【3歳〜6歳向き】プレイワーカー直伝、キャンプ場で"昔遊び"をしよう!
寒い時期のキャンプ場で、どう過ごしますか?焚き火やストーブでぬくぬくもいいけれど、子どもは風の子。冬でも外で元気に走り回ります。今回は道具を使わなくても、人さえいればできる昔ながらの遊びを、プレイワーカーに教えてもらいます。鬼ごっこや馬とびなど、簡単で2〜3人の一家族からできる遊びばかりなので、親子でポカポカになってください!
昔ならではの遊びが、一番の着火剤
「鬼ごっこ」をはじめ、「だるまさんがころんだ」や「馬とび」。誰もが子どものころに一度は経験したことがあるのではないでしょうか。それら昔ながらの遊びは道具も必要なく、2〜3人から遊ぶことができ、冬の親子キャンプにうってつけ!焚き火やホッカイロより、体をあたためる一番の近道かも?
プレイワーカーのママ親子に実践してもらいました!
親子遊びを楽しむための心得を教えてくれたのは、「遊び」を広げる一般社団法人「TOKYO PLAY」理事の矢野真利那さん。ご自身のお子さんである、カンタロウくん(5)・ソウジロウくん(4)・アミコちゃん(0)、ご友人の相原里紗さんとお子さんたち、アッキー(5)・コウくん(3)の7人で実際に遊んでもらいました。
TOKYO PLAY理事 / プレイワーカー
矢野真利那さん
光が丘プレーパーク、練馬区立こどもの森、屋外型子育てひろば等、外遊びの場の常駐スタッフを経て、フリーランスに。二度の出産を経て、子どもの遊び環境に様々なアプローチで携わる一般社団法人TOKYO PLAYに入職。2022年より、自然と人、人と人のつながる暮らしをもっと極めたく山の麓に移住。二男一女の母
定番中の定番!【鬼ごっこ】
不動の人気、鬼ごっこ。追いかける役の“鬼”を決め、つかまらないように逃げる遊びです。制限をつけたり、ルールをアレンジすることで、楽しみ方は無限大!ルールを通して「きまりを守る大切さ」も学べます。数分であたたまる鬼ごっこ、子どもたちに人気の3種を紹介!
つかまった人を助けるヒーローにもなれる!「氷鬼」
【ルール】
- ジャンケンなどで鬼を決める(人数によって一人か二人)
- 鬼が10数えるうちに、他の人は逃げる
- 鬼にタッチされた人は、氷になり動けなくなる(鬼にタッチされそうになったら、自分から氷になれるというルールもある)
- 氷になった人は、他の人にタッチされたら氷がとけ、再び動けるようになる
- 全員を氷にできれば、鬼の勝ち
すぐ鬼にタッチされても、仲間に助けてもらえば、また逃げられる氷鬼。鬼から追いかけられるのが怖い子や、鬼になるのがどうしても嫌な子がいても、やりやすいところが魅力です。
逃げるだけでなく「仲間を助けよう」と正義感に燃える子も。ただ、鬼がなかなか全員をつかまえられず、途中でくじけそうになったり、飽きてしまうこともしばしば。そんなときは、鬼の人数を増やしたり、大人が鬼役をやるなど工夫してみましょう!
囚われの身はバナナポーズ「バナナ鬼(氷鬼アレンジ)」
氷鬼のアレンジバージョン。鬼につかまったら、両腕を上げてバナナのポーズをします。他の一人にタッチしてもらえたら片腕の皮、もう一人にタッチしてもらえたら反対側の腕の皮がむけ、再び動けます。
二人がタッチしないと解放されないので、氷鬼より、鬼にとって有利に。一人のタッチで両腕の皮がむけるというルールにアレンジしてもOKです。
子どもたちはアイデアの天才!バナナの他、新しいポーズを決めてもらっても盛り上がります。
キャンプ場の自然を満喫できるかも!?「色鬼」
【ルール】
- ジャンケンなどで鬼を一人決める
- みんなで鬼に向かって「いーろいーろなんのいろ?」と聞く
- 鬼が好きな色を答えて、10秒数えはじめる
- 鬼に指定された色を見つけ、触っていればOK。見つけるまで追いかけられ、タッチされたら鬼交代
「濃い茶色—!」誰かが見つけた色に集まる子。他のものを探したくなる子。「え?そんなところにこんな色あったの?」と、子どもたちの目ざとさに驚くことも。
鬼の采配次第では、色を通して自然の中のたくさんの「茶色」を探すきっかけになったり、自然遊びにも派生します。色鮮やかな春夏ではなく、あえて茶色ばかりの「冬の色鬼」、挑戦する価値あり。
2人からできる!【相撲(すもう)】
2人からできて、シンプルながら体を思いきり使う遊び。似た体格の子同士での真剣勝負もおもしろいですが、スタート位置をずらしたり、「大人は手なし」、はたまた団体戦!?など、特別ルールを設けるのもありです。
オーソドックスな相撲
【ルール】
- ローブや紐などで円く土俵を作る
- ふたりで向き合い、定位置で腰を下ろし、手を地面につけ(“はっけよーい”のポーズ)構える
- 「のこった!」の合図で組み合い、相手を倒したり土俵から押し出したら勝ち。(体の足以外が地面についたら負け)
「はっけよーい…のこった!」取っ組み合った瞬間はついつい笑っちゃう!
ケンカに発展することも…!
シンプルな力くらべなだけに、真剣になるほど勝ち負けで気持ちが落ちることもしばしば。負けては泣き、今度はこっちが負けてうなだれ、今度はいつの間にか仲間が乱入!?
でも大丈夫。「負けて悔しい」をいろんなかたちで経験できるのも、子どもの特権。悔しい気持ちをたくさん表現して、いつの間にかすっかり切り替えて遊び始められる子どもだからこそ、小さいうちは、ひとまず見守ってみませんか?どうしても心配なときは、「叩く・蹴るはダメ」「頭から上はさわらない」など、ルールを決めておくといいでしょう。
力くらべだけじゃない!「手押し相撲」
手だけで押す相撲。向かい合って立ったまま手のひら同士を押し合い、相手の体のバランスを崩します。足が動いたらり、足の裏が地面から離れたら負け。
押すと見せかけ、不意に力をゆるめて相手のバランスを崩すのも有効な手段!大人と子どもでやるときは、大人が片足で立つなどハンディキャップをつけるとより楽しめます。
なぜだか笑いが止まらない!「尻相撲」
お尻とお尻をぶつけ合ってとる相撲。背中を合わせて立ち、「のこった!」の合図で勢いよくお互いのお尻をぶつけ合います。足が動いたり、足の裏が地面から離れたら負け。
手押し相撲と同じように、押すと思わせて引いてみるのも、有効な手段です。大人と子どもでやるときは、力を入れすぎて子どもが吹っ飛ばないように、大人が十分手加減しましょう!
まだまだある!即あったまる昔ながらの遊び
秒速人間ホッカイロ!「おしくらまんじゅう」
数人で背中合わせで円になり、両隣の人と腕を組みます。「おしくらまんじゅう〜押されてなくな〜」と歌いながら、肩や背中、お尻で押し合います。強く押されて吹っ飛びそうになっても、決して腕は解かずにがまん。みんなで不規則な動きをしているうちに、体がポカポカに!
練習すれば、必ず跳べる!「馬跳び」
一人がかがんで馬になり、もう一人が開脚でその馬と跳びこえる遊びです。数人が一列になって馬になり、一人が連続でどんどん跳びこえていったり、二人一組になって順番に跳びあってもよし。
子ども同士でやるときは、跳ぶ子の身長に合わせて馬ができる限りコンパクトな姿勢をとりましょう。馬につまづいたり、着地に失敗して転倒すると、恐怖心が芽生えてしまいます。はじめは、手をつけずにまたいでみたり、その場でピョンピョン跳ぶイメージの練習からスタート!
数秒の緊張感がスリル満点「だるまさんがころんだ」
体の大きさに関係なく楽しめて、スリルが味わえ、未就学児から小学生まで不変の人気を誇る遊びです。
【ルール】
- ジャンケンなどで鬼を決め、鬼は木や柱に、他の人は数十メートル離れたスタートラインに立つ
- 「はじめのいーっぽ」というかけ声で、みんなはスタートラインから一歩進む
- 鬼は柱に向かって「だるまさんがころんだ」と言いながら、みんなの方を振り返る
- みんなは、鬼が「だるまさんがころんだ」と言っている間に鬼の方に向かって進み、鬼が振り返ったら動きを止める
- 鬼が振り返ったときに動いてしまった人は捕まり、鬼と手をつなぐ
- 1〜6を繰り返し、誰か一人が鬼に近づき、捕まった人と鬼のつないだ手を切ったら(捕まった人がいなければ鬼にタッチ)、捕まった人はスタートラインに向かって逃げる
- 鬼は「ストップ!」と言って、みんなを止める
- 鬼の手を切った人が、鬼に何歩進むか指示する。鬼はその歩数進み、タッチされた人が次の鬼になる
※全員捕まったら、鬼の勝ち!
鬼は、「だ・る・ま・さ・ん・が・ころんだ!」と後半だけ叫ぶタイミングを早くしたり、逆にゆっくりしたりしてみんなを惑わせると、捕まえやすくなります。
「だるまさんが〜〜〜忍者になった!」など、止まるときに「○○」のポーズをとるようなアレンジも楽しめます。(そのポーズがとれなかったり、動いたりしたら鬼に捕まる)
親子で全力で遊び、冬の寒さを吹き飛ばそう!
キャンプ場では、チェアに座ってじっとしがちなパパやママも、たまには子どもたちと思い切り遊んでみては。氷点下でも、10分もすればアウターなんて脱ぎ捨てちゃうくらいポカポカになります。(子どもは半そでに!) 動いたあとは、ごはんもおいしい。冬のキャンプ、親子で楽しんでくださいね。