
【実践!ゼロから始める犬連れ車中泊】その1.SUVでどう泊まる?
2023.11.16ノウハウ
前回、愛犬とのバンライフを楽しんでいる3名の方に取材し、すっかり愛犬との車中泊熱が盛り上がったhinata編集部員F。以前から興味はあったものの、愛車がコンパクトSUVなこともあり重たい腰が上がらずにいました。ですが、取材してみた結果「SUVでも、大きなカスタムをしなくてもやれるんじゃない?」と俄然やる気に。我が家の「たまこ」との車中泊実践をレポートします!
制作者

hinata編集部 舟橋愛
旅行・レシピ・ウエディング・ペット系などが得意な編集ライター。2020年8月から房総半島に移住して甲斐犬たちと田舎暮らし満喫中。休みの日は畑に行ったり庭でお酒飲みながら犬とご飯食べたりしています。今やりたいことは犬との快適な車中泊を極めること。
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もくじ
目指すは「気軽にオンオフできる」車中泊
ところで、筆者が車中泊をするにあたって譲れない大前提があります。それは、「田舎在住なのでクルマは生活の足でもある」ということ。友達や近所の人を乗せることもあるし、後部座席をつぶしてフルフラットにするのをデフォルトとする完全カスタムはできません。
「普段は街乗り乗用車で、車中泊のときはサッと犬と宿泊できる荷室」をつくるというのがお題になりそうです。さらに、できるだけ費用をかけたくないため、カスタムは基本的に100均とホームセンターで!
この2つの条件を満たしながら、気軽にオンオフできる車中泊仕様を模索してみます。

hinata編集部
舟橋 愛
房総半島で7匹の甲斐犬と田舎暮らしを満喫中。編集ライター兼、愛玩動物飼養管理士・ペット共生住宅管理士。大工の棟梁である祖父の血を受け継いだのか、DIYが大好き。今回は、愛犬も人もうれしい車中泊アイテムも自作しようと思います!

#hinataいぬ部
たまこ
見た目はりりしいけれど中身はべたべたに甘い甲斐犬の女の子(2歳)。#hinataいぬ部のドッグプール編ではモデルもこなしています。車酔いしやすいので遠出が苦手なのに、山梨1泊車中泊をすることに。果たして道中いかに?
日産ジュークで愛犬と車中泊はできるのか!?まずは荷室を見てみよう

改めて、筆者の愛車は日産のジュークというコンパクトSUV。2019年に生産終了となっていますが、インパクトのあるデザインやコンパクトSUVにしては広い荷室、走行性の良さなどで人気が高く、2023年現在も中古車は豊富に出回っているようです。
一応、後部座席を倒せばフラットにはなるし、横幅もそこそこあるものの、天井が低く、奥行きはあまりない…。この荷室で犬と車中泊をするためになにが必要なのか、改めてまじまじと車内を見てみました。
【課題1】後部座席と前部座席の間に隙間ができる!

ジュークで車中泊をするためには、後部座席を倒してフルフラットにし、荷室をめいっぱい使わなくてはいけないのですが…後部座席と前部座席の間に隙間ができてしまう!
運転席は自分が座るから仕方ないとしても、助手席はできるだけ前へ出して荷室を広く使いたい。でも、それだけ隙間も広がってしまいます。ここをいかに埋めてフラットな奥行きをつくるかが最も大事なポイントになりそうです。

ちなみに、筆者は身長161.5cm。隙間を埋められれば最大奥行きが約160cmに。ちょっと膝を曲げれば寝られそうではあります。
【課題2】窓とフロントガラスの目隠しが愛犬のためにも必須!

女性ソロ泊なので防犯面もですが、前回の犬連れバンライファーさんたちへの取材で「犬が光や音を気にしてしまう」という意見がありました。となると、目隠しは必須。しかし、窓にカーテン的なものを付ける場所がありません。
車中泊らしく、前座席との間にもカーテンをかけて目隠しをし、荷室を部屋のような空間にしたいと思っていますがどうすれば実現するのか、これも課題です。
【課題3】ソロ+犬とはいえ、やっぱり荷物はそれなり…

左から時計回りに寝袋、折りたたみクーラーボックス、薪ストーブ、着火剤、炭、犬用クレート、薪と斧、折りたたみチェア、リードや食器などの犬用品、LEDランタン、器やホットサンドメーカー、シルバーなどのクッカーや食事用アイテム
一人と一匹の道中ですが、一泊するとなると焚き火台や薪が必要。あと、写真は今回持って行く予定のものですが、普段は山でコーヒーを淹れたり庭でバーベキューをしたりしている程度のライトなアウトドアを楽しんでいる筆者には、持ち運べるキャンプ用のテーブルがありません。
今でも結構な荷物ですが、ここにテーブルも用意して、折りたたんであるクーラーボックスの中には食材が入るので高さも出て…。
んん?ジュークの狭い荷室で眠るスペースを確保できるか?収納も知恵を絞らないと、車中泊という目的そのものが果たせなくなりそうです。
フラットな寝床と目隠しで室内ベースを整える!
今までの車中泊では、本当に荷室に寝袋を入れて寝ていただけなので、背中や腰が痛くなっていました。やはり「寝床」をどう整えるかによって快適度はグッと変わるようです。
まずは、課題1の「隙間埋め」とともに快適な寝床をつくってみます。
隙間埋めを収納兼愛犬用の階段兼テーブルにすれば一石四鳥!

まずは隙間について、家にある収納スツールをはめこんでみました。ちょっと高さが足りませんが、待てよ…?

後部座席のヘッドレストを引き抜いてスツールに乗せれば、枕を持ち込まなくてもいいのでは?

さらにその上にインフレータブルマットを敷くと、頭を乗せる部分に高さができてちょうどいい感じ。ただ、人間の寝心地もだけど、犬が階段として使ってバックドアから降りるときにはもう少し高さがあった方が良さそうです。
このスツールの幅と奥行きサイズを参考に、高さは少し変えて収納を自作しようと思います。また、高くすることでテーブルとしても使い勝手がよくなりそう。これで課題1と、テーブルがない問題、さらに課題3の収納も半分くらいクリア。我ながら大漁すぎるぞ!

インフレータブルマットの上には、厚手のレジャーシートを敷いて快適性をアップ。これで背中や腰も痛くならないはず!また、今までは本当に車内の荷室そのままでテンションも上がらなかったのですが、かわいい柄のシートを敷くことで一気に荷室が明るい雰囲気になりました。
ちなみにこのレジャーシートは、以前、hinataのレジャーシート比較検証で「座りごこちが快適!」とほかの編集者から聞いたもの。実際、肌触りもよくておすすめです。
間取りの確認がてら犬のクレートも置いてみたのが上の写真。インフレータブルマットを敷いていない運転席側に荷物をすべて固めることができれば、助手席側を就寝スペースにできそうです。
カーテンは基本的に100均でなんとかなる!

次は課題2の目隠しです。窓にカーテンレールを付けるような大仰なことはしたくないので、100均の強粘着の面ファスナーを使用してみました。同じく100均で買ったカーテンに、手芸用の強粘着面ファスナーを貼って…。

車内のフェルトにくっつけると簡易カーテンに。長いカーテンは重さでたるむので3カ所に面ファスナーを貼っています。それでも440円で片窓がふさがるのだからお手軽!
面ファスナーはオスとメス対で売っているのですが、オスのみを(硬い方)使います。ただ、時間が経つとはずれて落ちてくることがあったので、車内に面ファスナーを貼ってもいいのなら、メスをフェルトに張り付ければより強力にくっつくと思います。

前座席との間は同じく100均でツッパリ棒とカーテンを購入。ツッパリ棒を付けたい場所が斜めになっていてそのままでは固定できないので、リングのついた補助パーツも購入しました。

カーテンで前部座席と荷室を仕切ることができました。カーテンの長さ的に1枚でもギリギリ足りそうだったのですが、2枚使うことで、運転中にうっかりカーテンを閉めたままだったときも片手で簡単にオープンできます。
ただ、これ…今回はこのままにしましたが、ツッパリ棒をつけられる位置がギリギリまで前に出した助手席より結構手前なのです。ということは、寝ると頭だけカーテンの向こうになる(泣)!
眠るときはフロントガラスにサンシェードを貼るのでまあいいのですが、再検討の余地ありです。
焚き火台も座席の隙間に入れて、荷物問題もほぼ解決

課題3の収納ですが、荷物のなかでもっともかさばるのが焚き火台と薪、それに折りたたみクーラーボックスでした。
とはいえ、今回持って行く焚き火台は収納バッグに入っていても29×D22.5×21.5cmしかない、MT.SUMIの「アウトドア薪ストーブマイクロ」!小さいのに二次燃焼薪ストーブで、焚き火台にもグリルにもなるスグレモノです。
この大きさなので、運転席側の座席の間にすっぽりフィット。こちら側は人が寝ないので、高さが足りない部分には薪を入れたバッグを置いて、なんとなく平らにするだけで十分!これで焚き火台と薪バッグの居場所は確保できました。

折り畳みクーラーボックスはクレートの背後に置けそうなので、あとはクッカーなどの細かいギアが入る収納ボックスを用意するだけで荷物はコンプリートできそう!
その収納ボックスは、助手席側の隙間に入れる収納ボックスと同じで自作し、組み合わせることで犬用の階段にもなるものにします。チラ見せするとこんな感じ。背が高い方が隙間埋め兼テーブルで、犬用のアイテムを入れることにします。低い方はクッカーなどを入れる収納。実際には、この低い方もテーブルや椅子として活躍しました。
どうやら、コンパクトSUVで車中泊、なんとかなりそうな予感です。
愛犬にも快適な旅をしてもらうためにDIY!(続く)
荷室の課題は概ねクリア!あとは、隙間を埋めたり効率的な収納をしたりするためのボックスをつくるだけです。ただ、車酔いするたまこのためにクレートにも一工夫したい…。DIYのアイデアもむくむくと湧き上がります。
次回は、愛玩動物飼養管理士であり、ペット共生住宅士でもある筆者がその知識を生かして犬にも快適、人には省スペースになるアイテムをDIY!実際につくったものと、そのつくりかたを紹介します。ぜひ続きも見てみてください。
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