもしっかり下調べと準備をしていけば、虫もいない・混んでもいないので、夏場よりも快適に過ごせると思います。
キャンプ場でお会いした時は是非とも乾杯させてください!
温泉を楽しめるキャンプ場が最高!
――雪中キャンプにおすすめのキャンプ場は?
kinoさん:秋田県の「とことん山キャンプ場」です。施設内に24時間入り放題の温泉があるのですが、冷えた体に温かい温泉は本当に最高です。そして風呂上がりの一杯はこれまた最高です!
【施設詳細ページ】
キャンプは四季折々の自然を楽しむアクティビティ!
――最後に、今後やりたいことを教えてください!
kinoさん:今年は遠くに遠征したいです!まだ行ったことのない「ふもとっぱら」や「ほったらかし」にも行ってみたいですね。それで色んなキャンパーさんと触れ合えれば最高です!!
――ありがとうございました!!
凍てつく冬も、自然はその扉を開いてキャンパーを待っています。緑一色だったキャンプ場が、赤く色づき、やがて白銀の世界に。雪中キャンプで、まだ見ぬ大自然の美しさに出会ってみませんか?
寒ければ寒いほど、あたたかさを感じられる。そんな雪中キャンプの世界でした!
この記事で紹介したスポット
キャンプ場画像 | |
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キャンプ場名 | とことん山キャンプ場 |
リンク | キャンプ場の情報を見る |
今回紹介したアイテム
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僕たち◯◯キャンパーです
他とは違う、「尖ったスタイル」でアウトドアを満喫するキャンパーに取材をする企画です。