【TIL DSN】キャンプの「スキマ」に忍び込むクールな便利グッズ

TIL DSN(ティルデザイン)は、東京で12年間もの間、デザイナー兼経営者としてアパレルブランドを運営していたデザイナーのティルさんのブランド。 お姉さんがファッションデザイナーだったことも影響し、大学在学中からアパレルの世界へ。販売員、古着バイヤー、海外の買い付けなどを経験してからアパレルブランドを立ち上げました。 また、お父さんがボーイスカウトの役員だったこともあり、幼少期からキャンプをするのは必然といっていい環境でした。さらに、大人になってからは国内外のフェスなどでキャンプをするように。アパレルデザインとアウトドアは、ティルさんにとって人生の二本柱でした。

2010年ごろ、仕事の拠点を東京から松本に移したティルさん。自然に囲まれた自分の故郷で過ごすうちに再びアウトドアを楽しむようになりました。折しも時期はちょうどコロナ禍が始まる直前。密を避けるようになっていく世の中で、自然とキャンプ回数も増えていったといいます。

ライフスタイルグッズとアウトドアギア、アパレルの三本柱で、それが日常でもアウトドアでもシームレスに使えるものづくり。そして、「必要不可欠で不必要なもの」というコンセプトを掲げてスタートしたティルデザイン。 その意味は、「世の中的には必要じゃないけれど、自分には絶対必要なもの」。言われてみればそうしたものは人生の中にごく当たり前にあり、人それぞれの趣味嗜好やライフスタイルのアイコン的存在になっています。

デザイン性の高さと並んでティルさんが大切にしている付加価値が、「手のひらにおさまるULギアであること」「2つ以上の機能があること」。 ティルさん自身も登山をするだけに、「登山ではいかに持ち物を“削るか”ということが大切。重たいものはだんだん使わなくなるし、使用用途が2種類以上あれば、それだけ持ち物が減らせるので選ぶときの基準になります」と、ユーザーの心理を分析します。 それゆえに、これらをクリアし、なおかつ見た目もいいとなればファンがつくのは必然。新作が発表されると即売り切れということもめずらしくありません。

たとえばビジネスバッグにもスポッと入るA5サイズのウォーターボトルや、ガイロープやコード類のまとめ、フックがないもののジョイントに便利な極小サイズのカラビナなど、日常でもアウトドアでも使えるアイテムがそろうティルデザイン。 洗練されたルックスで選ぶのもよし、「何に使うの？」と、話題のきっかけになる意外性を求めるもよしと、購買意欲をそそられるものが並びます。商品の入れ替えも早いので、2024年7月現在の新作も含め、「今手に入れるならコレ」というおすすめを紹介します。

まずは、ティルさん自身も「ブランドのマスターピース」と語る「FUNCTIONAL EXTENSION CUBE(ファンクショナル エクステンション キューブ)」。 一見すると、2種類のねじ穴と真ん中にすとんと貫通した穴が空いているだけの磁石付きキューブ。でもこれが、オリジナリティのある機能拡張を無限に生み出せる魔法のようなアイテムなのです。 スノーピークのシェルフコンテナに装着してポールを挿せばサイドバーに、三脚に付ければトライポッドやハンガーにと、アイデア次第で手持ちのギアのポテンシャルがさらに開花！

2つめは2023年に好評を博し、2024年6月に再販となったばかりの「Functional Field Pants(ファンクショナル フィールド パンツ)」。 軽量で撥水性・ストレッチ性があり、登山やキャンプにぴったりです。また、ウエスト調節には反射仕様のドローコードを使用、フロントにDカン付きのコインポケット、左にもDカンが付いているので、熊鈴やキー、小さなギアなどが装着可能。機能性＆遊び心もたっぷりなボトムスです。 カラーはブラック、グレーに加え、今年はネイビーとカーキも追加されて4色展開に！

ラストは2024年6月の新商品、「PINT GLASS(パイント グラス)」。 その名の通り、1パイント(473mL)のロング缶がちょうど1本分注げるパイントグラスです。透明な缶のようなシルエットと、HIPHOPなどのカウンターカルチャーを意識したシルクスクリーン印刷がスタイリッシュ！ キャンプ先でその土地のクラフトビールを楽しんだり、家で炭酸やカクテルを楽しんだりと、使うシーンもいろいろ。目でも楽しめるデザインがいっそうドリンクをおいしくしてくれそうです。

洗練されたデザインと、シンプルながら機能性の高いアイテムが魅力のティルデザイン。それだけでも所有欲をそそりますが、もう一つ、ユーザーを夢中にさせている理由があります。 それは、「定番品という考え方があまりない」というティルさんのものづくりのスタイル。FUNCTIONAL EXTENSION CUBEのような代表作はともあれ、ほかのアイテムは「“つくって売り切れたらおしまい”の方が、その商品にストーリーが付加されるように思うんです」と、さらりと過去にしてしまいます。 だからこそ、持っていることにステータスを感じる人も多い模様。「自分のライフスタイルにこれが必要不可欠だ！」とビビッときたら、ぜひ迷わず入手をおすすめします！