健康食品「サイリウム」とは？効果や使い方、オオバコとの違いも解説

サイリウム(psyllium)とは、オオバコ属のプランタゴ・オバタという植物の種子の殻(ハスク)を粉末状にしたものです。「サイリウムハスク」とも呼ばれています。 サイリウムに似た食品として「オオバコ」がありますが、サイリウムは200種類以上もの植物が属するオオバコのうちのひとつに該当します。日本で販売されているサイリウムのほとんどは、エダウチオオバコとインドオオバコです。 サイリウムは低糖質・低カロリーであるため、ダイエッターを中心に注目を集め、今では健康食品として多くのレシピで使われています。

サイリウムは食物繊維が豊富で、水分を吸収すると膨張する性質があります。食物繊維といえば便秘解消や肥満、生活習慣病の予防などに効果があり、積極的に摂りたい栄養素のひとつです。(※1) ただし摂りすぎると胃痛や下痢などの症状が出る可能性があるため、使用方法には注意が必要です。食品安全委員会のホームページでは1日の摂取量は10.2gまでと定められていますが、商品によって摂取条件は異なります。薬やサプリメントとの併用ができない商品もあるので、服薬中や通院中は使用前に医師に相談しましょう。 また摂取時は十分な水分と一緒に飲む必要があり、粉末のまま口にすると喉に詰まる恐れがあるため絶対にやめましょう。(※2)

サイリウムは水分を含むと膨らんでゼラチン状になる性質があり、この特徴を生かして料理やデザートの材料として活用されています。

サイリウムを最も手軽に取り入れる方法は、飲み物に溶かすことです。サイリウムの味やにおいについては個人差がありますが、「無味無臭」と感じる人がいるほどクセは強くありません。サイリウムを水に溶かして摂取する人もいます。味やにおいが気になる人は、コーヒーやジュースなどに入れると飲みやすいでしょう。 ただしサイリウムは溶けにくい性質があるため、40℃以上の熱い飲み物には混ぜないようにしましょう。

サイリウムを飲み物に入れると特有のとろみがつくため、飲みにくさを感じる人は料理に使うのがおすすめです。たとえば、サイリウムを使ったゼリーやわらび餅は低糖質スイーツとして人気のレシピ。ほかにもホットケーキやお好み焼きに使う小麦粉の一部をサイリウムで代用すると、生地がモチモチになります。 片栗粉や寒天と同じ感覚で使えるので、サイリウムを入れるからといって調理が難しくなることはありません。

サイリウムをレンジで温めると、1分半～2分程度で大きく膨らみます。レンジ加熱する際は深めの容器を使用すること、またレンジ加熱中は吹きこぼれていないかこまめに確認するようにしましょう。

数多くあるサイリウムを使った料理の中から、今回は初めての人でも簡単に作れるレシピを4つ紹介します。

サイリウムを使用したスイーツなら罪悪感が少なく、さらにダイエット甘味料を使えばより低カロリーに！つるっとした食感が飲みやすい、デザートドリンクです。

サイリウムで作るわらび餅は、材料も工程も少ない超簡単レシピ！きなこだけでもおいしいですが、黒蜜をかけて食べるのもおすすめです。

山芋が苦手な人に、ぜひ試してほしい料理アレンジです。サイリウムが山芋の役割となり、ふわとろなお好み焼きが楽しめます。直径約10cmのお好み焼きが4枚焼けるレシピです。

サイリウム入りのパンケーキは通常のものよりお腹がふくれて、一枚でも満足感が抜群です。より低カロリーにしたいなら、トッピングは粉糖がおすすめ。直径約10cmのパンケーキが2〜3枚焼けます。

通販やドラッグストアでさまざまな種類のサイリウムが市販されていて、どれを選べば良いか悩む人も多いでしょう。それぞれの製品のおもな違いは、サイリウム含有量や添加物です。成分表示を確認して、できるだけ良質な製品を選ぶようにしましょう。

購入者の口コミは味や使い方の参考になるほか、専門家の評価があると安心です。「自分に合うかどうかわからない」場合は、少量タイプを選んでみると良いでしょう。

サイリウムは低糖質で手軽に食物繊維が摂り入れられることから、ダイエッターを中心に人気の健康食品です。普段の食事だけで十分な食物繊維を摂取できているか不安な人は、日々の食事にサイリウムを取り入れてみてはいかがでしょうか。

【参考文献】 ※1　厚生労働省 ※2　食品安全委員会