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湖に浮かぶマウント・フッドの絶景

大自然に囲まれて♪気軽に楽しめるオレゴン山中のキャビン滞在とトレイル体験記

ポートランドから車で1時間半ほどの距離にある「マウント・フッド(フッド山)」は、1年を通してアウトドア好きを魅了する観光スポット。富士山にも似た美しい山は、オレゴンの7不思議の1つにも選ばれています。今回は、そのフッド山麓のキャビンとトレイルについてご紹介します。

マウント・フッド

四季折々の楽しみ

一面雪をかぶっているマウント・フッド
「オレゴンの七不思議 (The 7 Wonders of Oregon)」の1つ、マウント・フッド(Mt. Hood)は、オレゴン州最高峰の成層火山。標高は3,426m、山頂には11の氷河があります。日系人に「オレゴン富士」とも呼ばれるその美しい姿は、ポートランド市内からも見ることができ、街のシンボル的存在になっています。 万年雪をたたえるフッド山は、北米で最長のスキーシーズンを誇る山の1つだけあって、スキーやスノーボードを始め、スノースポーツを楽しみに訪れる人は後を絶ちません。また夏を中心に、キャンプ、トレッキング、マウンテンバイク、フィッシング、カヌーやスタンドアップパドル(SUP)など・・・、1年を通して、雄大な自然の中で様々なアウトドア・アクティビティを楽しむことができます。

ポートランドからのアクセス

フッド山の玄関口「ガバメントキャンプ(Government Camp)」の街は、ポートランドから南東へ約90kmの地点。車で高速道路を約1時間半も走れば到着します。ただし、雪が降ってからは、チェーンかスノータイヤが必要になることもあります。 公共交通機関としては、サンディの街からガバメントキャンプを結ぶシャトルバス「マウント・フッド・エクスプレス(Mt. Hood Express)」も運行していますが、今回ご紹介するように、キャンプ場や幾つかのトレイルヘッドを周るなら、やはり車で出かけたいところです。

トリリアムレイクとキャビン

トリリアムレイク

マウント・フッドとトリリアムレイク
トリリアムレイクは、ガバメントキャンプから車で南に10分ほどで到着する湖です。夏場は、湖畔を一周できる約3.2kmの初心者向けトレイルはもちろん、湖で泳いだり、カヌー、カヤック、SUP、釣りなどを楽しむことができます。また、キャンプ場やトイレ、ピクニックエリアもあります。なお、カヌーなどをレンタルする場合は、ガバメントキャンプにあるショップが最寄りとなります。
この湖の最大の魅力は、近くで眺めることができるマウント・フッドの姿。早朝の静かな湖上に映る山の姿や、夕焼け頃の風景も人気があります。また、条件が合えば、なんとオーロラを見ることもできるとか・・・!

サミット・メドウ・キャビン

サミット・メドウ・キャビンの外観
トリリアム・レイクには、「トリリアム・レイク・キャンプグラウンド」という人気のキャンプ場が隣接しています。ここも魅力的ですが、今回は、ガバメントキャンプと湖の中間地点にある「サミット・メドウ・キャビン」に滞在してみました。
サミット・メドウ・キャビンのキッチン
サミット・メドウ・キャビンの寝室
サミット・メドウ・キャビンのロフト
私たちが泊まった「ミネラル・クリーク・キャビン」は、2階建で、2人から6人が泊まれるというもの。ベッドルームは、1階に1室と2階のロフト。キッチン、バス、トイレと十分な広さがありました。また、外にはバーベキューとピクニックテーブルもあります。
周りの豊かな自然と遊ぶ子供たち
一番の魅力は、ガバメントキャンプからすぐ近くにも関わらず、自然のど真ん中にいる気分になることです。ハイシーズンだというのに、キャビンの付近で人と会うことは、ほとんどありませんでした。 キャビンのすぐ近くを流れる小川は、子供達の格好の遊び場です。また、キツツキを始めとする鳥やたくさんの星を眺めることもできます。 「サミット・メドウ・キャビン」の宿泊施設は、他にも3つあります。10人まで泊まれるものもあるので、大勢で出かけるのも楽しそうですね。

マウントフッド近辺のトレイル

続いて、私たちが出かけたフッド山のトレイルの中から、2つご紹介します。

タマナワス・フォールズ

タマナワス・フォールズの看板
まずは、このエリアに詳しいキャビンのオーナーがお気に入りだと教えてくれた「タマナワス・フォールズ(Tamanawas Falls)」のトレイル。ガバメントキャンプから、マウントフッドの北東に向かって車で40分ほどです。
タマナワス・フォールズのトレイルコース
トレイルの距離は往復で約5.8km。川沿いの美しいコースです。「オレゴン・ハイカーズ・フィールド・ガイド」によると難易度は、「easy(初級)」に分類されていますが、8月末の時点では、岩崩れがあったため、岩場を登る部分もできています。
コース途中の岩場
美しい滝に到着すると、ミストが満ちていて癒されます。滝の裏の洞窟に行くこともできるのですが、岩が濡れていると滑りやすいので注意が必要です。
ミストに満ちたトレイルコース

パシフィック・クレスト・トレイル

マウント・フッドの中腹には、歴史ある「ティンバーライン・ロッジ」という建物があります。スキー場としてはもちろん、映画「シャイニング」の撮影地としても知られています。このロッジのすぐ裏手から、「パシフィック・クレスト・トレイル(Pacific Crest Trail; PCT)」を歩くことができます。
ティンバーライン・ロッジとトレイルコース
パシフィック・クレスト・トレイルとは、アメリカとメキシコの国境からアメリカとカナダの国境まで、アメリカ西海岸を南北に縦走している全長約4,280kmの長距離自然歩道のこと。映画「私に会うまでの1,600キロ(原題 ”Wild”)」の舞台にもなりました。ご想像通り、PCTを全部歩くにはかなりの覚悟が必要です。
一面を紫に彩るワイルドフラワー
踏破は難しいでしょうが、ティンバーライン・ロッジからその一部を歩いてみてはいかがでしょうか。夏場は、万年雪の残るフッド山の山頂や色とりどりのワイルドフラワーを楽しむことができます。ロッジは、PCT唯一の食事もできる登頂口。トレイルから戻って、クラフトビールやカクテルを楽しんだり、宿泊もできますよ。

フッド山を満喫 

サミット・メドウ・キャビンの外観
今回ご紹介したキャビンやトレイルは、どれもポートランド市内からそれほど離れておらず、念入りな準備をしなくても、家族で気軽に楽しむことができます。 海外旅行で、キャンプの準備までするのはハードルが高いけれど、ホテルに泊まるより、もっと自然を身近に感じたいという方にオススメです。早めの予約が必要なので、来年の夏に向けて計画してみてはいかがでしょうか。 詳しくはこちら:Summit Medow Cabins

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