4シーズンテントとはその名の通り四季を通じての使用を目的としたテントです。一般的なキャンプ用テントの多くは夏の使用を目的としたものが多く、そのため通気性と防水性を重視しています。
最近では通気性を最大限活かす工夫としてインナーテントの壁全体または半分がメッシュになっているものもあります。夏キャンプだけというならこれは最高ですね。しかし気温の低い季節には不向き。カタログに3シーズンテントとなっている物は初夏から秋にかけてと標高の高い山では夏のみの使用が可能ですが、気温が5℃を下回れば使用はかなり厳しいでしょう。
4シーズンテントは冬季の使用も考慮に入れて設計されていますので、寒さの厳しい雪上キャンプでも使用できます。
1:出入り口のドアパネルがテント生地とメッシュの2重構造になっていて、面積が大きいか
これは夏の使用を考えて、少しでも空気の流れを多く確保できる物が良いでしょう。
2:インナーとフライシートそれぞれにベンチレーション用の開口部があるか
インナーテントにベンチレーション窓やパネルがあっても、フライシートになければ換気効果は望めません。フライシートの裾からの空気流入に頼っているものは冬季の使用時に保温性が損なわれます。
3:フライシートの四方の裾にスカートが付いているか。またそれは巻き上げられるか
4シーズンテントは冬季の保温性を考慮してフライシートにスカートが付いていますが、これを夏季に巻き上げて空気の対流を良くする配慮がなされている物が望ましいです。
4:防水性能のチェック。耐水圧2,000mm以上か
耐水圧は降雨時の性能に影響します。この数値は大きいほど気密性が高くなり防水性と保温性が期待できますが、その分通気性が落ちますので結露しやすくなります。4シーズンテントとしてはインナーが防水性と通気性のバランスから3,000程度、フライシートが防水性重視で5,000程度というのがベストでしょう。
5:(ドーム型の場合)ポールのスリーブが天井部分で分割されているか
ドームテントの骨組みであるポールを通すスリーブが天井頂点の交差する部分で間が空いていることが重要です。
この部分の空きがなかったり少なかったりするとインナーテントとフライシートの間の空気が停滞してしまい、ベンチレーション効果が機能しません。この部分が細いループ状の物やインナーテントをポールにフックで吊下げる方式の物は問題ありません。なお、海外メーカーの物に時々この部分の塞がったものが見受けられますのでご注意を(乾燥した気候のせいかもしれません)。
以上の点をカタログや販売サイトの商品情報欄で確認しましょう。不明な場合はメーカーに直接確認することも可能な場合があります。
次にテントで厄介者の結露について。夏用を主眼としたテントで、インナーの壁が大きくメッシュで作られているようなものの場合、結露の心配はほぼありませんが、冬季の使用も考慮した4シーズンテントはインナーの壁がテント生地で大部分を作っていますので、結露の発生率は高くなります。
結露ができる原因
結露の原因はいくつかありますが、なかでも人の呼吸で発せられる水蒸気が最も大きいです。そして冬季にはテント内の結露が夜間に凍りつき、テント生地の通気性能を極端に損ねることもあります。
また夏季では降雨により外気温が下がった時や朝方気温が落ちる時、涼しい高原の夜などはテント内との温度差が大きくなり、こうした時にも結露が発生します。この時フライを掛けていないテントでは結露したテント生地に触れると細かい水蒸気が触った部分で結合し、そこから雨が呼びこまれテント内に浸入するという事態にもなります。
また結露はテントの壁のみならず、シュラフや着衣にも付着し、翌朝ジットリとしていたり、冬季は体温を奪う原因にもなります。
4シーズンテントの結露を防ぐには?
夏季は「テント選びのポイント1」で紹介したように、メッシュ部分を利用して外気との温度差を減らすことでかなり改善できます。
問題は寒い時期、特に雪上キャンプなどの場合です。外気温との温度差をなくすことは寒さに繋がりますのでできるだけ避けたいですが空気の対流は必要です。なのでインナーとフライシートの両方にベンチレーション機能のある方がより良いわけです。
さらに、冬季の結露の原因である呼吸からの水蒸気をできるだけ防ぐために、就寝時にフェイスマスクやネックウォーマーで口元をカバーするように着用することをおすすめします。バンダナなどを巻くのも良いでしょう。