みんなと同じじゃつまらない!キャンピングカーレンタルは手軽に非日常を手に入れる最良の手段だった!
「キャンピングカーレンタル」で、仕事と遊びの境をなくす。新しい「旅」の形とは?
2022.01.01ライフスタイル
家族や仲間とくつろぎながら移動できる、夢のような乗り物キャンピングカー。公共交通機関で遠出するのもためらわれるこのご時世だからこそ、キャンピングカーをレンタルして、プライベート空間で「移動」そのものを楽しむのもひとつの楽しみではないでしょうか。神奈川県茅ヶ崎市でキャンピングカーのレンタルサービスを営む「NATIVE CARAVAN」代表の滝島さんに、多様化するキャンピングカーの活用法について教えてもらいました。
制作者
hinata編集部 朝倉奈緒
ファッション誌の広告営業、音楽業界であれこれと経験し、出産を機にフリーランスへ転身。フェス取材や夫が出演するキャンプインフェスへの同行を重ねてキャンプの経験値を上げ、hinata編集部へ。気づけば夫婦でのキャンプ歴12年目。主にファミリー、料理系の記事を担当。
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もくじ
広がるキャンピングカーの可能性
キャンピングカーはキャンパーをはじめ、アウトドアや冒険、旅が好きな人、大人も子どももみんなの憧れ。「動く家」として、車内には基本的な住環境設備が整えられ、冬は凍える心配なく、夏はエアコンで快適に出かけられます。そんなキャンピングカーに、一度は乗ってみたい!と思っている人も多いはず。
とはいえ、キャンピングカーを購入するというのは、費用やメンテナンスの手間などを考えてもなかなかハードルが高いもの。そこで、キャンピングカーのレンタルサービスを仕事とし、プライベートでもキャンピングカーを愛用するNATIVE CARAVAN代表の滝島さんに取材。
キャンピングカーを「持つ」のではなく「シェアする」選択に切り替えることで、夢を叶えた人たちのエピソードとともに、これからのキャンピングカーライフについて語っていただきました。
NATIVE CARAVAN代表取締役
滝島大介
都内や湘南のウェブ制作会社を経て、2017年神奈川県茅ヶ崎市でNATIVE CARAVANを創業。キャンピングカーやアウトドアレンタル事業から開始し、2019年ウェブ・動画制作事業をスタート。ローカルからローカルへ、常に時代の変化をキャッチして、いまの時代に合わせたクリエイティブを提案しています。趣味は旅や登山、野外フェスへとアクティブに活動すること。
キャンピングカーを仕事にしながら遊ぶ。夢のようなバンライフ
もともと、WEB制作の仕事をしていた滝島さん。湘南・茅ヶ崎に引越し、「単純に、自分がキャンピングカーに乗りたいから」という理由でキャンピングカーのレンタルサービスをはじめたといいます。
滝島大介さん(いか「滝島さん」):キャンピングカーは欲しいけど、自分が所有するのは維持費やコストの面でハードルが高いなと思って。Airbnbの登場でバケーションレンタルやシェアハウス・シェアオフィスが普及して、人に貸したり、人と“シェアする”という概念が定着しつつあるじゃないですか。
そこで、キャンピングカーのレンタルも需要があるなと感じて。銀行にお金を借りて友人と貯金を出し合い、キャンピングカーを2台買って、キャンピングカーレンタルサービス“NATIVE CARAVAN”をスタートさせました
そうして、手に入れた念願のキャンピングカー。お客さんからの予約がない日は、滝島さんやスタッフの方たちが利用しています。キャンピングカーやアウトドアの撮影で収益を得ながら、プライベートでも仲間とともにフル活用。NATIVE CARAVANで働くスタッフの方たちは、みんな生き生きとしていて幸せそうにみえました。
滝島さん:スタッフは割引きでキャンピングカーを借りれるので、宮崎までサーフトリップに行った人もいます。うちで働いてもらっている特権ですね。
キャンピングカーで、移住先を決める旅
そんな滝島さんが代表を務めるNATIVE CARAVAN(以下NC)。通常のキャンピングカーレンタルショップとは違う、少し変わった取り組みをしています。
滝島さん:以前、下北沢のある音楽バーの店長さんから、キャンピングカーで移住先を探す旅がしたいと相談を受けて。最終的に、熊本でいいところが見つかったので移住されたのですが、そういった相談、うちの会社は大歓迎。全力で応援したいので、格安で貸しましたね。
湘南の人気美容師さん夫婦から、人の髪を切って全国を旅する「CUTRIP」という企画を提案されたときも、キャンピングカーを協賛として使ってもらった、と楽しそうに話します。
滝島さん:昨年は、ヨガのインストラクターをしている知り合いが、キャンピングカーで自分の活動を広める旅がしたいと話してくれて。コロナ禍でみんなが外出しづらいとき、自分から訪ねていって、みんながリフレッシュできるようなイベントを開催したいと。そういうことであればぜひにと、うちは協賛してキャンピングカーを貸したんです。
滝島さん:協賛する代わりに、“#NATIVECARAVAN”とハッシュタグつけてSNSなどでPRしてもらう。そういった活動のおかげで、フォロワー数がすごく増えたり、「〇〇さんが借りていたキャンピングカーだ!」といって、口コミで広がったりします。結果、全国に友達が増えて、借りてくれる人も増える。うちとしてもプラスになっているんです。
ピンチをチャンスに変え、さらにファンを増やす
キャンピングカーを媒介に、全国に友だちも増える!と、順風満帆のように思われるNCですが、もちろん、いいことばかりではありません。
滝島さん:キャンピングカーのレンタルは、交通事故が多いんです。うちの場合、1年間で2~3件くらいは事故が起きています。事故が起きてしまったあと、修理期間中その車が貸せなくなります。うちは車の台数が少ないので、提携している他の店舗に代車を用意してもらえるか、相談しなければなりません。そして用意できない場合、すでに予約いただいているお客さんに、止むを得ずキャンセルさせて頂く場合もありました。
滝島さん:修理費や営業ができなくなってしまうダメージよりも、キャンピングカーでの旅を楽しみにしてくれている、お客さんの信頼を裏切ってしまうダメージの方が大きい。
なので、車を貸せなくなってしまったお客さんへ、お詫びに別の旅のプランを考えて提案してあげたり、NCで有料レンタルしているアウトドア用品を無料で貸してあげたり。
そういう対応をすることで、非常に残念に思われてたお客様にも、逆に『ありがとう』と言ってもらえることも多いです。
NCは地元・湘南のローカルイベントや催事に積極的に出展したり、手描きのイラスト付きチラシを友だちのお店に配って歩いたり、またSNSを駆使したりと、口コミで少しずつその名を広めていきました。
ピンチのとき、一人一人に寄り添うきめ細かな対応ができるのも、ファンを増やすゆえんに違いありません。
1年で340日間眠っているキャンピングカー。僕らの手で元気にしたい
この勢いで、キャンピングカーのレンタル事業を拡大するかというと、規模自体は継続していくつもりだという滝島さん。どうやらそのエネルギーの矛先を、方向転換するようです。
滝島さん:今、日本全国で所有されているキャンピングカーのうち、年間の稼働率は平均で20日間ほどと言われています。1年のうち、約340日は駐車場に眠っているキャンピングカーがほとんどなんです。
僕らに空いているキャンピングカーを貸してもらえれば、おもしろい事業へと展開できます。個人でも法人でも、眠っているキャンピングカーのオーナーさんたちと手を組んで、今後はそれを活用するビジネスのプラットフォームを作っていきたいと思っています。
NCは、今月からキャンピングカーの販売も開始しました。さらに地元茅ヶ崎に、キャンプ場を作る計画中なのだとか。
自分の好きなキャンピングカーを、ビジネスにもプライベートにも応用し、仲間とともに人生を謳歌し続ける滝島さん。今後も目が離せません!
撮影・取材協力:NATIVE CARAVAN