【SAYAMA works(R)】プロも絶賛!UL×ユニバーサルデザインの登山ギア
体力の限界に挑むこともある登山では、g単位の重さはもちろん、ちょっとした使い勝手も体力やストレスに大きく関わります。そんな中で、「日本一過酷な山岳レース」といわれるトランスジャパンアルプスレース(以下TJAR)の選手たちも愛用しているブランドが「SAYAMA works(R)」。オーナー・佐山さんの経歴が生かされたギアとその背景を紹介します。
看護師から登山ギアブランドの立ち上げへ
看護師時代、夜勤明けの度に山に登っていたという佐山さん
登山やトレッキング愛好家たちの間で人気を高めている「SAYAMA works(R)(サヤマワークス)」は、2016年に代表の佐山将信さんが設立。とはいえ、2022年までは、前職の看護師と二足のわらじで運営をしていました。ゆえに、これまでは製造数も少なく、まだまだ「知る人ぞ知る」ブランド。
ところが、登山の世界ではTJARの選手が愛用していたり、佐山さんに「こういうのが欲しい」と相談に来たりと、プロからの信頼度はすでに確立されています。
そんなギアをつくる佐山さんとはどんな人なのか。サヤマワークスのギアと共に、魅力を深堀りしてみました。
夜勤明けの登山で山景色の美しさに魅了される
もともと介護福祉士(後に資格を取って看護師)として働いていた佐山さんは、「夜勤明けの休みをどう有効活用しよう」と考え、20代半ばで登山をスタート。その根底には、子どものころ、親にドライブで連れていってもらったときに見た美しい山景色の記憶があったといいます。
「明け方の山の景色を見たいなと思って。でも、思い立ったのが、山にまだ雪がある季節だったんです。雪山の低山から登山を始めるという、あまり一般的ではないスタートでした(笑)」
とはいえ、雪山から見た景色もやはり美しく、登山の虜に。中には富士山が見える山もあり、写真を撮るのが好きだったこともあって、ますますのめり込んでいきました。
MYOGから始まった「サコッシュづくり」がものづくりのきっかけ
写真は現在SAYAMA worksで販売されているリバーシブルのサコッシュ「CRAZY」
山行を続けるなか、2010年代前半には日本にULの流行の波がやってきました。
「2011年設立の"山と道"が注目を集めており、そのシンプルで革新的なデザインに刺激を受けたガレージブランドが次々立ち上がった時期です」と、佐山さん。そんな中で自身も「サコッシュならつくれるのではないか」と考え、家庭用ミシンを購入。自己流でサコッシュ作りに明け暮れたのがものづくりのスタートでした。
福祉・医療の経験が生きた「人を助ける山道具」
ブランドの立ち上げにあたって、理念を確立するにはどうすべきか悩んでいた、という佐山さん。そのとき、同じ業界の先輩に相談したところ、「今までのスキルを生かせばいいんじゃないか」とアドバイスを受けたそう。
面ファスナーで折りたたみ部分や小銭入れ部分を留めることで片手でも扱えるミニマリストウォレットなど、随所にユニバーサルデザインが
佐山さんが携わっていた福祉・医療に欠かせないのが、「ユニバーサルデザイン」という考え。それをものづくりにも生かそうと考えてみたところ、山道具でありながら、その使いやすさから日常をも助けてくれるものが生まれました。
また、サヤマワークスのギアは軽量にもこだわっていますが、軽量化した分「誰かを助けるために、エマージェンシー用品をバックパックの片隅に入れてほしい」という思いもあるのだとか。サヤマワークスの理念は「人を助ける山道具」。まさに、その思いが随所にあふれているギアたちがブランドの顔となっていきました。
医療福祉の道を選んだものの、本当は美術が好きだった、という佐山さん。説明書のイラストをみずから手掛け、美術の経験もしっかり生かしています
起死回生になったTJARの男澤選手からの依頼
男澤選手のためにつくったバックパック「HIZIRI」を原型とした「Fast V3」
今でこそ売り切れ続出の人気ブランドになったサヤマワークスですが、実は、ヒット商品に恵まれずに取引先が0になり、活動休止をした時期もありました。
その運命を変えた出会いは、2017年、TJAR写真集の発売イベントでのこと。自作のバックパックを背負って参加したところ、ゲストで参加していた男澤博樹選手(2015年OSJトレイルランキング4位 、2016年・2018年TJAR完走)が、「そのバッグ格好いいね」と声をかけてくれたのだとか。
さらに、簡易シェルターにベンチレーションをMYOGしている佐山さんのSNSを見て、マニアックな着眼点に興味を持ったのか、男澤選手からバッグの作成依頼が舞い込みました。
執念で仕上げたバックパックを背負い、男澤選手がTJARを完走
この依頼に応えようと、2017年冬から2018年のTJAR本戦2日前までの約半年、何度も型紙を起こして試作をし、13個目にしてようやく納得の行くものができた、と佐山さん。
男澤さんがレースを完走し、大会報告書にも「SAYAMA works」の名前が掲載されたことから、ブランド名が徐々に知られるようになりました。その後も順調に商品を開発し、2018年にブランドを再スタート。ほかのTJAR選手からも依頼が来るようになり、山岳業界で知られるブランドとなったのです。
「UL」は当たり前!さらに一歩進んだ登山ギア3選
登山に限らず、キャンプ業界でもULが流行っている昨今。でも、重さを捨てるということは一般的に考えれば何かの機能を諦めるということです。
そこで諦めないのがサヤマワークスのアイテム。10gを切るのにデザインも洗練されており、使い勝手にも配慮したウォレットや、利き腕がどちらでも使いやすいシンメトリーデザインのサコッシュ、2WAYで使えるトートバッグなど、無駄を省きながら機能はプラスしています。
hinataストアでも人気のアイテム3つを紹介しましょう。
【Tote 2G極】ミニリュックにもトートにもなる山のサブバッグ
まずは公式サイトで売り切れ続出な「Tote 2G極(トート2Gきわみ)」。
リュックスタイルにもなる2WAYのトートバッグで、軽量・頑丈・防水と、山のサブバッグに持ってこい。パッカブルなので、コンパクトにたたんでザックの隅に忍ばせておき、濡れた衣類を入れたりお土産を入れたりするのにも活躍します。
ポケット数が多く、上部にファスナー開閉式のフタが付いているため細かいものもすっきり収納でき、リュックとして背負っているときに屈んでも中身が落下しません。A4サイズのノートパソコンが入るためビジネスバッグとしても使えるなど、山でも日常でも持っておきたくなるアイテムです。
収納すればコンパクトになり、ポケットやバックパックの中に入れて持ち歩けます。豊富なカラー展開も魅力
【ダスティンホルダー2Gフラップ】ドリンクや行動食をショルダーストラップに常備
2つめは看板商品ともいえる「ダスティンホルダー2Gフラップ」。
もともとはTJAR2018を完走した片野選手から依頼されて開発した、「走っても揺れないショルダーハーネス専用ボトルホルダー」です。片野選手のあとも多くのTJAR選手が愛用しており、そのクオリティは山岳レースのプロたちのお墨付き。スマートフォンや小型カメラ、行動食などを入れて、欲しいときにすぐアクセスできます。
フタを面ファスナーで閉じるタイプのため、フタを中に折り込んでボトルホルダーとして使用することも可能。もちろん、「揺れない」がウリだけあって山で走ってもガチャガチャしません。装着していれば、登山でのストレスがグッと減ること間違いなし!
【ダスティンホルダー2G改】中身が飛び出さないファスナー仕様
最後に紹介するのは「ダスティンホルダー2G改」。
前述の「ダスティンホルダー2Gフラップ」との違いは、フタにファスナーが付いていることです。これにより、中身の飛び出しの心配がなく、ハードな山行でもうっかり物を落とす心配がありません。
もちろんフタを開いたままでドリンクホルダーにすることも可能。付属のゴムコードにペットボトルを引っ掛けておけば落下の心配がありません。ほかにも、折りたたみのトレッキングポールやサングラスなど、手元でサッと使いたいものをぶら下げるのに便利です。
また、このゴムコードも片手で操作でき、左右どちらの利き腕でも使いやすいというのもサヤマワークスならではの工夫です。
ダスティンホルダーシリーズにはゴムコードが3つ付属。写真のように、ボトルのフタに引っ掛けたりポールやサングラスをホルダーに留めたりできます
「キャンプのついでに登山」もアリ!そと遊びの範囲を広げてくれるギア
サヤマワークスのアイテムは、日常と山だけではなく、「キャンプと登山」もシームレスにしてくれるはず。
たとえば、温泉バッグにするつもりで持ってきたTote 2G極に必要なものを詰め込んでキャンプ場近くの低山登山を楽しんでもいいし、ダスティンホルダーに行動食やドリンクを入れて登山をしたあと、ナイフやポータブルバーナーに入れ替えて焚き火を楽しんでもOK。
使用シーンが広く、どのシーンでも「このためにあるみたい」と思う使い勝手の良さに、どんどん遊びの幅も広がりそうです。これから注目度上昇間違いなしのブランドだから、気になるアイテムはぜひ早めに入手を!