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BUCK#110 フォールディングハンター

35年現役でい続けるナイフ「ワンテン」!【アウトドアおやじが100回使ったギアvol.6】

※本記事には一部プロモーションが含まれます

【アウトドアおやじが100回使ったギアvol.6】は、おやじライター丹羽孝之が100回どころか、35年間愛用しているナイフ、「BUCK#110 フォールディングハンター」について紹介します!通称「ワンテン」と呼ばれるナイフは、アウトドア好きなら1本持っておいて間違いないアイテムです。キャンプに毎回包丁を持参するのが大変になってきたビギナーの方にも、ずっと使い続けられる1本としてオススメです!

連載企画「アウトドアおやじが100回使ったギア」

キャンプの相棒となる道具選びで意外と大事なのが、自分のキャンプスタイルに応じた「妥協と割り切り」。どんなシーン、どんなスタイルにも合う万能ギアはそうそう見つかるものではありません。 登山やバイクツーリングでのテント泊を入り口に、キャンプ歴は40年ほどになる筆者。ファミリーキャンプや夫婦キャンプを経て、現在はもっぱらソロキャンプに勤しむ、自他ともに認める「アウトドアおやじ」です。その時々のキャンプスタイルに合わせ、今までさまざまなキャンプ用品を使ってきました。 いろいろな失敗も経験してたどり着いた「完成形」とも言える現在の装備は、「使いまわしやすさ」を追求した精鋭ぞろい。自信を持っておすすめできるアイテムを紹介します!!
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アウトドアおやじ/ライター

丹羽孝之(にわ たかし)

キャンプ歴40年。登山(クライミング、沢登り、縦走)、ヒマラヤ山域や北インドでのトレッキングとバイクツーリングなどなど、アウトドア全般を愛する。 年間のキャンプ泊数は約20泊。2021年はバイクでの北海道一周と九州一周のソロキャンプツーリングに繰り出し、50泊を達成。

世界で最もコピー製品が作られたナイフ「バック #110フォールディングハンター」

BUCK#110
筆者が所有する25周年モデル
このナイフは、Buck Knives(バックナイフ)社が製造する「#110フォールディングハンター」というモデル。元祖ナイフといったスタイルで、世界中で大ヒットしました。そのため、世界で最もコピーされたナイフとも言われています。 ビンテージナイフの類になるとは思いますが、2023年3月時点でも新品が販売されているため、この記事を読んでいる皆さんも、もちろん購入可能です。今回はそのエピソードとともに、バックナイフの魅力を紹介します。

#110(ワンテン)との出会い

BUCK#110
25周年記念モデルのオリジナルデザイン
25歳の時、転職祝いとしてプレゼントされたのがBUCK#110(通称ワンテン)との出会いです。1963年生まれで25歳だった自分が、1988年に転職。ちょうど発売から25年の記念モデルをゲットしたことに、思わず歴史を感じます。 その後、行方不明になったこともありましたが、ひょんなことから見つかり縁を感じています。みなさんにもそういった縁を感じるものがありませんか?

#110にはカスタムモデルも豊富!

BUCK#110
レーザー加工の名入りもまた、お気に入りポイントの一つです。
ワンテンにはスタンダードモデルの他に多くのバリエーションがあります。スタンダードモデルは細かい筋目のついた「ヘアライン仕上げ」の無地のブレード、グリップは黒檀(エボニー)、ボルスターは真鍮。これまでには鹿角を採用したモデルも登場していました。モデル名の後に「FG」と書かれたモデルは、「Finger Grove(フィンガーグローブ)」 の略で、ハンドルに指形が切られているモデルです。 これまでにさまざまな記念モデルや凝ったデザインのカスタムモデルが登場しており、その価格もピンキリです。自分で分解して細工を施す強者もいます。そんなナイフなので、ワンテン沼にハマったナイフコレクターも世界中にいます。

いざ、定番ナイフの使い勝手をチェック!

「間違いない」と思える安定の切れ味

BUCK#110
日本人の小柄な手でも、しっかりと握りやすいハンドル
「ウンチクはいいから実用性はどうなのよ」という声が聞こえてきそうなので、そろそろ説明に移ります。切れ味は、アウトドアで使うナイフに期待する切れ味に十分応えてくれます。木を削ったり、釣った魚で刺身を作ったり、35年間さまざまなフィールドで使っていますが、切れ味に不足を感じたことは一度もありません。
BUCK#110
ハンドルの厚みがあるため握りやすい
ワンテンは200gほどの重量のあるナイフなのですが、その重さが握ったときに使いやすいバランスです。握った手の側に重心が来るので、重量の割に軽く使いやすいのが特徴です。 ハンドルは厚みがあり、力が入れやすく手も痛くなりません。とは言え、フォールディングナイフとしては重いので、軽量化が必要な登山には持って行かないほうが良いでしょう。

ロック機構でファミリーでも安心

BUCK#110
ブレードロックの解除はココを押し込みます
切れ味の良いナイフなだけに、やはりファミリーキャンプで使用するとなると、子どもがいたずらして怪我をしてしまわないかは心配の一つです。#110にはブレードロック機構がついているので、小さな子どもがいても安心して使用できます。 ロックバックシステムと言われるロック機構は、ハンドル後部の半円状の部分を押し込むことでロックが解除される仕組み。大人でも片手では畳めず、両手を使った作業になります。半円状の解除ボタンは重さもあり、そう簡単に子どもが解錠することはできません。
BUCK#110
押したまま、もう一方の手で刃を上から畳みます
刃をしまうときは、ハンドル後部の半円状の部分を押し込んだままブレードをたたみます。ロックバックシステムと呼ばれるロック機構は、フォールディングナイフにおいてはこの#110が世界ではじめて採用しました。ブレードを出した時のカチッというロック音と感触が男心をくすぐります。

砥ぎやすいブレード

他のナイフと同じく、長期間使用すればやがて切れ味は落ちてきます。筆者の場合は、中砥石のみで砥いでます。刃の立ち具合の目安は、親指の爪の上にトンってブレードを置いて、軽い力で指先方向にズレて行かなければOKとしています。 砥ぎ方はさまざまありますが、自分の場合はブレードのカーブに合わせて一気にストロークさせる方法です。この方法をマスターしたくてずっと続けています。 娘に教えた際の動画を筆者のYouTubeチャンネルで公開していますので、気になる方はご覧ください。フィールドに出かける前にサッと砥げば、気分も盛り上がります。

ボルスターはピカピカにしておきたい

ハンドルの上下の金属部分をボルスターと呼びます。ワンテンのボルスターはブラス(真鍮)やニッケルシルバーが使われていますが、使えばすぐに表面が曇ってきます。もしかすると購入時にすでに曇っているかもしれません。心配は無用です。金属部品磨きや、アクセサリー磨きのペーストなどで、あっという間にピカピカになります。

重厚な本革シースが付属しています

BUCK#110
BUCK#110付属の分厚い本革シース(ケース)
ワンテンには、分厚い本革のシース(ケース)が付属してきます。長年使っていると、ナイフの形状になじんでくる「エイジング」が楽しめます。このシースに入れておけば、ギアバッグの中に無造作に入れておいても大丈夫です。
BUCK#110
幅広のベルトループ付き。腰元に付けておけば、いつでもサッと取り出せます。
シースは濡らしたり、ミンクオイルなどをつけすぎると、すぐにカビが発生するので注意してください。カビが発生してしまった場合は、歯ブラシで洗い落としてしっかりと乾燥させましょう。ナイフを長期保管しておくような場合は、シースから出して別々に保管しておきます。 長期保管時、ブレードには椿油を薄く塗っておけば、錆びることもありません。サラダ油はベタつくので使わないほうがいいと思います。

短所を強いてあげるなら「重さ」

ブレードが9cmあるため、キャンプで使われることが多い他のフォールディングナイフと比較すると、かなりの重量級です。しかし、60年前に米国で発売されたことを考えると、この重さが信頼の証とも思えてきます。 重くて扱いにくいという方には、ワンテンの小型モデルで「#112レンジャー」というモデルもあります。女性が使うのであれば、#112の方がサイズ的にもしっくりくるかもしれません。

偽物かどうかの見極めポイント

BUCK#110
モデル番号と製造年の刻印
さて、「世界で最もコピーされたナイフ」ですから見た目がそっくりなコピー品も有るわけです。コピー品でもしっかりとした鋼材が使われていれば実用性は問題なく、承知の上で使っている方もいます。とはいえ、一生モノとして買うなら、やはり本物を買いたいですよね。 オークションなどで 「本物」 と称してコピー品が出品されていることもありますので、偽物をつかまされないように見極めポイントを説明します。 BUCKのナイフのブレードの付け根にはモデル名と記号、そして生産国を示す「USA」という刻印がされています。偽物はこの刻印部分でおおよその判断がつきます。
BUCK#110

出典:buckknives.com

BUCK社ナイフの製造年記号
BUCKナイフの製造年は上の表で照合できます。私のワンテンの場合は、「110」の右隣りの刻印が 「<」 なので、1986年の製造となります。1988年販売の25周年モデルですが、ブレードは1986年に製造されていました。また、特例としてドットの刻印だけの場合もあるようで、BUCKナイフの公式ページには詳細の説明が載っています。

【おまけ】普段使いにぴったりな高コスパナイフ

BUCK#110とバンタム
ワンテン(下)とバンタムBLW・285(上)のサイズ比較
日常生活や、釣り、登山などに持ってい際は軽くて丸洗いできる小さなナイフを使っています。それが「BUCKバンタムシリーズ」。サイズによりますが、価格は3,000〜4,000円程度と手に取りやすく、使い倒せるモデルです。全4種類のサイズが販売されています。 ハンドルは樹脂製で軽く、握りやすい形状。片手でオープンできるフォールディングナイフです。私は中間の2種類の長さを使っています。写真にありませんが、短い「BBW284」は67mmのブレードでコンパクトなため、釣りやアルパインクライミングの際、ハーネスにぶら下げています。
BACK BANTAM BLW
バンタムは、サムスタッドを押し回してブレードを出す
一回り大きい「BLW285」は7.9cmのブレードで、アウトドアに持ち出すギアバッグに常に入れてあります。バンタムのブレード形状はスピアポイント。プロック肉なども捌きやすい形状になっています。 また、「BLW285」にはベルトクリップも付いています。このベルトクリップはネジ3本を外せば取り外しもできます。ハンドルは人差し指がしっかりと掛かる形状で使いやすいです。ブレードの鋼材は現行のワンテンと同じ420HCであり、ロック機構も信頼のロックバックシステムが採用されています。

バンタムは片手でブレードが出せる

バンタムシリーズは、ブレードにサムスタッドという親指だけでブレードを出すための突起が付いています。右利き左利き共に対応しています。片手でのブレードの出し方は、筆者のYouTube【アウトドアなちゃんねる】で動画を公開しています。興味のある方は参考にしてみてください。

一生モノのナイフを手に入れよう

焚火
焚き火しながらのナイフ談義は酒がすすみます
いかがでしたか? 今回は少しオタク度が高めだったでしょうか…。ナイフはアウトドアギアの中でも嗜好品に近いと感じています。奥が深く、おやじライターの丹羽ごときじゃ語り尽くせません…。それでも、焚き火を囲んでのナイフ談義は楽しいし、ソロキャンで焚火の炎と愛用のナイフを眺めながら飲む一杯も最高に美味しいです! 読者の皆さんも、一生モノのナイフを見つけてみてはいかがでしょうか。ただし、銃刀法違反にならないように取り扱いには注意しましょう。筆者のワンテン、いずれはアウトドア好きの娘に引き継ぐつもりです。 次回の連載記事は何を取り上げようかなぁ。お楽しみに!

今回紹介したアイテム

商品画像BUCK #110 フォールディングハンターBUCK #110FG フォールディングハンターBUCK #112 レンジャーBUCK #112FGBUCK バンタム BLW 285
商品名BUCK #110 フォールディングハンターBUCK #110FG フォールディングハンターBUCK #112 レンジャーBUCK #112FGBUCK バンタム BLW 285
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アウトドアおやじが100回使ったギア

キャンプ歴40年。登山に渓流釣り、バイクでのアドベンチャーツーリングと、国内外でさまざまなアウトドア経験を積んできたライター丹羽孝之。数々のキャンプギアとの出会いと別れを繰り返してきた"アウトドアおやじ"が、「100回は使った!」と断言する至高のアイテムを紹介。



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