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焚き火をしながら料理する猪野さん

焚き火マイスターが厳選。2020年注目の焚き火台はコレ【焚き火台ソムリエ・調理編】

※本記事には一部プロモーションが含まれます

大手アウトドアブランドからガレージブランドまで、新作が相次いでリリースされている焚き火台。焚き火マイスターの猪野正哉さんが迷えるキャンパーのため、定番から最新作までの「現時点で買って間違いない」という焚き火台をピックアップしました。鑑賞と料理、兼用の3分野に分けて解説。今回は「料理」に使える焚き火台3つを厳選しました。

焚き火マイスターが厳選した焚き火台「2020年決定版」

タイプ別に注目の焚き火台を徹底解説

ミタリワークスの焚き火台
数多くの種類がある焚き火台を選ぶ際には、まず自分が何を重視しているのかを決めるのがポイント。炎をじっとながめる「鑑賞」か、キャンプならではのレシピを楽しむ「料理」、料理と鑑賞のどちらもバランス良くできる「兼用」に分けて考える必要があります。 そこで、焚き火の専門家と知られ、数々のメディアで活躍中の焚き火マイスターの猪野正哉さんが忖度なしに解説。それぞれのジャンルで、注目している焚き火台3台を厳選してもらいました。今回はキャンプでの調理を重視したい人向けの焚き火台です。

焚き火マイスター・猪野正哉(いの まさや)さん

焚き火をする猪野さん
炎の魅力を伝える「焚き火マイスター」。アウトドアプランナーとして、フジテレビのトーク番組「石橋、薪を焚べる」の焚き火監修や、BS日テレ「極上!三ツ星キャンプ」で活躍。ライターやモデルとしても活動し、各メディアで焚き火やアウトドアの魅力を積極的に発信中。今年には、新たに創設された「日本焚き火協会」の会長にも就任。

焚き火シーンを盛り上げるL字型の革命児

flames(フレイムス) ファイヤースタンド

FLAMSの新作焚き火台
前回は「鑑賞」をテーマに、注目の焚き火台3台について紹介してくれた猪野さん。今回の「調理」編で、さっそく新作の中から選んでくれたのが、名古屋のバーベキューギアブランド「flames(フレイムス)」が手掛ける新作「ファイヤースタンド」。 同ブランドは、金属部品を製造するナガサキ工業が2018年に立ち上げた新生ブランド。「ファイヤースタンドは、金属加工のプロたちが手がける確かな仕上がりはもちろん、あえてL字型にたたむようにしたデザインが『荷物のすき間に入れやすい』と今夏に焚き火界をざわつかせた逸品です」。実際に、クラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」でも約千人が購入するヒットになりました。

近代美術のような芸術性

近代美術のような焚き火台
「構成パーツは本体と脚部分が2つで、簡単に組み立てられるのも魅力です。これらのパーツを束ねる棒(バインダー)が五徳となり、クッカーやケトルはもちろん、串焼きができますよ!」 何よりも、猪野さんのお気に入りは焚き火台からにじみでる「近代美術」的な雰囲気。いまにも動き出しそうな機械感が、SF映画好きな男性ソロキャンパーをとりこにします。
焚き火台を使った料理
ただ、デザインを優先すれば、どこかにあきらめなければいけない機能性があるもの。「底が三角形なので、灰がたまりやすいのは弱点ですね。でもそこも含めて、火を『育てる』楽しさを教えてくれる焚き火台です」。
L字型に収納できる焚き火台
【基本情報】 商品名:flames(フレイムス)ファイヤースタンド サイズ:37cm×23cm×21cm 重さ:約2.6㎏ 一般販売予定価格:14,300円(税・送料込)

「調理用」として意外な焚き火台がノミネート

尾上製作所 「CAMBi」(キャンビ)

CAMBi焚き火台の使用風景
次に紹介を受けたのが、質実剛健な焚き火アイテムで知られる尾上製作所(ONOE)のCAMBi(キャンビ)。紹介された瞬間に「本当に調理に向いているのですか?」と突っ込みたくなります。読者の声を代表して選んだ理由を聞けば、「ええ、これは調理用ですよ。串であぶるのに最適ですよね。凝った料理だけが、キャンプ料理ではありませんよ」とさらり。 確かに好きなことをしながら、開放感ある場所で食べる料理は何を食べてもおいしいもの。素材そのものの味を楽しむ串物でも、普段の日常生活では気づけない幸せを感じられるという、シンプルさを楽しむキャンプ本来の楽しみを教えてくれる焚き火台でもあります。

気にせず使える耐久性も魅力

シンプルなCAMBiの焚き火台
ロースタイルのチェアに合わせた焚き火台が多くある中で、CAMBiのポイントは、燃焼部が地面から離れた絶妙な高さ。「キャンプは地味な動きが多いですよね。特にローチェアに深く腰掛け、一回起き上がって薪をくべる動作も、酔っ払っていたりするとおっくうになります。その点、高さ40cm強になるのが使いやすく、便利です」。 尾上製作所によると、高さは無段階で調整でき、網を五徳代わりに置けば焚き火料理も楽々。高さ62cmまで高くすれば、サイト全体を照らすかがり火としても使えます。
CAMBiの焚き火台
焚き火台としても優秀で、広葉樹の太い薪でもよく燃えることを猪野さんは評価。鑑賞編では凝ったアート系の焚き火台を紹介した猪野さんですが、「何十回も使うなら、シンプルで飽きがこないデザインに限ります。生活必需品の金物を作っていた尾上製作所らしく、気にせず雑に扱える耐久性もあります。焚き火台は芸術品ではなく、ガンガン使う消耗品であるということを気づかせてくれる一台です」。 猪野さんのおすすめは、ブリキのバケツや一斗缶で焚き火をする光景をよく見ていた50〜60代の世代。「ノスタルジーを感じさせるだけでなく、若い人もシンプルに焚き火の良さを楽しめますよ」。
組み立て前のCAMBi
【基本情報】 商品名:CAMBi 使用サイズ:直径220mm×470〜620mm 収納サイズ:235mm×235mm×250mm 重さ:1.5kg 価格:5,000円(税別) 詳細はこちら:尾上製作所公式サイト

UCO フラットパックポータブルグリル&ファイヤーピット

UCOの焚き火台
「某有名ソロキャンパーが使っている500gを切るUL(ウルトラライト)系の焚き火台と比較すると1.75kgと重いですが、しっかりとした収納袋がついていて、ノート型パソコンを持ち運ぶ感覚でザックに入れられるのがポイントです」。網も付属しており、猪野さんは七輪感覚で使うことも提案してくれました。 さらに猪野さんが「余談ですが…」と教えてくれたのが、収納袋から判断する焚き火台の選び方。 猪野さんによると、焚き火台を選ぶときに重要な判断材料が、袋のクオリティ。「おしゃれなデザインのものは持ち運びが楽しくなりますが、逆にいうと、そこにコストをかけているということ。本体と比べて材質が見劣りするような場合には、それだけ焚き火台にコストをかけて作っているメーカーもあります。もちろん、袋も製品もそれぞれ残念なものはあります…」。
焚き火台の使用風景
UCOの焚き火台はコストパフォーマンスの高さも魅力。「1万円台後半の焚き火台が増えている中で、6,000~7,000円で購入できるのに、このバランスの良さは驚異的です。本体の使い勝手の良さやコンパクトさ、付属品などトータルで優れており、初心者の最初の一台としては申し分なく、ベテランも満足するほどバランス良く仕上がっています」。
UCOの焚き火台
【基本情報】 商品名:UCO フラットパックポータブル グリル&ファイヤーピット 使用サイズ:34cm×25.4cm×28.5cm 収納サイズ:37.5cm×27cm×3.5cm 重さ:1.75kg 価格:6,500円(税別) 詳細はこちら:モチヅキ公式サイト

次回の焚き火台特集は「鑑賞・料理兼用」特集

定番から新作まで、調理向きの焚き火台を紹介してくれた焚き火マイスターの猪野さん。おすすめは、鑑賞と調理での2台持ちです。ただ、初めての人にとって焚き火台をいきなり2台買うのは、難易度が高め。そこで次回は、鑑賞と料理がバランス良く楽しめる兼用の焚き火台を特集。納得の新作から、定番の名作までを解説してもらいます。

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