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Zpacksのイメージ

【Zpacks】ロングトレイルの本場アメリカ発!UL界のリーディングブランド

近年、日本でも人気が高まっているロングトレイル。その発祥の地アメリカでは、アパラチアン・トレイル、パシフィック・クレスト・トレイル、コンチネンタル・ディバイド・トレイルの3大トレイルを踏破した人を「トリプルクラウナー」と呼びます。トリプルクラウナーのジョー・ヴァレスコ氏が、みずからの経験をギアに込めた「Zpacks」を紹介します。

自作ギアでアパラチアン・トレイルへ!

アパラチアン・トレイルの途中で景色を楽しむジョー・バレスコ氏

出典:Zpacks

アパラチアン・トレイルの道程で雄大な景色を楽しむジョー氏
Zpacks(ジーパックス)が誕生したのは2005年。その1年前、創業者のジョー・ヴァレスコ氏はアメリカ三大トレイルの一つ、「アパラチアン・トレイル」に挑戦していました。ジョー氏にとって、これが初めてのロングトレイル。そのために、なんとほとんどのギアを自作したのだそうです。
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Zpacks ジョー・ヴァレスコさん

アパラチアン・トレイルのコースは約3,500km。5カ月という長期間の旅に備えて準備を進めるうち、私はバックパッキングに夢中になりました。でも、自分の理想のギアが当時は見当たらず、趣味として超軽量ギアを自作し始めたんです。

家庭用ミシンと独学で始まったギアづくり

もともと、縫製をしたことがあったわけではないというジョー氏。最初は、家庭用ミシンで試行錯誤しながらの独学でした。それでも、衣類はもちろん、キルトやバックパック、テントまでも自作したというのだから、その熱意には驚かされます。
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Zpacks ジョー・ヴァレスコさん

当時つくったものは、現在のギアと比べればあまりすぐれたものではありませんでしたが、そのギアとともにトライしたアパラチアン・トレイルがビジネスを始めるきっかけをくれたんです。私は旅をしながら製品をテストし、どこが壊れるか確認し、改良しました。それは今も続く、ジーパックスの絶え間ない進化なのです。
アパラチアン・トレイルを無事に踏破したあとは、2007年にパシフィック・クレスト・トレイル、2009年にコンチネンタル・ディバイド・トレイルも達成してトリプルクラウナーに。その後も、2012年にニュージーランドのテ・アラロアをスルーハイキングするなど、合計16,000km以上の距離を歩いたそう。 ジョー氏が、こうしたロングトレイルで得た経験や感じたこと、実際にギアを試しながら気づいたことを盛り込んでいるのがジーパックス。たとえば、雨の多いアパラチアン・トレイルでの経験を生かし、全てのテントは小雨が降っていても風下のドアを開けたままにでき、湿気がこもらないよう設計。多様な地形での体験がアイデアとして随所に息づいています。 コンセプトは、「可能な限り最小限の重量で長距離を移動するための超軽量バックパッキングギア」。2005年から約20年に渡り、揺らぐことなくULギアをつくり続けています。

軽さもユーザー目線の機能も備えたULギアたち

最先端の素材も取り入れながら「早く前へ進む」ための傑作を

製品を開発するときも、できる限り軽量かつ最小限に抑えることから始めるというジョー氏。サンプルができたらテストし、必要に応じて改良。ミニマルでありながら、どんな天候でも5~6カ月のスルーハイキングに耐えられる機能的な製品を生み出しています。 軽さと丈夫さ、機能性を理想に近づけるため、素材も厳選。2006年からDCF(ダイニーマをUV樹脂フィルムでコーティングした生地)を使用するなど、今でこそアウトドア業界では知られるようになった素材も、かなり早い段階から取り入れているのも特徴です。
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Zpacks ジョー・ヴァレスコさん

2007年のパシフィック・クレスト・トレイルではDCFのバックパックを背負って歩きましたが、恐らくDCFのバックパックを使ったのは私が初めてだったと思います。また、当社ではダイニーマを使った最初のテントを2009年のコンチネンタル・ディバイド・トレイルで開発しました。

自社で一貫してつくることで小回りの利くPDCAを

Zpacksのバックパックを背負って歩く人

出典:Instagram(@zpacks)

軽さや体へのフィット感を大切にテストを繰り返したバックパックは、雨でぬかるんだ道でも歩きやすい
2025年には20周年を控え、多くのファンを獲得しているジーパックスですが、今でもOEMに頼ることなく、ほとんどのギアをアメリカ・フロリダのショップで自社製造しています。 その大きな理由は、「少量ずつ製造し、需要を確認できる」こと。アウトソーシングをするにはそれなりに大きなロットが必要ですが、自社で少しずつつくることで、ユーザーのニーズに合わせてすぐに改善し、最速で最適解へと進化させることができます。 ここでもまた、「軽さは早さ」とでもいわんばかりに、身軽に前へ前へと進化し続けているブランドなのです。

ロングトレイル大国アメリカで大人気!おすすめギア3選

テントからアパレルや寝袋など幅広いラインナップを誇るジーパックス。でも、やっぱりアメリカで最も人気なのはテントとバックパックなのだそう。その中からジョー氏に教えてもらったおすすめを2アイテムと、hinataストアバイヤー推しの1アイテムを紹介します!

【Plex Solo Lite Tent】オールインワンのソロ用テントとして世界最軽量!

ZpacksのPlex Solo Lite Tent
まずは、ジョー氏も愛用しているソロテントの「Plex Solo Lite Tent(プレックス ソロ ライト テント)」。 バスタブ型のフロアや、靴や荷物を置ける前室が付いたフルクローズ型のソロテントです。このタイプとしては世界最軽量を誇り、重さは約334g!収納サイズも幅11.5×高さ28cmとコンパクトです。それでいて、時速100km(風速約28m)の突風にも耐えられる頑丈さ。 トレッキングポール1本で設営できるため、「荷物の軽量化にも一役買ってくれる」とロングハイカーや登山愛好家の間でも人気です。

軽量でも安心して過ごせる居住空間

【Arc Haul Ultra 40L】特許取得のフレームが重さも背中の不快感も解決

ZpacksのArk Haul Ultra 40L
2つめは、ジーパックスを代表するバックパック「Arc Haul Ultra40L(アークホールウルトラ40L)」。 2012年にヴァレスコ夫婦がテ・アラロア・トレイルでテストした最初のフレーム入りバックパックの進化版です。特許取得済みのアークホールフレームは重さを腰に分散させ、背中とバックパックの間に隙間をつくってくれるため蒸れることもなく、ロングトレイルがグッと快適に。 また、3~4日分の食料やULギアを入れるのに適したサイズでありながら、荷物が少ないときはロールトップや圧縮ストラップでコンパクトに使用することも可能です。 テストやフィードバックを反映しながら、2012年から十数回もの改良が加えられて現在の形になった、唯一無二のバックパックです。
ZpacksArc Haul Ultra 40L Backpack
特許取得のフレームにより体の負担を軽減。太いショルダーストラップとウエストベルトも疲れにくい

アメリカのロングトレイラーたちも大絶賛!

【Multi-Pack】4WAYで使える名前の通り「マルチ」なヤツ!

ZpacksのMulti-Pack
最後はhinataストアのバイヤーもイチオシする人気アイテム「Multi-Pack(マルチパック)」。 ショルダーバッグとしてはもちろん、バックパックの上部に取り付けてリッドとして、ショルダーストラップに取り付けてチェストパックに、ウエストに装着してファニーパックにと、さまざまなスタイルで装着できます。 バイヤーのおすすめは、ショルダーストラップに取り付けて胸の前に装着する「チェストパック」。斜め掛けのサコッシュに比べて長時間歩いていてもストレスを感じにくく、荷物の出し入れが簡単、重さも感じにくいのだとか。 約3.5Lと大きめサイズなので、ペットボトルやジャケットなど、いろいろなものを収納できるのもうれしい!

ジーパックス以外のバックパックにも装着可能!

「三冠王」の20年の知見がギュッと詰まったギアで冒険へ

Zpacksのテント
開発者がアメリカの三大トレイルを達成しているだけではなく、自身やユーザーの経験を素早く反映させながら進化し続けるジーパックス。その20年間の歩みが凝縮されたULギアは、通常時は軽さに助けられ、雨や突風、ぬかるんだ道など、困難なシーンでは「なるほど」と感動するはず。 ロングトレイルや登山、山岳マラソンなど、日本でもジーパックスのギアが助けになるシーンはたくさん。泊まりアリの長い冒険に備えるなら、ぜひチェックしておきたいブランドです。

Zpacksのアイテム一覧はこちら

今週の注目ブランド

hinataストアの旬なブランドを毎週紹介!気になっていたあのブランドのバックグラウンドストーリーやギアへのこだわりを掘り下げます。



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