RVパークで甲斐犬と車中泊!【実践!ゼロから始める犬連れ車中泊 最終回】
「コンパクトSUVの日産ジュークで愛犬と車中泊がしたい!」そんな思いで始まったこの企画。車中泊には狭いとされるSUVの荷室を快適空間にし、荷物を減らすべく4WAYアイテムをDIYして準備万端。ついに、愛犬と山梨県・南アルプス市へ1泊2日の車中泊旅行に出かけてみました。最終回となる今回は、その様子をレポートします!
hinata編集部
舟橋 愛
房総半島で7匹の甲斐犬と田舎暮らしを満喫中。編集ライター兼、愛玩動物飼養管理士・ペット共生住宅管理士。大工の棟梁である祖父の血を受け継いだのか、DIYが大好き。今回は、手作りアイテムを駆使して愛犬と念願の車中泊を実施!
hinataいぬ部
たまこ
見た目はりりしいけれど中身はべたべたに甘い甲斐犬の女の子(2歳)。#hinataいぬ部のドッグプール編ではモデルもこなしています。車酔いしやすいので遠出が苦手なのに、山梨1泊車中泊をすることに。果たして道中いかに?
秘密兵器の「クレートカバー」で愛犬が一度も酔わずに目的地へ!
前回つくった
「テーブルにもなる車酔い防止クレートカバー」。こちらに愛犬のたまこ(甲斐犬・2歳)を入れて、いざ山梨県南アルプス市へ!
ちょうど甲斐犬の展覧会があり、たまこと参加することになっていたのです。どうせなら車中で前泊してみようということで、房総半島から南アルプス市までドライブ。かなりの渋滞で、本来なら3時間程度で着くはずが
5時間もかかってしまいました。
ところが、いつもなら乗って1時間ほどで限界がくるたまこが
一度も酔わず・吐かずで現地到着!やはり、振動や揺れをなくすだけで愛犬にとってのドライブ快適度はかなり変わるようです。
【POINT】
吐きやすいコのドライブは朝食抜きで!また、完全に酔うと犬に「クルマが苦手」という意識がついてしまうので、気持ちが悪くなる前に休憩を入れてあげるのが大事です。事前に愛犬と立ち寄れそうなSA・PAを調べておきましょう
4WAYな収納ボックスと酔い防止のクレートカバーのつくり方はこちら
以下の記事では獣医師監修で車酔い対策を解説しています
女性一人と犬一匹。「RVパーク」なら安全に車中泊できる!
今回泊まったのは、南アルプス市のRVパーク
「Luxway」。
車中泊は基本的に
道の駅ではできないし、人気のない場所に泊めて寝るのは危ないし、水やトイレも必要だし…。条件を満たす場所を探すのって、実はなかなか大変。その点、
RVパークなら
水やシャワーが使えるところがほとんどで、車中泊OKなので安心です!
こちらは2022年にできたばかりながらとても口コミ評価が高く、
ペットOKで設備も充実しているようだったので選んでみました!
詳しくはこちら:
RVパーク Luxway各サイトに水道・電気・瓦チップを敷いたフリースペースあり!
たまこがいる場所が瓦チップを敷いたフリースペース。犬用のポールも埋め込めるので、愛用の「くるくるワンワン」を使って係留し、食事中もずっと愛犬と一緒にいられました
このLuxwayで特にいいなと思ったのは、瓦チップを敷いたフリースペースと専用の水場。実際、これまでの車中泊では料理なんてできる状況ではなく…コンビニで買うか、人間はささっと外食して、愛犬も車の外でドライフードをさっと食べて…という何とも味気ないものでした。
でも、こちらはサイトに一つ水場があり、フリースペースでは焚き火台での調理も可能。近隣には農産物を販売している道の駅もあり、一気に食事情が豊かになりそうです!
各サイトにこのような流し台と蛇口、コンセントが付いています。流し台の上には電気もあるので、暗くなってからの調理も楽々!しかもお湯も出ます。まさに至れり尽くせり
ハンマーなしで、地面に簡単に抜き差しできるドッグアンカー。360度回転し、上下もあそびがあるため、犬が動いても衝撃が伝わりにくいつくりです。錆びにくいオールステンレス製なので、丸ごと水洗いもOK!
【基本情報】
- 使用サイズ:長さ約445mm
- 収納サイズ:長さ約255mm
- 重さ:約300g
- 素材:304ステンレス ブラックニッケル仕様
- 耐荷重:約60kg
- 適応する犬の体重:約20kg
※瞬間的な荷重を考慮し、犬の体重は耐荷重の3分の1程度を目安として下さい。
海外のラグジュアリーなキャンピングカーも見られる!
キャンピングカーショーに行かなくても、希少な海外メーカーのキャンピングカーが複数見られる穴場です!
さらに、こちらがおもしろいのは「ADRIA」と「SUNLIVING」という海外のキャンピングカーのレンタルもしているところ。しかも、所有数4台!「キャンピングカーショーの会場なのかな?」と思わず呟いてしまうような風景が見られます。
この日も「ADRIA」3台が停まっていて、中を見せてもらうことができました。明るいうちにチェックインすれば、そしてレンタル中でなければ、内部見学もさせてもらえます。日本ではめずらしいタイプのキャンピングカー、興味ある人はぜひ見学をお願いしてみてください。
また、ちょうど2023年秋から、10kg程度までのワンちゃんが同乗できるプランも開始したそうなので、愛犬とキャンピングカーでの車中泊をしてみたい人も要チェックです。
まるでホテルみたいに快適そうなキャンピングカーの中
スタイリッシュなキッチンもあって料理をするのも楽しそう!
道の駅で仕入れた野菜やヤマメでバーベキュー
今まではできなかった、道の駅での食料調達も楽しめる!
さて、お楽しみの夕食は焚き火台を使ったバーベキューを予定していました。
家からもってきた鹿の背ロースの塩漬け肉とピーマン、タマネギ、焼き芋用のサツマイモに加えて、近くの道の駅でヤングコーンや卵、ヤマメ、ぶどうなどを仕入れ!これまでの車中泊では火をおこせる場所に泊まったことがないので、こんなに食材が豪華なのは初めてでテンション爆上がりです。
車中泊ではいつも指を咥えて見ているだけだった「地元の生鮮食材」を買うときがついにやってきました。山梨県なのでもちろんワイン(今回は山梨ワインを使ったサングリア)も買います
DIY収納のフタをクーラーボックスに乗せて愛犬用のテーブルに
少し早い夕食の準備をしている間に、酔い防止のために朝食抜きだったたまこはドライフードでひと足先に食事です。前回DIYした「階段収納LOW」のフタをFOLDING COOLER BOXの上に置いて犬用の簡易テーブルにするとちょうどいい高さに!
火をおこしていざバーベキュー。すごくそそる絵面になりました。ちなみに、翌朝は早いので焚き火をする余裕はない…というわけで、朝食用のゆで卵もつくっているほか、この後、ホットサンドも焼いています。
道の駅で買ったヤマメが、脂乗りがよく、塩加減も程よく、最高においしい!キャンプでは当たり前だけれど、車中泊で火を使えるってこんなに素晴らしいことなのかと、改めて実感。
地域の特産品をその場で味わえるし、近くには温泉もあるというし、これはテントがクルマに変わっただけの贅沢ソロキャンプ…と、うはうは食べていたら何やら視線を感じます…。
視線の主は、自分のご飯はさっさと食べ終えたのに、筆者のヤマメにロックオンするたまこでした。
せっかくなのでおすそ分けすると、初ヤマメ、ぺろりと1匹食べてしまいました。さらに筆者が食べていたものも物欲しそうにじっと見てくるので、筆者は実質、半身しか食べていません(笑)。
でも、こうして一緒にクルマで旅をして、同じご飯を愛犬と分け合うのも「犬連れ車中泊」で憧れていたシーン。実現できて、やっぱり楽しいなあと思いました。
焚き火OKなRVパークなら、のんびりデザートまで楽しめる!
デザートにはマシュマロを焼いて、定番のスモアを満喫。便利すぎるこちらのRVパークですが、一つだけ欲を言えばガスコンロは付いていないから明日の朝はコーヒーが淹れられないんだなあ…(むしろそれならアウトドアするなという話)。
これまでのスタイルではまったく頭になかったカセットコンロの必要性がしみじみと感じられます。これまでは、「アウトドアに行ってカセットコンロ使うなんて矛盾してるじゃん」と思っていましたが、違いました。カセットコンロが必要なんじゃない。朝のコーヒーが必要なんですね…!
ちなみに、「階段収納TALL」は焚き火用のローチェアに座るとやっぱりちょうどいいテーブルになりました。LOWもバーベキューの素材を置くのにちょうどよく、焚き火周りの作業と食事テーブルを兼用できて上々の出来栄え!
というわけで、車中泊から戻ってすぐ購入したのがこちら。今度は朝のコーヒーも楽しみます。
荷物を減らしたいSUVでの車中泊やソロキャンプでも持ち運びしやすい薄型カセットコンロ。カセットガスを入れる一番高いところでも、高さ約84mmしかなく、重さも約1.3kgと軽量。しかも、燃焼効率がよくて火力も高いといいこと尽くめ!ゴールドのスタイリッシュなデザインもかっこいい。
【基本情報】
- 使用サイズ(約):335×275×84mm
- 重さ:約1.3kg
- ガス消費量:約236g/h ※気温20~25℃のとき、30分間のガス消費量を1時間に換算したもの
- 連続燃焼時間:約70分 ※気温20~25℃のとき、強火連続燃焼にてカセットボンベ1本を使い切るまでの実測値
- 点火方式:圧電点火方式
お隣もワンちゃん連れのキャンピングカー!出会いも旅の醍醐味
日が暮れる頃、隣のサイトにキャンピングカーがやってきました。連泊していてお出かけしていたというワンちゃん連れのご夫婦。Luxwayのオーナーさんのお友達でもある、トイプードルのノブテルくんとハルくんファミリーでした。
飼い主さんの膝で大人しくしているハルくん。最初からここの家のコなのかな?と思うほどのなじみぶりでした
ハルくんは不思議な運命でこのご夫婦に保護されたワンちゃんで、Instagram(
@vegan_sns)やTikTok(
@nobuteru1225)でも話題になったコ。保護犬とは思えないくらいパパやママの膝で安心しきっていて、家族になった経緯を聞いたあとだけにじんときました。ハルくんとの出会いはSNSでアップされているので、気になる人はぜひ見てみてください。
そんなハルくんとの出会いの話や、キャンピングカーに乗り始めた理由などを聞きながら一緒にテーブルを囲んで、気付けば近くの温泉の閉館時間が迫ってる!
せっかくなので筆者は徒歩5分足らずの天然温泉へ。たまこはクレートの中でひと足先に就寝です。それにしても、
ホテルでは味わえないシーンの連続に、改めて車中泊っておもしろい、と思うのでした。
愛犬と枕を奪い合いながら就寝
もう一つの愛犬との車中泊でのお楽しみが、「たまこと一緒に寝る」ことでした。筆者宅は甲斐犬が7頭いますが、全員外で飼っているため、たまこと一緒に寝るのは初めてです。
ちょっと落ち着かなさそうにウロウロしていたので、「寝れないのかな?」と体を起こしたら、サッと枕代わりにしていたクッションの上に頭を滑り込ませてきました。いきなり枕を使うだと…!?
そのままだと筆者が眠る場所がないので、脇にどいてもらうと、今度はマシュマロ生地のパジャマを着た足の上に顎を乗せてきます。どうやら、ふかふかに頭を乗せて寝る心地よさを知ってしまった模様…。快適そうで何よりです。
晩秋でも、車内は犬には暑い!
ただ、たまこにとっては10月末の南アルプス市でも暑かったのか、夜中に水が欲しくてハアハアしていたので、お水を飲みに連れ出すこと2回。次回は水を入れたボウルを固定しておける場所をつくるとよりよさそう…と思いました。
ネックはやはり荷室の狭さ。でも、またやりたくなります!
翌日は予定を済ませて帰路につきましたが、帰りも酔わずにぐっすりだったたまこ。実践の結果としては、収納ボックスに合わせて削減した荷物や食材は1泊ならなんら不足なく、愛犬が酔うこともなく、寝心地もまあまあなSUV車中泊が実現しました。
一つつらいことを上げるならやはり荷室の狭さ…。足を曲げたまま寝るのって案外しんどいものですね。でも、収納ボックス2つと焚き火台を積めば、いつでもフラッと車中泊に出かけられるようになったし、かなり楽しかったので、軽バンに乗り換えようかな?と半分本気で検討中。
とりあえず、女性ソロならSUVでも愛犬との車中泊がなんとかなることが実証されました。迷っている方、ぜひチャレンジしてみてください!
【実践!ゼロから始める犬連れ車中泊】その1.SUVでどう泊まる?
前回、愛犬とのバンライフを楽しんでいる3名の方に取材し、すっかり愛犬との車中泊熱が盛り上がったhinata編集部員F。以前から興味はあったものの、愛車がコンパクトSUVなこともあり重たい腰が上がらずにいました。ですが、取材してみた結果「SUVでも、大きなカスタムをしなくてもやれるんじゃない?」と俄然やる気に。我が家の「たまこ」との車中泊実践をレポートします!