海外でも気軽にアウトドア。ポートランド市内にある「野鳥の楽園」って?
海外でも気軽にアウトドア!ポートランドの「フォレストパーク」って?
2021.04.04ライフスタイル
オレゴン州ポートランドの「フォレストパーク」は、ダウンタウンからすぐそばに広がる自然豊かな森林公園です。長さ13km、面積2,000ヘクタールにもなるこの公園は、都市の喧騒から離れてひと休みできる貴重な場所。今回は、地元っ子に混じって気軽に楽しめるポートランドのアウトドアスポットをご紹介します!
制作者
東リカ
オレゴン州ポートランド在住のライターです。ブログ「ポートランド日誌(http://rhportland.blogspot.com/)」書いてます。
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気軽にアウトドアが楽しめるポートランド
オレゴン州ポートランドは「全米1住みたい街」として、近年アメリカ国内はもちろん、世界中から脚光を浴びています。海、山、川に囲まれたポートランドの最大の魅力は何と言ってもその自然。全米屈指のアウトドアが盛んな街としても知られています。新鮮な食材を使った料理やクラフトビールにワイン、職人技の光る工芸品、消費税なしのショッピングなど、様々な魅力のあるポートランドを観光しに訪れる人は少なくありません。治安も比較的良く、日本から直行便があるのも嬉しいポイントです。
街歩きやグルメ、ショッピングの合間に、気軽にアウトドアを楽しめる国があれば…。そんなわがままを叶える夏のポートランドについて、実際に在住している筆者がその魅力をお伝えします!
市内に広がる大自然、フォレストパーク
フォレストパークとは
「フォレストパーク(Forest Park)」は、ポートランド市の北西部のウィラメット川沿いに位置する総面積2,000ヘクタールにもなる広大な森林公園です。市内にあるとは思えないほど木々が生い茂る公園内には、112種類の鳥類と62種の動物が棲息していると言われています。
そんな森林の中を縫うように、全長113Kmに及ぶ数々のトレイルがあります。最長の「ワイルドウッド・トレイル(Wildwood Trail)」は、森林公園の全長をカバーし、48kmにも渡ります。
ポートランドっ子は、これらのトレイルで、早朝はジョギングや犬の散歩、ランチタイムには同僚との散歩などを楽しんでいます。また天気の良い休日は、ハイキングや散歩はもちろん、トレイルランニングや乗馬、マウンテンバイキングなどをしに訪れる人も少なくありません。地元に密着したアウトドアスポットなので、ポートランド人の生活や文化を知るのに最適な場所ですよ。
出かける前に知っておきたいこと
フォレストパークには、散歩やトレーニング、野草や野鳥の観察など、さまざまな目的に応じたルートがあります。旅行者でも気軽に出かけられるとはいえ、忘れてはいけないのがこの公園の広大さ。「フォレストパーク(森林公園)」と呼ばれているので、日本の「公園」をイメージしてしまいそうですが、むしろ「森林」です。初めて訪れる人が闇雲に入り込むと、迷ってしまうことさえあります。目的やコンディションに合わせて、事前にコースを選びましょう。また、トレイルの地図、水やスナック、携帯電話など、必要なアイテムをきちんと準備しておきましょう。もちろん、歩きやすい靴と服装は必須です。
なお、トレイルの地図は、オンラインで購入したり、情報サイトから印刷することができます。筆者のお勧めは、月刊情報誌「ポートランド・マンスリー」のものです。
購入はこちら:フォレストパーク トレイルマップ
印刷はこちら:ポートランド・マンスリー
人気のローワーマクレイ・パーク・トレイル
ローワーマクレイ・トレイル
今回は、一番人気があり、誰でも気軽に楽しめる「ローワーマクレイ・パーク」から「ストーン・ハウス」までのルートをご紹介します。このコースは、バーチ・クリークという小川沿いに1.5 kmほど続くものです。トレイルのほとんどの部分が整備されていて、勾配も緩く、子供からシニアまで楽しめます。また、途中にポートランドで最も背が高いと言われる約73.8 mのダグラスファーの木があるのも魅力です。
ストーン・ハウス
今回のゴール、ストーン・ハウスは、ローワーマクレイ・トレイルとワイルドウッド・トレイルが交差する地点にある石造りの廃墟。1936年、世界恐慌時の公共事業促進局によって建てられた建物です。苔に覆われ、鬱蒼としたその姿から「魔女の城」とも呼ばれていますが、実は元公共トイレの建物なんですよ。
トレイルを歩こう
ローワーマクレイ・トレイルを歩く
ローワーマクレイ・トレイルの入り口は、NW Upshur Streetを西に進み、NW 29th Aveを過ぎたところの突き当たりにあります。大きな緑色の鉄橋や、赤いオブジェが目印です。公共トイレもあり、近くに行けばすぐに分かりますよ。
道は何箇所か水たまりや泥と石のエリアがあるものの、基本的によく整備されていて歩きやすいです。ダグラスファーをはじめ、大きな木が生い茂っていて、トレイルを少し入っただけで、ここが街中だということを忘れてしまうはずです。
このコースは、ずっと小川沿いを歩きますが、途中、いくつかの橋を渡ることもあり、川をさまざまな角度から眺めることができます。また四季折々の生い繁る苔やたくさんの野草の花、それに野鳥たちを見ることもできます。
筆者が歩いた5月後半は、ピンク色のオレゴンゼラニウムや黄色いダイコンソウ、白いパシフィック・ウォーターリーフの花がたくさん咲いていました。もう少し早いと3枚の花びらを持つトリリウムがたくさん咲いています。
自然を楽しみながらゆるゆると歩いて行くと、30分ほどでストーン・ハウスに到着します。到着したら是非、中を覗いてみたり、上に登ってみたりして下さい。フォレストパークの地図もありますよ。
また、この側にフォレストパークで最も大きいダグラスファーもありますので、探してみてくださいね。
ストーンハウスからのオプション
ストーンハウスで一休みして、引き返しても良いですが、まだまだ体力がある!という方はそのまま直進してみてください。道の先はアッパーマクレイ・パークへと続いています。ここからは、登り坂も増えてきます。アッパーマクレイパークの側には、野鳥の保護エリア「オーデュボン協会」もあります。また、NW Cornell Roadに出ますので、タクシーなどでここから街に戻るのもいいかもしれません。
もっとトレイルを楽しみたいなら、さらにNW Cornell Roadを渡り、丘を登って観光名所でもあるピトック邸を目指すコースも人気です。ここからは素晴らしい眺めが堪能できますし、同じくここをゴールにタクシーなどで街に戻ってもいいですね。
また別のオプションとしては、ストーンハウスから直進せずに、ワイルドウッドトレイルを進むこともできます。ただし、このトレイルはフォレストパークの端まで続いていますので、どこで引き返すか、もしくは別のトレイルを行くのか、あらかじめ計画を立てておいた方が良いでしょう。
フォレストパークで自転車をレンタルして楽しもう!
ポートランドには全長620キロを超える自転車専用レーンや優先道路が整備されているので、安心してサイクリングを楽しむめます。フォレストパースを観光するときは自転車は最適な移動手段でもあります。自転車道の多くがダウンタウンの中心街を通っているので、人気のショップ、レストランにもアクセスが簡単のためおすすめです。
最後に
今回ご紹介したローワーマクレイ・トレイルでは、人気のコースだけあって犬の散歩やジョギングをするたくさんの人とすれ違いました。 笑顔で「ハロー」と声をかけてくれるようなフレンドリーな人々ばかりです。
アメリカですと、グランドキャニオンやイエローストーンといった国立公園でキャンプをする、ような本格的なアウトドア旅行も人気ですが、初心者や小さい子供連れだと、準備も大変な上、なかなか自分たちだけでは出かけにくいものです。だからと言って海外でのアウトドアを諦めてしまうのは、もったいない!日本ではあまり見かけない動植物が見られたり、その土地の人たちの自然との付き合い方を知るのは、海外旅行ならではの楽しみです。特別な準備や出費もなく、街歩きの合間にふらりと出かけられるカジュアルなアウトドアもいいものですよ。
これからの季節、夏のポートランドは、気候も良くイベントも多い観光のベストシーズンです。どこに出かけようか、と計画中なら、ぜひポートランドも検討してみてはいかがでしょうか?