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GRAPHITE BLUEのサーモシェルター

ダブルウォールテントと駆け落ち!?大手を飛び出した異端児の「地球で遊ぶ」新ブランド

ゴツッとした、岩のような色とフォルム。でも一歩中に入れば、そこは風や雨はもちろん外気温からも守ってくれる心地よいシェルター。「防雨」「防風」に加えて、「断熱」という機能を備えたテント「Thermo Shelter(サーモシェルター)」が、2022年に立ち上がった新ブランド「GRAPHITE BLUE(グラファイトブルー)」の第一弾として登場しました。その誕生秘話に迫ります。


GraphiteBlue Thermo Shelter

238,700円(税込)


「コレがあったら絶対みんなうれしい!」その確信が原動力に

大手アウトドアショップの販売員時代に蓄積された顧客ニーズと情熱

GRAPHITE BLUEの下嶋代表
GRAPHITE BLUEの下嶋一洋さん(手前)とサーモシェルター体験イベントに訪れたゲスト
独立前は、大手アウトドアショップに勤めていた「グラファイトブルー」のアフロ…もとい、下嶋一洋さん。 テント(しかもダブルウォールという、めずらしいもの)の設計を自ら考えて形にし、約1年で販売にまで漕ぎつけたというスピード感は、てっきり商品開発や企画を担当していたのかと思いきや、なんと店頭の販売員だったそうです。 販売員だった人がなぜ開発を!?
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下嶋一洋さん

販売に携わる中で、すごくたくさんのお客様と対話してきました。そんな中で、「これがあったらきっとお客様がハッピーになれるんだろうな」と思うことがちょくちょくあったんです。
ユーザーの生の声と触れ続けてきて、本当のニーズを実感してきたという下嶋さん。 そもそも今回のダブルウォールテント「サーモシェルター」、2013年ごろの2月にキャンプをしていたのがアイデアが降りてきたきっかけでした。2月のキャンプといえば、寒くてやることがなくて暇。ボーッと目の前の2ルームタイプのテントを見ていたら、「どうしてリビングは二重じゃないんだろう」とふと思ったのだとか。
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下嶋一洋さん

二重にしたら絶対あったかいのにって。その後、ストーブを使ってテント内の温度を調べる実験をしたんです。シェルターonシェルターでダブルウォールにしたテントの中でストーブを点けたら、幕内が20℃後半まで上がったんですよ。「このアイデアは過酷な冬のキャンプスタイルを安全に快適に激変させられるぞ!」って思いました。

ダブルウォールテント愛が爆発!商品を世に出すため、独立を決意

キャンプ仲間にも相談・体験してもらいながらこのアイデアは確信に変わっていったそうですが、様々な理由からその頃の組織では製品化はできなかったそう。考え出したら止まらなかった下嶋さん。あふれるモチベーションを抑えきれず、独立を決意しました。
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下嶋一洋さん

社内での力不足、影響力不足からその頃の組織では製品化はできなかったんですけど、これがあると絶対キャンパーさん達うれしいよなあと思うと諦められなくて。それならもう、自分でやろうって独立しました。会社はもちろん円満退職ですよ(笑)。 2021年に自分の会社を登記して、2022年にローンチ。まわりからは「すごいスピード感だ」と驚かれますが、設計書を書いてくれる人や制作してくれる会社も一から開拓して、営業も足でやってと、密な一年間でした。

防雨、防風、そして断熱。冬の幕内を快適にするシェルター

冬はキャンプしかやることがない。だからこそ快適なサイト設営が重要

GRAPHITE BLUEのサーモシェルター幕内イメージ
天井の高さもあり、幕内広々!フロアレスだから寝る時はコットやグランドシートが必須
そうして完成したのがこちらの「サーモシェルター」。ダブルウォールのドーム型テントで、外の寒さをシャットダウン。外気温が0℃でも幕内の室温が25℃まで上昇したこともあるそう。 ご覧のとおり、かなり広々としており、デュオキャンから6名程度のグルキャンまで幅広く使えます。
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下嶋一洋さん

夏はいろいろなアクティビティもあるけれど、冬は基本キャンプしかすることがないじゃないですか。だから、いかに自分のサイトで快適に過ごせるかが大事。 テント内にいれば「冬でも上着いらないね」っていうくらい暖かいです。それに、ダブルウォールにすることで結露もしにくくなったんですよ。

二重構造で断熱効果!冬でもあったかいテント

自然と人工物のギャップに感じる美を落とし込んだデザイン

GRAPHITE BLUEのサーモシェルター
自然の中に忽然と現れた異物のようなギャップ。その不思議な存在感が非日常感を漂わせる
機能性のほかに、デザイン面でこだわっているのは「自然と人工物のギャップ」という美。大自然の中になじむより、自然の中に無機質で固そうな人工物をレイアウトすることで、「目で見る非日常」を体感できると考えたそうです。
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下嶋一洋さん

開発中の他のアイテムもこうしたデザインは意識していて、例えば薪ストーブなども角を落としたデザイン。それでやわらかくしてるというより、「人工物らしさ」を出しています。未知の星に降りた宇宙船みたいな雰囲気をめざしたいなと。
GRAPHIE BLUE 薪ストーブイメージ
こちらがストーブ。確かに異世界感というか、宇宙船っぽさを感じます

今も「人との対話」が基本。営業も、ユーザーの声も、直接会って聞きたい

テントを車に積んで山梨から福岡まで1カ月の行商ツアーへ

GRAPHITE BLUEのサーモシェルター設置イメージ
山梨、長野、富山、石川県、福井、滋賀、京都、兵庫、香川、島根、山口、福岡のアウトドアショップを1カ月かけてまわり、実際に設営させてもらって商品をPR。「本気で地球遊び」をする下嶋さんらしい
サンプルができるとすぐにやったことは、サンプルとキャンプ道具を車に積んで、西日本を中心とした行商に出ること。なんと、1カ月もかけて山梨から長野、兵庫や島根、福岡などのアウトドアショップを直接訪問。お店の横にテントを設営して、実際にお店の人に体験してもらいました。
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下嶋一洋さん

何でもオンラインで済む世の中だけど、人と人の付き合いらしく対面で商品の魅力を伝えたかったんです。お陰様で、販売店も14店舗!立ち上げすぐにもかかわらず多くのお店にご協力頂けました。

発売前にユーザーを集めた体験イベントを開催。20組満席に!

GRAPHITE BLUE体験イベントの様子
朝霧ジャンボリーオートキャンプ場(静岡県富士宮市)に続々と集まったキャンパー達。実際にサーモシェルターを体験し、その場で購入していく人も
さらに、2022年12月には一般ユーザー向けの体験イベントを開催。キャンプ場に20組が集まり、自前のテントと設営されたサーモシェルターを比較しました。 その温度の差に、「今まで何をやっていたんだろう…」「寒いのはストーブの出力が弱いせいだと思っていた」と愕然とするキャンパーも多数。快適さを実感したようです。

一度体験すればその差は歴然!真冬でも暖かいシェルター

遊びの本質にたどり着けるギアを、これからも

家族や恋人を喜ばせるキャンプ。それはいつか文化になるはず

販売員時代、お客さんと話していると「テントを張りに行くこと」が目的になっていたり、キャンプの正解・不正解を探すことが目的になっていたりと、「あれ?」と思うことが時折あった、という下嶋さん。 それでは表面上のスタイルを追うだけで、せっかくワクワクすることがいっぱいある地球の上で、遊んでいないんじゃないか?と感じたそうです。だからこそ、正解・不正解はなく、「この時間が好き」「この遊びが好き」と思えるような道具を提案していくのが「グラファイトブルー」の目的。これからも、そんなギアがたくさん生まれてきそうです。
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下嶋一洋さん

冬の静かなキャンプ場は確かにいいけれど、寒さのせいで人を選ぶのも事実です。サーモシェルターなら、誰もが「この時間いいね」と言えるはず。家族や恋人を喜ばせてあげられたら、キャンプという時間がもっと身近な「文化」になって根付いていくと思います。
【基本情報】 商品名:サーモシェルター 材質: [フライシート]75Dポリエステルリップトップ、PUコーティング耐水圧2,000mm [インナーウォール]68Dポリエステルリップストップ 重さ:約15Kg(本体、付属品含む)

幕内20℃超えの暖かさ。これからの冬キャンが劇的に変わる予感!

真冬のキャンプでも、暖かい幕内で、上着や分厚い靴下も脱いで友人や恋人とのんびり過ごす。そうできたら最高なのに、「冬キャンは寒いものだ!」と、それをストーブや厚着でカバーしていたのがこれまでの冬キャンでした。 でも、常識に捕らわれず、「こうならもっとうれしい」を形にしたのがサーモシェルター。これなら、テントが15kgでも、その分ほかを軽量化して、料理やゲームなど違う楽しみにキャパシティを使えます。外遊びをの楽しさをもっと深めてくれそうなブランド「グラファイトブルー」から、これからも目が離せません。

hinataストアではサーモシェルターのスペックを徹底解剖!


GraphiteBlue Thermo Shelter

238,700円(税込)



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