ゴアテックスの洗濯方法を解説!おすすめの洗剤と撥水スプレーも
急な天候の変化にも対応できるアウターには、防水透湿性能を有する「ゴアテックス」を採用しています。撥水性に優れ、今やアウトドアには欠かせません。洗濯や撥水性ケアの大事さはなんとなくわかっているけど、やり方がピンと来ない…。そんな方に、ゴアテックスの洗濯方法とケア、おすすめのお手入れアイテムを紹介します。こまめにメンテナンスしてゴアテックスを長く大切に使いましょう!
ゴアテックス製品を洗濯しないと?
皮脂や泥汚れは衣類全般にとって大敵です。防水透湿性能を有する「ゴアテックス」を採用したアウターであっても、汚れが表面にたまるとシームテープが剥がやすくなり、結果、防水撥水機能が落ちます。シームテープが剥がれたら縫い目から水が侵入し、スポーツウェアやレインウェアの意味を成しません。
ゴアテックスを長持ちさせるためには、汚れがついたまま放置したままにせず、定期的に洗濯やケアを行うことが重要です。
ゴアテックス製品の洗濯方法
汚れたらどんどん洗ってしまいましょう。汚れていなくとも、定期的に洗えば機能維持につながります。お気に入りのアウターウェアと長くお付き合いする秘訣です!ただし、注意しないとゴアテックスを傷めてしまう場合もあるので、しっかりと確認しながら洗濯しましょう。
1.洗濯表示を確認する
洗濯の前に
取扱表示を確認しましょう。チェックするポイントは、洗濯機が使用できるか、ドライクリーニングするタイプか、この2つです。ゴアテックスといっても、アイテムによって洗濯表示が異なります。アイテムごとに適切な方法でメンテナンスするのが大切です。
ドライクリーニングできるゴアテックスのアウターウェアは、ウェアの洗濯取扱い表示で確かめましょう。ただし、
ドライクリーニングの後に機能性が低下することもあるので、撥水性回復のケアが必要です。
洗濯取扱表示の例はこちら:
ゴアテックス公式ページ
(「洗たく取扱表示例」をクリックください )
2.ジップを全て閉める
次に行うのは、洗濯の際に衣類が傷つくのを防ぐ対策。ウェアやジッパーのベルクロ(面ファスナー)を全て閉じてから洗濯機に入れるのが重要です。理由は、ファスナーは洗濯中の無理な負荷による破損防止、ベルクロは生地への引っかき防止。ほかにも、収納フードは洗剤や汚れの残留を防ぐために取り出して広げたりするなどの準備が大切です。
3.ぬるま湯で洗う
出典: artursfoto / ゲッティイメージズ
洗剤は衣料用液体洗剤を使用し、量は少なめに、1回あたり30ml程度を意識しましょう。汚れのひどい部分は、一度液体洗剤を使って集中的にぬるま湯で洗うのがポイントです。注意して欲しいのは、粉末洗剤、漂白剤、柔軟剤、しみ抜き剤を使用しないこと。これらの洗剤を使うと、成分が残ってしまい、衣服の色や性能に悪影響を与えてしまいます。
4.洗濯機に入れる
洗濯機にウェアを入れます。その時のポイントは
- ウェアを洗濯ネットに入れる。
- 水の温度は40°以下のぬるま湯に。
- 液体洗剤の量を少なめに(粉洗剤や柔軟剤、漂白剤、染みぬき剤の使用はNG)。
- すすぎは特に念入りに。
防水素材は水が生地を通過しないため、すすぎの効果が弱くなります。洗剤成分を生地上に残すと、撥水性低下の原因となるため、
すすぎ時間を標準の2倍ぐらい長くしましょう!また、洗剤成分が残った状態で撥水処理をすると、生地にシミが生じてしまう可能性があるので、注意しましょう。
5.乾燥機させる
ゴアテックスのアウターウェアはいつもの洗濯コースで脱水までしてはいけません!アイテムによって、脱水機が禁止の場合があります。特に、防水素材のウェアは生地が水を通さないので、大きな遠心力が洗濯機にかかり、洗濯機の故障につながる恐れがあります。
乾燥機を使用する場合は表示を確認し、「低温」で行いましょう。シームテープが剥がれているなど劣化が見られる場合は乾燥機を使用しないように!一番は、自然乾燥がおすすめ!強く絞りすぎない、日陰に干す(紫外線に当てると劣化の原因に)、風通しの良い場所に干すことを意識するのがポイントです。
ゴアテックス製品の洗濯に必要なもの
防水・撥水布地専用洗剤。ゴアテックスだけでなく、レインウェア・スキーウェア・フリース・テントなど、各種透湿防水、耐久撥水加工生地の撥水性を落とすことなく、汚れだけを落とす洗剤です。
【基本情報】
- 容量:300ml
- 対応可能アイテム:アウトドアウェアやスポーツウェア全般、ギア
透湿防水布地用撥水剤。レインウェアなどの洗濯後、そのまま洗濯機で撥水加工できます。ニクワックスの主成分(白色)が表面に残ったまま乾かすと、そのまま色むらになってしまうので、余分な主成分をふき取ってから乾かしてください。
【基本情報】
- 容量:1L
- 対応可能アイテム:レインウェア/ジャケット
ゴアテックス製品の洗濯後にすること
アイロンをかける
ゴアテックスのウェアは陰干しするのが長持ちするコツ。生地を強く絞ると傷めてしまうため、軽く押して水を切る程度にとどめましょう。その上で風通しの良いところで陰干しすればOKです。(紫外線は生地にダメージを与えるため、陰干しが必要になります)
アイロンは表生地の撥水機能回復に効果的です。ウェアが完全に乾いた後、低温設定(80〜120℃)、スチームなし、あて布をするのがポイント。(あて布をすれば熱が分散し生地が伸びたりするのを防げる)
撥水スプレーをかける
繰り返し使用していたら、水をはじかなくなってきたという場合に、撥水処理を施しましょう。ウェアを洗濯後、乾燥させた状態からスタートし、スプレーを全体に薄く均一に吹きつけます。大量に塗布すると、撥水剤が液ダレし、結局無駄になりますので注意しましょう。
シミが発生した場合でも、すぐにアイロンで熱を加えればシミを薄くのばせます。乾燥したら、同じ工程を4~5回繰り返しましょう。塗布量の目安は、レインウェア上下セットに対し、330ml缶・約1本です。
ゴアテックス製品のメンテナンスに使えるアイテム
水だけでなく油も弾くため防汚性にも優れた撥水・撥油スプレー。テントやタープはもちろん、レインウェアから綿・ウール製品まで幅広く使用できます。ゴアテックス メンブレンなどの防水透湿性素材に使用しても透湿性は損なわれません。
【基本情報】
- 容量:180ml
- 対応可能アイテム:テント、タープ、レインウェア、綿・ウール製品
ゴアテックス製品の手洗い方法
洗濯表示によっては洗濯機の使用ができない場合もあります。また、1つのアイテムだけなら洗濯機でやるよりも意外と手洗いの方が楽かもしれません。
- 手洗いの場合のポイントも、洗濯機の場合と同様で、
- 水の温度は40°以下のぬるま湯に。
- 液体洗剤の量を少なめに(粉洗剤や柔軟剤、漂白剤、染みぬき剤の使用はNG)。
- すすぎは特に念入りに。
といった点です。脱水も同じ!ウェアと好みに合わせて、洗濯方法を使い分けましょう。
ゴアテックス製品を長持ちさせよう!
今回は、ゴアテックスの洗濯方法とケア、おすすめのお手入れアイテムを紹介しました。せっかくの高機能ウェアだからこそ、ていねいに手入れをして機能を維持させながらいつまでも使い続けたいところ!これから先もずっと着続けられるよう、できるメンテナンスをするようにしてあげてください。
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