【KODAMAYA】バッグもホルダーも「一縫入魂」!山好きがつくる熱狂ULギア
「欲しいギアがないからつくりたいと思った――」。多くのガレージブランドがその思いを原動力に誕生しますが、デザイン性や機能性など、何にこだわるかはまさに十人十色。今回紹介する「KODAMAYA」は、ULと行動時のストレス軽減をとことん追求した山道具に特化。「そこまでやる!?」なこだわりギア、知ればもう手放せません!
2024年11月誕生!高機能&UL特化の「山の相棒」
KODAMAYAのロゴは、井上さんがかつて住んでいた場所で見かけたキツネ。出会えたときの気持ちの高まりや「また会えたらいいな」というワクワクを詰め込んでいます
「新しいブランドなのですが、高機能で驚きました」と、世界中のブランドを見てきたhinataストアバイヤーも唸るバッグやホルダーをつくっているのは、2024年11月にスタートしたばかりの「KODAMAYA(コダマヤ)」。オーナーの井上さんが、オールハンドメイドでアイテムを生み出している新進気鋭のガレージブランドです。
取材していても端々から伝わってくる「山が好き!」という気持ちと、一度「こう」だと決めたらどんなに大変でも諦めずに形にする粘り強い性格が生み出すギアは、細部を知るほどに「そこまでやる!?」と驚くことばかり。登山で頼れること間違いなしのアイテムを中心に、ブランドの魅力に迫りました。
MYOGでいきなり「バックパック」!ものづくりの楽しさにハマる
子どものころからボーイスカウトに所属しており、そのアウトドア歴は約20年という井上さん。大人になってしばらく登山からは離れていたものの、キャンプ仲間に誘われて久しぶりに登山を楽しんだら、そこでしか出会えない景色や自然の中で感じられる心地よさに改めて惹かれたそう。
それと同時に道具選びの楽しさにものめり込み、だんだんと集めたギアに対して「ここがこうならいいな」と感じることも出てくるように。ものづくりが好きだったことも手伝って、2021年ごろからOD缶やフォークやスプーンを収めるケース、軽量歯ブラシなどを自作するようになりました。
驚くべきは、この当時バックパックもつくっていたということ。UL系で気に入っていたバックパックがあり、「ここにファスナーが付いていたらいいのに」など、”かゆいところ”がいくつか気になっていました。
そこで機械設計という当時の仕事の知識を生かして図面を引き、型紙をつくり、「家庭科の授業以来」のミシンに挑戦。実家の家庭用ミシンを借りて縫ったため、針が通らなかったり折れてしまったりと、かなり苦労したものの、分厚い部分は手縫いも駆使して、数カ月かけて完成させたというのだからすごい情熱です。
井上さんがつくったバックパック。まったく初めてのハンドメイドでこのクオリティは驚き!
代表作の「Middle bag」ココがすごい!
そんな井上さんがつくるギアは、一つひとつが本当に細部まで妥協なく、理想を形にしています。たとえば、代表作ともいえる「Middle bag(ミドルバッグ)」は、登山でも活躍する「ウエストバッグの弱点」を克服するためにつくったもの。詳しく見ていきましょう!
そんな悩みを解消するため、ミドルバッグではまず、余ったベルトが重ならないようにし、バックルはバックパックと干渉しないよう端っこに。そのバックルも、片手で引っ張るだけで調整ができる「カムバックル」に追加工をした独自のものを使っています。
余ったベルトはバッグの中に入るようになっているため、ぶら下がって邪魔になるということがありません。
余ったベルトを本体の中にしまえるようにした独自構造「ストリームラインシステム」。特許申請中
また、身体にフィットし、行動をさまたげない構造にも注力。
身体に沿うように本体形状をカーブさせる、重心をなるべくベルトの両端に分散させるためにあえてマチを設けない、足を上げたときに干渉しにくく、負荷がかかりづらいよう角は曲線にするなど、細部まで考え抜かれています。
本体がカーブしているのが下から見るとよくわかります
また、ファスナーには水を通さないよう「止水ファスナー」を採用していますが、表面加工が施されていて硬いため、普通ならカーブした場所に縫い付けるのは難しいアイテム。無理にカーブさせて縫い合わせると、デコボコになってしまいます。
そこで、井上さんはきれいに仕上げるため、ファスナーの幅を必要分ギリギリまで狭くカット。カットする手間がかかるうえに、縫製時の難易度もグッと上がります。それでもやるのがコダマヤ。機能も見た目も一切妥協していません。
止水ファスナーを裏側から見たところ。上側がカット前、下側がカット後
DCFを採用したhinata別注が登場!
2025年4月、このミドルバッグに「hinata別注」が登場。通常モデルの生地はXパックですが、hinata別注ではDCFハイブリッドを採用しています。Xパックよりも軽くて丈夫、さらに使ううちにシワが入ることで経年変化も楽しめる一品。
カラーは本体がブラックで、ファスナーの引き手にhinataらしくオレンジを取り入れているほか、内側の素材もコーデュラスペクトラのベージュカラーからコーデュラリップストップグレーに変更。理想のウエストバッグを探している人はこの機会にぜひ手に入れてはどうでしょう。
注目の新作「Treck Holster」ココがすごい!
もうひとつ紹介したいのが、2025年2月に発売したばかりの「Treck Holster(トレックホルスター)」。
バックパックのショルダーハーネスに装着して機能拡張できるボトルホルダーは、山好き界隈ではおなじみのアイテムですよね。これをコダマヤがつくるとどうなるのか…というと、こうなります。
逆さまにしてもスマートフォンが落ちない。
え!?なんで!?と、井上さんに質問してみたところ、ポーチの入り口に適切な長さで取り付けた強力な平ゴムにより、スマートフォンが中に押し込まれるのだとか。
※スマートフォンの大きさや厚みによって固定力は変わります
こうしたホルダーを使用していて、屈んだときなどにポロッとスマートフォンが落ちそうになった…という経験がある人もいるはずですが、これなら多少のことでは落ちなさそう!左用・右用がラインナップされているので、使いやすい方を選べるのもうれしいポイントです。
コダマヤならではのこだわりはまだあります。
それは、表と裏でわざわざ生地を変えていること。「表と裏では使われる用途や力の加わり方が違うんです。表は軽いXパック、裏側はショルダーハーネスなどに接触するので、なるべく揺れを抑える目的で少し分厚いコーデュラナイロンを使っています」
ほかにも、ファスナーを全開にするとスマートフォンと500mLのペットボトルが入るけれど、ファスナーを閉じれば薄くなって携行しやすくなるという工夫も。小さな中にギュッと凝縮された機能性に、早くも完売続き!
今後は「UL歯ブラシ」も!独自の着眼点と実行力が生み出すギアに期待
2025年4月現在、立ち上げからまだ半年未満というフレッシュなブランドながら、ものづくりへの情熱や妥協のなさは本物。「全て一人でやっているので時間はかかるかもしれませんが、これからもアウトドアをより快適に楽しめる道具をつくっていきます」と井上さんは語ります。
2025年4月にはUL歯ブラシの
「Feather Brush」も登場予定。柄を「使いやすさ」を担保できるギリギリまでカットし、歯ブラシとしての強度を保てるギリギリまで全体を細くしたという、とにかく
ギリギリを攻めまくった歯ブラシ。重さは本体が約3.4g、先端を衛生的に保ってくれる付属のカバーが約1.2gで、
トータル5g弱!
こちらの歯ブラシは
2025年4月12日(土)からhinataストアでも取り扱い開始予定です。UL業界でこれから注目を浴びそうなコダマヤのアイテム、ぜひ早めにチェックしてみてください。
公式Instagramはこちら:
kodamaya.design