決定版はコレ!焚き火マイスターが厳選した注目の焚き火台【焚き火台ソムリエ・鑑賞編】
2021.11.11キャンプ用品
大手アウトドアブランドから新興ガレージブランドまで、連日のように新作がリリースされている焚き火台。情報の海におぼれるキャンパーのため、焚き火マイスターの猪野正哉さんが、定番から最新作までの「現時点で買って間違いない」という焚き火台をピックアップ。鑑賞と料理、兼用の3分野に分け、炎の美しさや機能性などの特徴を3回連載で解説してくれました。
もくじ
焚き火マイスターが厳選した焚き火台「2020年決定版」
タイプ別に注目の焚き火台を徹底解説
数多くの種類がある焚き火台を選ぶ際には、まず自分が何を重視しているのかを決めるのがポイント。炎をじっとながめる「鑑賞」か、キャンプならではのレシピを楽しむ「料理」、料理と鑑賞のどちらもバランス良くできる「兼用」に分けて考える必要があります。
そこで、焚き火の専門家と知られ、数々のメディアで活躍中の焚き火マイスターの猪野正哉さんが忖度なしに解説。それぞれのジャンルで、注目している焚き火台3台を厳選してもらいました。初回はキャンプの夜に炎をじっとながめたい鑑賞におすすめの焚き火台です。
焚き火マイスター・猪野正哉(いの まさや)さんプロフィール
炎の魅力を伝える「焚き火マイスター」。アウトドアプランナーとして、フジテレビのトーク番組「石橋、薪を焚べる」の焚き火監修や、BS日テレ「極上!三ツ星キャンプ」で活躍。ライターやモデルとしても活動し、各メディアで焚き火やアウトドアの魅力を積極的に発信中。今年には、新たに創設された「日本焚き火協会」の会長にも就任。
新生ミタリワークスが生み出した2020年の最高傑作
「アート系焚き火台」のTakibi Stand(タキビスタンド)
猪野さんがまず観賞用の焚き火台として真っ先に注目したのが、新生ガレージブランド「MITARI WORKS(ミタリワークス)」」が今秋にリリースした「Takibi Stand(タキビスタンド)」。鉄の花が開いたような斬新な形状だけでなく、直火感覚で焚き火が楽しめるようにしたデザインが、有名セレクトショップの目にも早くも留まっています。
キャンプ歴10年のデザイナーが「自分が使いたいと思う焚き火台を自分で作ってみたい」というところから商品開発が始まったタキビスタンド。猪野さんも実際に使ってみてそれに気づいたようで、「焚き火台が好きな人が作っているんだろうなあ、というのが伝わる作りです」と第一印象を語ってくれました。
「芸術的なデザインをしたアート系の焚き火台として、トリパスプロダクツのグルグル・ファイヤーが昨年から高い支持を得ていましたが、そのライバルになり得る存在です」と断言。
「場所は選ぶ」焚き火台
▲ミタリワークスの焚き火台を試す猪野さん
ただ,風防がないため、灰が散らばることは懸念。灰の受け皿となるトレーも用意する必要があります。さらに猪野さんは「砂利か土の上で使う必要があります。芝生のサイトでは、難燃シートを使っても耐えられないと思うので、使用する場所も選ぶことは留意すべきでしょう」と指摘してくれました。
おすすめは意外にも初心者!?
個性的なデザインでありながらも、猪野さんがおすすめするキャンパー像は、意外にも初心者。「料理ができる五徳もオプションで付くのですが、焚き火が好きな人に『こんな焚き火があるのか』と、焚き火の本当の良さを知ってもらえる一台だと思います」。
サイズはS、M、Lの3サイズ展開。基本は、プレート3枚と三角形のロストルで構成。そこに「Plus1」というプレート1枚と四角いロストルが追加された商品を購入すれば、花びら部分のプレートが4枚になり、サイズ感がアップ。開口部が広がり、より直火感を楽しめるようになります。
「薪を自由に組めるのもいいですね。オーソドックスに薪を井の字に重ねる『井げた組み』も楽にできます。『超直火』の感覚はデザイン以上の価値がありますね!」。猪野さんも撮影中、直火感覚で、炎を眺め続けていたのが、そのことを何よりも物語っていました。
【基本情報】
商品名:Takibi Stand S
サイズ:開口部170×170mm
重さ:650g
価格:17,600円(税別)
詳細はこちら:MITARI WORKS公式サイト
新生ガレージブランドの衝撃デビュー作!直火感覚の焚き火台「Takibi Stand」とは?【取材】
新生ガレージブランド「MITARI WORKS(ミタリワークス)」が、直火のような迫力と温かさを感じられるこだわりの焚き火台「Takibi Stand(タキビスタンド)」を発売しました。唯一無二のデザインを誇る焚き火台が生み出されるまでを、ブランド立ち上げのきっかけとともに取材しました。
沈黙を破ったあの人気ブランドの新作!
ファン待望なだけではない、チャムスの焚き火台
ブービーバード(カツオドリ)のロゴでおなじみの人気アウトドアブランド「チャムス」。10月に発売されたブランド初の焚き火台が「BOOBY FACE FOLDING FIRE PIT(ブービーフェイスフォールディングファイヤーピット)」です。
「チャムスの文字が炎で浮き立つので、チャムスファンなら、垂涎モノです。このアメリカンな良い感じの『ダサかっこ良さ』にチャムスぽさがありますが、これは好みは分かれそうですね(笑)」。猪野さんは観賞用の2つ目にチャムスの焚き火台を選んだ理由について、このように語ってくれました。
ただ、猪野さんが注目したのは、ブービーバードがデザインされた焚き火台だからではありません。販売価格が1万円ほどながら、耐久性のありそうな厚みのあるステンレス素材が採用され、下からも空気が入りやすい構造。組み立ても簡単で、焚き火台としての機能もあなどれない点を高評価しています。
「幅、奥行きともに約35cmの正方形で、このサイズ感なら冬に暖まるのにも最適です。一斗缶のようなデザインで、個人的にも街中で昔によく見た焚き火を思い出すのが好印象で、観賞用のおすすめ焚き火台の一つに選びました」。
【基本情報】
商品名:BOOBY FACE FOLDING FIRE PIT(ブービーフェイスフォールディングファイヤーピット)
使用サイズ:35cm×35cm×36cm
収納サイズ:35cm×10cm×36cm
重さ:約6.1kg
販売価格:9,800円(税別)
詳細はこちら:チャムス公式サイト
金属加工のプロが作った新進気鋭ブランド「muraco(ムラコ)」
「軽ければいいわけではない」と教えてくれる焚き火台
金属加工のクラフトマンシップを生かした新進気鋭のアウトドアブランド「muraco(ムラコ)」。金属加工のノウハウを注ぎ込んだ焚き火台が「SATELLITE FIRE BASE(サテライトファイヤーベース)です。
組み立ては、火床となるマイクロメッシュの四隅についたカラビナを、引っ掛けるだけのシンプルな設計。「メッシュの焚き火台は残った炭の処理も簡単です。ただ、燃焼効率が良すぎるので、薪をくべる頻度は増えます。焚き火がやや忙しくなるのを知った上で、楽しめる人に向いています」。
最近は山登りやキャンプでもUL(ウルトラライト)が潮流ですが、「軽ければいいというわけではありません」と考えている猪野さん。人気の軽量焚き火台もありますが、素材が薄すぎて手を切りやすかったり、ゆがみやすかったり。さらに、風が強いと焚き火台が飛ばされてけがのもとにもなることも。サテライトファイヤーベースの重さは1.7kgと最軽量レベルではありませんが、「手軽に安全な焚き火台を楽しみたい人におすすめの一台」とのこと。
「絶妙な重量と機能性をうまく両立させているのが、サテライトファイヤーベースです。収納時は折りたたみ傘より一回り大きい直径約7cmほどになるので、バイカーや自転車の人でもしっかりと焚き火を楽しみたい人に向いています」。
【基本情報】
商品名:SATELLITE FIRE BASE(サテライトファイヤーベース)
使用サイズ:46cm×43×24cm
収納サイズ:直径7cm×長さ41cm
重さ:1,790 g
販売価格:17,000円(税別)
詳細はこちら:muraco公式サイト
次回の焚き火台特集は「料理編」
鑑賞に特化した注目の焚き火台を紹介してくれた焚き火マイスターの猪野さん。「オプションで調理用の五徳も用意しているモデルもありますが、炎を鑑賞するには、油汚れやベトベトが気になるので、理想的には鑑賞と調理で用途別に2台持つのがおすすめです」と最後に語ってくれました。次回は「調理」に特化した焚き火台を特集。納得の最新作から意外なものまでを解説してもらいます。
撮影:山田 裕之
出典:Amazon
焚き火マイスター猪野正哉さんが執筆した焚き火の解説本。焚き火台の形状の違いによる特徴や、焚き火に必要な道具、楽しみ方のスタイルなどを徹底解説。豊富な焚き火の写真にも癒やされます。