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薪を運ぶ2歳の息子

【パパ、キャンプ場作るってよ。】番外編「夢は大きく!我らの理想のキャンプ場」

2021.10.14キャンプ場

森永ファミリーのキャンプ場作り体験記「パパ、キャンプ場作るってよ。」。千葉県勝浦市に、赤ちゃんでも安心して楽しめる「リスッコ・ファミリーキャンプ場」を作るまでのドタバタ劇を、完全ノンフィクションで赤裸々に連載します。番外編の今回は、我々がどんなキャンプ場を作りたいのか、その経緯やどんなファミリーキャンプを経験してきたのかなど、キャンプ場の核となるコンセプトを詳しくご紹介します。

なんで番外編?

ファミリーで楽しめる理想のキャンプ場を作るため、千葉県勝浦市に移住した森永ファミリー。 無事会社を設立し、土地を購入し、キャンプ場建設3種の神器(パパが勝手に命名した、キャンプ場作りに必要な資格3つ)も手に入れ、やっと山での作業がスタートした前回。 え、せっかく、やっと土地に入れるようになったのに、今回は番外編?とお思いでしょう。実は今、厳しい現実に直面しております。 実際にキャンプ場を作るフェーズになればなるほど、夢から現実へ。様々な都合から妥協しなければならないこともあり、思い描いていた理想はどんどん縮小していきます。 ただ、「こんなキャンプ場を目指しているんだ!!」という志は是非知っていただきたい!ということで、精一杯思いの丈をつづるので、よかったらお付き合いくださいヽ(〃∀〃)

I have a dream

ズバリ「子どもが自然で遊べる」キャンプ場

子どもが小さいと、移動時間や万が一のときの市街までの距離を考慮して、なかなか自然豊かな山林まで行けないことも。 けれど、せっかくキャンプに行くなら、自然に触れさせたい!五感をフルに使って、いろいろな経験をして成長してほしい!! 里山を探検して、自分で新たな発見をしてほしい。 その一方で、やはり、小さい子どもをキャンプに連れて行くのは大変で、荷物が多く忘れ物が増えたり、不測の事態続きで、子どもに振り回されがち。 せっかくの楽しい思い出が、両親の喧嘩で台無しにならないように、不必要な負荷や不便さは解消したい。 使い勝手良く、安全で安心な施設を提供したい。 子どもを中心に、家族全員が笑顔になれるファミリーキャンプ場を目指しています。

Let's イマジン

7:00 いつもどおりのアラームで目を覚ました土曜の朝。 さあ、今日はキャンプだ!みんな起きて~ 10:00 出発から2時間後、到着!
わぁー背の高い木がいっぱい!! 葉っぱの天井が高くて、開放感が気持ちいい!
わぁー背の高い木がいっぱい!! 葉っぱの天井が高くて、開放感が気持ちいい! 深呼吸すると、森の匂い。これがマイナスイオンかな? さぁ設営を始めよう!! サイトが広々。お隣さんも気にならない。 子どもたちはサイトの周りで遊んでてね。 「あ、何かの実が落ちてるよーバケツにいっぱい集めてみよう!」
気づいたら、夢中になって一人で集めてるw
気づいたら、夢中になって一人で集めてるw この隙に設営!設営!! 「手伝ってくれる子は、おいでー!」 自由に使える子ども用カートがあれば、荷運びできるかなー? 子ども用ハンマーを借りれば、ペグダウンだってお手の物。
ペグダウンだってお手の物
設営を手伝ううちに、じんわり汗が。 ふわーって吹き抜けていく風が涼しくて心地よい。 11:00 設営完了!お昼ごはんの準備開始!! 炊事場には、子ども用の踏み台。 自分で手洗いはもちろん、野菜を洗ったり、お手伝いでも。 苦手な野菜でも、自分で料理したら、美味しく食べられるかな?
野菜を洗うお手伝い
13:00 お昼ごはんをいっぱい食べて、ふと上を見上げるとキラキラ木漏れ日。 満腹もあいまって、このままお昼寝しちゃいたい~
木漏れ日
そんなことを許してはくれない遊ぶ気満々の子どもたち… さぁ、まずは薪探しから!落ちてる枝を探しに行こう! どんな枝なら燃えるかな?他にも燃やせるものあるかな?
薪探し
次は、昆虫採集?落ち葉集め? 林の中での遊び方は無限大∞ いかがだったでしょうか。 これぞキャンプって感じで、めっちゃ良くないですか~?❤(ӦvӦ。)笑 こんなキャンプ場が作りたいと思ったきっかけは、自分たちのファミリーキャンプ経験から。

Our Camp History

天下無双の夫婦キャンプ

もともと、我々は、共通の趣味がアニメ、友達は少なく、どちらかと言うとインドアな陰キャ夫婦w そんな2人が、子どもができても一緒に続けられる趣味を作ろうと始めたのがキャンプでした。 夫婦時代は、東京から京都まで渋滞で8時間かかったり、目が覚めたら水たまりで寝ていて寝袋がびしょ濡れになっていたり、晩秋にスカート無しのテントで寒くて寝られない夜を過ごしたり・・・。 キャンプで起こりうる失敗やアクシデントはすべて経験したんじゃないかってくらい、毎回思い出深いキャンプを繰り返していました^^; 今思うと、大の大人2人に降りかかるアクシデントなんてたかが知れていて、結局どうにかなるし、なんなら笑い話にさえできる。赤ちゃんキャンプと比べて、なんてヌルゲーだったんだって・・・ 妊娠中でも、毎月1回、妊娠8ヶ月までキャンプに行けたことで、パパは1人で設営・撤収・料理もこなせるようになりました。(仕事量は2人分なので、ソロキャンプよりもハードですw)
▲妊娠7ヶ月で少しお腹がふっくら? 
▲妊娠7ヶ月で少しお腹がふっくら? 
劇的にキャンプスキルが向上したおかげで、これなら赤ちゃんがいてもキャンプに来れるかも!と希望を抱けるようになりました。

ファミリーキャンプデビュー

ところが、いざ子どもが生まれて、実際にキャンプに行けるかよくよく考えてみると・・・ 最もネックになったのは、夜泣きです。 キャンプ場の夜は、静寂。声も響きやすいので、自分たちがコントロールできない赤ちゃんの泣き声が周りのキャンパーの迷惑になってしまったら…と恐怖でした。 そこで、初めてファミリーキャンプ場に行ってみると、目からウロコ。 隣のテントで泣き叫ぶ幼児の声量の大きさに、ほっと胸をなでおろすなんて。むしろ、もっと泣け!泣け!!と思うなんてwww (もちろん、すぐにミルクをあげられる用意や、車に避難するなど、準備万端な夜泣き対策を前提としています。) 夜泣きで迷惑をかけてしまうかもしれないので、先に迷惑?をかけてもらって、もし夜泣きしてしまっても、お互い様だから仕方ないよねーって許してもらおうという精神ですw 子どもがいなかったら、ただうるさいと思うだけだったかもしれない泣き声に、めちゃくちゃ心が救われました・・・(´;д;`)ウルウル
▲夜泣きOKのキャンプ場で、泣き疲れて爆睡の7kgを背負って撤収作業。
▲夜泣きOKのキャンプ場で、泣き疲れて爆睡の7kgを背負って撤収作業。
それからというもの、毎月1~2回のキャンプは、すべてファミリーキャンプ場。関東近郊の有名なファミリーキャンプ場は、すべて制覇したのではないでしょうか。 ファミリーキャンプ場といっても千差万別で、レジャーランド&ホテルと言っても過言ではないほど施設が充実しているものから、中には子どもが絶対怖がりそうなトイレとは言えないトイレしかないところまで。 数々のファミリーキャンプ場を訪れる中で、多くのファミリーキャンパーを目にしたり、様々な媒体で情報収集をするようになり、好みやキャンプに求めるものがだんだんと明らかになってきて、我が家のファミリーキャンプスタイルができあがりました。

Our Camp Style

例えば、とあるファミリーキャンプ場に行ったとき。 水はけの良い砂利サイトですが、駐車場に泊まっている気分で好みではなかった上、掃除がされすぎていて、落ち葉や松ぼっくりなどが全く落ちていないので、子どもが遊べる自然のおもちゃがありません。 遊ぶ場所は遊具しかなく、子どもが小さいと、大人が一人付きっきりで見ていないといけないので、ほとんどサイトにいられず、設営・撤収が進みません… また、SNSで大人気のファミリーキャンプ場に行ったとき。 芝生が青々としていて美しく、よちよち歩きの息子も安心して放牧できますが、ボール遊びやシャボン玉など公園でもできることしかできず、自然感が物足りません… 他にも、自然あふれる景観の良いキャンプ場まで、4時間かけて行った帰り、渋滞にはまり、息子が車という密室で泣き叫び続けたことも。 泥だらけになるまで遊んで、いざ手を洗おうとしたら、石鹸がなかったり、そもそも子どもの背丈では蛇口に手が届かなかったり。 その一方で、施設やサービスに感動することも。 予約のとれない有名ファミリーキャンプ場に行ったときは、炊事場に子ども用の踏み台があるのはもちろん、子ども用の低い流し台もあり、たくさんお手伝いができました。 売店では全てのサイズのおむつが売っていて、おむつ事故(キャンプでおむつが足りなくなり、焦って買いに行く途中で起こした自損事故)で車を廃車にした苦い経験のある我々は、これは安心だ!すべてのファミリーキャンプ場に取り入れてほしい!!と思いましたw
▲薪を運ぶお手伝い。親が運んだほうが早いが、自ら転がし、重くても運べることを発見。
▲薪を運ぶお手伝い。親が運んだほうが早いが、自ら転がし、重くても運べることを発見。
もちろん、自分たちの工夫でできることもある一方、どうしてもキャンプ場の仕様に左右されることも。 すべての要望を満たす完璧なキャンプ場がないのはもちろん、お気に入りのキャンプ場は少なく、また新たなお気に入りを探そうとしても、なかなか見つかりません。 その一方で、同じような要望を持っているファミリーキャンパーが多いことも知りました。

ついに、決意

ないなら、作ろう!!

そんな中、パパがキャンプ場を作りたいと言い出し、これは我々の理想のキャンプ場を作るっきゃない!と思ったのはママだけで、実はパパはコンセプトなんてどうでもよかったらしい…w というのも、ママは、息子を0歳からキャンプに連れ出していた経験から、子どもをキャンプに連れて行きたいママさんから相談を受けることが多くなり、そこで必ず聞かれる「おすすめのキャンプ場ありますか?」という質問の答えに悩んでいたからです。 一方、パパは、キャンプ場作り自体を楽しみたく、ただユンボを操作したい、チェーンソーで木を切りたいという、制作意欲があふれていたんだとか。 そして、ママの意見に共感し調査した結果、集客や差別化もできるということから、ファミリーキャンプ場を作ることに決めたのでした。 そう決まった瞬間に、毎月のレジャーだったはずのファミリーキャンプが、「視察旅行」という仕事に。 本当にファミリーキャンパーに使いやすい施設になっているか、見る目が変わってきます。 未だに、パパのスマホの写真一覧は、キャンプ場施設、とりわけトイレの写真であふれていますw
▲まるでトイレマニア
▲まるでトイレマニア

こだわりのファミリー向け要素

そんな研究に研究を重ねた我々が、絶対に外せない!とこだわった条件、すなわち我がリスッコ・ファミリーキャンプ場の激推しポイントをご紹介します。 好アクセス 都心から2時間なので、1時間休憩したとしても、3時間で到着します。 高速を降りてから30分くらい。山奥の険しい峠道を進むわけではないので、山道で酔いやすい子も大丈夫! 総合病院のある都市部まで、車で10分かからないので、万が一のときも安心。 なのに、あふれる自然感 最もこだわったのが「真の林間」。いかに木を切らずにキャンプ場を作るか。パパが木と相談しながら作ったサイトです。実は、リスッコってフィンランド語で「林間」リスっ子じゃないし、リスもいませんw サイトの直ぐ側まで木が立っているので、子どもはサイトの周りで、落ち葉や杉ボックリで遊べます。 ちなみに、海へは車で5分。夏は海水浴やサーフィンも。 お手伝いに目覚める炊事場 炊事や洗い物は、家族全員参加だと、小さな子どもでもお手伝いしやすくなります。 1歳の子どもでも手洗いやお手伝いができる高さの子ども用シンクと、大人用シンクをセットで、四隅に配置。 他のシンクと離れているので、隣への水はねなどを気にせずに、存分にお手伝いに挑戦できます。 おむつ・トイトレ、どんと来い! パパでもママでも使えるおむつ交換台・子ども用トイレがあります。 全個室に子ども用便座はもちろん、しゃがんで子どものパンツをおろせる広さがあるので、子ども用トイレが使用中で空かない!待たされて漏れちゃう!!なんてこともありません。 業界初?家族シャワー 家族3~4人で入れる、広々したシャワーがあります。 子どもを見ながら、親が交代で洗ったり、複数人の子どもを連れて入っても狭苦しくありません。

果てしない欲望との戦い?

▲フィンランドの巨大ログハウス。日本のログハウス風の小屋とは、木材の太さが違う。
▲フィンランドの巨大ログハウス。日本のログハウス風の小屋とは、木材の太さが違う。
ファミリーキャンプ場を訪れるたびに、これ便利だな~、あったらみんな助かるだろうな~など、広がる夢!夢!!夢!!!! 全て取り入れることはできないので、取捨選択する必要があります。 実現できるもの、工夫するもの、その必要のないものw 例えば、家族風呂。 撤収後、近くの温泉に入るのが、おなじみのお楽しみだった我が家。 ただ、男女が別れている公衆浴場では、突如「どっちがお風呂入れる問題」が勃発するのが一般的ですw 我が家の場合は、ママの髪が長く、乾かす時間がかかるため、ママが一人で入るよりも、パパと息子で入る方が短く、ママが息子と入るという選択肢は、時間的な都合からありませんでしたが(;´∀`) だから、いつもママは一人優雅なバスタイムを…なんてことはなく、ただでさえ大変なパパの待ち時間を減らすべく、超特急。夫婦キャンプ時代の贅沢な温泉タイムに思いを馳せるのであったwww そんな我々が感動したのが、家族風呂です。 子どもを複数人の大人で見れるだけで、一対一のときよりも格段に楽になる上、家族で大きなお風呂にゆっくり入れるという貴重なイベントにもなりますヽ(゚∀゚ )ノ 絶対うちのキャンプ場にも作ろう!!と思っていましたが、保健所のお墨付きが得られる施設にするためには、高額な建設費用がかかり断念せざるを得ませんでした。 まぁ、どうにか代わりになるものを!と工夫した結果、家族シャワーという世にも奇妙な施設ができあがるわけですが・・・w 他には、あぁ憧れのログハウス。 キャンプ場の敷地内に住居兼管理棟の大きなログハウスがあって、リアルに家族ぐるみ経営。 住居が裏口から上がった2階にあり、家族団らん中でも受付のチャイムで呼んでもらえれば出ていけるし、万が一真夜中でも何かあったときにはすぐに対応できる。やはり、消灯や騒音など、夜に管理人の目があったほうが、安心です。 そしてログハウスの1階は、コミュニティスペース。 近隣住民も気軽に立ち寄れて、ゆくゆくは直売所もできるかな? 奥には暖炉があって、冬は自然と人が集まったり。 ログハウス脇の犬小屋には、人懐っこい看板犬が。 ログハウスは、新婚旅行でフィンランドに行ったときに見た、太い木のがいいなー、空間が大きいのに、暖炉が暖かくて、居心地良かったなぁ~・・・ そんな理想のログハウスを建てるには、いくらお金があっても足りません。というより、土地があと数倍は広くないと無理(;^ω^) 管理棟はログハウス風の小屋をセルフビルドし、夜もパパが常駐することで補う予定です。
▲毎回盛り上がって、気づくと2時間を超えている打ち合わせ。
▲毎回盛り上がって、気づくと2時間を超えている打ち合わせ。
そんなこんなで、執筆している現在は、設計事務所に行ったり、山に行ったり、設計図と土地の図面を見ながら、あーでもないこーでもないと打ち合わせを重ねています。 果たして、理想の施設ができあがるのか。はたまた、妥協に妥協を重ねた残念な施設ができあがるのか。全ては”今”の踏ん張りにかかってきます。(と自分を鼓舞して頑張っています。パパがw) どんな施設になるのかは、お楽しみ。完成したら、是非確かめに来てください~

次回予告

次回は、連載に戻って、第6回「建設計画 壁しか見えない中編その2」 建設開始まで、残すところ「建物設計・見積」「お金」のたった2つ!かと思いきや、立ちはだかる壁、壁、壁の連続!…そして、ついに最大のピンチが訪れる!!
▼前回までの内容はこちら

パパ、キャンプ場作るってよ。

森永ファミリーのキャンプ場作り体験記「パパ、キャンプ場作るってよ。」。千葉県勝浦市に、赤ちゃんでも安心して楽しめる「リスッコファミリーキャンプ場」を作るまでのドタバタ劇を、完全ノンフィクションで赤裸々に連載します。


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