【STAN】ハイテク素材×クラシック素材の共演!ありそうでなかった袋モノに釘付け
2020年に福生市(東京都)でスタートした「STAN」は、DCFやECOPAKといった高機能な最先端素材を使ったポーチや巾着を中心に、生活雑貨をつくっているブランド。ガシガシ使える耐久性の高いプロダクトが、キャンパーから注目されています。ヨーロッパでも人気上昇中のブランドの裏側を覗いてみました!
ヴィンテージ家具のお店で独立のはずが…売るものがない!
2020年、コロナ禍に産声を上げたSTAN(スタン)。今やポップアップイベントで人気を博し、海外からも注文が来るようになったブランドですが、そのストーリーはかなり独特です。
オーナーの小野寺さんは、アパレル業界出身。販売や古着の買い付けを10年ほど経験し、「自分でお店をやってみたい」と独立。当初はヴィンテージ家具のお店をやるつもりで店舗を借りたのが、コロナ禍で渡航禁止に!予定していた海外での買い付けがまったくできず、オープン早々「売るものが何もない」というピンチに陥ったのだとか。
共同オフィスがバッグメーカーだったという幸運
最初につくったDCFのカードケースは今も人気の定番アイテム
ゼロからのものづくり。普通なら途方に暮れるところですが、小野寺さんの場合はヴィンテージ家具店のために借りたオフィスのシェア相手がバッグメーカーだったことが幸運でした。
仲良くなった職人さんに手伝ってもらってバッグやポーチのつくり方を勉強し、ほかの職人さんも紹介してもらって、オリジナルプロダクトの生産がスタート。そのとき選んだのが、今ではアウトドア業界ですっかり知られた「ダイニーマ」を使ったDCFという素材※でした。
※DYNEEMA COMPOSITE FABRICの略。ダイニーマ繊維をUV樹脂でラミネートした極薄のフィルム状生地で、通称キューベンファイバー
ダイニーマ×ヌメ革という異色の組み合わせがおしゃれ!
ちなみに、小野寺さんは自他ともに認めるミーハーなんだとか。新しいものが好きで、2020年当時はさほど知られていなかったダイニーマのことも「10年くらい前に雑誌で見て、もし何かつくるなら絶対コレ!と思っていました」と、アンテナの高さを伺わせます。
そこで、自社製品をつくると決めたときに真っ先に選んだのがDCF。海外から取り寄せ、カードケースやポーチをつくりました。また、ネームタグに「牛ヌメ革」を使っていることもスタンの特徴です。
「素材は常に探していて、新しいものが入ってきたら生地屋さんから連絡をもらうようにしています」と小野寺さん。カラフルでかわいいアイテムには、DCF、EKOPACK、Tsunooga RIPといった耐久性や防水性の高い最先端素材が惜しげもなく使われています
持ち前の行動力と好奇心でファン拡大中!
暗中模索のスタートを切り、小野寺さん曰く「当初まったく考えてもいなかったことをやっている」というスタンですが、今では新作を楽しみに待つファンもいるブランドへと成長。
でも、それは逆境でも諦めない小野寺さんの行動力あってこそのもの。今も、ホームセンターやステーショナリーショップに足繁く通い、新商品のヒントを探したり、素材について問い合わせたりし、知識をインプットし続けています。
フィンランドでのポップアップイベントも大成功
さらに、2024年6月は仕事でフィンランドヘ行く知人に同行することになり、「スタンでも何かできないかな」と、自らあちこちへ問い合わせてポップアップイベントを開催させてくれるショップを見つけたというから驚きです。結果、予想以上の手ごたえを得たイベントになったのだとか。
キャンプでも活躍するおすすめアイテム3選!
ジャンル的には「あえていうなら生活雑貨」というスタンですが、日常使いのペンケースやポーチにしておくにはもったいないスペックをアウトドアファンは放っておきません。軽くて水や汚れに強く、見た目もかわいい袋物はキャンプや登山の強い味方。小野寺さんおすすめの3アイテムを見てみましょう。
【triangle tray-mesh】直置きしたくない小物やカトラリー入れに
まずはちょっとしたものを入れておくのに便利な「triangle tray-mesh(トライアングルトレー メッシュ)」。
手のひらサイズのこの商品は、余った生地を捨てないためにつくったものなのだそう。そのため、その時々で生地が変わり、こちらの「メッシュ」もなくなり次第終了。
キャンプならカトラリーやナイフなど小さなものを入れておくのに便利。家庭でなら、アクセサリーやクリップ入れとして活躍します。ユーザーからは「メイク用スポンジを洗ったあとに乾かすのに重宝している」というナルホドな声も!
開くと直径18.5cmの薄い円型で、持ち運びの場所を取らないのもうれしいポイント
【Daily flower bag】サイトのコーディネートに野の花を
二つめに紹介するのは「Daily flower bag(デイリーフラワーバッグ)」。
ヴィンテージドレスやおしゃれなハウススタジオをレンタルできるツテがあったことで、知人に頼まれてウエディングプランナーをしていたこともある小野寺さん。撮影のために、ブーケを持って山を登った経験から、手ぶらでブーケを持ち運べるようにつくったのがこちら。
花束を入れて肩から斜め掛け。半透明だから中が見えて、ファッションアイテムとしても使えそうなほどおしゃれ
日常的に花を買う人なら「お花のエコバッグ」として持ち歩くのに便利。斜め掛けできるから両手が使えるし、花を持って自転車に乗れるというのもありそうでなかったポイントです。
「ドライフラワーを入れて壁にかければインテリアにもなりますよ」と小野寺さん。キャンプでは、野の草花を摘んでサイトのアクセントにしたらとってもかわいくなりそう!
【Card case】名刺入れにもカードケースにも
ラストはオープン当初からある「Card case(カードケース)」。
素材にはDCFを使用しており、名刺入れとして使うと「それなんですか?」と聞かれることも多いそう。小野寺さん曰く「会話を連れてきてくれるカードケース」。ポケットが3つあるので、ショップカードや名刺など使い分けもOK。
中が透けるため、名刺やカードのデザインにこだわりたいと思わせてくれるなど、大人の遊び心もくすぐります。スタンの特色である「ヌメ革ネームタグ」がワンポイント。
おしゃれで使い勝手よし!ギフトにもぴったりなアイテム
最先端素材に、牛ヌメ革のぬくもりをプラスしたスタンのアイテムは、小さなトレーやカードケース、巾着など、身の回りで毎日使いたいものがいっぱい。オリジナリティがあって価格も手ごろなので、ちょっとした贈り物にもぴったりです。
「
今後は旅行アイテムやガジェット用のアイテムをつくりたい」と小野寺さん。いずれも、キャンプをはじめアウトドアでも活躍しそうなジャンルなだけに新作が楽しみ。最新の話題がポストされるInstagramもぜひチェックを。
公式Instagram:
STAN