上天草の地鶏と野菜で作る、みそ香る本格パスタ!キャンプ飯の広がる可能性【ご当地ひなたごはん/熊本県上天草編】
地域の魅力に触れ、その地のご当地食材でキャンプ飯を作る連載「ご当地ひなたごはん」。熊本県上天草編では、カナダと上天草の二拠点で食の道を極めるシェフが、本格イタリアンキャンプ飯を披露します!調理器具はツーバーナーひとつだけ。はたしてレストランの味が再現できるのでしょうか!?アウトドアで、本格イタリアンを味わう気分は最高。食材を代用すればどこでも作れるので、特別な日のキャンプにぜひ挑戦してみてください!
「ご当地食材」を使ったキャンプ飯の連載、上天草編
“日本の宝島”天草地域の食材を道の駅でゲット
キャンプで訪れた地域の旬な食材で、キャンプ飯を作る連載「ご当地ひなたごはん」。3回目の舞台は熊本県上天草。九州の熊本県と鹿児島県にまたがる天草諸島の東部に位置し、海産物をはじめ柑橘類など、多くの名産品が生産される市です。
上天草市で期間限定ポップアップ食事処を経営する、シェフのいとうひろしさんが、道の駅「
上天草さんぱーる」で、旬な食材を調達。一流レストラン御用達で「幻の地鶏」と呼ばれる「天草大王」や、ミネラルたっぷりの麦みそ、希少な手造り塩、地元の生産者による干物や野菜をゲットしました!今回この食材を使い、ひろしさんがご当地キャンプ飯を作ります。
ご当地キャンプ飯を作るのは、この人!
イタリアンシェフ/食事処うみそらオーナー
いとう ひろし
19歳に料理の世界に入り、箱根のフレンチレストランで料理を学ぶ。イタリアをはじめ、カナダや日本のさまざまなイタリアンレストランで働いた後、2015年に現在の居住地であるカナダに渡る。2019年に旅行で訪れた上天草市の野釜島で、一軒の空き家と出会ったことがきっかけとなり、2021年ポップアップ食事処「うみそら」 (12月から3月の冬季限定)をオープン。現在、カナダ・モントリオールと上天草の二拠点で、イタリアンと地域の食材を生かした創作料理を提供中。
上天草×イタリアンなキャンプ飯レシピ
天草大王と春野菜のスパゲッティ
口に入れるたびにさまざまな食感がやってくる、至福の和洋折衷パスタ。ぷりぷりの肉質の天草大王と、ゴロゴロとスパゲッティの隙間に潜むグリーンピースが食べ応え抜群。もっちりとしたパスタにシャキシャキとした甘いキャベツが絡み合い、最後にスナップエンドウのグリーンな香りが到来します。
味の決め手は甘みの強い、上天草産の麦みそ。個性の強い具材たちをマイルドにまとめ、味わいにコクを出してくれます。
材料(2〜3人分)
- スパゲッティ 240g
- 天草大王もも肉 1/2枚(100g程度)
- 玉ねぎ 1/2個(皮をむいてスライス)
- キャベツ 1/4個( 2cm程の幅にスライス)
- 新じゃがいも 1個(1cm程の薄切り)
- にんにく 1片(芯と皮を取りのぞきみじん切り)
- 唐辛子 1/2本(種を取り除く)
- スナップエンドウ 8本(筋を取りのぞき半分に切る)
- グリンピース 50g(さやから取り出しておく)
- 麦みそ 大さじ1
- パルメザンチーズ 30g
- オリーブオイル 小さじ1・大さじ3
- 塩 30g
- 水(パスタ用) 3L
- 黒胡椒(お好みで)
作り方
①「天草大王」のもも肉に、分量内の2g程度の塩をふる。
②冷たいフライパンにオリーブオイル小さじ1を入れ、もも肉の皮目を下にして置き、中火で火をつける。トングで肉を押さえながら、皮が黄金色になるまでできるだけ肉を動かさないようにしてじっくり焼く
③肉を焼いているフライパンの端でじゃがいもを焼く。肉の皮目が黄金色になったら、ひっくり返して裏側にも焼き色をつける
④鍋に水を入れて沸かしはじめる。じゃがいもと焼き色がついた肉をまな板に移し、肉は一口大にスライス
⑤肉を焼いたフライパンに、オリーブオイル大さじ1とスライスした玉ねぎを入れる。しんなりするまで炒めたら、スライスしたもも肉も入れて一緒に炒め合わせる
⑤④のフライパンの端でオリーブオイル大さじ1と唐辛子、みじん切りしたにんにくを弱火で炒める
⑥⑤に麦みそ大さじ1を入れ弱火でよく炒め、さらに水大さじ4(分量外)を入れてふたをして弱火で煮込む。鍋の水が沸いたら、塩を入れてスパゲッティを茹ではじめる
⑦ スパゲッティが茹で上がる4分前にキャベツを、1分前にグリンピースとスナップエンドウを入れる
⑧スパゲッティが茹で上がったら、鍋の中身の湯をきり、フライパンに移す。オリーブオイル大さじ1とパルメザンチーズ10g、さらにお好みで黒胡椒を少量入れてよく混ぜ、炒め合わせる
⑨皿に盛り付けて、残りのパルメザンチーズをかけたら完成!
ワインポイントアドバイス
春野菜と不知火(しらぬい)のサラダ
こっくりまろやかなパスタの付け合わせには、ジューシーで甘味と酸味が凝縮された柑橘「不知火(しらぬい)」を使ったフレッシュなサラダを添えます。
少し苦味のあるベビーリーフが、搾りたての不知火の甘くジューシーなドレッシングをまとい、しっとりとした食感に。ふんわりとしたサラダに、歯ごたえのあるスナップエンドウがメリハリを与えてくれます。不知火とチーズの組み合わせは、それだけでワインのつまみになる大人な味わい。
材料(2~3人分)
- ベビーリーフ 2つかみ(洗ってから水気をとっておく)
- スナップエンドウ 10本(筋を取って下茹でし、水気をとる)
- グリンピース 50g(さやから取り出して下茹でし、水気をとる)
- 不知火 1個(半分に切る)
- オリーブオイル 適量
- 塩 適量
- 黒胡椒 お好みで
- パルメザンチーズ 適量(ブロックがなければ粉チーズでもOK)
作り方
①ボウルにベビーリーフとスナップエンドウ、グリンピース、不知火の身の半分を1口大に切って入れる
②残った半分の不知火を、野菜が入ったボールに種が入らないよう手で搾り入れる
③塩とオリーブオイルを入れて混ぜ、味を見ながら調整する
④お皿に盛りつけパルメザンチーズをピーラーで削り、お好みで黒胡椒をかける
ワインポイントアドバイス
上天草食材で本格イタリアンの風が吹くキャンプ飯!
いざ、実食。スパゲッティからいただきます。太めの麺に、香ばしい天草大王やグリーンピースが絡み、一口でも口の中がいっぱいに。ニンニクとオイルをベースとしたペペロンチーノに、パルメザンチーズのコク、隠し味の麦みその風味でほんのり和を感じる味つけ。フルーティーな国産の白ワインや、微発泡の日本酒とペアリングすると、上天草×イタリアンの味わいがさらに深められそうです。
次回は上天草の食材で作る、和の朝キャンプ飯!
次回の「ご当地ひなたごはん」は、引き続き上天草の食材で和食の朝ごはんを作ります!みそ汁を作るときの一工夫や、アウトドア環境でのごはんの上手な炊き方など、シェフのひろしさんから伝授いただきますので、お見逃しなく。