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遊具やグッズがなくても!キャンプ場で親子で楽しめる自然のアソビ教えます〜心得編〜

2022.11.24ノウハウ

紅葉が見ごろの秋キャンプ。大人は色づく山の景色を眺めたり、焚き火をしながらゆっくりキャンプを楽しみたいけれど、子どもはそれだけでは物足りない!夏キャンプのように水遊びは寒すぎるし、遊具やアスレチックのあるキャンプ場は少ない。鬼ごっこに付き合えるのは、体力的にせいぜい30分程度…。しかし、大人が少し視点を変え、声がけするだけで、子どもは勝手に遊び出します。危険との分岐点もあわせてお伝え!

遊具に頼りすぎていない?

親子キャンプ
遊具やアスレチックがあったり、夏は川遊びができたりするキャンプ場は子ども連れに大人気。でも、水遊びができない季節や、何もないキャンプ場に行ったときは何して遊ばせよう?とフライングディスクやバドミントンをお供させることも。しかし、道具がなくても親の言動やスタンスが変われば、子どもたちは勝手に遊び出します。何もない自然の中で、親子で楽しめるヒントや心得を伝えます!

アソビのプロフェッショナルに教えてもらいました!

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TOKYO PLAY理事 / プレイワーカー

矢野真利那さん

光が丘プレーパーク、練馬区立こどもの森、屋外型子育てひろば等、外遊びの場の常駐スタッフを経て、フリーランスに。二度の出産を経て、子どもの遊び環境に様々なアプローチで携わる一般社団法人TOKYO PLAYに入職。バックオフィスと各プロジェクトのコーディネートを務める。2022年より、自然と人、人と人のつながる暮らしをもっと極めたく山の麓に移住し現職。二男一女の母

パパ・ママ聞いて!子どもが生き生き遊びだす【3つの心得】

【心得1】「今日は子どもに委ねよう」と決める

親子キャンプ
非日常のキャンプ場では、親も不安。子どもを守るため、ついつい「あれはだめ」「これもだめ」と先回りして危険因子を取り除こうとしがちです。 しかし、せっかくやってみたいと思ったことを止められてばかりでは、子どものワクワクはしぼんでしまいます。せめて、「今日はできるだけ、子どもの好きにさせてあげよう」と決めて見守ってあげませんか?

【心得2】自分たちも一緒に楽しむ

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「遊んであげる」でもなく、「遊ばせる」でもなく、自分も子どもと同じ目線で遊ぶこと!いざ、「自分も遊ぶ」と決めると子どもたちのアソビの見え方が変わるかも?また、大人が動くことで自然と子どもたちも「遊んでいいんだ!」と遊びはじめます。 そう言われても「楽しめるか不安」という方は、昆虫や植物図鑑などで予習しておけば、当日の学びや楽しみも深まります。

【心得3】遊びにテーマや目的をつける

親子キャンプ
ただ何もないところを「散歩しよう」と誘うと、目的が見つけられず、子どもは面倒くさがることも。しかし、首にハンカチを巻いて「今日は君たちが子ども探検隊だ!」と散歩自体にテーマづけをすると一変。形や色の違う葉っぱを見つける競争をしよう」と具体的な目標を立てることで、子どもたちは目を輝かせ、テンションも一気に上がります。

どこまでやらせる?危険との分岐点は?

棒を持つのは危ない?

親子キャンプ
子どもは、落ちている棒(枝)を拾って持ちたがります。振り回すことで、自分の体の一部が大きくなると感じるからだそう。一律に「危ないから捨てなさい!」とは言わず、本当に危ないのか?よく見てみて。 怖くてどう見守ったらいいかわからない場合は、たとえば長い棒を登山ストックとして使うのか、菜箸くらいの短い枝を魔法の杖として使うのか、用途をしっかり決めておくこと。人を突いたりしないよう注意して持たせてあげましょう。

木登りはどの高さまで?

親子キャンプ
木登りも子どもにとってお得意の遊びのひとつですが、見ている大人はヒヤヒヤするものです。許容できる木の高さは、「本人が一歩目から自力で登れる高さ」。木登りは、最初の枝の分かれ目にたどり着くまでが最難関。そこを本人が自力でクリアできるようであれば大丈夫です。あとは、枯れ枝や柿の木は折れやすいので、大人が注意しましょう。

高いところから跳び降りる

親子キャンプ
階段や段差のあるところがあれば、ジャンプして遊ぶのも子どものお決まりの行動です。木登りもそうですが、高いところから跳ぶとき、子どもは危険と知りながらチャレンジしています。その気持ちを尊重してあげること。大人は跳んだ先にものがないか、起点・着地点の足元がぬかるんでいたり危険でないか、確認しておきましょう。 逆に、本人が怖がっているのに大人が「大丈夫だから、跳びなさい」と促すのは危険です。(パパにありがちな言動かも…?)

キャンプ場を探検!手ぶらでできるアソビを紹介

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キャンプ場に着いたら、設営作業もそこそこに、横で「遊具のある公園で遊びたい〜」「おうちに帰ってゲームしたい」と時間を持て余している子どもを連れて、まずはキャンプ場を一周。歩き出せば、道々で出会うさまざまな生き物や、植物に「これみて!」「あれなに?」と興味津々に尋ねてきます。

ヤブこぎごっこ

親子キャンプ
藪漕ぎ(ヤブコギ)とは、登山道のように踏みならされ、歩きやすくなった道を通らず、低木や笹、雑草の中をかきわけて進むこと。子どもたちは、ふだん舗装された道路や、決められた通学路しか歩いていません。たまには、道を外れて自分たちが切り開いた道を進んでみる。その先に何があるのか、どちらの方角に行くのか、引き返すのか。周囲の情報を集めて判断したりと、「自分で考えて行動する」良い訓練に。
親子キャンプ
あまりにも草が高く、顔や腕に茎などが刺さりそうなときは、大人が先頭に。途中棒を見つけて草をかき分ける道具にしたり、珍しい昆虫に出会ったりと発見がたくさんあります。もちろん、登山道でも十分。キャンプ場で探検できそうな道を探してみましょう。

草滑り

探検に慣れてくると、子どもたちは道中で見つけたオリジナルの遊具で遊び出します。実際にキャンプ場で見つけた、子どもたち目線の天然のアスレチックやアソビを紹介!
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小さな丘のような斜面を滑り台に。手入れされた公園の芝や土手ではないので、ゴツゴツとワイルドです。お尻はちょっぴり痛いけど、人によって滑り降りる速度や体勢が違くておもしろい。段ボールがあるとなおよしですが、急な斜面なので地のままでも結構スピードが出ました。ズボンが土まみれになる(ときにはやぶける…)のには、目をつむりましょう。

崖クライミング

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子どもの一人が「ボルダリングだぁあ〜〜!」と言って崖を駆け上っていきました。岩はないですが、格好が似ていると感じたよう。助走をつけて這い上がるのに程よく筋力を使う高さで、一度で上りきらず、何度も挑戦。「あと少しで登れそう」な高さがチャレンジ精神をくすぐられて絶妙なラインのようです。
親子キャンプ
ひとりが始めると次から次へと他の子も挑戦。登れた子は、なかなか登れない子に「もう少し足を上げて!」などとアドバイスします。「どうしたらできるか」と試行錯誤したり、他人を観察して助言をしたりと、子どもたちなりに工夫している姿が見られました。こういうとき、一対一だとどうしても親は手を貸したくなるもの。気持ちをグッと押さえ、見守ってあげるのが成長につながります

木の枝ぶら下がり

親子キャンプ
子どもは鉄棒のような細さの木の枝に、ぶら下げさせてあげると喜びます。折れる心配のなさそうな枝であれば、着地点に何もないこと、落ちても怪我をしない高さであることを確認し、てつかまらせてあげましょう。「せーの」で一緒にぶら下がり、どちらが長くぶら下がっていられるかの競争も盛り上がります。(大抵の場合、大人の方が先にギブアップしますが…!) ぶら下がるだけで腕の筋力アップはもちろん、体幹が鍛えられたり、姿勢が良くなるといったメリットも。

土の滑り台

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小さな斜面でも子どもは滑るのが大好き。地面が土でぬかるんでいたりすると、つるつるとした滑り具合を確かめながら楽しそうに滑ります。この日は、滑りが悪いと文句を言っていました。地面が温められて乾いたり、前の日が雨で湿っていたり。土の変化や季節の移り変わりを肌で感じられるのも、「何もない」キャンプ場で遊ぶ醍醐味と言えるでしょう。
親子キャンプ
このほかも、人力トランポリンや宝探し、葉っぱ・ドングリ集め、落ち葉かけ、石わりなど、たくさんのアソビを編み出した子どもたち。ふだん、設営や夕食の準備、焚き火などでゆっくりキャンプ場にある自然を満喫する時間がないので、親にとっても新しい発見でした。 葉っぱやドングリなど、素材を使った遊びについては、次回詳しく紹介するのでお楽しみに!

キャンプ場は、わくわくがいっぱいのワンダーランド!

親子キャンプ
子どもを遊ばせる道具が何もないように思えるキャンプ場でも、見方を変えればワクワクする仕かけがたくさん隠れています。子どもは、それを見つけるのがとっても上手。大人は、それを引き出すサポート役。与えすぎず、邪魔せず、ときには見守る。簡単なようで難しいですが、次のキャンプでは自分も童心に帰り、一緒に楽しんでみてください!

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キャンプで何をして子どもと遊んだらいい?なんて悩みはナンセンス!キャンプは、準備から片づけも含めてぜ〜んぶが“遊び”。子どもとキャンプに行くと決めた瞬間から、遊びははじまります。子どもに伝えたい、持続可能なキャンプの“遊び”ノウハウや、すぐに実践できるテクニックを紹介!



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