冬場だけ車中泊という手はアリ?家族でキャンピングカーを見学&試乗してみた
冬キャンプに初めて行こうとすると、寒さ対策のため、手持ちのキャンプギア以外に冬用装備が必要。追加のギア購入コストがそれなりにかかります。そこで、冬はキャンピングカーのレンタルに切り替えるというスタイルを検討。hinata編集部員が家族でキャンピングカーの見学に行き、プロに運転の注意点やアドバイスを聞きました!
春夏秋はマイカー、冬だけキャンピングカーレンタルという選択
ミニマルファミリーキャンパーを目指し、ギアのリニューアルを進めているhinata編集部の朝倉ファミリー。冬のキャンプは、とくに荷物がかさばるので、いっそのこと季節限定でキャンピングカーに切り替えるというスタイルを検討しました。冬キャンに必要なギアを追加で購入するのと、キャンピングカーレンタルしたときの費用感を徹底的に洗い出し比較したところ、キャンピングカーレンタルの方がお得という結果に。
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ひとまず、キャンピングカーの見学に行ってみよう!
夫婦ともに自家用車の運転はしますが、キャンピングカーを運転したことは一度もありません。一般のレンタカーのように予約をし、当日いきなり運転するのは不安です。そこで、湘南・茅ヶ崎のキャンピングカーレンタルサービス、
NATIVE CARAVAN(ネイティブ・キャラバン)へ相談したところ、キャンピングカーの見学と試乗を快く承諾。夫と小学生の娘の3人で行ってきました。
キャンピングカーのご案内をしていただく滝島さん
NATIVE CARAVAN代表取締役
滝島大介
都内や湘南のウェブ制作会社を経て、2017年神奈川県茅ヶ崎市でNATIVE CARAVANを創業。キャンピングカーやアウトドアレンタル事業から開始し、2019年ウェブ・動画制作事業をスタート。ローカルからローカルへ、常に時代の変化をキャッチして、いまの時代に合わせたクリエイティブを提案しています。趣味は旅や登山、野外フェスへとアクティブに活動すること。
▼NATIVE CARAVANについて知りたい方はこちらの記事をチェック!
「キャンピングカーレンタル」で、仕事と遊びの境をなくす。新しい「旅」の形とは?
家族や仲間とくつろぎながら移動できる、夢のような乗り物キャンピングカー。公共交通機関で遠出するのもためらわれるこのご時世だからこそ、キャンピングカーをレンタルして、プライベート空間で「移動」そのものを楽しむのもひとつの楽しみではないでしょうか。神奈川県茅ヶ崎市でキャンピングカーのレンタルサービスを営む「NATIVE CARAVAN」代表の滝島さんに、多様化するキャンピングカーの活用法について教えてもらいました。
キャンピングカーの特徴を紹介!
今回お借りするのは、「アミティ」という車両。6人が乗車・就寝できるということですが、実際見てみると想像していたよりもコンパクトな印象を受けました。運転席はマツダの「ボンゴバン」がベースとなっており、車高は普通車※より少しだけ高く、普段車を運転している人なら、そう難しくはありません。
▼アミティのスペック
車両名:アミティ
乗車定員:6名(就寝定員/6名)
車体寸法:全長464cm×全幅198cm×高さ274cm
エンジン:ガソリン
駆動方式:2WD/AT
※普通車=普通自動車…ナンバープレートが3で始まり、乗用に使う定員10名以下の車とします
キャンピングカーの鍵は「一台ひとつ」じゃない!?
⻘シール:メインキー
⻩色シール:後部座席ドアキー
緑シール:ガソリン給油口外側キー/車両後部サイドトランクキー
白シール(写真では親指で隠れています):エアコン熱交換排気ドアキー
最初に、ひととおりアミティの取り扱い方について説明していただきました。滝島さんの手には色付きのシールを貼った鍵の束がじゃらり。アミティでは、エンジン用のキーの他に4種類のキーを使います。自家用車ではエンジン用とドアの開閉用が一体になったものひとつだけなので、鍵の多さに驚きました。(覚えられるか心配でしたが、お客様お渡し用のマニュアルに記載されているので大丈夫です!)
サイドオーニングでキャンプ気分を盛り上げる!
「これ、みなさんが喜ぶやつです〜」と、楽しそうにフック棒のようなものを手にもつ滝島さん。棒をアミティ左側上部の端に差し込み、クルクルと回すと、シャッターのようなものがスルスルと出てきました。
「これはサイドオーニングといって、日よけやちょっとした雨よけになる、タープのような役割を果たしてくれるものです」と説明してくれました。オーニングの先端部分に収納されている足で固定し、高さの調整も可能。オーニングを出す量によって奥行きも調節できます。
車中泊中、寒さをどうしのぐ?
今回、キャンピングカーを借りる一番の目的は、寒さ対策に必須なギアを購入しないで済むこと。つまり、車中泊でストーブやポータブル電源の力を借りずに、暖をとれるというのが大きなメリットです。走行中は自家用車と同じで、エンジンが稼動することによってエアコンを使い続けられますが、車中泊中はどうなるのでしょう。滝島さんに疑問をぶつけてみました!
テレビや冷蔵庫が使えるのは、サブバッテリーのおかげ
——走行中は、エンジンが稼動しているのでエアコンを効かせられますが、停車中の車中泊では、どう暖をとるのでしょうか。基本的に、車中泊中はエンジンを切るのがマナーだし、エンジンを切ったままエアコンやライト類を使用するとバッテリーが上がってしまいますよね。
滝島:キャンピングカーには、もともと搭載されているメインバッテリーの他に、サブバッテリーが搭載されています。キャンピングカー後方の居住スペースに設置されている電化製品などには、このサブバッテリーを使うので、エンジンを止めている間も使用できるんです。
アミティにもこのサブバッテリーは搭載されていますが、エアコンは消費電力が大きいので、サブバッテリーでは駆動しません。車中泊でエアコンを使う場合は、電源供給のあるキャンプ場やRVパークなどで使用してくださいね。
——なるほど。サブバッテリーのおかげで、テレビや冷蔵庫、電子レンジなどの便利な家電が車の中で使えるんですね。この大事なサブバッテリーはどうやって充電できるんですか?
滝島:サブバッテリーは、走行してエンジンを稼動させること、また外部の電源に接続することで充電できます。外部電源のない同じ場所で連泊しない限り、バッテリーが上がることはまずありません。翌朝移動したり車を動かせば、サブバッテリーは充電されるわけなので。
いざアミティへ乗車!
ひととおりアミティの特徴を知り得た上で、いよいよ内部へお邪魔します。ドアを開け、土足のまま勢いよく中に入ろうとすると…「ストップ!」と滝島さんの声が。どうやら後部の居住スペースには靴を脱いであがるそう。ドアの左側に靴箱があるので、そちらに収納します。
まずは滝島指導員に運転してもらいます
いきなり運転はためらわれるので、まずはプロに運転してもらいます。人が運転するキャンピングカーに乗せてもらったことはありますが、運転席や助手席に座るのは初めて。実際に乗ってみたところ、車高はバスやトラックほどは高くなく、自家用車より若干高い程度に感じました。
【キャンピングカーの運転で特に注意すべき点】
・車幅が広めなので右折・左折するときや、細い道に入るときにこすりやすい
・上部が高く、トンネルやガード下など、道によっては通れない
・重心が高いため、急ハンドル・急ブレーキは危ない。横風を受けやすい
・意外と小回りが効くので、ハンドル操作に注意する
いよいよキャンピングカーファーストドライブ!
ドライバー交代で夫がハンドルを握ります。普段、自家用車の運転は休日中心。キャンピングカーの運転にはあまり自信がなさそうでしたが、実際アミティに乗ってみたところ、「運転しやすい」とのことで一安心です。
試乗した茅ヶ崎は道が狭く、地元住民、滝島さんのアドバイスを十分に受けながらのドライブ。自分たちだけで出かけるときは、滝島さんに教えてもらったことに細心の注意を払いながら、夫婦で助け合って運転に臨もうと思います。
ムスメは人生はじめてのキャンピングカー体験に上機嫌。前もって画像や動画でキャンピングカーを見せると、目をキラキラさせながらこの日を楽しみにしていました。
運転席の真上は車中泊用のベッドになっており、小窓もついています。あがってみると、車内が一望でき、自家用車では見られない景色が眺められました。これもキャンピングカーの醍醐味のひとつ。
後方部分は、運転席から見て左側にダイニングテーブルと2人掛けの椅子が向かい合うように2組。右側にコンパクトなキッチンが配置されています。最後部は2段ベッドになっており、ここにも小窓が。空気のきれいな場所での車中泊なら、星空を眺めながら眠れそうです。
子どもと猫は高いところが大好き。ムスメは車内を動き回り、気がついたら2段ベッドの上にカーテンをして隠れていました。隠れ家みたいで、この場所が一番気に入ったよう。
キャンピングカーレンタルで注意すべき盲点
たとえ注意しながら運転していても、慣れないレンタルキャンピングカーでは、事故も少なくありません。万が一事故を起こしてしまった場合のことを想定し、自身で加入されている自動車保険に、他車運転特約などが付帯されているか、事前に確認しておきましょう。
加入している保険なしで事故を起こしてしまった場合、お店の保険が適用されますが、免責(保険で保証されない金額)や、ノンオペレーションチャージ(営業保証)を設定しているお店がほとんど。レンタルキャンピングカーでの事故は、一般のレンタカーの事故に比べ、保険適用外の請求が高額になることがあります。お店によって規定が違うので、借りる前によく確認することが大切です。
プランを立てて、旅に出よう
キャンピングカーを実際に乗ってみたり、プロに疑問をぶつけてみたことで、不安に感じていたことや、懸念点が解消されました。キャンピングカーの運転は、自家用車とは勝手が違います。もし少しでも不安のある方はお店に相談し、レンタルする前に見学や試乗しておくと、家族で安心して出かけられますよ。
不安が解消されたら、次はキャンピングカー旅の計画。自家用車とは一味も二味も違う冬キャン体験を、心置きなく思い切り楽しみたいと思います!
撮影/取材協力:
NATIVE CARAVAN