背面タイヤもかわいい!ホンダ初のキャンプ的SUV「CR-V(初代)」
ミッドシップ&SUV的な姿は唯一無二!鋭さとかわいさが同居した軽自動車「ホンダ Z」
2024.06.29ライフスタイル
主に1990〜2010年ころに発売された、「ちょっと古いけどツウならいま乗りたい」そんなキャンプな自動車をサラリと紹介する当企画。今回hinata的名車としてお届けするのは、軽自動車ながらもミッドシップ4WDの採用で異彩を放った「ホンダ Z」です。
制作者
増田 満
国産旧型車専門誌『ハチマルヒーロー』創刊編集長、『ノスタルジックヒーロー』編集長を経て独立したフリーランスライター&編集者。
以前は頻繁にキャンプに出かけたが、コロナ禍前に山間部へ移住して自然を満喫中。現在クルマ3台、バイク4台を所有して持て余し気味。
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「ホンダ Z」って、どんなクルマ?
4WDの軽自動車というと、悪路に挑むスズキ・ジムニーや三菱・パジェロミニが親しみ深いかもしれません。しかし、1998年に発売された、意欲的な4WD方式を採用する「ホンダ Z」にも注目してみるのも楽しいはずです。
背の高いトールワゴンタイプのボディ&15インチの大径タイヤ&大型バンパーによる「SUV的なスタイリング」に加えて、スポーティなクルマに採用されることも多い「ミッドシップレイアウト」が採用された、個性あふれる1台だったからです。
ミッドシップレイアウトで“理想”を実現
1970年登場の初代・ホンダ Z
実はホンダが“Z”という車名を使ったのは、これが最初ではありませんでした。
軽自動車の排気量が360ccだった1970年に、空冷2気筒エンジンのFF車として発売したのが始まり。しかも今回紹介するモデルとはまるで異なる、2ドアクーペスタイルを採用するスポーティなクルマでした。
ですので1998年に同じ車名で発売されると、過去を知るマニアから反発を受けたこともありました(ホンダは車名の使い回しが多いので、また機会を追って紹介したいと思います)。
エンジンをリヤシート下に搭載するミッドシップレイアウトを採用。ターボ仕様車もありました
2代目にあたるホンダ Zは、リアルタイム4WDであるだけでなくエンジン搭載位置を車体中央にする「ミドシップレイアウト」を採用したことも大きなトピックでした。
同じミッドシップレイアウトを採用するトラック/バンのホンダ アクティの部品を流用しつつ、乗用4WDとして開発されました
これによって、軽自動車などで一般的なエンジンを車体前方にエンジンをレイアウトするFF(フロントエンジン・フロントドライブ)などとは大きく異なる特性を叶えていました。
重量物(主にエンジン)を車体中央のフロア下に配置することで、50:50という理想的な前後の重量配分を実現。さらに全輪駆動という、ランボルギーニなどと同じような構造をもつ、まさにスーパーカーのような軽自動車とも言える一台だったというわけです。
ホンダ Zを語るうえでインテリアの魅力も欠かせません。
ミッドシップレイアウトとすることで、スーパーロングキャビンと名付けられた大人4人が快適に過ごせる当時クラス最大の室内長も確保されているのです。
リヤシートを倒せばフラットなラゲッジスペースになり、24インチの自転車が2台も積めるほど。これなら大人2人でのキャンプでも問題なし。テントやチェア、クーラーボックスなども無理なく運べるはずです。
現代の人気車との意外な近似性も!?
ホンダ Zのターボ仕様エンジン
4WDなどの理由もあって、車両重量が1,000kg近くという当時の軽自動車としては重量級な体躯とされていました。とはいえ、52psの自然吸気仕様車に加えて64psを発揮するターボ仕様車(660cc・3気筒SOHC12バルブ)もラインナップされていたので、走りに大きな不満は感じないはずです。
現在人気の軽自動車・ホンダ N-BOX。4WDターボ仕様車が64ps(車両重量は約1,000kg)・自然吸気仕様車が58ps(車両重量は1,030kg)
これは、現在人気のホンダ N-BOXと非常に近いスペックだったりもするのです。しかもサスペンション形式(前ストラット/後ド・ディオン式)なども同じ。
もちろん、燃費性能やトランスミッション(ホンダZは4速ATのみ・N-BOXは無段変速のCVTのみ)などは異なりますが、それ以外はあまり大差がないのですから、意外に感じる人も多いかもしれません。
意欲作であるものの販売は振るわず…
ここまでの紹介で「とても魅力的!」と気がついたキャンパーも多いはずです。
しかしながらホンダ Zは、重いことや価格が割高だったことなどの理由で新車販売時にはヒットしたとは言い難いモデルだったのも事実。4年弱しか生産されていなかったので、20年以上経った現在では中古車市場に流通している台数も多くありません。
6月中旬時点の全国での中古車の流通は100台弱(筆者調べ)でした。写真はホンダ Z ターボ
いわゆる希少車に仲間入りしそうではありますが、だからといって急激に価格相場が上がっているわけでもなさそうです。多くは20万円台〜50万円台で推移しているので、比較的手に入れやすいクルマだと言えるのではないでしょうか。
また今回、筆者が調べた限りではそのうち3割ほどが走行距離10万km以上となっていましたが、しっかりメンテナンスされた個体ならまだまだ楽しむことも可能なはずです。
走行距離が伸びていたとしても内装がきれいな状態で保たれていれば、それだけていねいに乗られていた可能性が高いはず。整備記録簿の確認と合わせて確認して選ぶ際の目安にしてみてください。
そのうえで、走りにそれほどこだわらないなら割安な自然吸気仕様車、その逆ならターボ仕様車というように選ぶのもおすすめです。
かわいさとミッドシップレイアウトによる楽しさが同居した、現代のクルマにはなかなかない魅力をもったホンダ Z。キャンプの相棒にすれば、自分だけの素敵なライフスタイルを楽しめるかもしれません。
【基本情報】
1998年・ホンダ Zターボ(4速AT)
- 全長×全幅×全高:3,395×1,475×1,675mm
- 車両重量:970kg
- エンジン種類:直列3気筒SOHC
- 排気量:656cc
- 最高出力:64ps/6,000rpm
- 最大トルク:9.5kgm/3,700rpm
- 発売当時価格:128.8万円
次回は、“4人が快適で楽しい、200万円の使える四駆”として話題をさらった日産「初代・X-TRAIL(エクストレイル)」の魅力をお届けする予定です。キャンプの相棒を探している人はお見逃しなく!
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